スカラベとは、
ここでは1について記述する。
概要
代表的な種類はタマオシコガネなど。コガネムシ科の昆虫で、糞虫と呼ばれる一群の一種。別名「食糞性コガネムシ」とも呼ばれる。
そう、コイツらウンコを食うくせにあのコガネムシやカブトムシの仲間である。
動物のウンコをちぎり取って球体に加工したあと、逆立ちで丸めたウンコを起用に転がして安全な巣穴まで運んでいく。持ち込んだウンコは巣穴に埋めた後で自身の餌にしたり、生まれてくる子供のための食料にしたりする。
種類によっては加工せず、その場で食べるだけのヤツもいる。また転がしている最中に他のスカラベにウンコを横取りされてしまうことも。自然界は過酷である。
日本では博物学者のファーブルが『昆虫記』で話題に上げたことから、一般でも知られるようになった。
糞虫の生態、人間との関わり
糞虫は生態系において大きな役割を担っており、草食動物のウンコを巣穴に埋めることで植物の発芽を促したり、ウンコを食べて分解することでハエなどの増殖を抑えたりといった効果がある。
牧畜においても非常に重要な存在であり、糞の処理はこの種類に大きく頼っている。
オーストラリアなどでは牛糞の処分のために糞虫を輸入したこともある。生息する草食動物の食性に合わせた糞虫が地域ごとに存在しているため、別の地域から家畜を移植した際に、現地の糞虫では食性が合わずウンコを処理できなかったのが理由。意外と重要な存在なのだ。
日本では鹿の多い宮城、奈良、広島県などの地域に多くの糞虫が存在しており、奈良市には糞虫を展示・研究する「ならまち糞虫館」が開設されている。
残念ながら海外ほど大きな糞虫はおらず、転がしているところを見るのは難しい。
ウンコ必須の生物と思われそうだが、実は昆虫ゼリーも食べるので飼える。
種類によって食性が違ったりするので注意は必要だが、見た目が綺麗な種類も多いので、コガネムシの一種として普通に飼っている人もいる。
古代エジプトとスカラベ
古代エジプトでは、このウンコを大きな球体にして転がすさまが太陽を運行するように見えたため、太陽神ケプリ(太陽神ラーの形態の一つ、日の出を表す神。頭部がそのまんまスカラベの姿をしている)と同一視され、聖なる甲虫として神聖視された。このため、壁画に描かれていたり、スカラベのミイラが作られたりもした。
ちなみに、古代エジプトの人たちが聖なる甲虫としていたのは、正確には「ヒジリタマオシコガネ(スカラベ・サクレ)」という種類の方である。
それから重犯罪者をこの虫に食わせる刑罰「ホムダイ」にも欠かせない虫である…というのは映画『ハムナプトラ』で登場した創作のスカラベ。
この作品のスカラベは他の生物へ集団で襲い掛かる凶暴な昆虫として表現されているが、コガネムシ科にそのような獰猛な種類が見つかったことはない。
余談だが、丸めたウンコを巣に運ぶ際、昼は太陽の光を、夜は月の光を頼りに移動する。さらに太陽が天頂にある時は風を読んで移動し、月のない夜は天の川の星明かりを道しるべに運ぶという、割とガチで神秘的な生態を持つことが研究で明らかになっている。
関連動画
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関連項目
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