スズキ・ソリオとは、スズキが2000年から生産しているトールワゴンである。
この項では前身モデルのワゴンRワイド、ワゴンR+、ワゴンRソリオ、派生モデルのシボレーMWについても記述する。
概要
1997年に初代のワゴンRをベースとしたワゴンRワイドを発売、2年後には2代目のワゴンRをベースとしたワゴンR+が発売された。もともと欧州市場で販売するために開発された車で、当時開発の盛んであったリッターモデルのハイトワゴン市場へ参入するために日本市場でも投入された。
ワゴンRワイド〜ソリオ(〜2代目)の競合車は日産・キューブ、ホンダ・キャパ、トヨタ・bBなど。
ソリオ(3代目〜)の競合車はトヨタ・ポルテ(トヨタ・スペイド)、ホンダ・フリードスパイクなど。
もともとはワゴンRをベースにしていたが、3代目以降のモデルはパレットをベースに開発されている。
歴史
ワゴンRワイド (初代・1997年~1999年)
1997年発売。ワゴンRをベースにバンパーの大型化やリッターエンジンの搭載などを施したモデル。室内は、全長、全高はあまり変わらないものの、全幅はボディがワイドかされているため広がっている。
エンジンは1000ccのみの設定で、NA仕様とターボ仕様が用意されていた。このターボ仕様は100馬力の出力を誇り、文字通りリッターあたり100馬力を達成した高性能エンジンとして宣伝されていた。
グレードは「XZ」/「XL」/「XM」/「XE」を設定、XZにのみターボエンジンが搭載されていた。
1998年にはマイナーチェンジを実施。バンパーデザインが変更された。ワゴンR+までの繋ぎとして出したようで、1999年には生産を終了している。
ワゴンR+ (1999年~2000年)
1999年発売。ワゴンRワイドの2代目に当たるモデルだが、諸事情により名称が「ワゴンR+(またはワゴンRプラス)」に変更された。
プラットフォームはワゴンRと共用ではなく、小型車用のプラットフォームをベースに開発されている。エンジンは先代と同じく1000ccのNAとターボを用意。グレードは「XT」/「XV」の2種類を設定。
2000年には一部改良を実施。名称をワゴンRソリオに変更した。
ワゴンRソリオ/ソリオ
ワゴンRソリオ (2000年~2004年)
2000年にワゴンR+が一部改良を受け、名称が「ワゴンRソリオ」に変更された。1000ccターボを廃止、代わりに1300cc NAを追加。
グレードは「1.3」/「21世紀スペシャル」/「X」を設定、1.3には専用のフロントデザインやリアテールランプが与えられ、スポーティな印象であった。
2001年に一部改良を実施。1000ccに装備を絞り、価格を100万円以下に抑えた「X-II」、エアロを装着した「SWT」が追加された。
2002年夏に一部改良を実施。インパネデザインに大幅な改良を受けた。
また、1000ccにはお買い得グレードの「E」と上級グレードの「S」が、1300ccにはシックな雰囲気を与えた「WELL」と従来の1.3に装備を追加した「SWT」が追加された。同年秋には新グレードとして1300ccにお買い得グレードの「E」と「WELL」にエアロを装備した「WELL S」が追加された。また、1000ccが廃止され、ワゴンR+顔のモデルが廃止された。
2004年には一部改良を実施、名称からワゴンRが外れ「ソリオ」となった。
ソリオ・2代目 (2004年~2010年)
2004年の一部改良により名称がソリオに変更された。また、名称変更を機にスポーティモデルの「SWT」が廃止されている。
2005年にはマイナーチェンジを実施。外装デザインが変更され、グレードは「E」/「WELL」の2グレードに絞られた。 このモデルではその安さからか、交番配置用のパトカーとして大量に導入されており、カルタスクレセントや初代スイフトからの置き換えが進んだ。
その後も小改良が行われ、最終的に2010年まで販売されていた。
ちなみにメディアや個人によっては此処を初代とする場合もあり、その場合は以降の世代がズレてくるので注意する事。
ソリオ・3代目 (2010年~2015年)
2010年12月発売。このモデルからパレットのコンセプトを継承し開発されているため、先代よりも室内空間がだいぶ広くなっている。
エンジンは1200cc NAを搭載。グレードは「S」/「X」の2グレードで、どちらにもエアロが装備されている。
2011年2月には廉価グレードの「G」を追加。このモデルではエアロを省かれている。同年冬にはスイフト等で先行搭載されていたアイドリングストップ搭載車を追加、また特別仕様車として「BLACK&WHITE」が追加。
2012年6月に派生モデル「バンディット」を追加、同年12月に特別仕様車の「BLACK&WHITE II」も追加。
2013年11月にアイドリングストップ搭載車に直噴エンジンの「デュアルジェットエンジン」と減速エネルギー回生機構の「エネチャージ」を追加して発売。
2014年2月にはコンパクトハイトワゴン初のミリ波レーダーを使用した衝突被害軽減ブレーキの「レーダーブレーキサポートII」搭載車が追加された。
パトカーとしての採用が進められており、さらにこのモデルから三菱自動車工業へOEM供給され「デリカD:2」の名称で販売されている。
ソリオ・4代目 (2015年〜2020年)
2015年8月発売。ボディーサイズは3代目とほぼ同じだが、新開発のプラットフォームを採用している。またこのモデルからセンターメーターを搭載するようになった。
エンジンは直噴エンジンの1200cc NA+モーター付発動機を搭載している([1]。グレードは「HYBRID MZ」/「HYBRID MX」/「G」の3グレード、バンディットは「HYBRID MV」のモノグレードとなっている。
安全面も強化しており、ステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキである「ステレオカメラブレーキサポート」や全方位モニター付メモリーナビゲーションを搭載できるようになった([2]。
第44回東京モーターショーでスズキ独自のハイブリッドシステムと5AGSを搭載した「ソリオ ハイブリッド」を出展していた。
2016年11月29日に5速AGSと駆動用モーターを搭載したハイブリッド車が追加された。グレードは「HYBRID SZ」、バンディットは「HYBRID SV」となっている。
ソリオ・5代目(2020年~)
2020年12月発売。ボディーサイズが全長80mm(バンディットは70mm)、全幅20mm拡大し、荷室床面長を100mm延長した。
エンジンは1200cc NA+モーター(HYBRID MZ/MX)、1200cc NA(G)で、前モデル当初とほぼ共通。一方でストロングハイブリッドモデルは廃止された。
全グレードでフロント・サイド・カーテンエアバッグを標準搭載。先代後期型で採用された「スズキ セーフティ サポート」が強化され、装着車は最高速度等の標識を認識する機能に対応。ACCも全車速追従となっている。
一部モデルでは運転席ダッシュボード上にせり出した透明板に各種情報を投影するカラーヘッドアップディスプレイが搭載される。
他にも様々な改良により天井の雨音やロードノイズ、後席の乗り心地などが改善されている。
シボレーMW(2000年~2004年、2006年~2010年)
エンジンは1200cc NAを搭載。グレードは「S」/「X」の2グレードで、どちらにもエアロが装備されている。
ワゴンR+にシボレーバッジをつけたモデルで、2000年発売。
当初はGM系列の販売店(サターン、GMオートワールドなど)で販売されていた。
基本的な仕様はワゴンR+と変更はなく、グリルにシボレーのエンブレムがつき、サイドに「CHEVROLET」のストライプが入っていた以外は大きな違いはない。グレードもエアロ付のSエディションとエアロなしのノーマルグレードが用意されていた。
2001年には一部改良を実施。ソリオと同じ1.3リッターモデルが追加された。
2003年には1.3リッターモデルのみに絞られ、2004年にはGM系列での販売を終了。約2年間販売が停止された。
2006年にはスズキの販売店にて販売を開始、シボレーの販売店でも販売が再開された。
このモデルが販売される約1年前にソリオがマイナーチェンジを受けスポーティグレードが廃止されていたため、スポーティなイメージのシボレーブランドのMWの販売が開始されたと思われる。
外装面ではヘッドライトに若干の変更が入っており、ウィンカー色がアンバーからクリアに変更された。
2007年にはマイナーチェンジを実施。ヘッドライトデザインが変更され、グレードに廉価仕様の「Vセレクション」が追加された。
2010年には生産を終了。GMとのコラボレーション企画はこれを機にすべて終了している。
関連動画
関連商品
関連項目
外部リンク
脚注
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