スターリングエンジン単語

スターリングエンジン

スターリングエンジンとは蒸気機関と同様の外燃機関の一種。熱空気機関とも呼ばれる。
なお、「スターリン」とあるが、某書記長とは一切関係がない(「スターリング」はスコティッシュな名前である)。

原理

空気、というより気体は熱すると膨し、冷やすと収縮する。これは小学生でも分かる基本的な定理である。
エンジンとは、これを利用して一定の「運動エネルギー」を得る機関の事である。例えばガソリンエンジンガソリンにより空気シリンダー内で爆発・膨させ、それによってクランクを円運動させて運動エネルギーを得る。

さて、ここに気体Xの詰まった容器があると想定しよう、容器からはパイプが伸びていて可動式のピストンのついたシリンダーにつながっている。ここで容器を熱すると気体は膨し、シリンダーの中のピストンは押し下げられる。逆に容器を冷やすと今度は気体は収縮し、ピストンは引き上げられる。加熱と冷却を繰り返すとピストンは往復運動をするようになり、これに円状のクランクをつなぐと回転運動にすることが出来る。かなり砕いた説明であるが、これがスターリングエンジンの原理である。
この気体Xは高圧でも安定している気体を用いるのが一般的で、ヘリウムが多用される。

実際には容器を加熱したり冷却したりを繰り返すのは手間がかかるため、本物のスターリングエンジンには容器の中にディスプレーサーというもう一つのピストンがあり、これで中の気体を加熱する側と冷却する側の交互に移動させることで膨と収縮を繰り返させている。

スターリングエンジンは外燃機関であるため熱を発するものなら何でも動にすることが出来る。石油や石炭はもちろん、原子力太陽熱も使うことが出来る。そればかりか人間の体温ですら動にすることも可だ。そして熱からの運動エネルギー変換効率は高く、動作気体に高圧のヘリウムを使ったものではディーゼルエンジンに匹敵する40%にまで達する。静粛性も較的高く、排気ガスも少ないため環境にも優しい。

また面いことに、スターリングエンジンは可逆サイクルエンジンである。普通温度を(正確には温度差を)回転に変えるエンジンなのだが、逆に出側を外部からを加えて回転させることで物を冷やすことが出来るのである。この原理はすでに冷凍機に応用されている。

歴史

1816年、スコットランドの牧師ロバートスターリングによって発明された。当時蒸気機関はまだ信頼性が悪く、出をあげようとするとたびたび爆発する事故を起こしていた。スターリングエンジンは爆発しない安全なエンジンとして期待されていたが、出を上げるためには高温にする必要があり、当時の技術では高温下で高圧に耐えうる金属がなかったため、普及することく一度の衰退期を迎える。

スターリングエンジンが再び注されるようになったのは、耐熱合が発達した20世紀に入ってからである。オランダフィリップス社(日本では電気ミソリのメーカーとして有名だが、本来は総合メーカーであり、コンパクトディスクの規格を作った会社でもある)が線機用の動として小のスターリングエンジンを開発した。線機にノイズを発生させるスパークラグを使用していないからである。第二次大戦フィリップス社はナチスドイツに接収されたが、彼らはそこで見つけたエンジンに新の燃料が使われていると思い込み、本に持ち帰って調べたところ、中には空気しか詰まっておらず彼らは思わず頭を捻ったという逸話が残されている。

戦後フィリップス社はGMフォードといったアメリカ自動車メーカーと共同で自動車用スターリングエンジンの開発を始めた。動作に爆発を伴わないため音が静かで排ガスもきれいなスターリングエンジンは一時期注を浴びたものの、熱効率を上げるには内部の気体の圧を高める容器を大化せねばならず、その結果エンジンが大きく重くなってしまうことが分かり、結局実用化はされずスターリングエンジンは二度の衰退期を迎える。

スターリングエンジンが三たび注を浴びることになったきっかけは1990年代スウェーデンが自潜水艦AIP(非大気依存機関)として採用したことである。スターリングエンジンは前述した通り動作音がきわめて静かで静粛性をめる潜水艦にぴったりであったことに加え、温度差で動作する機関にとって都合のいいことに周囲は冷却に使えるで覆われている。自動車ではデメリットであった重さも潜水艦ではあまり問題にならない、ということでスターリングエンジンは通常動潜水艦には最適な動機関だったのである。

そして日本では2009年スウェーデンから技術を導入したスターリングエンジンを搭載したそうりゅう型潜水艦が登場することとなったのである。

関連動画

関連商品

スターリングエンジンは吸排気バルブなどの複雑な動作部分を持たず、爆発などの危険な動作もせず、構造が簡単なため教材としては最適で、多くの制作キットや工作入門書が販売されている。

関連項目

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スターリングエンジン

22 ななしのよっしん
2015/11/11(水) 17:28:38 ID: 3rfeoLVJJa

火力や工場の熱や低めの温度地熱発電
蒸発しやすい物質入れて温度差で回す似たの使ってるよね
エンジン熱も利用すると面そうだがのわりに巨大だから
には搭載はできないね・・・携帯電話充電できるぐらいのミニでいいなら付くかもしれないが

小さくして発電量少しでもいいなら宇宙でも使えそうだけど
宇宙で回転往復物や揮発しやすい液やガス封入した物は使いにくそうな
潤滑不良やらガス抜けやらありそうで・・・漏れやすいから大変だ
今の所小さくするしかなくパワーいからコレ乗せるんだったら太陽電池増やすか
熱回生装置取っ払った分を別の機器でも積んだほうがマシだ・・・ってなりそうだが
23 ななしのよっしん
2015/11/11(水) 19:49:43 ID: F+44vPHSue
ハクキンカイロ方式で、ベンジンを燃料に触媒を加熱するのはどうか。
タブレットの充電くらいは出来るだろう。
24 ななしのよっしん
2016/04/13(水) 20:13:40 ID: IcnFvWadB2
加熱部と冷却部が別にあるスターリングエンジンある意味
連続燃焼のピストンエンジンということになるのかな?
25 ななしのよっしん
2016/08/10(水) 21:21:55 ID: MuAXsPpxE4
日常的な範囲だと発動機より逆サイクルの冷却器の方が有望じゃないかな
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1404/11/news003.htmlexit
26 ななしのよっしん
2017/01/24(火) 17:48:39 ID: jzeKv6dZ66
なろう小説戦国時代でもスターリングエンジンなら作れるなんて話があって流石に理があるやろと思ったが、調べてみればあれ、もしかしたらできる?なんて思うぐらいには印変わった。
27 ななしのよっしん
2017/03/04(土) 22:31:52 ID: BlzTifKVSL
>>26クソに言うと理じゃないかな。
戦国時代・・・その小説舞台日本なのか外なのか知らんけど、日本だと仮定して話を進める。
両手サイズで数分だけ、取り敢えず動く物なら可かもしれない。が、出を取り出せる実用的な物は恐らく理。ピストンシリンダーを上手く作れないと思う。素材が・・・

などの金属の場合
ならある程度加工出来るだろうが、完成しても熱膨張するのですぐ動かなくなる。

ガラス
戦国時代から100年先の江戸時代でも日本ガラスは脆い。陶器が流だった事もあり、日本製のガラスは熱に弱かった。あとが多く含まれているので重い戦国時代から約250年後に外ガラスに打ちのめされたが、明治時代に持ち直した。外製ならマシになるかもしれないけど、戦国時代じゃ大差いかも。

・陶器
理じゃないかな。
28 ななしのよっしん
2018/07/09(月) 01:27:27 ID: 1xQOD5Y2D+
「工業用にしなきゃいけない」が前提でみんな話してるけど、もっと他で遊び具的なところから考えられないのかな?
29 ななしのよっしん
2018/11/04(日) 09:55:20 ID: PfpZCSNw4c
>>27
に補強で輪締めれば、だいたい何とかなる
ただ、そんな機構ならばスターリングエンジン以上に蒸気機関の方が向いてる
30 ななしのよっしん
2018/11/04(日) 10:10:55 ID: 0Zd6UFmpKd
そうりゅうもおうりゅうからスターリングエンジンからバッテリー式になった。
潜水艦乗りからはスターリングエンジンは場所取る割りにパワー不足と不評だったらしい。
31 ななしのよっしん
2019/01/22(火) 21:46:57 ID: mi0hvfKN5m
本質的には一次電池でしかないからな。
重量あたり容量で二次電池との差が縮まったらお役後免になるのは仕方ない。

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