スパイダーマン(英:spider-man)とは、1963年の誕生以来大人気のマーベル・コミック社のアメリカンコミックスである。またそれに登場するヒーロー、もしくはそれを原作とするアニメ・ドラマ・映画のこと。
概要
アメリカンコミックスでは1位・2位を争うぐらいの大人気作品。
漫画での原題は『The Amazing Spider-Man』である。無理やり日本語訳してもいいなら『驚き!蜘蛛男』『怪奇クモ人間』とかそんな感じ。漫画以外の作品の題名は単に『Spider-Man』であることが多い。
主人公のピーター・パーカーが超人的なヒーローとして活躍する物語であるが、一般的なヒーロー作品と違い彼は戦う際にハルクのように変身するわけでも、アイアンマンのように強化スーツを着用しているわけでもない。遺伝子操作をされたクモに噛まれて超人となった彼は、日常生活でも戦闘の際でも肉体自体は何ら変化はしておらず、コスチュームに身を包んでいるだけである。そのコスチュームもあくまで『スパイダーマン(クモ男)』のコスプレであり、何か特殊な効果があるわけではない。ごくわずかな例外を除き、キャプテン・アメリカのスーツのように特注で作られているわけでもない。そのためコスプレをしなくても彼は強い。
人気ヒーローであるがゆえに正史やスピンオフなどでピーター・パーカー以外のスパイダーマンも多数登場している。特に、アルティメット・ユニバース(アース1610)出身のマイルズ・モラレスは2023年現在特に注目されるスパイダーマンになっている。
アメリカでの人気はもちろんのこと日本でも古くから人気であり、日本製のスパイダーマン作品も存在する。中でも独自の特撮作品などが作られて話題を呼んだ。詳しくは”スパイダーマッ”を参照。このスパイダーマッに登場した巨大ロボ、レオパルドンは全ての並行宇宙のスパイダーマンが集結するという"スパイダーバース”においてスパイダーマッを含む日本製スパイダーマンともども本家マーベルコミックスにも逆輸入された。
実写版
2000年代にはサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演による実写映画3部作が世界中で大ヒットを博し、2012年と2014年にマーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演によるリブート作『アメイジング・スパイダーマン』2部作が公開。こちらもヒットを呼んだ。
更に2017年にはトム・ホランド主演による、2度目のリブート及びマーベル・コミックスの劇場作品時間軸”マーベル・シネマティック・ユニバース”への参入が決定。これまで制作会社の関係などで別作品のヒーローたちとのクロスオーバーはできなかったがマーベル・シネマティック・ユニバースへの参入により、アイアンマンやキャプテン・アメリカといったマーベルヒーローたちとの共演も可能になった。その煽りを喰らってアメスパは打ち切りとなってしまったが……2016年4月公開の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で顔出ししたのち、MCUのスパイダーマンの物語として2017年8月に「スパイダーマン:ホームカミング」が公開された。
2018年4月には「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」にてアベンジャーズの一員として強敵サノスとの戦いに挑む。2019年6月28日には再び単独映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」が公開。今作は日本で世界最速公開となった。アイアンマンを失ったMCUでスパイダーマンは新たな強敵に立ち向かう。
2019年8月に制作会社であるソニーとディズニーの契約条件の不一致によってMCUから離脱する事が発表され、一時世界が悲しみに包まれたが、翌9月には新しい条件で和解が成立し、スパイダーマンのMCU残留が決定した。このどんでん返しの裏ではスパイダーマンを演じるトム・ホランドによる両社への説得があったという。
MCUスパイダーマン第3弾「ノー・ウェイ・ホーム」は新型コロナの影響で撮影や公開が遅れたが、2021年12月17日に全米公開。日本公開は翌2022年1月7日となる。今作ではサプライズとしてトビー・マグワイヤ、アンドリュー・ガーフィールドがまさかのスパイダーマン復帰を果たし、大ヒット作品となった。「ノー・ウェイ・ホーム」の特別編「The More Fun Stuff Version」は2022年9月に公開された。
2023年2月にMCUを統括するケヴィン・ファイギがインタビューにてMCUスパイダーマン第4作の脚本作りが始まっていることを明かした。2024年10月にはMCUスパイダーマン第4作の公開日が2026年7月24日を予定していることが発表された。
その他のMCU作品1本にもスパイダーマンが出演する事も決まっている。
アニメ版
アニメ化も何度もされており、2015年にはアメリカで放送された「アルティメット・スパイダーマン」が日本でも「アルティメット・スパイダーマン ウェブウォーリアーズ」として放送され、ニコニコ動画でも配信された(現在は配信終了)。2016年には第4期として「アルティメット・スパイダーマンVSシニスター・シックス」が4月から放送。ニコニコ動画でも配信された(現在は配信終了)。2017年には再リブートした「マーベルズ・スパイダーマン」がアメリカで放送開始された。
2018年12月には「スパイダーバース」を基にしたアニメ映画「スパイダーマン:スパイダーバース」が公開された(日本では2019年3月公開)。
「スパイダーバース」続編の「アクロス・ザ・スパイダーバース」は2023年6月公開。更なる続編「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」はもともと「アクロス」と2部構成の後編にあたり、2024年に公開予定だったのだが、ハリウッドの脚本家ストライキ・俳優組合ストライキにより制作が止まってしまい、2023年11月時点では公開日未定となっている。「アクロス」では新ヴィランとして次元の穴を操る「スポット」が登場。また、スパイダーマン2099ことミゲル・オハラを筆頭に前作以上に多数の並行世界のスパイディたちが参戦する。詳細は「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」参照。
MCUスパイダーマンのオリジンを描くと言われている「スパイダーマン:フレッシュマン・イヤー」はディズニー+で2024年に配信予定。
あらすじ
冴えないが科学が得意な高校生ピーター・パーカーは遺伝子変異の蜘蛛に噛まれ、特殊能力を得る。最初はそれを自分の金儲けに使おうとしたが、強盗を見逃したことで伯父のベンを死なせてしまう。罪の意識に苛まれるピーターだったが、かつてベンが言い遺した「大いなる力には大いなる責任が伴う」の言葉を胸に、自らの能力を人のために使うことを誓う。
彼はその後正体を隠しながら「親愛なる隣人・スパイダーマン」としてビルからビルへと飛び移り活躍する。
主な登場人物
ピーターの主な取り巻き
- ピーター・パーカー/スパイダーマン
- ベン・パーカー
- メイ・パーカー
- メリージェーン・ワトソン(MJ)
- グウェン・スティシー
- リズ・アラン
- ハリー・オズボーン/二代目グリーンゴブリン
- フラッシュ・トンプソン
- エリザベス・アレン
- J・ジョナ・ジェイムソン(JJJ)
- ベティー・ブラント
主なヴィラン
- グリーンゴブリン/ノーマン・オズボーン
- ドクターオクトパス/オットー・オクタヴィアス
- ヴェノム/エディ・ブロック
- カーネイジ/クレタス・キャサディ
- ホブ・ゴブリン/ロデリック・キングズリー
- エレクトロ/マックス・ディロン
- リザード/カート・コナーズ
- ヴァルチャー/アドリアン・トーメス
映像作品
実写映画
- スパイダーマン(2002)
- スパイダーマン2(2004)
- スパイダーマン3(2007)
- アメイジング・スパイダーマン(2012)
- アメイジング・スパイダーマン2(2014)
- スパイダーマン:ホームカミング(2017)
- スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019)
- スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021)
- MCUスパイダーマン第4作(2026年7月26日公開予定)
アニメ
- スパイダーマン新アニメシリーズ (2003年)
- 世界観は実写映画シリーズに近いがスパイダーマンの性格はどちらかというと原作寄り。フルCGで描かれる。
- 前半はコミカルさやギャグシーンが目立ったものの、後半になるに連れ、徐々に重くダークな作風になっていった。
- 結末も救いがないまま終わったが人気は高く、隠れた名作として評価する声が多い。
- 当初は映画『1』と『2』の間の物語として宣伝されていたのだが、最終的には『2』には繋がらない結末を迎えた。が、この結末は結果的に、サム・ライミが『4』で描くはずだった結末に通じる部分を持つものとなった。
- 日本では2004年4月から日本テレビ、地方局、AXN、アニマックスで放送された。ピーターの声は猪野学。平成においては2代目にあたるが、初代扱い。
- スペクタキュラー・スパイダーマン (2008年)
- アルティメット・スパイダーマン (2012年)
- マーベルズ・スパイダーマン(2017年)
- スパイダーマン:スパイダーバース(2018年)
- スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年)
- 『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編。マイルス・モラレスにスパイダーマンの宿命が襲い掛かる。
- ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン(2024年予定)
関連動画
関連商品
関連項目
- アメリカンコミック
- マーベル・コミック
- 漫画作品一覧
- 映画の一覧
- 蜘蛛
- スパイダーマン(ヨーヨー)
- Marvel’s Spider-Man (本作を題材にしたPS4のオープンワールド式ゲームソフト)
- アース51778所属、情け無用に誘導する男←スパイダーマッ(東映版スパイダーマン)
- ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース
- スパイダーウーマン
斜め上具合は東映版以上(?)なイタリアンスパイダーマンもよろしく。
関連リンク
親記事
子記事
- アメイジング・スパイダーマン
- スパイダーバース
- スパイダーマン:スパイダーバース
- ペニー・パーカー
- スパイダーグウェン
- ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース
- スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
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