スクリャービンとは、ロシアの作曲家・ピアニストである。(Alexander Scriabin, 1872-1915)
生涯
モスクワの軍人貴族の家に生まれ、幼少期からピアノを始める。産褥熱で亡くなった母親はピアニストであった。 陸軍兵学校に進学するが、小柄で虚弱、楽才が顕著であることからモスクワ音楽院にも通学、後に転学する。
オクターブがやっと届く程度の小さい手であったにもかかわらず同級生と難曲制覇の競争を続け、やがて右手を故障してしまう。回復までの間、左手を特訓すると共に、作曲にも力を入れるようになる。 こうして「左手のコサック」と呼ばれる独特のピアノ書法を備えたロマン派作曲家・スクリャービンが誕生した。 在学中は同期生であったラフマニノフと双璧をなし、卒業時に主席の金メダルを分け合った。
1900年ころからニーチェ哲学・神智学に傾倒し、神秘主義的な作風に変化していく。 調性音楽から離脱し、神秘和音を特徴とする後期作品は、現代音楽の先駆者としての評価を彼に与えている。 中でも、彼自身の共感覚を生かして交響詩「プロメテウス」で色彩ピアノ(ピアノを弾くと音に応じて光が出る)を用い、 聴覚と視覚の統合をめざしたことは、五感すべてに訴えるマルチメディア的芸術の先駆けとされる。
1910年ころからレコードとピアノロールに自演を録音し、これは現在でもCDで聞くことができる。 1915年、虫刺されが原因の敗血症で急逝した。
有名曲(ニコニコ的に)
練習曲 op.8-12「悲愴」:初期の傑作曲。自演・巨匠の名演のほか、ニコニコピアニストの演奏も多数うpされている。
左手のための2つの小品 op.9(前奏曲と夜想曲):右手を痛めていたころの作品。つうかこれ、ほんとに左手だけなん?
ピアノソナタ9番「黒ミサ」op.68 :題名が厨二病。しかしぁゃしぃ雰囲気ムンムンの有名な怪曲。
交響曲第4番「法悦の詩」op.54 :後期の代表作寸止め感抜群のエクスタシーなポエム。 ふぅ…
その他:詩曲「炎に向かって」op.72 「プロメテウス―焔の詩」Op.60 等
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関連項目
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