ジョージアとは、
- 西アジアの共和制国家。本項で記述。
- アメリカ合衆国の州。 → ジョージア州
- 日本コカ・コーラが販売する缶コーヒーのブランド。 → Georgia
- STGアプリゲーム『アズールレーン』の登場キャラクター → ジョージア(アズールレーン)
ジョージア(国家)
基礎データ | |
---|---|
正式名称 | ジョージア Georgia საქართველო(サカルトヴェロ) |
国旗 | ![]() |
国歌 | 自由![]() |
公用語 | ジョージア語 |
首都 | トビリシ |
面積 | 69,700 km²(世界第120位) |
人口(’09) | 約430万人(世界第122位) |
通貨 | ラリ(GEL) |
ジョージア (Georgia)とは、黒海とカスピ海に挟まれた比較的小さな国で、旧ソ連の構成国。1991年に独立した。ソ連の指導者スターリンの出身地。ワインも有名。旧称はグルジア。
ジョージアの国旗は五重十字旗(ファイブ クロス フラッグ)とも呼ばれる、聖ゲオルギウス十字(白地に赤の大十字)をエルサレム十字紋様(五重十字)に配置したもので、中世のジョージア王国(11~15世紀)で掲げられていたものが2004年に再び国旗として制定された。国章にもゲオルギウスの竜退治の様子が描かれている。国家の守護聖人もゲオルギウス。なおジョージア語ではゲオルギウスのことをギオルギと呼ぶが、このギオルギはジョージア人の男性で最も多い名前なのだとか。
概要
詳しい歴史・概要などはWikipediaにまかせて独立後から現在のジョージアについて簡潔に紹介しよう。
黒海に接しており、国境はロシア・トルコ・アルメニア・アゼルバイジャンと接している。交通の要所として古くからの文化が息づく。「ロシアの火薬庫」コーカサス地方に属する。
1991年のソ連解体と共に独立。しかし独立後の政権でも旧ソ連体制が続いたため、国民感情や治安の悪化、独立前から続く民族問題も手伝って紛争状態に突入した。その後のバラ革命によって政権が転覆、現在は反ロシア体制を取る。独立当初はジョージア共和国(サカルトヴェロ共和国)と名乗っていたが、1995年の憲法制定により正式名称がジョージア(サカルトヴェロ)となった。カナダやハンガリーのように国名の称号はないが、アメリカのジョージア州と区別するためにジョージア国と呼ぶことが多い。
その一方で、ロシア側は、カスピ海産の原油のパイプラインがあったり、チェチェン共和国(ロシア内)とも接している重要な地域のため、政治的協力を求めている。
国民はジョージア系(カルトヴェリ人)が約84%を占めるが、他民族・イスラム教徒それぞれを主とする3つの共和国[1]が独立を求めている。共和国となっているが、ジョージアの自治州(自治共和国)みたいな位置づけ。2008年北京オリンピック直前に起こったロシアとの衝突は、親ロシア地域の南オセチア共和国の自治権を取り戻そうと、ジョージア政府が、オリンピック開催直前の隙を突いて武力行使を行った[2]のが原因と言われている。
現在でもロシアと対立中であり、プーチン首相が、カメラの前でネクタイをかじった事のあるサアカシュヴィリ大統領に「夕食を食べるならネクタイを外したほうが良いのでは」と皮肉ったりしてる。
文化
「ジョージアの民族衣装がジェダイやナウシカみたいでかっこいい!」と、SNSで話題になった事がある。
「チョハ」と呼ばれるこの衣装は胸に小さな筒状のポケットがついており、元は火薬の入った筒を収納する為のものだった。これは戦闘服としての名残であり、現在では装飾となっている。
結婚式など祝いの席で着られる事が多く、男女ともにデザインが大変美しい。直近では2019年の即位礼正殿の儀にてティムラズ・レジャバ駐日ジョージア臨時代理大使がこれを着用して出席しており、Twitterに写真をアップしている。
アクロバティックな振付で知られるジョージアン・ダンスにて、チョハを纏ったダンサー裾を翻して踊るさまは美麗。著名なところではシルク・ドゥ・ソレイユの移動公演『Varekai』に演目として登場し、高い評価を得ている。
2020年10月、ジョージア伝統料理の一つであるチーズ入りパン「ハチャプリ」がテレビ番組で紹介されてTwitterトレンド入りを果たす。これに対し、ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア臨時代理大使がTwitterにて作り方を紹介するなどで更に話題を呼んだ。\プリキュアではありません/
国名呼称について
ジョージア=グルジアという国名は、中期ペルシャ語のグルジャーン(Gurğān 狼の国)に由来するといわれている。それを聞いたヨーロッパ人が「え?ゲオルギウスってあの聖人の?」とすてきな独自解釈をしたことで欧州各地でもGeorgiaやGeorgienなどと呼ぶようになり、中世とんで今日のジョージア国旗・国章に聖ゲオルギウスが象られる由縁となった。一方でロシア、旧現共産圏、中東諸国ではグルジャーンを聖人と結びつけることなくそのまま輸入して「グルージヤ」「グルジ」等と呼ぶ。もしもロシア語でもゲオルギウスに結びつけていたらおそらく「ゲオルギーナ」のように呼んでいたはずだがそうはならなかった。
日本語での旧称の「グルジア(Gruziya)」はロシア語由来でグルジャーン系統に属していた。しかしジョージア国民の反ロシア感情の高まりを受けたジョージア政府は、国名をグルジアの属するグルジャーン系統から、国旗・国章に見合ったゲオルギウス系統のGeorgia(英語ジョージア、イタリア語ジョルジャ、フィンランド語ゲオルギアなど)やそれに類する綴りに変更するように国際社会に要請しており、2014年には日本政府も要請に応じることを表明した。
ちなみに戦前の日本では「ジョルジア派」と「グルジア派」で翻訳が割れており、当時の政府としてはジョルジアを支持していたのだが、戦後に日ソ共同宣言のあたりから大人の事情でグルジアと呼ぶようになった。そして2015年4月22日、再び「グルジア」から「ジョージア」に変更された。こうして日本語でのジョージアの外名は「ジョルジア→グルジア→ジョージア」とほぼ一周したのであった。そこ、まるまる一周すればジョージア州と被らなかったのにとか言わない!
なお、現地のジョージア語(カルトリ語)では国の内名を「サカルトヴェロ(საქართველო Sakartvelo)」というがこれは「カルトヴェリ人の国」という意味。ジョージア語では「sa-X-o」(接周辞のsaとoの間に民族名Xを挟む)で「Xの住む土地」という意味合いになる。また日本人がジャパンを使う感覚で、ジョージア人も英語発音のジョージア(ჯორჯია Jorjia)をよく使うのだとか。
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関連項目
脚注
- ^アブハズ人の多いアブハジア自治共和国、オセット人の多い南オセチア共和国、イスラム系ジョージア人の多いアジャリア自治共和国。南オセチア紛争後にロシアがアブハジア自治共和国とオセチア共和国を認めているが、国際的には未だジョージアの一部となっている。
- ^ジョージア側は、国際的注目を浴びるために、オリンピック開催直前を狙い、自治州側が挑発したと言っている。
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