スティパ・カプロニ(Stipa Caproni)は、イタリアで開発された珍飛行機の名称。
概要
1932年に、イタリアの航空会社のカプロニ社にて、ルイージ・スティパ(某緑のひげ男ではない)が設計し、作られた飛行機。その形状は、中空の樽型の胴体の中にプロペラとエンジンを完全に取り込んだ、ダクテッドファンと呼ばれるもの。どうしてこうなった。
形こそヘンテコなものだが、性能は意外に高く、短い滑走距離と高い安定性を実現できる。なんだ優等生じゃないか…となりそうだが、無論弱点がないわけでもなく。高すぎる安定性故に旋回が困難だったり、機体の空気抵抗が高くなってスピードが出せなかったり。その結果、イタリア王立軍にはそっぽを向かれ、実用には至らなかった。伊国面はスピードに厳しいからなぁ・・・
実用には至らなかったが、スティパの大部分を占めるダクテッドファンの技術は、飛行船やジェットエンジンに後々応用されることになり、単に失敗機体という訳でもないのである。今、空を飛ぶ飛行機の中には、スティパが祖先に位置するものがいるといってもおかしくはない。
技術的にはベルヌーイの定理が使用されており、また樽状の部分の板は翼型になっているので、これにより高い推進力を得ている。一方で旋回がきつくなっている原因は、この推進力が仇になっているためでもある。真っすぐ進めないイギリスの珍兵器パンジャンドラムとは逆に、こちらは真っすぐ行き過ぎてしまうのである。どっちもかわいい。
実は…
皆様ご存じスタジオジブリの作品、「風立ちぬ」に登場するイタリアの飛行機おじさんことカプローニさん。何を隠そう、彼はスティパの生まれた会社、カプロニ社の創設者である。おめーだったのか狂気の根源は。
本名はジョヴァンニ・バッティスタ・カプローニ(Giovanni Battista Caproni)。別名はジャンニ(Gianni)。「風立ちぬ」の中で作られていた、工事現場の足場みたいな飛行機(墜落しているが)
は、Ca.60というこれまたオリーブオイルのキマった飛行機。初代から頭のネジが外れてやがる。
また、カプロニ社の機体の一つ、Ca.309は別名Ghibli(ギブリ)と言い、スタジオジブリの名前の起こりにも。ghibliとは、サハラ砂漠に吹く「熱風」という意味。
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