『スクウェア3大悪女』とは、ゲーム会社のスクウェア(現・スクウェア・エニックス)のRPGに登場する悪名高いヒロインたちである。
概要
1990年代のスクウェアは名作と呼ばれるRPGを多数世に送り出し、一躍人気のゲームメーカーとなった。
しかし当時のゲーム容量や締め切り事情を考慮しても、衝撃的な離反や同情しにくい行動をとる味方(仲間)ヒロインを理由に批判が起きる作品もいくつかあった。
該当キャラ
- ヨヨ(バハムートラグーン)
- アリシア(ライブ・ア・ライブ)
- ミレイユ(魔界塔士Sa・Ga)
リノア・ハーティリー(ファイナルファンタジーⅧ)
この4人に決まった経緯は不明。下記の経緯には明確なソースが無い。
スーパーファミコン後期に発売したゲームソフト『バハムートラグーン』『ライブ・ア・ライブ』に登場する、ヨヨとアリシアの行動に衝撃を受けたユーザーが、以前から悪女キャラで話題となっていた『魔界塔士Sa・Ga』のミレイユを加えて、「三大悪女」と括ったのがはじまりとされている。
しかし、『FF8』の発売以降、「三大悪女といえばヨヨ、アリシア、そしてFF8のリノア」と主張するユーザーが現れ、中にはミレイユを知らないユーザーがいたからか、「ミレイユ説」「リノア説」の二つが浮上し、ユーザー間で錯綜した。
この論争に決着はついていないものの、現在は「どちらが正しいか」ではなく「ヨヨとアリシアのインパクトが強すぎて、他はわりとどうでもいい」論調になっている。
影響力の強いスクウェアRPGということもあり、「スクウェア3大悪女」としてユーザーに広く知れ渡り、キャラも定着してしまった。今後の追加や除外は無いと思われる。
彼女たちは本当に悪女なのか?
悪女といっても、色香で誘ったり悪に魂を売って騙しうちする意味として使うことはあまりない。作品内の登場人物に害をなす、というだけでなく、遊んでいるプレイヤーのヘイトを集める、という2つの面もある。
主に発売当時の初回プレイヤーに与えた総評の部分が大きく、時代が経ち価値観が広がった現在や大人になったプレイヤーから見たら評価が変わっていることもある。
ヒロインに難があれ、本来の悪女とは程遠いといえる。いつまでも不必要に突っつくのは野暮だろう。
また、彼女らの存在によって作品ごと貶す感想が散見されるが、ゲーム自体はどれも良作である。幸いスクウェア作品はリメイクやリマスターが多いので、ぜひ購入してプレイしてほしい。
ヨヨ(バハムートラグーン)
詳しくは『ヨヨ』の単独記事を参照。
彼女なくしてこの言葉の誕生は無かったとも言われている。
バハムートラグーンにおけるヒロインで、序盤において主人公ビュウと良い仲なのだが、彼女は物語の途中で敵国に連れさらわれてしまい、再び会うまでの数年間で、彼女は自分によくしてくれる敵将軍パルパレオスにほれてしまう。
これだけなら男と女の話としてはかなりありふれた物語なのだが、彼女が叩かれる原因はこれ以上にその言動などにある。
具体的にはかつてビュウと訪れた教会(一緒に訪れたカップルは結ばれるという伝説がある)にパルパレオスと共に赴き、かつそこで彼に「思い出の場所なんだろう?」と聞かれたときに「思い出の場所なんかじゃない、私たちこれからはじまるんですもの」と言ったり、また自軍にヨヨやパルパレオスが加わった後彼女の部屋にいくとパルパレオスが急いでやってきたり(ヨヨはベッドで寝ている)、基本的にヨヨのベッドから手に入る「おうじょの???」、「12個入りのタンスのアレ」、「夜な夜なヨヨ様の部屋から苦しそうな声が聞こえてくる」といった発言など、あからさまに露骨な描写の多数、
そのほかパルパレオスの竜に乗ったときに「サラマンダー(ビュウの竜)より、ずっとはやい!」と言ったり、ビュウに対して「おとなになるって、かなしいことなの」と言ったり、ビュウ視点であるプレイヤーの心が傷つくような発言もあるため、かなり叩かれやすい人物となっている。
ちなみにこのゲームにおいて名前を変更できるのは主人公とヨヨ、そして竜なのだが、もし主人公に自分の名前、彼女に好きな子の名前でも付けた日にはきっとその惨状は目に余るものだったに違いない。うっかり名前をつけちゃって、入力を煽るテキストが入ってた、となる意見が出るほどの印象である。まぎらわいいがデマである。
アリシア(ライブ・ア・ライブ)
まず彼女が登場するLive a Live中世編のあらすじを説明する。
武闘大会で親友のストレイボウを破り優勝した主人公のオルステッドはアリシアに求婚し、彼女はこれを快諾。その夜、宴の後に城のテラスでアリシアは「誰よりもあなたを信じます」と誓うが、その直後現れた魔物により攫われてしまう。
その後オルステッドはストレイボウ、勇者のハッシュ、賢者のウラヌスらと共に魔王を討つが、アリシアを見つけることができず、勇者ハッシュは魔王との戦いで果て、ストレイボウは崩落に巻きこまれ、城へ帰ったオルステッドは魔王の幻影に惑わされ国王を殺してしまい牢獄へぶちこまれ、賢者ウラヌスは彼を逃すために犠牲となった。
オルステッドはウラヌスの言葉に従い、真実を確かめるべく再び禁断の地へ赴くが・・・。禁断の地で待っていたのは崩落にまきこまれ死んだはずのストレイボウだった。彼はオルステッドに抱いていた劣等感を爆発させ、彼を貶めるために罠による崩落を装い死を偽装し、オルステッドを国王殺しの罠に嵌めたのだった。彼を倒すとずっと探していたアリシアが現れるが、彼女が放った言葉は予想外のもので、オルステッドを非難しストレイボウを擁護するものだった。そして彼女は言うだけ言うとストレイボウの後を追い自決してしまう。
帰るべき場所を失い、親友だと思っていた者と愛する者に裏切られ、また彼らを失ってしまったオルステッドは絶望し、世界を憎み、彼は魔王オディオとなってしまう。
アリシアがスクウェア三大悪女のうちの一人とされるのは、上記のあらすじを読むと分かるが、
シナリオ冒頭で主人公の求婚を受け愛を誓ったはずの彼女が物語のクライマックスにおいて主人公を否定し、主人公を貶めたストレイボウに対して後追い自決するほどの愛情を抱いているという心変わりや、
親友に裏切られ、またアリシアに裏切られたことが主人公を魔王オディオへと至らしてしまい、その結果彼女たちの国(世界?)が破滅し、あまつさえ他の主人公たちの世界に危機を及ぼしてしまうことだろう。
各章の主人公らが中世世界へ集まる最終章においては「お願いです···止めてください…オルステッド」と語るが、これも自分の行動がオルステッドの魔王化とひいてはそれに伴う自国の破滅の原因の一つだというのに、いささか他人事すぎるといった批判意見もある。
また、彼女に関しては登場が最初と最後、最終章の一言だけということもあって、なぜそれに至ったのかという描写不足ゆえに心情などが分からないためプレイヤーとしては、彼女に全く感情移入できないという点もかなり大きく働いていると思われる。
ただ、そのため彼女が攫われ、最後に現れるまでの過程の解釈しだいでは彼女に対する印象が多少変わる部分もある。
ミレイユ(魔界塔士Sa・Ga)
塔の10F・空中世界を牛耳っていた白虎に対抗するため、姉のジャンヌと共にレジスタンスを結成。ミレイユと共に白のクリスタルの鍵を握る重要人物として白虎から狙われていた。親衛隊に襲撃されたところを主人公達に助けられたジャンヌはミレイユの救出を依頼するが、ミレイユは「わたしはつよいものがすきなだけ。レジスタンスなんてまっぴらよ!」と、白虎にさらわれたフリをして実は寝返っていた。白いクリスタル(偽)を発見し、白虎に用済みとして殺されそうになったミレイユをジャンヌがかばい死んでしまった。主人公達が白虎を倒して本当のクリスタルを手に入れるも、ミレイユは「はやくきえて!」と突き放した。この時は姉が死んだショックで動揺したという一部の見解はあるが、それを伺い知ることはできない。
「強者にひれ伏す口だけ女」と揶揄され、彼女に対する評判は元々悪かった。しかし、主人公の介入無しにレジスタンスとして白虎に抵抗し続けられていたかは疑問であり、アシュラ討伐後の塔1階で反省している事から、悪女枠として入れるのは微妙とされている。
リノア・ハーティリー(ファイナルファンタジーⅧ)
主人公スコール以外への恋愛描写を無理に引っ張り出すなら、本編では彼のライバルであるサイファーに軽い片思いをしていたかのような会話が僅かにあるだけで、これを理由に悪女だビッチだと罵るのは全くの見当違いである。
変わったトコはあれ、普段はポジティブでイイ子。他の3人に比べ、悪女というには程遠い。
元々ミレイユと間違えられて紹介されてしまい結果的に知名度の高さと当時の風潮などが重なり濡れ衣を着せられたのが主な理由だろう。
余談だが、実際に「バカおんな」と名づけてプレイする「バカゲー専科」の単行本がある。ただし、これはヒロイン憎しのあまり、作品の総評含めて偏見めいた内容となっている。
まさかの公式化
2018年に発売された『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』の追加要素である「闘技場」にて、参戦チームの一つとして「超女軍団」というチームが登場する。
「超女軍団」というチーム名自体は『ロマンシング サ・ガ3』にも登場した女性モンスターチームと同名なのだが、『緋色の野望』では女性型魔族3体で構成されたチームとなっている。
- 幼妖
- 在りし悪
- 美霊幽
どう見ても上記の3大悪女です。ありがとうございました。どうやら今回リノアは外された模様。
ちなみに、「幼妖」は「レンダーバッフェ」というドラゴン型の魔物を召喚するのだが、こちらも『バハラグ』の「サラマンダーより、ずっとはやい!!」でおなじみ、ヨヨが帝国の将軍パルパレオスと一緒に乗ったドラゴンの名前が元ネタである。
関連動画
関連項目
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