スパリゾートハワイアンズとは、福島県いわき市にあるレジャー施設である。
概要
時は1960年代。輸入石炭との競争やエネルギー革命により、日本国内の炭鉱は次々と閉山していった。それは常磐炭鉱(現:常磐興産)でも例外では無かった。不動産・建築業や包装用品の製造等に事業を広げる一方、炭鉱の坑道から湧き出る温泉を利用した、テーマパークを開設する事になった。それが、常磐ハワイアンセンターである。
常磐ハワイアンセンター開設時の様子が、映画「フラガール」に描かれている。
ちなみに「ハワイ」をテーマとして選んだのは、当時の日本人が一番行きたい外国No.1がハワイだったためである。計画当初は社内でも反対の声が挙がっていたが、最終的に当時の副社長が押し切る形でオープンにこぎつけている。
1966年に「常磐ハワイアンセンター」としてオープンし、1977年にはハワイならゴルフもやらなきゃと隣接地にゴルフ場をオープン、バブル景気を機に開業25周年目の1990年に名称を「スパリゾートハワイアンズ」に改称し、屋外温水プールを備えたスパ関連施設の増築が行われた。
その後、バブル崩壊や円高(本物のハワイに行くのが安い)の影響で、入場者数は減少するが、1997年に世界最大の露天風呂としてギネス世界記録に認定された「与一」を開業さ、当時は美白ブームであり、日焼けを回避できる屋内プールと美肌が期待できる温泉効能の相乗効果があった事から入場者数が回復、宿泊者向けに首都圏から発着する無料送迎バスも始まり、年間来場者数は140万人とバブル期前の水準にまで回復した。
2006年に映画「フラガール」が公開されたりで入場者数は増加。現在も「日本のハワイ」として、関東・東北の人々に親しまれている。
2011年3月11日に発生した東日本大震災および2011年4月11日に福島県浜通りを震源としたM7.1の余震の影響で施設が損傷、一時休館していたが、2012年2月8日に全面復旧している。
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の影響により、プールの臨時閉鎖および宿泊施設の休業や時間短縮営業を余儀なくされ、さらに2年半に亘る渡航自粛の打撃は大きく、GoToトラベル等の振興策の甲斐もなく2023年の5類移行まで来場者数は低迷、2022年の年間来場者数は2020年比の3割にまで落ち込んだ。
2024年9月に、ハワイアンズを運営する常磐興産が米投資ファンド・フォートレス・インベストメント・グループによるTOBを受け入れ完全子会社化される見込みである。フォートレスによる資金調達で老朽化した宿泊施設を重点に大規模な設備投資が行われる。
フラガール
ダンサーの正式名称はスパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム。通称はフラ・ガール。
スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産附属の認可専門学校「常磐音楽舞踊学院」で2年間ダンスや茶道、華道、音楽などを学ぶ。卒業後はハワイアンズの社員として採用され、1年目の7月にはスパリゾートハワイアンズ内のビーチシアターでデビューを迎えるのが慣例となっていたが、2011年デビューした常磐音楽舞踊学院47期生は東日本大震災の影響を受け、部分オープンしたあとの10月中旬にデビューと、デビュー時期が大幅に遅れた。
2012年5月現在、47期生を含む34人がフラ・ガールとしてステージに登り、午後1時半~のポリネシアンレビューと午後8時半からのグランドポリネシアンショーに出演している。また夕方には体験タイムも行われ、ステージ上でフラ・ガールたちが子どもたちにフラを指導するほか、フラを学んでいる人を対象としたフラ教室、いわき市内を中心とした様々なイベントにも登場している。東日本大震災後、全国きずなキャラバンを展開し、全国各地でフラを披露した。このことから2011年観光長官表彰を受賞したほか、2012年5月に沖縄県で開催された島サミットでは親善大使を務めるなど、東日本大震災復興のシンボルとして活動している。
関連動画
関連コミュニティ
関連作品
関連項目
- 2
- 0pt