スターブレードとは、ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)制作のアーケードゲームである。1991年発売。
概要
一人乗りの大型筐体ゲームで、宇宙戦闘機ジオソードに乗り込み敵戦闘機群を倒すというシューティングゲームである。実際は飛行ルートは固定(一部分岐はある)されており、プレイヤーはあくまで主砲を操作する砲手という位置づけの「ガンシューティング」である。
プレイヤーはUGSFの戦闘機「ジオソード」のガンナーとして、母星に接近しつつある敵の機械化惑星「レッドアイ」に向かい、その動力源「オクトパス」に侵入しこれを破壊する。
ルールは「ギャラクシアン³」に近く、敵のレーザー・ミサイル・体当たり等でシールドが減り、シールド残量が0になるとその場で撃墜となる。このあたりは後に発売されるギャラクシアン³シアター6と同様。ただし、こちらはコンティニューができる。登場する敵キャラもギャラクシアン³と共通しているものが多い。
映像面ではシステム基板「SYSTEM21」による滑らかな3Dポリゴンが売りであった。まだ単色のポリゴンしか描けず、テクスチャーマッピングもなかったころではあるが、緻密なモデリングと60fpsのモーションで多くのゲーマーを釘付けにした。
また、まだ大画面ディスプレイが実用的でなかった時代に、凹面鏡を用いてブラウン管の映像を拡大、かつ奥行きがあるように錯覚して見せる「無限遠投影システム」により迫力のある映像を実現した。
しかし、座高が一般的平均よりあまりに高かったり低かったりすると映像が歪んでわからなくなる、筐体の外からゲーム画面が見えない、という難点もあった。また、凹面鏡に日光が差し込んでしまったら、筐体の後ろで一点に集中して火災になるのでは?という指摘がなされ、安全対策として後に反射率の低い凹面鏡と入れ替えられた。
このシステムは同時期に発売された「ソルバルウ」でも使用されたがそれ以後の採用はない。業務用ゲームでの大画面表示機器としてはもっぱらリアプロジェクションモニタが使われるようになった。
ゲーム中は母船や部隊長からの通信に爆発、レーザーの発射音などがサラウンドで鳴り響き臨場感を高めているが、BGMはブリーフィングのあとはラスボス登場まで一切鳴らず、ラスボスとの一騎打ちになって初めてBGMが入るという演出があった。音声でROM容量が圧迫され、ゲーム通してのBGMを入れる空きがなかったための苦肉の策だったというが、この「演出」の評価は高い。なおサウンドは「めがてん細江」こと細江慎治氏による。
ハイスコアランキングも特徴的で、一般的な一覧形式ではなく、3D空間を飛び回りながら名前とランク、スコアを順番に見せるというユニークなものになっている。ネームエントリー後にだけ聞けるランキングBGM「Blue Flight」も人気が高い。
本作ではそこそこ高速で飛ぶ敵を狙って撃ったり、1発で死なない敵に複数発のレーザーを撃ち込む必要があり、標準の連射速度ではスコアどころか1コインクリアも至難の業であった。稼働後期には店舗側の判断で連射装置がつけられるところが増え、難易度は劇的に下がった。ハイスコア争いも原則連付きで行われている。
本作は元々ギャラクシアン³を一人用にするという企画で始まっており、実際、当時の商談会には本作のプロトタイプが「GALAXIAN³ one player version」として展示されていた。なんと映像も残っている。
その後世界観(UGSF)を共通とする別作品へと内容が変更され、現在のスターブレードとなった。
移植
メガCD、3DO、プレイステーション、プレイステーション2、Wiiと移植された。ほか、携帯アプリだったり、スマホアプリとしても移植されている。ここでは特に家庭用機への移植について述べる。
メガCD版
ナムコットレーベルから1994年10月28日に発売。開発は「サンダーフォース」シリーズで著名なテクノソフト。マシンパワーの関係で全てをポリゴンで描くことはできず、背景はポリゴン、破壊可能な物体はワイヤーフレームで描かれている。また、画面がちょっと小さい。プレイ感覚は比較的良好で、セガマウスにも対応し滑らかな照準操作もできた。
3DO版
1994年12月16日発売。背景はムービー再生、破壊可能物はポリゴンで描画。全画面ムービーを実現した。背景ムービーはアーケードを再現した物とテクスチャを付けたリファイン版の2種類から選択可。アーケード版で破壊できた物が一部壊せないなどの細かい違いがある。
プレイステーション版『スターブレードα』
1995年3月31日発売。背景はムービー再生、破壊可能物はポリゴンで描画。背景ムービーをテクスチャありのものにすると破壊可能物もテクスチャ付きになるという趣向があった。PS最初期のタイトルということもあってムービーが若干荒く、操作性もあまり高くない。パッド操作だとレーザーの当たり判定が小さすぎてなかなか倒せない敵がいる。マウスがあれば細かい照準も可能ではあったが、全体的にフレームレートが低めで評判は芳しくない。
プレイステーション2版
2005年3月31日発売の「鉄拳5」のロード中ゲームとして冒頭が遊べたほか、隠し要素として完全版が収録されていた。「鉄拳5」の家庭用オリジナルモード「DEVIL WITHIN」(デビルウィズイン)を進め、ある条件をクリアすることで完全版スターブレードがアンロックされた。
おまけという位置づけながらUSBマウスにも対応、その上裏技で高速連射も入れることができる細かいところに手が届く仕様、なにより移植で初となる「背景含めて全てをアーケード同様のリアルタイムポリゴンで描画して、かつ60fpsで動作」を達成した極めて高い移植度(一部敵キャラの配置がおかしい、スコアリングが違う、など大小差異はあるが)もあって、一部の熱心なファンからは冒頭のように「スターブレードのオマケに鉄拳5とか太っ腹すぎる」という言われ方をしたとかなんとか。
Wii版
「バーチャルコンソールアーケード」として、2009年4月21日に配信開始。
18年越しに遂に叶った完全移植。Wiiリモコンによる照準操作が可能で、アーケードに近い操作感が手軽に楽しめる。リモコンの形状ゆえ手連射は絶望的だが、設定により連射を入れることができるので安心。
ただしWiiのオンラインサービスは2019年1月31日に終了することが予告されているので、それまでに購入しないと新規入手は不可能になってしまう。
余談だがWiiのVCアーケードではスターブレードのほか、ソルバルウ、サイバースレッドと、SYSTEM21基板の作品が複数発売されている。
幻の続編「OPERATION BLUE PLANET」
2001年のAMショーにて上下左右90度ずつ、視界をほぼ全域覆う球状スクリーンを利用した「O.R.B.S.」が参考出展された。そのソフトウェアとして動作していたのが「スターブレード オペレーション・ブループラネット」であった。PS2互換基板で動作しており、フラットシェーディングの延長のような硬質なビジュアルを見せていた。抜群の没入感だったといい、当時は注目を集めていた。
しかし、残念ながらO.R.B.S.は参考出展のまま終息してしまう。球面スクリーンの技術は後にバンダイナムコゲームスとなってから「P.O.D.」筐体に「機動戦士ガンダム 戦場の絆」として製品化されたが、オペレーション・ブループラネットは凍結、今は「UGSFアーカイブス」としてプレイ映像が残るのみである。
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関連項目
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