スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望単語

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『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』Star Wars: Episode IV A New Hope)とは、「スター・ウォーズサーガ映画作品である。

アメリカ合衆国製作1977年ジョージ・ルーカス監督作品。開時のタイトルスター・ウォーズStar Wars)、略称「ANH」。

概要

記念すべきスター・ウォーズサーガの第一作にして、スカイウォーカー物語スカイウォーカーサーガ」の第四章。いわゆるスター・ウォーズ旧三部作(オリジナル・トリロジー)」の第一作であり、素青年ルーク・スカイウォーカー宇宙に飛び出し専制帝国と戦う英雄となるまでを描く。

1970年代末のアメリカ合衆国流星のごとく登場した本作は、20世紀後半のアメリカ映画界を徴する娯楽大作として全世界に強い衝撃を与え、アメリカ文化に一時代を築き上げた。1978年の第50回アカデミー賞で7部門を受賞[1]した本作からスペース・オペラスター・ウォーズシリーズ歴史が始まり、多くの続編と数のメディアミックス、膨大なグッズ展開を擁する、世界フランチャイズへと成長してゆくのである。

黒澤明映画や各種戦争映画など古今東西の作品にインスピレーションを得て制作され、翻って世界観、キャラクターメカデザイン、演出、音楽、撮技法など、あらゆる要素が世界創作文化に大きなをもたらした。後続のさまざまな作品が本作にオマージュげているが、SW原初の作品だけあって後のSWサーガ中でも本作へ回帰する展開や演出が見られたり、本作の要素が後に拾われることも多い。

シリーズ第一作が時系列では4番エピソードというやや半端な形態であるが、開当時はエピソード番号サブタイトルを持たず、単なるスター・ウォーズとして開された。作り手であるジョージ・ルーカスの構想上は最初から4番エピソードに相当していたが、正式に本作がエピソード4として扱われるようになるのは続編『エピソード5/帝国の逆襲』以降、オープニングクロールにエピソード表記[2]が加わるのは1981年の再上映以降、タイトルが実際に変更されるのは開から20年余を経た『エピソード1/ファントム・メナス』以降のことである。

1997年には旧三部作の他二作ともども、リマスターのうえ映像の修正・ブラッシュアップを入念に施し、カットの追加も行ったスター・ウォーズ 特別篇』(Star Wars: Special Edition)開された。以後はこの『特別篇映像が本作のスタンダードとして扱われている。2004年にはDVD化にあわせハイビジョン化が行われた。

あらすじ

遠い昔 はるか彼方銀河系で・・・

圧制を布く銀河帝国に追われる反乱同盟軍のリーダーレイア・オーガナは、捕らえられる寸前に帝国軍の超兵器デス・スターの設計図をドロイドに託した。ドロイド砂の惑星タトゥイーンへ逃れ、農夫若者ルーク・スカイウォーカーに出会う。彼らは隠者ベン・ケノービを頼り、ベン常の力“フォース”の使い手、滅びた“ジェダイ騎士”であること、ルークもジェダイ騎士だったことを知る。

ベンの導きにより、ルークたちは密輸業者ハン・ソロを雇い、宇宙ミレニアム・ファルコン>号で宇宙へと飛び立った。すはレイア姫の故郷オルデラーン。しかしそのは、すでに超兵器デス・スターの一撃によって破壊されていた。<ファルコン>号もデス・スターに捕らえられてしまう。

ルークたちは虜囚のレイア姫を救い出し、数々の危難を乗り越えてデス・スターからの脱出を図る。そしてベンの前には、彼を強く憎む漆黒の甲冑の男、帝国ダース・ベイダーが姿を現す。

同盟軍の秘密基地へ逃れた一行を追うデス・スターは、ついに秘密基地を射程に収めようとしていた。窮地の同盟軍は設計図の僅かな弱点に賭けて打って出るが、あまりに小さな標を前に次々と撃ち落とされてゆく。ただひとり最後の攻撃を試みるルークに、ベンが届いた。己のフォースを使え、と。

ルークの攻撃は狙いを過たず、間一デス・スターを破壊した。邪悪な帝国に支配された銀河に新しく希望が生まれ、ルークたちは同盟軍の英雄として称えられる。

登場人物

ルーク・スカイウォーカー Luke Skywalker - 演:マーク・ハミル
主人公宇宙に憧れる、ハンサムで純田舎青年
渓谷スピーダーで飛ばす性の戦闘機パイロットを亡くし、おじ夫婦のもとで育ってきた。宇宙貨物の航士だったと聞かされているが実はジェダイ騎士で、その資質を強く受け継ぐ。終盤では同盟軍に加わり、Xウイングスターファイターを駆る。コールサインは「レッド5」。
ハン・ソロ Han Solo - 演:ハリソン・フォード
宇宙貨物艇<ミレニアム・ファルコン>号を駆る密輸業者。
ルークベンに大金で雇われに乗せたことで、銀河の趨勢に巻き込まれてゆく。なならず者らしく即物的な現実義者であり、に見えないフォースには懐疑的。タトゥイーンギャングのボスであるジャバ・ザ・ハットに借金があり、返すよう脅されている。
レイア・オーガナ Princess Leia Organa - 演:キャリー・フィッシャー
レイア姫惑星オルデラーンの君。同盟軍の導者。
超兵器デス・スターの設計図を手に入れるも帝国軍に追われ、オビ=ワンに助けをめる。故郷をごと滅ぼされながらも、気丈にを取り、ルークハンを叱する勝気な女性。頭の左右にを巻く「シナモンロール」などと呼ばれる独特のお団子キャラクター徴として有名。
ベン・ケノービ(オビ=ワン・ケノービ) Ben (Obi-Wan) Kenobi - 演:アレック・ギネス
タトゥイーンに住む老隠者で、実は過去クローン戦争で活躍したジェダイ騎士
ルーク父親のことを伝え、同様のジェダイ騎士となるよう教え導く。ライトセーバーマインド・トリックといったジェダイの基本技を観客に紹介するだけでなく、砂漠巨獣レイトドラゴンの鳴き物真似という隠し芸も披露する江戸ベン八。
チューバッカ Chewbacca - 演:ピーターメイヒュー
ハン相棒を務める、毛むくじゃらで長身怪力の種族ウーキー。通称チューイー。
常に雄叫びのような言語(シリウーク)で話し、観客が理解できる台詞を持たない。短気だが宇船乗りが務まる技術的教養があり、どうも話すトーンや動き、会話相手の反応から見るにかなりの常識人っぼいのだが、作中ではハンにもレイアにも絨毯だのなんだの散々に扱われる[3]気の毒
R2-D2 Artoo-Detoo - 演:ケニー・ベイカ
アストロメク・ドロイド。背の低いドラム缶形のロボット
レイア外交に乗り組んでいた。人語を喋らず電子音を鳴らすだけだが、意外と感情は豊か。(に3POの)話を聞かず勝手に動くうえ偏屈なところもあるものの、役は忠実にこなそうとする。
C-3PO See-Threepio - 演:アンソニーダニエル
プロトコル・ドロイド。儀礼と言語に精通する金ピカの人ロボット
レイア外交に乗り組んでいた。口うるさいうえに悲観義者で、独自行動したがるR2をことあるごとに叱りつけ愚痴をこぼすが、相方として心配してもいる。
オーウェンおじさん(オーウェン・ラーズ) Uncle Owen (Owen Lars) - 演:フィルブラウン
ベルおばさんベルー・ラーズ) Aunt Beru (Beru Lars) - 演:シェラフレイザー
ルークおじおばルーク赤子から育てたよき養
分農場を営む農家である。ききった砂漠タトゥイーンでは、大気中の分を収穫する農業の営みが成立するのだ。厳しくも穏な農夫生活する頑固なオーウェンは宇宙に出たがるルークを農場に引き留めているが、妻ベルーは彼に流れる宇宙乗りの血を理解している。
ドドンナ将軍 General Dodonna - 演:アレックス・マクリドル
同盟軍の将軍で、をたくわえたいかにもな老将。
作品ごとに変わる旧三部作同盟軍の最初の人物。かの有名なフォースの共にあらんことを(May the Force be with you.)」というフレーズの初出は実は彼の台詞である。
ビッグス・ダークライター Biggs Darklighter - 演:ガーリック・ハゴン
同盟軍の戦闘機パイロットで、ルーク幼馴染友。コールサインは「レッド3」。
故郷タトゥイーンを出て帝国アカデミー入学していたが、帝国軍に加わる前に脱走して同盟軍に加わった。ルークの操縦技術を高く評価しており、ともにデス・スターに挑む。
ウェッジ・アンティリーズアンティルス) Wedge Antilles - 演:デニス・ローソン
デス・スター攻撃に参加する同盟軍の戦闘機パイロットコールサインは「レッド2」。
役級のキャラクター以外で一、旧三部作に毎回(劇場開版から)出演する名脇役。ちなみに新三部作のオビ=ワンユアン・マクレガーは演者ローソンの甥にあたる。
ダース・ベイダー Darth Vader - 演:デイビッド・プラウズ/ジェームズアールジョーンズ
い装甲仮面に身を包み、規則的な呼吸音をかせる恐ろしい戦士。「ベイダー卿」とも。
ジェダイ騎士と同じフォースの使い手であり、かつてはベン子だった。しかしフォースの暗黒面に堕ち、邪悪な存在へと成り果てたという。機械的でアイニックマスクヘルメットライトセーバーがあまりにも印的な、世界映画史上に屈の大ヴィラン
ターキン総督 Grand Moff Tarkin - 演:ピーター・カッシング
銀河帝国グランド・モフ(総督)。絶大な権力を持つ、超兵器デス・スター官。
の痩けた顔に酷薄な表情を浮かべ、痩ながら周囲を圧する雰囲気を放つ、情にして悧狡猾な初老の男性。ベイダーにさえ図できる地位にある、本作の大ボスである。

スタッフ

これらメインスタッフのほか、サウンドデザイナーベンバート、コンセプトデザインを担当するラルフ・マクォーリーといった、後年の作品まで参加するスタッフも本作から参加している。

本作の初出要素

第一作であるからして、当然ながら作中全ての要素がシリーズでは本作を初出とする。

ルーク・スカイウォーカーレイア・オーガナハン・ソロの3人組に加え、ダース・ベイダーオビ=ワン・ケノービベン・ケノービ)など旧三部作のキャラクターのほとんどが初めて世に現れた。その他にも、<ミレニアム・ファルコン>、帝国軍の宇宙スター・デストロイヤー帝国軍の戦闘機タイファイター、同盟軍の戦闘機Xウイングといった旧三部作の中心的なメカの数々、ライトセーバーストームトルーパーなどの徴的な設定が本作から初登場している。SW名物の台詞「嫌な予感がする」や頻出する奈落を渡るくせに柵のない不切な通路」も本作からすでに存在する。

スター・ウォーズ」はライトモティーフ制を採用するが、ルークテーマでもあるメインタイトルスター・ウォーズテーマ、「二重太陽夕焼け(Binary sunset)」ことフォースのテーマ王女レイアテーマデス・スターテーマ映画9作全てのエンドタイトル曲に含まれる反乱軍のテーマなど旧三部作のライトモティーフの多くが本作で初出する。ただし「帝国のマーチ」は次作『エピソード5/帝国の逆襲』が初出で、本作では使用されない。シリーズ随一のポップソングとして知名度の高いカンティーナ・バンドも本作の曲である。

公開後の追加・変更

最初の作品、しかもSFX部門も時間に追われていた(1976年開予定だったところを半年延期している)だけに、劇場開版には制作がこなれないところ、撮に不足のあるところのほか、映像技術の限界によりルーカス的にも不満足な部分が各所に残っていた。そこで1997年映像技術(特にCGI技術)の発展を受けて映像デジタルリマスターや色調、音響の補正がなされた『特別篇』で、CGI合成も駆使して全編が底的にブラッシュアップされた。

この作業により、シーンの追加だけでなく既存のカットにも登場人物が増えたり、台詞が変更されたり、エイリアンなど各種の造形がより精緻に変更されたりしている。修正は相当量にのぼり、なかにはタトゥイーンモスアイズリーシーンスピンオフ企画シャドウズ・オブ・ジ・エンパイア [帝国の影]』登場の宇宙アウトライダー[4]合成で追加されるといった例もある。

その後、2004年DVD版でもさらなる修正作業があり、『特別篇』での修正漏れの補台詞美術の微調整がなされた。劇場開版を「半完成品(half a completed film)だった」と言い切る完璧義者ルーカスはそれでも物足りないようで、BD化、4Kアップスケーリング2019年Disney+版)など何か機会があるごとにこまめな修正とがそこ気にするんじゃいレベル変更を繰り返している。

「ハンが先に撃った」

作品前半、場のテーブルを挟んでハンが賞金稼ぎグリードと会話し、最後に撃ち殺すシーンがある。敵対した者を容易に射殺するハンアウトロー気質と射撃の技量を明らかにするちょっとした幕間(グリード自身は他にさして物語上の役割を持たない)だが、ルーカスはこのシーンに変なこだわりがあり、開後になにかにつけ微妙な変更を繰り返している。ところがファンのほうにもこのシーンの変更を重大視するが大きく、変更の正当性について喧々諤々の議論が引き起こされ続けている。

1977年の最初の劇場開版では発・命中が映らず、爆発が起きた直後にグリードが倒れ、ハン一方的に発してグリードを殺したように見えた。ところが1997年の『特別篇で両者の発カットが追加され、グリードが先に発するが外れ、つづけてハンが発してグリードに命中させる描写となった。この「グリードが先に撃った」変更は、ファンコミュニティハンは先に撃つだろ!ルーカスは余計なことをするな」と大変な物議を醸した。

その後、ルーカス2004年DVDカットを短縮し、グリードにわずかに遅れてハンが発する展開に変更した。さらに2011年BDでより短縮し、グリードの発の次の間にはハンが発するようになった。あげく2019年Disney+配信ルーカス自身がSWを手放す前に性懲りもなく微修正を加えていた新バージョンとなり、より間隔が短くなってハングリードがほとんど同時に発している(ついでにグリードが発前にマクラキー!」と聞こえるの言葉[5]を発するカットが増えた)。

この問題はハンが先に撃った(Han shot first)」と呼ばれる、SWファンコミュニティの一大キャンペーンとなった。英語圏の映画ネットメディアにもしばしば取り上げられ、Wikipedia記事にまでなっている(日本語版記事もあるexit)。しかしルーカス当人はそもそもハンを先に撃つような悪人に見せたくなくて変更したのだと言うから、対立は行線で交わる様子を見せないわけである。ちなみにルーカス自身も「ハンが先に撃った」Tシャツを着て写真を撮ったことがある。嫌味か?

ちなみに2018年スピンオフ映画ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーでは、似たような対峙のシーンでこの件がオマージュされている。ここではハンが先に撃ったために相手は致命傷を受け、撃ち返すこともできず死んだ。

ジャバのシーンの追加

ルークたちがタトゥイーンを飛び立つ前に、ハンが<ファルコン>号を停めている着陸ベイでジャバ・ザ・ハットと会話するシーンが追加された。そして「ジャバが直々に会いに来たりするか?」ファンコミュニティで燃えた。銀河に広がる火。

製作当時、ルーカスはジャバを巨体のエイリアンとするつもりで、ただ撮時には人間に立衣装を着せて演じさせた。しかし結局、論見通りのエイリアンに加工することはできず、シーン自体をカットしていた。 のちにジャバは『エピソード6/ジェダイの帰還』でナメクジの巨体のエイリアンとして登場するが、本作の『特別篇制作にあたって、もとのシーンCGIのジャバを合成するかたちでシーン復活した。あわせて『エピソード5/帝国の逆襲』から登場するボバ・フェットの姿も加えられている。

なお、残念ながら当時の技術ではそれでも相当ショボ・ザ・ハットになってしまっていたので、2004年DVD版においてよりジャバっぽいジャバに再度差し替えられている。また製作当時にデクラン・マルホランドが演じた(がシーン削除された)「人間のジャバ」の外見は、その後コミックなどで何度もジャバの関係者のデザインに使い回された。

出撃前の対面

同盟軍のデス・スター攻撃への出撃前に、ルークビッグスと対面し、レッドリーダー(中隊長)を交えて会話するシーンが追加された。これは撮されたが最終的な劇場開版からは削除されていたシーン復活させたものである。 劇場開版では脚本やノベライズで存在したビッグスとの友関係がほとんど描写されなかったが、このシーン復活によって明示されたことになる[6]

ただ、ビッグスがルーク友として登場し同盟軍入りの決意を語る作品序盤のシーン(後述)は復活しなかったため、再会に若干の唐突感はある。また、このシーンには本来、レッドリーダールーク父親と面識があり、その操縦の腕前を知っているむね語る台詞もひと続きになっていた(こちらもノベライズには存在する)が、こちらはルーク父親をめぐる設定の整合性を取るためか復活しなかった。

話題

デス・スターの設計図

反乱同盟軍が超兵器デス・スターの設計図を手に入れたくだりは、本作では前提事実としてオープニングクロールに記される程度で、詳細は明らかにされないまま、レイア姫宇宙帝国軍に追われるシーンから物語が始まる。レイア姫が設計図を手に入れるまでの過程はスピンオフ作品で拡されており、「レジェンズ」「カノン」双方で経緯が語られている。

レジェンズ」では、スピンオフ小説であるハン・ソロ三部作の第三作『反乱の明け』で扱われている。同作ではハンの元カノでもある同盟軍エージェント、ブリア・サレンが登場し、彼女部隊が手に入れた設計図をレイア姫に届けるまでの戦いが描かれる。

カノン」ではスピンオフ映画ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーで詳細が描かれた。デス・スターの設計者のひとりゲイレン・アーソのジン・アーソが、同盟軍エージェントのキャシアン・アンドーとともに設計図を盗み出す物語となっている。同作はCGで旧三部作のミニチュアの質感を再現し、『新たなる希望』当時のストック映像や音を再利用する[7]など、文字通りの前日譚となるよう底された。

アンカーヘッドに行くルーク

作中冒頭のシーンとして、ルークタトゥイーンの町アンカーヘッドの発電所トシステーションにたむろする友人に会う映像が撮されたが、最終的に映画からは削除された。このシーンにはルークビッグスが先んじて登場してルーク友だと示される。他にも地元の友人フィクサーとケイミーのカップルなどが登場するが、友人たちのあいだではルークはウォーミー(のろま)というあだ名で呼ばれていた。

結局は映画に含まれなかったものの、出来事や友人たちはレジェンズカノン双方で存在したことになっている。トシステーションとフィクサー、ケイミーは、ドラマボバ・フェット/The Book of Boba Fett』で再登場する。またEP8『最後のジェダイ』のノベライズには年老いたルークが本作で宇宙に出なかった「もしも」のを見る一幕があり、その世界ルークは、同盟軍が敗北帝国の圧政が続く銀河で、ケイミーと結婚しておじ夫婦分農場を継ぎ、寂しくも幸福な穏のなかに年を重ねている。

ブルー・ミルク

作中序盤、ベルおばさん食卓に配したい色の液体を食事中にルークが飲むシーンがあり、「ブルーミルク」の名で知られている。そもそも青色という時点であまり食欲をそそられない見ただが、ルークを演じたマーク・ハミルによれば案の定相当ひどい味だったようである。しかしカメラの前では俳優としての意地でおいしそうに飲んでみせたとか。このブルーミルクは、作中にも登場するタトゥイーンに棲む大の騎乗バンサのであると設定されている。

現実世界では、ディズニーパークSWテーマランドギャラクシーズ・エッジで実際にブルーミルクを飲むことができる。下のウォルト・ディズニー・カンパニーをもってしても地球では新鮮なバンサのが一般に提供するほど手に入らないらしく、ココナッツミルクライスミルクブレンドして再現したものだが、フルティでちゃんと美味しいとか。これにはマーク・ハミルもニッコリ。

アルファベットとオーラベッシュ

一番最初の作品だけあって設定が固まっておらず、劇場開版では、デス・スター内の機器などでアルファベットによる英語表記が見られた。遠い昔のはるか彼方銀河系で堂々と英語が表記されているのも妙だと思ったのか、その後は違う架文字らしき記号が使用されるようになり、やがてオーラベッシュ(Aurebesh)」という作中世界の文字と設定された。

これらEP4のアルファベット表記は2004年DVDリリース時にオーラベッシュに置き換えられている。数字に関しては(観客の理解を優先したものと思われるが)アラビア数字微妙に改変した文字に登場しており、こちらはオーラベッシュの数字として扱われている。

ちなみに、「スター・ウォーズ」を鑑賞するほとんどの地球人はオーラベッシュを解さないため、コミックなどのメディアミックスではアルファベットもしばしば用いられている。この文字は作中世界では「ハイ・ギャラクティック」という教養文字として扱われる。他にギリシャ文字に相当する古代文字タイオン文字も存在し、これらの作中文字の設定により、Xウイングラムダ級シャトルといった現実世界文字に由来する固有名詞を作中世界に落とし込むこともできるようになっている。

幻の「偽ウェッジ」

ルークの同僚の同盟軍パイロット、ウェッジ・アンティリーズ役を演じるのはデニス・ローソンだが[8]、一シーンだけ別の俳優(コリン・ヒギンズ)が演じているカットがある。同盟軍がデス・スター攻撃のブリーフィングを行うシーンで、ルークの隣で「コンピューターを使っても当たりっこないな」とこぼすパイロットが当該の人物であるが、脚本やノベライズではウェッジの台詞なのにあからさまに別人が演じているため、ファンから「偽ウェッジ(Fake Wedge)」と呼ばれていた。

この人物がであるかには混乱があったが、2004年ルーカスフィルムの内部調査exitによってようやく演者がイギリス俳優リン・ヒギンであることが判明した。ヒギンズはウェッジ役に配されたが、撮環境の都合もあって上手く演技できず、ローソンに替えられてしまった。しかし結局、このブリーフィングシーンのヒギンズだけが、撮り直されもせず最終版に残ったというわけである。

このヒギンズの「偽ウェッジ」は、2017年ジェイソンフライの短編Duty Roster公式コル・タクブライトCol Takbrightという別のキャラクターとして確立された。同僚からのあだ名は「偽ウェッジ」[9]。彼はあだ名を嫌っていた。しかもデス・スター攻撃時には機体がルークに割り当てられたため出撃できず、基地に残る羽に。だが彼らが見事デス・スターを破壊して帰ってきたときには、勝利の立役者ルークに駆け寄るのではなく事に帰ってきたウェッジを出迎え、称えたという。

ノベライズ

他のシリーズ映画作品同様、ノベライズ作品が刊行されている(2014年以降「レジェンズ」に分類)。著者はジョージ・ルーカス、原著は1976年11月刊行。刊行当初の原題はスター・ウォーズ : ルーク・スカイウォーカーの冒険より(Star Wars: From the Adventures of Luke Skywalker)』

著者の名ルーカス自身となっているが、実際にはルーカスの脚本をもとに、アランディーンフォスターゴーストライターとして執筆したものである。フォスターは本作の続編となる『侵略惑星』(レジェンズ)や、EP7『フォースの覚醒』ノベライズカノン)などを執筆している。

開前年の刊行だけあって完成した映画ではなく撮段階の脚本をもとにしており、上記した「アンカーヘッドに行くルーク」やルークのことを語るレッドリーダーなど、映画では削除されたシーンの多くが残されている。また最終的な映画との用語や展開の微妙な違いもあり、たとえば冒頭でレイアが乗る船長名前映画ではアンティリーズ船長)が「コルト船長」だったり、同盟軍でのルークの所属部隊が「ブルー中隊」だったり(映画ではレッド中隊。青色の機体マーキングブルーバックに干渉するため撮時に変更された)する。

また、プロローグとして「ホイル銀河史(Journal of the Whills)」なる書物からの引用が載せられ、「スター・ウォーズサーガ物語が同書に基づいていることがほのめかされている。これはルーカスの初期構想が残ったもの[10]である。この記述に由来して、『ローグ・ワン』をはじめとする「カノン」作品群にジェダイとは異なる形でフォースを信奉する教団ウィルズの守護者(Guardians of the Whills)」が登場している。

日本語訳

日本語訳書籍は3度にわたり訳と出版社を替えて刊行されている。固有名詞訳も版によって変わっており、古いものでは、カタカナ慣れ、スター・ウォーズ設定慣れした現代から見ると一種独特な漢字訳語などを見かけることもある。

スター・ウォーズ レジェンズの邦訳小説
(作中時系列順)
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デス・スター
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エピソード4/新たなる希望
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関連項目

脚注

  1. *編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、作曲賞、録音賞、視覚効果賞の6部門に加えて特別業績賞(鳴きなど特殊音に対して)。
  2. *EPISODE IV A NEW HOPE」のサブタイトル開時は本文のみだった。
  3. *ハンからは「big furry oaf(デカい毛皮のウスノロ)」、レイアからは「むさっくるしい歩く絨毯big walking carpet)」と言われている。
  4. *フリーランス兼密輸業者ダッシュレンダーの宇宙軽貨物
  5. *ハット語「ma klounkee」(おそらく「お前は終わりだ」の意。EP1に字幕付きで台詞がある)だと考えられている。
  6. *序盤のルーク台詞で、郷里を出た友人として名が挙げられてはいる。
  7. *本作のゴールドリーダー役アンガス・マッキネス、ウェッジ・アンティリーズを(本作のみ)当てていたデイビットアンクラムなど本作の出演者に40年ぶりに台詞を新録させてもいる。『ローグ・ワン』における同盟軍部隊発進直前の基地内アナウンスはウェッジ(アンクラム)の台詞である。
  8. *厳密には、本作では原語版の時点でをデイビットアンクラム吹き替えている。
  9. *ひどい。
  10. *指輪物語』などJ・R・R・トールキン伝説体系における「西本」のかもしれない。ルーカスは自身がトールキン作品からを受けていることを認めている。
  11. *フォース。「理力」より抽的な訳もあるのだ。
  12. *Xウイングスターファイター論Yウイングは「Y宇宙艇」。
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望

1 ななしのよっしん
2025/04/19(土) 11:05:06 ID: 0tflnksGNs
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2 ななしのよっしん
2025/05/22(木) 01:20:02 ID: Srtnab0c6j
できたの最近か
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3 ななしのよっしん
2025/05/23(金) 10:53:29 ID: 7Hc4bUK/36
黒澤映画エースパイロットスペースオペラ融合するって改めて考えるとスゴイ事やってる。レイア加わってから種流離譚要素も加わるし
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4 ななしのよっしん
2025/05/23(金) 20:09:10 ID: IsFrl5aupl
裏話もいっぱいあってすげえ
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5 ななしのよっしん
2025/05/24(土) 10:48:36 ID: ItBo3exiSF
スターウォーズ見た事いって人にとりあえず見てみてもらうのにおススメ
絵は古いけど初見で「なるほど、だいたいわかった」と思えるくらい分かりやすい内容(そもそもこの回で1話完結にできてるし)
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6 ななしのよっしん
2025/05/24(土) 20:31:17 ID: f2fDR8A2ya
マシンSFっぽい表面処理はグリーブル(greeble)
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7 ななしのよっしん
2025/05/25(日) 12:31:12 ID: Ezl8ihBH3q
むちゃくちゃ修正されまくってる作品だから人によって知識が変わってくる作品よね
ボバとジャバの初登場が今は4になっているとか
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8 ななしのよっしん
2025/05/25(日) 12:42:21 ID: A6NrObXKLi
>>7
DVDを買ったときにハン・ソロとジャバがファルコンのそばを歩きながら会話してるシーンが追加されてて、こんなんあったっけと驚いたおもひで
ジャバって自走できたのか…
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9 ななしのよっしん
2025/05/26(月) 01:02:22 ID: PJ6RPVSg0+
植民国家故に古来からの神話を持たない米国が初めて創造し得た神話だから、米国民が熱狂的に受け入れたっていう考察があったな
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