RX-81 ジーラインとは、メカニックデザイン企画『MSV』『M-MSV』に登場するモビルスーツである。
後に『機動戦士ガンダム戦記 BATTLE FIELD RECORD U.C.0081』やそのコミカライズにも登場している。
概要
G-LINE ジーライン (基本フレーム) | |
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型番 | RX-81 |
頭頂高 | 19.2m |
重量 | 37.0t / 72.0t(全備) |
出力 | 1,580kw |
推力 | 71,800kg |
搭乗者 | ユーグ・クーロ シェリー・アリスン ロブ・ハートレイ |
兵装 | 60mmバルカン砲×2 |
ビーム・ライフル | |
ビーム・サーベル | |
各種オプション |
RX-78「ガンダム」を基準に開発された量産型MS。
RGM-79 ジムのような簡易型ではなく、スペックを落とさずガンダムと同等以上の性能を目指して開発された完全な量産型となる。
その在り方は粗製乱造の前期生産型ジムよりも後期生産型ジムに近い。
一年戦争末期にFSWS計画と並行して開発がスタート。
あくまでガンダムの量産機として機動性と装甲の堅牢さの両立に成功しており、素体の基本フレーム上に各オプションを換装する事によって、様々な戦況・作戦への対応を実現するマルチロール型として設計された。
増加ウェポンシステムなど随所にFSWS計画を取り込み、GM系と比較すると高価な量産機になった。
一年戦争が早期終結に向かっため投入されること無く終戦を迎え、後に軍備縮小の煽りを受け開発自体が一度頓挫してしまう。その後、FSWS計画と共に随時新技術を織り込みつつ開発を再開している。
U.C.0081には少数がロールアウトされ、工業地帯の外れに秘蔵されていた2機がジオン残党の掃討任務に就いているファントムスイープ隊に配備、投入が確認された。
2つのガンダム量産機
ガンダムの量産機はRGM-79が有名だが、厳密にはRGM-79はガンダムの簡易量産型ではあっても完全な量産機ではない。苦渋の決断で戦時の簡易生産型としてコストを下げ、急増された機種だった。
よってRGM-79前期量産型のスペックも本来のRX-78系列からは一段劣り、外観も装備も全く異なる仕様となっている。
にも拘らず、RGM-79は多数のバリエーションに枝分かれし、一年戦争時にガンダム系ではなくGM系列として連邦での地位が確立されることになる。
RGM-79は、ガンダム系と比較するとスペックは劣るが、その代わりに機構も単純化・簡略化されており量産が容易だった。だが劣勢に置かされた当時の戦況が、モビルスーツの充分な配備を待ってくれず、開発から配備までの期間も相応に削られてしまう。
原因は「大艦巨砲主義にとらわれた連邦の腰の重さ」に他ならない。彼等はルウム戦役後、レビル将軍がMSの有用性を説くまでMSの採用に積極的ではなかった(当初、粗製乱造とまで言われた前期型ジムもその煽りを受けている)。
ジーラインはガンダムの量産構想であると同時に基本理念はGMの発展型であり、「換装による1機のMSの多様化」を実現。本機の換装はFSWS計画の延長であるため、基本フレームやオプションラッチ上に様々なオプションを取り付けるタイプを採用。
ジオンのゲルググと同じくガンダムTR-6、F90、Vガンダム等の多様化構想の先駆けとなっている。
MSV~PS3戦記(水天の涙)
開発計画は既にMSVの時点で触れられていたが、MSV時点では文字設定と型式番号のみの存在であった。
1990年、SDクラブのM-MSVにて、RX-81スタンダード、ライトアーマーと呼ばれるMSが公開された。メカニックデザインは大河原氏が担当。
PS3ソフト『機動戦士ガンダム戦記 BATTLE FIELD RECORD U.C.0081』で素体と詳細な設定・ストーリーが設定され、さらにアサルトアーマー形態が追加。デザインもカトキハジメ氏によってアレンジされている。
ジーラインの換装形態
その本質は先述通り「装備の換装」。1機のMSに格闘型や射撃型、高機動型など様々な性質を持たせ、さらに量産機をジーラインに一本化して生産ラインの混乱を避ける狙いもあったと考えられている。
各形態にさらにオプションを増設したものもあり、その状態は「フル装備」と呼ばれる。
- RX-81LA「ジーライン ライトアーマー」
軽装・高機動タイプ。ジム・ライトアーマーのコンセプト(一撃離脱)と名称を継承した形態。
ロングレンジ対応の頭部センサーユニットを装着し、脚部にスラスターを増設。新たに射程と威力に優れるヘビー・ライフルを装備。フル装備では6基のスラスターを備え中央に大型スタビライザーを装着したバックパックを新たに装備し、追加武装としてバックパックにミサイルランチャーを装着する。
攻撃面では軽量、高火力、長射程とどれをとっても優れている半面、防御面は最低限で、M-MSVの解説によるとザクマシンガンでも当りどころ次第で行動不能に陥る可能性があるとされる。
水天の涙作戦阻止の際にファントムスイープ隊のユーグ・クーロ隊長の搭乗機として活躍した。 - RX-81ST「ジーライン スタンダードアーマー」
標準的な装備。バランスに優れる。バレルを短縮化したショートビーム・ライフルを装備している。
フル装備では6基のスラスターノズルと2基のテールスタビライザーを増設した新規バックパックに換装し、バックパックにガトリング・スマッシャーをマウントする。基本的にゲームにはこのフル装備で参戦する。
フル装備では一見重武装に見えるが、スラスターが追加されているためある程度軽快に動ける。
コミカライズではファントムスイープ隊でのシェリー・アリスンが搭乗した。 - RX-81AS「ジーライン アサルトアーマー」
兵装を近距離向けのものに置き換えた近接格闘形態。暗に突撃形態とも呼べる。ジムストライカーとは共通点が多く装甲技術なども含め参考点も多いのではないかと推測される。
武装は専用のショットガンと先端部を赤熱化するヒート・ランス。シールド下部にグラップ・シールドのクローアームを装着したアサルトシールドを装備。 フル装備では新規の大型バックパックに加えてアサルト・キャノンを装着する。
コミカライズでは破損したシェリー機(ST形態)を修復後、本形態に換装し、同部隊のロブ・ハートレイが搭乗する事になった。 - RX-81FC「ジーライン フルカスタム」
「水天の涙」作戦阻止で多大な功績を収めたジーラインは、数年後も少数ながらその存在が確認されていた。U.C.0083の時代相当の最新チューニングを施した装備がフルカスタムである。上記の三つの形態の装甲をそれぞれ組み合わせ、更に増加装甲を追加し色をダークグレーに統一した機体で、固定兵装としてジム・キャノンⅡのビームキャノンをアサルトアーマーの大型バックパックに装備、格闘兵装としてジム・ストライカーのツイン・ビーム・スピアを小型化したようなツイン・サーベルを両膝に格納している。携行兵装にはヘビー・ライフルやアサルトアーマーのショットガンを採用、またグラップ・シールドのクローをワイヤー射出式にしたシールド・アンカーを新たに装備し、連邦の特務隊キルゲレス隊に配備されていた。元ジオン兵のゲール・ハントがパイロットを務める。
関連動画
関連静画
関連項目
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