ストライクダガーとは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する地球連合軍の量産型モビルスーツである。形式番号はGAT-01。
概要
ザフト軍に唯一強奪されず、かつ多大な戦果を挙げたGAT-X105 ストライクガンダムの戦時省力型の量産機。
一足先に製造されたストライクの制式量産機「105ダガー」はストライク同様にストライカーパックシステムやラミネート装甲を持っていたが、一刻も早く反攻を行いたかった地球軍側の都合と、如何に国力に富む地球軍と言えど高級な105ダガーを大量生産する余裕が無かったため、装甲の簡略化やストライカーパックを省くなどのダウングレードを行って生産性を高めたストライクダガーを優先的に量産。何とか頭数を揃える事に成功した。OSに関しては105ダガーのものに改良を加えた新型を搭載しており、ナチュラルでも操縦を可能とする。こうして地球軍は念願のモビルスーツ戦力化を成し遂げたのだった。
ビームライフルを持っているためフェイズシフト装甲持ちの敵機とも渡り合える上、ジン程度の装甲であれば撃ち抜く事も可能と武装面ではザフト製モビルスーツを圧倒。しかしナチュラルゆえ操縦技術ではザフト兵には及ばず、機体を操作するOSは戦闘データを基に半パターン化したもののため動きを読まれやすく、反射速度にも限界があるなど動作面では後れを取っている(この欠点は1対多を徹底する事でカバーした)。
パナマ基地にストライクダガーを扱う第13独立部隊が配備され、地球軍に大きな自信を与えた。開発時期については不明だが、C.E.71年3月6日に地球軍の士官が「(ダガーの配備が進んでいる)パナマは落とさせんわ」と発言しており、少なくともこの頃には実戦投入が可能だったと思われる。地球軍最高司令部のあるアラスカ基地JOSH-Aで緑色と橙色に塗装された試作機2機が製造・運用され、データ収集に使用していた模様。しかしダガー完成後は用済みだったようで、5月8日のアラスカ基地攻防戦において守備隊に組み込まれ、ザフト軍を迎え撃ったが即座に両機とも撃破された(ゲーム『終わらない明日へ』で追加された新規カットで確認出来る)。
劇中の活躍
C.E.71年5月27日、アラスカ基地での戦いで大部分の戦力を失ったザフト軍残存部隊は、戦力をかき集めてパナマ基地を攻撃。地球軍に残された最後のマスドライバーポルタ・パナマの破壊を試みる。基地守備隊が応戦するも侵攻してくるザフト軍モビルスーツ群には全く歯が立たなかった。そんな中、基地司令は切り札となる第13独立部隊の出撃を命令。ついにストライクダガーが初陣を迎えた。
ビームライフルを標準装備しているダガーは実体弾を主力としているザフト軍モビルスーツに対して優位であり、また操縦技術ではザフト側に一日の長があったため集団戦法や数の暴力を徹底。初めて目にする地球軍のモビルスーツにザフト軍は困惑を隠し切れず、その隙を突くように次々にジンを撃破。無敵を誇っていたザフトのモビルスーツはこの日、初めてその王座から引きずり下ろされたのである。小説版にはジンだけでなくディン、グーン、ゾノも撃破されたと取れる記述がある。しかしザフト軍はマスドライバー破壊のためEMP兵器グングニールを軌道上より投下。ダガーの猛攻を掻い潜ったジンがそれを起動させた事で地球軍の施設や兵器は軒並み機能を停止し、ダガーもまた身動きが取れなくなってしまう。立っているだけの機械人形と化したダガーは片端からジンに撃破され、パナマ基地もマスドライバーも失うという、初戦を黒星で飾る苦い門出となってしまった。
次の戦場は6月15日に行われたオーブ解放作戦であった。地球の一国家でありながら地球軍に与しないオーブを攻略するため、ダガー部隊はスペングラー級強襲揚陸艦や飛行艇から出撃。オーブ軍のM1アストレイ部隊や戦車と交戦する。敵方にバスターガンダムやエールストライクガンダム(HDリマスターではパーフェクトストライクガンダム)、フリーダムガンダムが居たため、かなりの損害を出したものの、地球軍が得意とする数の暴力を活かしてM1アストレイの多くを撃破。勝利に大きく貢献した。
6月18日、ザフト軍に奪われたビクトリア基地の奪還作戦にも本機が投入(第三次ビクトリア攻防戦)。ソードカラミティやゴールドフレーム天といった強力な機体も同時に投入されていたが、ダガー部隊も人海戦術を活かしてザフト軍モビルスーツ部隊を撃破し、作戦を成功させている。他にもダガー系機種が複数投入されて評価試験を行った。戦闘後、地球軍のウィリアム・サザーランド大佐はストライクダガーを「良い出来ですよ」と賞賛している。
物語の舞台が宇宙に移行したためストライクダガーも宇宙に進出。月面プトレマイオス基地にも大量に配備されている様子が窺え、コンテナ運搬などの作業に従事していた。一部は新造艦ドミニオンの艦載機として脱走艦アークエンジェルが身を隠すコロニーメンデルに赴く。7月12日、アークエンジェルの搭載機やザフト軍のモビルスーツ部隊、ダガー部隊が交戦する三つ巴の乱戦が勃発し、ダガーは再びM1アストレイと交戦するが、先のオーブ戦と違って両軍の数に大差が無かったため一方的な戦闘にはならなかった。
9月23日、プラント本国を直接攻めるエルビス作戦発動に伴ってボアズ攻略作戦に参加。ザフト軍は新型MSのゲイツを投入してきたためダガー隊は全体的に劣勢を強いられており(後期GATシリーズがいた戦域は例外だった模様)、少なくない損害を出してしまったものの、核魚雷を搭載したピースメーカー隊を守り切って逆転勝利。ボアズは核の炎に沈んだ。勢いに乗る地球軍は続く9月26日にザフト軍の最終防衛ラインことヤキン・ドゥーエを攻める(第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦)。だが追い詰められたザフト軍は最終兵器ジェネシスを使用し、艦隊ごと多くのダガーが宇宙を貫く光芒に呑まれて消滅。士気と戦線は脆くも崩壊する。生き残ったダガーはザフト軍の猛追から命がけで逃げるしかなかった。撤退後、部隊と体勢を立て直して再度ヤキン・ドゥーエに侵攻。月基地からも増援部隊が出撃し、今度こそ勝利を掴むべく一丸となって戦うが、それをジェネシスの第二射が無慈悲に粉砕、増援部隊をも巻き込んで月基地を消し飛ばされる。宇宙における唯一の後方支援拠点を失った地球軍はザフト軍を降伏させる以外に生き延びる方法が無くなってしまったのだった。絶望的な状況下に陥ってもなおダガー隊は戦い続け、突入時には30機近くいたダガーが壊滅するなどの大損害を出しながらも、何とか停戦まで生き残った。
続編の『SEED DESTINY』では、後継機ダガーLとの交代が済んでおり、さらに次期主力機ウィンダムへの交代が始まった事で、ほぼ全機が退役。劇中では1機も登場する事は無かった。
……のだが、「スペシャルエディション4」やリマスター版などでメサイア攻防戦に参加していた事が判明。しかも停戦まで無事生き残っている。おそらく連合軍の残党がストライクダガーを持ち出して、クライン派に馳せ参じたのだろう。ザクやグフといった荷が重過ぎる敵がひしめき、ネオジェネシスまで飛んでくる危険極まりない戦場を、最後まで生き残ったのは特筆すべき活躍と言えよう。
105ダガー
『SEED MSV』に登場するストライクガンダムの制式量産機。『SEED DESTINY』『SEED FREEDOM』にも登場する。
→詳細は「105ダガー」を参照。
ロングダガー
『ASTRAY B』に登場。『SEED MSV』に分類されるストライクダガーの発展機。
→詳細は「ロングダガー」を参照。
ゲルズゲー
→詳細は「ゲルズゲー」を参照。
関連項目
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