グレート・ノーザン鉄道スターリング・シングルとは、イギリスのグレート・ノーザン鉄道(GNR)によって製造された急行用テンダー式蒸気機関車である。
軸配置4-2-2(2A1)で、動輪が1組のみの蒸気機関車「シングル・ドライバー」の一つ。
大きな動輪から、「エイト・フーター」とも呼ばれる。
概要
設計者はパトリック・スターリング。平均時速50マイル(約80km)を出せる急行列車用の機関車として設計され、1870年から1895年にかけてドンカスター工場にて53両が製造された。
当時の英国の蒸気機関車は高速走行のために大きな1組の動輪を持った機関車「シングル・ドライバー」が主流であった。スターリング・シングルは動輪の大きさが8フィートほどであることから「エイト・フーター」のあだ名が付けられた。
当時としてはかなり速度の速い機関車として知られ、ロンドン~エディンバラ間の急行列車「フライング・スコッツマン」の運用についていた。
1895年に鉄道会社同士で行われたイングランド~スコットランド間のスピード競争(通称:北への競走)では686号機がキングス・クロスからグランサムの105.5マイル(約170km)を1時間41分(時速換算101kmほど)で、775号機がグランサムからヨークまでの82マイル(約132km)を1時間16分(時速換算104kmほど)で走行している。
現在はイギリス、ヨークのイギリス国立鉄道博物館には1号機が保存・展示されている。
創作への登場
英国蒸気機関車の中でも洗練された優雅なデザインであり、また急行列車の運用についていた当時の花形車両であるためかフィクション作品に登場することが多い。
- きかんしゃトーマス
- 女性人格の蒸気機関車、「エミリー」として登場。詳細は「エミリー(きかんしゃトーマス)」項参照。
- 名探偵コナン ベイカー街の亡霊
- 名探偵コナン劇場版第6作「ベイカー街の亡霊」の終盤に、スターリング・シングルをモデルとした蒸気機関車が登場した。
- 英國戀物語エマ
- 第一幕のラストシーン、キングス・クロス駅を出発する列車はスターリング・シングルが牽引するものであった。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
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