『スターフォックス』 (Star Fox) とは、任天堂から発売されているコンピュータゲームのシリーズ、及びそのシリーズに登場する架空の団体である。
『スタフォ』と略されることが多々ある。
シリーズの概要
超高性能全領域戦闘機「アーウィン」を始めとする機体に乗り込み敵対勢力を撃墜していく3Dシューティングゲームである。
仲間が無線通信で良く話しかけてくるためダレにくいのも特徴。
計9作品が存在しているが、純粋な3Dシューティングゲームは4作品のみ(リメイク及び未発売の「2」を含めると6作)。
各作品の内容
- 1993年 - スターフォックス(SFC)
- スーパーファミコン用3Dシューティングゲームとして『スターフォックス』シリーズの記念すべき1作目が発売された。
ハードがSFCであるため、単純な図形を組み合わせ、今となって見ればカクカクを通り越して元の形を描写しているとすら言い難い荒さのポリゴンと、1平面につきベタ1色のテクスチャーで構成されたかなり抽象的画面であったが、無謀にもSFCでポリゴン全開のしっかり遊べる3Dシューティングをやってのけた画期的な作品であった。 - ----年 - スターフォックス2
- SFCでは初代の続編として『スターフォックス2』の開発が進められ完成まで漕ぎ着けていたが、発売中止となった(他社がPSやSSなど既に本格的な3D処理機能を持った次世代機を出しており、3D処理性能皆無のSFCではどうやっても太刀打ちできないこと、スーパーFX2チップのコストが上がりすぎたことに加えてNINTENDO64が発表間近だったのが原因とのこと)。
純粋な奥スクロールのシューティングではなくリアルタイムストラテジー要素のあるゲームになっている。
VC化等のリリース機会も長らくなかったが、約20年後の2017年にニンテンドークラシックミニスーパーファミコンに収録されることが発表され、遂にリリースされることとなった。 - 1997年 -スターフォックス64
- スターフォックスシリーズの2作目にあたり、SFC版と直接的なストーリーや時系列上の繋がりはないが、全体のストーリーやキャラなどにSFC版と共通する設定が多くあり、ストーリー的にはSFC版の話をリメイク・再設定したようなものであり、本作からコマンドまでのスターフォックスシリーズの原点となっていると言える。
- 2007年にWiiのバーチャルコンソールで本作品の配信が開始されている。
- 2002年 - スターフォックスアドベンチャー
- 「スターフォックスでシューティングではなくアドベンチャーゲームを作りたい」という思惑と、レア社が開発(開発硬直)していた『ダイナソープラネット』という3Dアドベンチャーの計画が合成されて出来上がったゲームキューブ用ソフトで、本来はスターフォックスではなかったためにシューティングパートはオマケ程度であり、基本的にアクションアドベンチャーゲームとなっている。
また、元がファンタジーのため、世界観が極端にファンタジーに寄ってるのも特徴。 - 2005年 - スターフォックスアサルト
- (旧)namco開発のゲームキューブ用ソフト。アーウィンによる本格的な戦闘が可能となったが、シューティングオンリーではなく、火器を駆使して生身で戦うTPSの要素もあるなどの理由で、64ファンからの評価は下がりがちである。
STGとTPSそれぞれの出来は十分に良い。
また、対戦モードが非常に面白いため、対戦をしたかしないかでも評価が分かれたりする。 - 2006年 - スターフォックスコマンド
- Q-Gamesと任天堂開発のニンテンドーDS用ソフト。戦略ゲームのようなスタイルで、全ステージ3Dシューティングであるが、ショット以外がタッチペン操作のため慣れるまでが一苦労であり、同じようなことの繰り返しになりやすく、ストーリー的な意味合いでシリーズ一番の駄作ともっぱらの評判である。
- 2011年 - スターフォックス64 3D
- 『スターフォックス64』のリメイク作品であるニンテンドー3DS用ソフト(初代はまだですか任天堂さん)。グラフィックが向上したほか、幾つかの変更点がある。
- 2016年 - スターフォックス ゼロ
- プラチナゲームズと任天堂開発のWii U用ソフト、ストーリーとしては64の再構成(時系列をリセット)となる。
今回からジャイロ操作によるエイムが可能となり、テレビとWii U GamePadの両方の画面を使用する場面もある。通常のシューティング、オールレンジモード、探索要素を含むステージなどが複合的に存在する。
またお蔵入りされた『スターフォックス2』に存在した、アーウィン(戦闘機形態)からウォーカー(二足歩行形態)に変形する機能がまさかの実装となった。ちなみに2014年のE3にてプロトタイプが任天堂ブースにて公開されていた[1]。 - 2016年 - スターフォックス ガード
- 『ゼロ』と同様、任天堂とプラチナゲームズの合作による、12台のレーザー砲付き監視カメラを用いたタワーディフェンスゲーム。2014年のE3では『Project Guard』というタイトルで出展されていた。基本ダウンロード販売でソフトウェアとしては上述のスターフォックス ゼロのツインパック版に同梱されているのみ。
外部出演
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ(1999年、2001年、2008年、2014年、2018年)
- 任天堂オールスター(+α)の大乱闘アクションゲーム。発売年度はそれぞれ初代、『DX』、『X』、『for』『スペシャル』を示す。
シリーズを通じてフォックスが、『DX』以降にファルコが、『X』『スペシャル』でウルフがプレイアブルキャラとして参戦。また、各作品で、旗艦グレートフォックスの上で戦う、ランドマスターで無双など、シリーズをモチーフにした要素も。 - BAYONETTA2(2014年)
-
プラチナゲームズ開発・任天堂発売のWii U用ソフト。
主人公ベヨネッタとジャンヌの衣装としてスターフォックスチームの服装がアレンジされて登場。デフォルト武器の四丁拳銃がスターフォックスチームの4人のぬいぐるみがついたアーウィン型ブラスターになるなどのアクセントもあり。
更に、この服装を装備してストーリー最初のステージ「Prologue 混沌の世界」をプレイすると途中で助けに来てくれるジャンヌが普通の戦闘機ではなくアーウィンに乗ってサポートしてきてくれる。更に。ストーリーの最終ステージ「Chapter XVI 采配の力」では、同ステージ最初のシューティングステージがスターフォックス64風になる。
誰がここまでやれと言った←これがスターフォックス ゼロの開発フラグだった…? - Starlink Battle for Atlas(スターリンク バトル・フォー・アトラス 2018、19年)
- 仏Ubisoft(ユービーアイソフト)開発のワールドワイドソフト。プラットフォームはNintendo Switch、PS4、Xbox Oneだが、スターフォックスが登場するのはSwitch版のみ。2018年6月の『E3 2018』にてPV発表され、その際にフォックス及び新規デザインのアーウィン4機の戦闘シーンが披露された。発売は北米で18年10月16日、日本では19年4月25日発売。
「スターフォックス」チーム
SFC版と64版では設定が異なるが、下記の設定は設定は原則として64版以降のものである。
現在フォックスが率いているやとわれ遊撃隊で、ライラット系でも1、2を争う戦闘能力を持つ凄腕の戦闘機乗りである。
元々はフォックスの父、ジェームズ・マクラウドとピグマ・デンガー、ペッピー・ヘアの3人組のチームだったが、ピグマの裏切りによりジェームズは急死。なんとか逃げ延びたペッピーは息子のフォックスに父の最期を伝えた。
フォックスはリーダーを引き継ぎ、ペッピーと共に新メンバーを加えた新生スターフォックスを誕生させる。
- フォックス・マクラウド(狐)
- シリーズの主人公である、キツネの姿をしたキャラクター。冷静で真面目な性格で突貫して喋りまくる他のメンバーの調整役である。
真面目なため、任務に必要な台詞以外は自分からあまり話さないが、本当に大事なシーンでの台詞はカッコいい。
敵の「貴様たちは一体…」というテンプレの死に台詞に「スターフォックスだ」と律儀に返す場面もあった。
戦闘時もストーリーもファルコが無謀でスリッピーがお調子者のため、結果的にツッコミに回る場合が多く、また真面目な性格のため、クリスタルに出てこられると終始押されっぱなしになる。
また、作品の都合上もあるが地上探査などの任務を人任せにできず、自分でやる傾向がある。
パイロットとしての腕は一流であるが、リーダーとしてはまだまだ(N64当時)である。
何をやらせてもそつなくこなす、主人公らしい安定した性能を持つ。 - ジェームズ・マクラウド(狐)
- フォックスの父親で、初代スターフォックスのリーダー。サングラスをかけている。
かつてアンドルフを追い詰めたが、ピグマの裏切りによって壮絶な最期を遂げたと言われている。
フォックスは戦いの中で、存在しない筈の父の影を見ることがあるようだ…
ちなみに、彼と同姓同名で遊撃隊隊長で妻子持ちと言う、物凄くよく似た境遇の男が「平和すぎて仕事が減った」と言う理由で『F-ZERO』に参戦していたりする。 - SFC版では「フォックス・シニア」と言う名前のコーネリア防衛軍の軍曹で、ブラックホール近辺で行方不明になったという設定だった。
- ファルコ・ランバルディ(雉)
- フォックス以上の腕前を持つと言われるチームのエースパイロット。元宇宙暴走族総長。
口が悪く、一見クールを装っているが、実際は非常に熱い性格で、かつ無謀な行動が非常に多い。
エースらしく時々フォックスを助けに来たり、先行して敵を引きつけたり、分岐ポイントを発見したりするが、運転が乱暴なため、メンバーで最も腕がいい割にピンチに陥る回数はスリッピーと同じぐらい多い。
戦闘機以外での戦闘はあまり好きではなく、『アサルト』でもメンバーで唯一、地上戦に出撃する場面がない。
また、ランドマスターや地上戦の話題になると、大体「そんなものより空がいい」と言う内容のセリフが返ってくる。
実際、アーウィンは得意だがランドマスターの操縦は苦手で、体力も無いため地上戦は不得手。
イベントなどではよく分岐ルートを発見してくれる。またの名を「そうめん」(スマブラXより)。 - 「クッ、敵と味方の区別もできねえのか!」
- スリッピー・トード(蛙)
- チームのメカニック。お調子者であり、チームのムードメーカー。フォックスの士官学校時代からの友人。
アーウィンの操縦はそこまで上手ではない上、よく調子に乗るため敵に後ろにつかれて救援を求める事が多い(それでもスターウルフ相手でもある程度落ちないだけ大したものではあるが)
しかし、整備や分析の技術は一流で、アーウィンの整備改造はスリッピーの担当である。
実際、彼がいないと敵シールドが分析できず、ボスのHPが表示されない。
『64』~『アドベンチャー』の7年の間に、グレートフォックスがちゃんと起動できたのも彼のお陰である。
ランドマスターの運転が得意。趣味で潜水艦「ブルーマリン」を作ったりもした。 - 「オイラだよフォックス~!」
- ペッピー・ヘア(兎)
- ジェームズ・マクラウドがいた頃の初代スターフォックスからの古参メンバー。
フォックスにアドバイスをよくくれる「オヤジさん」であり、既婚者で娘もいる。
操縦の腕前はフォックスと同等だが堅実であるため、他の2人よりピンチに陥る回数が少ない。
また、狙っている敵を横取りしても「今撃ったのはフォックスか?」と聞き返してくるだけで怒らない。
操作説明をしてくれる他、戦闘勘が鋭く、ボスの弱点をかなり正確に教えてくれたりする。
『アサルト』ではパイロットではなくアドバイザーになったが、無線で話してくるので存在感は変わらず。
尚、SFC版では親父設定は無く、大分軽い性格だった。 - 「バカもん、ワシだ!」
- クリスタル(狐)
- 元々は『スターフォックスアドベンチャー』の前身である『Dinosaur Planet』のヒロインである蒼い狐の少女。『アサルト』から正式参入した。
冷静で余裕ありげな雰囲気を持つ一方で素直な性格のため、総合的にはある意味一番大人で、ツッコミ役の性能はフォックスに次ぐ。
どんなレーダーよりも強力なテレパシー能力を持っており、救難信号や残留思念なども感じ取れる。
パイロットとしての腕前自体はスリッピーと同程度のようだが、冷静なためファルコやスリッピーより安定している。
アーウィン、ランドマスター共にそこそこ乗りこなせるが、白兵戦が比較的得意。
『アドベンチャー』では実にファンタジーな姿で登場していたが、サウリア(ダイナソープラネット)の出身ではなく、彼女がどこの出身で何故超能力を使えるのかは不明。『アサルト』以降はフォックス同様のSF装備である。
(作品的な事情で言えば、元々『ダイナソープラネット』は完全なファンタジー作品で、クリスタルの設定、名前、大まかな姿もそれに準拠したのだが、EDでグレートフォックスに乗り付けるシーンが追加された結果、「姿や設定はダイナソーの世界観準拠だが、SOSを聞きつけて宇宙から救援に来たという設定」になってしまったものと思われる。)
「ちょっとフォックス 冗談はやめて!」 - ナウス(ロボット)
- 母艦グレートフォックスから支援を行うロボット。本来は「ロブ」というらしいのだが、「ナウス」と自称する。
『64』時代は事務的な台詞だけだったが、『アドベンチャー』の最後のシーンで少し喋り、以降たまにしゃべるようになる。
名前の由来はNINTENDO64本体や周辺機器の型番(NUS)。
似たような設定は、『MOTHER2』のネス(海外版ファミコン・NESが由来)などがある。
「位置ヲ 確認シマシタ 補給パーツヲ 送リマス」
上記の計6人程で構成されている。 『コマンド』では他にも分岐によって仲間になったり正式加入するキャラもいる。
また『スターフォックス2』にはミユとフェイという女性メンバーが追加されている。
装備品
- アーウィン
- 「超高性能全領域戦闘機」という肩書きを持つスターフォックスの主力戦闘機。
スペースダイナミクス社製の戦闘機を改造したもので、機体を上から見るとアルファベットの「A」に見えることから
「エーウィング」→「アーウィン」となった(尚、『スターウォーズ』には「Aウィング」という機体が存在する)。
独特のデザインはSFCでのポリゴン数削減の産物であると言われている。
メインのレーザーは機首に1機と翼の付け根に2機搭載されているが、エネルギーの都合で機首とウィングのレーザーを同時発射はできないという奇妙な仕様になっている。アイテムでシングル→ツイン→ハイパーと強化されていく。
また、レーザーはタメることで敵をロック・追尾し、誘爆する性質を持つレーザーに変化する。
味方識別能力持つスマートボムをサブウェポンに持つ。
翼は可変翼で、角度を切り替えることで直進にもオールレンジモードにも対応できる。また、機体を回転させることで電磁波シールドを発生させ、光学兵器を弾き返すことが可能。
推進力はプラズマエンジン、および反重力装置であるG-ディフューザーシステムによるもので、ウルフェンよりも旋回とブレーキの性能が高く、空中で静止しても墜落しないほどの異常な安定性と運動性能を誇る。
また、周囲を傷つけずに垂直離着陸が可能。 - ランドマスター
- 地表探索用の車両を改造して作成された「超高性能回転式地対空戦車」。
アーウィン同様レーザーとスマートボムを兼ね揃えており、さらにプラズマエンジンを底部左右と後ろに装備しているため、ローリングやホバリングが出来る。
『64』と『アサルト』で見た目と仕様が大きく異なり、『64』ではアーウィンを短くしてキャラピラーを装備し、運転席後部に砲頭をつけたようなデザインをしていた。レーザーは球状で連射性能が高い。
『アサルト』では装輪車両となり、レーザーは高威力で連射性能が低くなっている。
『スマブラX』ではキャタピラーだが『アサルト』に近いデザインで、『64 3D』及び『ゼロ』でもこのデザインが採用された。 - ブルーマリン
- スリッピーが趣味で造っていた「改造潜水艦」だが、戦闘能力がアーウィンにも引けを取らないほど優秀なため、64版にて1回だけ戦闘に駆り出されることになった。
こんなもんは「後にも先にもこれっきり」である。
アーウィンの部品を流用しており、電磁シールドや弾数無限の照明弾などを装備している。 - ジャイロウイング
- 『スターフォックスゼロ』より登場するオスプレイのような構造の偵察機。
ヘリコプターのように空中を前後左右に自由に移動できる他、搭載した小型ロボット「ダイレクトアイ」によってハッキングやステージ内の道具の運搬などが可能となっている。 - グレートフォックス
- スターフォックスの母艦である、「超弩級強襲巡洋母艦」。
宇宙、空、海洋の全てで飛ぶことができ、星系間ワープ航法が可能な高性能母艦。
アーウィンやランドマスターの整備機能や補給物資の転送機能なども備えている。
武器は前方にある2機のレーザー砲だけだが、非常に高い威力を誇る。
また、最低4人でやりくりでき、無人でもナウスだけで動かせると言う点も船としては地味に高性能。
元々は親父のジェームス・マクラウドが注文した特注品(80年ローン)であり、ローンごとフォックスが引き継いだが、『アサルト』で1回完全に破壊され、買い換えられている。また『スマブラ』シリーズにもステージとして毎作登場している。
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SFC版
まともにプレイしていたらまず行くことのない謎のステージ。まさに黒い任天堂。
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