スペシャルマンとは、漫画「キン肉マン」に登場するキャラクターである。
概要
アメリカ出身の超人で、アメフト選手のようなプロテクターを身に纏っている。しかし体格は超人としては小柄な部類で、パワーで押すタイプでは無さそうである。超人図鑑では(披露したことはないが)寝技の達人となっている。
年齢も20歳と若手の部類に入るが、その声望・人脈は年齢や戦歴を超えた大きさを持っている。
プロフィール
経歴
第20回超人オリンピックでアメリカ北部代表として初登場。南部代表のテリーマンと並んで全米のツートップを張る実力者であり、またテリーマンとは旧知の仲であった。
彼は「キン肉マンとは友人では無いが、テリーマンとは友人」という人物であり、つまり「世界にはキン肉マンの知らなかった人間関係の繋がりがある=作中に描かれていない広い世界が存在する」という事実を示す、世界の広がりを感じさせる人物であった。
キン骨マンの奸計によってスペシャルマンが予選競技で脱落するとテリーマンは彼の名を叫んで落胆し、またスカイマンとの試合でテリーマンが苦戦すると重傷の身でリングサイドに駆けつけて声援を送ったのはスペシャルマンであった。テリーマンを励まして奮起させるという友情のシーンをキン肉マンを差し置いてスペシャルマンが成し遂げたことがあったのだ。
アメリカの超人界が三つの団体に分裂し、各州のチャンピオンベルトを巡って国盗り合戦の様相を呈していたアメリカ遠征編では、なぜか彼は参戦していない。当時キン骨マンの銃撃によって負傷中のテリーマンや、アメリカ本土から遠く離れたハワイ州チャンピオンのジェシー・メイビアはともかく、超人オリンピック北米代表・ミネソタ州ヘビー級チャンピオンであるスペシャルマンが抗争に巻き込まれていないのは不自然であるが、業界の利権争いという醜い争いに嫌気がさして世界を転戦していたのかも知れない。
と言うのも、テリーマンが戦線復帰してキン肉マンとザ・マシンガンズを結成し、宇宙一凶悪コンビとの決戦に際して世界中から百人もの超人たちを集めてマシンガンズの応援に駆けつけているのである。これはアメリカ国内の内紛に対して、世界の超人達はマシンガンズの味方に付くという表明であり、リングに上がって戦うわけでは無いがマシンガンズにとって頼もしい応援であったに違いない。また、レフェリーを買って出た残虐超人ラーメンマンの裁定によって宇宙一凶悪コンビの凶器攻撃を事前に阻止しており、実際にマシンガンズ有利に局面を動かした。この質・量ともに大陣容の超人たちを動かす人脈の広さは弱冠20歳の若手超人が為し得たものとしては非常に大きい。
ここでもやはりスペシャルマンは「リングに上がって戦ってくれたり、キン肉マンの直接の友人では無いが、テリーマンを通して間接的に味方に付いてくれる有力な超人」であった。
しかし、作品の内容が「キン肉マンこそが正義超人の中心人物」「キン肉マンと親しい数人の超人がアイドル超人と呼ばれ、他の正義超人とは一線を画した存在になる」と変化していくと、「キン肉マンの視野の外にある世界」を代表するスペシャルマンの役割は失われていく。
悪魔騎士編では超人パワーを奪われ生命維持装置の中に居続け、悪魔将軍にリング下に召喚されてリングを支える事になる。ここではスフィンクスマン、ジャンヌ・スティムボード、スカル・ボーズら多数の有力な超人達が次々に倒れていく中で、委員長とカナディアンマンと共に最後までリングを支え続けてキン肉マンの勝利に貢献した。この際に自身らを称した「強豪」の台詞は読者から揶揄される事も多いが、少なくともアイドル超人以外ではカナディアンマンとスペシャルマンがトップ2になるという描写であり、客観的に見れば決して間違ってはいない。戦いを終えた悪魔将軍も、自身を圧倒した友情パワーの構図の中にちゃんとスペシャルマン・カナディアンマンの顔を入れてくれているのだ。
この功績を認められてか、続く超人タッグ編ではカナディアンマンと組んでビッグ・ボンバーズとして出場。ここからがいけなかった。
はぐれ悪魔コンビに「弱体チームには出場を辞退願おうか」と挑発され、地獄のコンビネーションを喰らって大会開始前に敗退。これが36巻までにおける彼らの最後の戦闘シーンであり、長らくカナスペと言えばこの惨敗シーンと語り継がれ続けた。さすがにこれしか覚えていない二世のスグルは酷いと思う。悪魔将軍戦でリングを支えてくれた事は忘れたのか。後に帰国したスペシャルマンは民衆からものをぶつけられるという虐待を受けた……。
王位争奪編ではフェニックスに苦戦するキン肉マンのもとに駆けつけ、キン肉マンが勝ったら「その王位を賭けて超人オリンピックで戦おうじゃないか」とトンチンカンな檄を飛ばして読者の頭を混乱させる。その王位ってただのチャンピオンベルトじゃないんだが。こいつキング・トーンみたいにキン肉星の王位簒奪を目論んでいたのか、と言う事になってしまう。
その後も、万太郎たちが未来からやってきた究極タッグ編では時間超人の強さに尻込みしたり、カナディアンマンと共にグレートIIIの足を引っ張ろうとしたり(一応止めに入る役ではあったが止めきれなかった)、ウルフマンの引退を描く読み切りでは気がついたら乱入者にのされていたり、完璧・無量大数軍がやってくると阻止しに立ち向かうが一瞬にしてやられたりとロクな役が回ってこず、すっかりヘタレ・かませ・やられ役として定着してしまった……。
こうなってくると、なまじ前半戦で戦う場面が無かったことも災いし、彼の強さを立証する場面が全く無い。必殺技も設定資料に名前が載っているだけだったり、ゲームで追加されたものしか無い。
だが、オメガ・ケンタウリの六鎗客編ではカナディアンマンと共に奮起して特訓に励んだことが語られている。カナディアンマンはかなりの奮闘を見せてくれたものの敗退。ここで不思議なことにスペシャルマンは試合場に現れなかった。かつて重傷の体を押してテリーマンの応援に駆けつけたはずの彼が、である。
続く調和の神たちとの戦いにおいても、スペシャルマンの参戦は無いままであった。もはや敵が強すぎてスペシャルマンが来ても足を引っ張るだけになってしまいそうなので、仕方が無さそうではあるが……。
声優
関連項目
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