スタンダードとは、以下のような意味を持つ。
- 標準、基準
- 1から転じて、マジック:ザ・ギャザリングのフォーマットの1つ。本稿ではこれについて詳述する。
- 1から転じてヴァイスシュヴァルツにおいて、原則発売済みのすべてのカードを利用可能なフォーマット。だが、あまりに問題が多すぎて最近はこのフォーマットの大会はほぼ実施されていない(オープンという大会においてこのフォーマットが参照されることがあるためフォーマットの存在意義は残っているが)。
- 1から転じてChaosTCGにおいて、原則発売済みのすべてのカードを利用可能なフォーマット。こちらのほうはスタンダードの大会も割合頻繁に行われている。
- 1から転じてポケモンカードゲームにおいて、最新2ブロックのカードを利用可能なフォーマット。2ブロックというが、その長さは結構可変である。さらに、ポケモンカードゲームでは60枚デッキを使うルールもスタンダードと呼ぶためややこしい。
概要
大昔は、カードプールが狭かったので、1種類の構築環境(公認構築と呼ぶ)だけで問題なかったのだが、時代が下るにつれて絶版のカードを手に入れる難易度も上昇。新たなフォーマットを作成した。それがスタンダードである(元々の全てのカードセットが使えるフォーマットはType1と呼ばれ、これがヴィンテージの元祖となっている)。
スタンダードを特徴づけるものがローテーションである。これは一定期間ごとに使えなくなるカードセットが発生するという仕組みであり、これは現在ではスタンダードしか存在しない(現在では、といったのは、過去にはエクステンデッドというフォーマットが存在し、こちらはややカードプールが広いローテーションのあるフォーマットであった)。
ややこしいのは、このローテーションの規則が時々変わっていることである。現在のローテーションのルールは、「5つ目のブロックの第1エキスパンションが新たに発売されたとき、一番古い2つのブロックに含まれるエキスパンションが使えるカードプールから外れる」というものであるが、つい最近までは「4つ目のブロックの第1エキスパンションが新たに発売されたとき、一番古い1つのブロックに含まれるエキスパンションが使えるカードプールから外れる」というものだった。
使えるカードプールの中で、問題があるカードは禁止カードに指定される。とはいえ、禁止指定はごくまれで、数年に1度くらいしかない(はずなのだが、ここ最近は禁止カードが多数制定されている。2019年秋から2020夏までのシーズンでは10枚もの禁止カードが制定されることになってしまった)。かつては制限カード(デッキに入れられる枚数が1枚まで)も存在したが、1997年以降は設定されていない。
ローテーションの歴史
黎明期のスタンダード
一番最初のスタンダードは、リバイズド+ザ・ダーク+フォールン・エンパイアという1つの基本セットと2つのエキスパンションから構成されていた。アイスエイジが加わるまでは1つの基本セット+2つのエキスパンションというシンプルな構成であった(禁止・制限カードはType1のものをそのまま流用)。
ブロックという概念がないスタンダード
クロニクル(第4版の付属のようなセット)が加わったとき、スタンダードのローテーションのルールが変更になった。1つの基本セットという概念は変わらないものの、エキスパンションの数は可変になった(というより小型エキスパンションであるホームランドが加わることに伴うものではあるが)。この時代まではまだ制限カードが存在した。また、1996年4月の禁止制限改定以後、スタンダードとType1で禁止・制限が分離した(黒の万力はスタンダードで制限されたままだがType1では制限解除。一方、フェルドンの杖と回想はスタンダードで制限解除されたがType1では制限されたまま)。
制限カードの廃止
1997年1月1日をもって、制限カードが廃止に(禁止カードに格上げ)。同時にフォールン・エンパイアとアイスエイジがスタンダードから外れる。それ以降は基本セット1つ+大型エキスパンション1つ+小型エキスパンション2つという形式に移行した。
ブロックという概念の導入
…のだが、1997年7月1日の形式変更でスタンダードのローテーションが大幅に変更。基本セット1つ+ブロック2つという形式に移行した。1つのブロックには大型エキスパンション1つと小型エキスパンション2つが含まれるのが基本であったため、これに伴いアイスエイジとホームランドがスタンダードに復活した。このローテーションが第9版+神河ブロック+ラヴニカ・ブロック時代まで続く。
特別なエキスパンション、コールドスナップ
2005年8月20日、コールドスナップがスタンダードに追加された。このコールドスナップは実に10年も離れた時代のアイスエイジ・ブロックのエキスパンションとして扱われるものであり、スタンダードでは非常に浮いてしまうことに。仕方がないので、この時にはローテーションを発生させず、次の時のらせんブロックが加わったときに神河ブロックがスタンダードから外れることになった。そして、コールドスナップ自体は時のらせんブロックがスタンダードから外れるときに同時に外れることになった。
4つもエキスパンションがあるブロック
時のらせんブロックの次のブロックであるローウィン=シャドウムーア・ブロックは4つもエキスパンションがあるブロックであるが、普通に1つのブロックとして扱われた。また、地味な変更として、モーニングタイド以降は発売日からスタンダードで使用可能になった(それまでは発売から使用可能になるまで少しラグがあった)。
基本セットが1年に1度に
基本セット2010が発売されたことに伴い第10版がスタンダードから外れた。ここまではこれまでの規則通りである。だが、基本セット2011は翌年に発売された(これまでは基本セットは2年に1度だった)。これに伴い、スタンダードにおける基本セットのルールが微妙に変わり、3つ目のブロックの第1エキスパンションの発売と同時に、古いほうの基本セットが一番古いブロックとともにスタンダードから外れるという規則になった。
基本セットの廃止、2エキスパンションブロック制への移行
マジック・オリジンをもって基本セットというセットが廃止。戦乱のゼンディカー・ブロック発売に伴い、テーロス・ブロックと基本セット2015がスタンダードから外れるところまではこれまでの規則通りであった。この時にスタンダードのローテーションのルールは「2つのエキスパンションからなるブロック3つ」への移行を図ることになった。これに伴い、次のイニストラードを覆う影ブロックがスタンダードに加わるときに、変則的なローテーションを行った。それはタルキール・ブロックのうち最初の2つのエキスパンションだけスタンダードから外し、タルキール龍紀伝+マジック・オリジンを擬似的な2エキスパンションブロックとして扱い残して、3ブロック制への段階的移行を図った。そして2016年9月30日、カラデシュ・ブロックの発売に伴い先ほどの2つのエキスパンションがスタンダードから外れたことに伴い制度の完全移行が完了した。
早すぎるローテーションへの対策
…のだが、1年に2回もローテーションがあることに苦情が殺到(2エキスパンションは半年で出るから)。2016年10月19日にはローテーションを年1回にするための改良が施されることになった。つまり、スタンダードに5つ目のブロックが加わるときに一番古い2つのブロックがスタンダードから外れるようにされた。
ブロックの廃止、および基本セットの復活
2ブロックエキスパンション制の結果、小型エキスパンションの存在意義に疑問符がついたため、2017年秋から2018年冬のイクサランブロックをもって、ブロックという概念が廃止になり、それ以降は全てのエキスパンションが大型エキスパンションになる。夏には基本セットが出た上で、秋のエキスパンションをもってローテーションが発生する。このため、使えるカードセットの数はこれまで通り5から8で変更はない。
特別なエキスパンションその2、機械兵団の進軍:決戦の後に
機械兵団の進軍で描き切れなかった、その後の世界の大きな変動を描くために、ドラフトに用いることを想定していない小型セット、機械兵団の進軍:決戦の後にがリリースされた。これが9つ目のセットであり、上記の通りであればここでローテーションが発生するわけだが、あくまでもこれは機械兵団の進軍の後日談的なセットであり、通常北半球の秋に発生するローテーションが初夏に発生するのも不適当なことから、9つ目のセットとして追加されることになった。
ローテーション期間の変更
しかし、あまりにも環境の硬直化が進んでしまい、進化が追いつかないなどの弊害が出たこともあり、ローテーションが従来の2年ではなく3年で行われるように変更になる
ここまで言われてもどのカードセットが使える(使えた)かわからん
ここまで言われてもまったくわからん、というのがオチである。というわけで一覧にしてみた。
2022年10月時点での禁止カード
1枚存在する。禁止のタイミング別に並べると以下の通り。
2022年9月9日に禁止カードがすべてローテーション落ちしたが、10月10日に新たに禁止カードが指定され、現在は1枚が禁止カードである。
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関連項目
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