株式会社スタジオジブリ(STUDIO GHIBLI INC.)とは、「となりのトトロ」や「風の谷のナウシカ」でおなじみのアニメーション・スタジオである。
概要
『風の谷のナウシカ』の制作会社であるトップクラフトを母体にして、徳間書店が出資し1985年に設立された。
ジブリとは、サハラ砂漠に吹く熱風のこと。「日本のアニメーション界に旋風を」の想いを込めて名づけられた。なお、本来は「ギブリ」と発音すべきなのだが、宮崎駿監督が勘違いしていてこの呼称になった。
「魔女の宅急便」以降は日本テレビと強力な関係を構築している。
これは「天空の城ラピュタ」をテレビで初放送する際に放映権争奪戦が日本テレビとテレビ朝日との間で起こり、最終的に日テレが獲得したことに起因している。
ジブリ作品は優先的に「金曜ロードSHOW!」で放送され、毎回高視聴率を獲得。同番組と日テレの重要なキラーコンテンツとして重宝されている。
ちなみに、ニコニコ動画を運営しているニワンゴの親企業ドワンゴの会長(川上量生)はプロデューサー見習いとして働いている。(無給)
アニメ映画以外の活動はあまり知られていないが、他のアニメ制作会社と同じように下請けとして活動することもある。また、金曜ロードショーの2代目オープニング映像や日清製粉のテレビCMなどの制作に参加、ゲームではラクガキ王国や二ノ国の制作に関わっている。
アニメーション作品一覧
現在の製作状況
現在、スタジオジブリは大きな転換期を迎えている。
2013年公開の『風立ちぬ』をもって、宮崎駿は長編作品の制作から引退することを発表した。翌年の2014年、宮崎駿、高畑勲が制作に関与せず、米林宏昌監督の『思い出のマーニー』が制作、公開された。
その後、スタジオジブリは2014年8月にアニメ制作部門の休止を発表した。スタジオジブリはアニメーターを社員として固定給で雇っている企業であるため、宮崎駿が引退し次回作が決まらない中、スタッフの人件費が経営を圧迫するとの判断からである。
今後はアニメ制作から撤退し、版権管理のみを行うとの報道も流れたが、宮崎は短編アニメの制作に意欲を見せている。また長編作品は、他のアニメ制作会社と同じようにフリーのアニメーターを作品ごとに集め制作するスタイルになると思われる。
2017年5月、スタジオジブリは宮崎駿監督による新作長編アニメ『君たちはどう生きるか』の制作を正式に発表した。また、制作のために新たにアニメーターを募集することも発表された。その後2022年12月に翌年7月の公開が発表。
2023年10月には日本テレビHDの子会社化がアナウンスされている。
著作権についての注意
※個人的感想が含まれているため、それを考慮して読んでいただきたい。
スタジオジブリの著作権管理は徹底されており、ニコニコ動画やYouTubeでのMADなどの創作動画はまず消されると思ったほうがよい。もっとも動画に関してはジブリ以上に厳しいところがあるのでその印象は薄いが、ジブリが厳しいと言われる所以は他にもある。
ジブリは「スポンサーや予め協力関係を構築している者を大事にする」というスタンスが徹底されており、たとえばテレビ放送に関して日本テレビ(主に金曜ロードショー)以外で放送されることはありえないし、CMもその作品で予め協賛した企業以外が使用することを認めておらず、人気に便乗して使用したいと申し入れても原則門前払いとなる。ジブリパークも長久手市に建設されたのは同地で開催された愛・地球博で「サツキとメイの家」を出展した縁からで、他の自治体がこっちに造ってと言ってもやはり門前払いになっていたと思われる。
また「作品のイメージを大事にする」というスタンスも強く、(非営利の個人活動ならともかく)同人活動も原則認めておらず、ジブリ作品をそのまま使用のうえ作品のイメージを大きく損なうものを売る行為は見つけ次第販売停止を求めるなどしており、知名度のわりに関連した同人誌が少ない。
このスタンスはご当地にも波及しており、ジブリ作品ではご当地系の作品が多くファンによる聖地巡礼も活発であるが、自治体や観光団体などによるPR活動は一切行われていない。この根拠となるエピソードがあり、「耳をすませば」の舞台地である多摩市でPRしようと自治体でも観光団体でもないファンが中心の有志がジブリに使用許諾を求めたところ、作品名をそのまま使用するのは認めないが、〇〇風にすれば問題ないという回答であった。
このように表面上は著作権に厳しいと思われるが、実は「ファンを大事にする」というスタンスも強く、個人またはファンを中心としたグループに対しては意外と寛大に対応してくれたりする。動画についてイラストなどを自作したものについては削除されることは少なく、同人については「ジブリっぽい何かを題材にしている」という表現であれば黙認しており、先述の通りご当地についても相手がファンを中心とした有志ということもあり「○○風にすれば黙認する」と回答したことから非公認ながらも舞台地としての整備が行われている。
作品のネット配信に関しては今後日テレ傘下になる事で敷居が下がる模様で、Huluでの配信も現実味を帯びている(実際、千と千尋の神隠しの舞台版がHuluにて配信されている)。
もっとも法人や団体に対してはこの夢の国レベルに容赦ないので個人や有志のノリで関わるのは危険である。
関連作品
- パンダコパンダ 1972年
日中国交正常化後のパンダブームをきっかけに企画された中編アニメ映画。監督は高畑勲、脚本は宮崎駿。となりのトトロの原型とも言われる。 - 茄子 アンダルシアの夏 2003年 / 茄子 スーツケースの渡り鳥 2007年
ジブリで作画監督を務めた高坂希太郎が監督した中編アニメ二部作。原作は黒田硫黄。
マッドハウス制作だが、ジブリ出身のスタッフが参加した。(スタジオジブリは直接は制作に関与していない) - 山賊の娘ローニャ 2014年
スウェーデンの児童文学を宮崎吾朗監督が初のテレビアニメ化。NHKで放送された。
スタジオジブリは制作協力という形で参加し、制作はポリゴン・ピクチュアズが担当。
製作がドワンゴ・NHKであり、プロデューサーとしてジブリ所属、ドワンゴ会長の川上量生が担当。 - メアリと魔女の花 2017年
借りぐらしのアリエッティ、思い出のマーニーの米林宏昌監督による長編アニメーション映画。スタジオポノック制作。
制作スタッフの約8割は過去にジブリ作品への関わりがある。 - 劇場版 若おかみは小学生! 2018年
高坂希太郎監督による長編アニメーション映画。DLEとマッドハウスの共同制作。テレビアニメの劇場版だが、続編や総集編ではなくリブートに近い内容。
そのため制作会社はテレビ版と同じであるが、監督以下スタッフと一部のキャストが異なる。ジブリ出身のスタッフが参加した。
関連動画
お絵カキコより
関連項目
- アニメ制作会社一覧
- 動画を削除した権利者一覧
- ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
- 宮崎駿
- 高畑勲
- 久石譲
- 宮崎吾朗
- 庵野秀明
- 鈴木敏夫
- 星野康二
- 近藤喜文
- 米林宏昌
- 高坂希太郎
- 日本テレビ
- 三鷹の森ジブリ美術館
- ジブリ飯
- ジブリパーク
外部リンク
脚注
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