スホーイ(Сухой:Sukhoi)とは、ロシアの航空機メーカーである。スホイとも。
変態機動のデモンストレーションに定評のある航空機メーカーである。
概要
旧ソ連のスホーイ設計局を前身とする。戦闘機Su-27(NATOコード"フランカー")の成功により、ミグにかわってソヴィエト・ロシア戦闘機の代名詞となった。
親方赤旗の例に漏れずソビエト崩壊に伴って一度は苦境に陥ったものの、主力輸出商品であるフランカー・シリーズの好調に支えられて盛り返し、現在は次期主力戦闘機Su-57の開発を進めている。また軍用機のみならず、Su-26等、民間向けのアクロバット専用機や旅客機なども手がけている。飛行艇で有名なベリエフとは提携関係にあるためにスホーイのPVなどでもベリエフの飛行機が登場することがある。
ソ連崩壊以降、たびたびエアショーにおいて変態機動を披露している。
主要現行機種
- Su-24 “フェンサー”
- Su-25 “フロッグフット”
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双発ジェットの対地攻撃機。A-10の運用コンセプトを参考にした近接支援機。ディーゼル燃料やガソリンでも飛べるともっぱらのうわさ。
- Su-27 “フランカー”
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「現代制空戦闘機の到達点の一つ」とも評される大型戦闘機。その優美な曲面のラインとグラマラスなフォルムは、多くの「熟女マニアのスケベなアカども」を魅了している。
- Su-34 “フルバック”
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Su-27から発展した戦闘爆撃機・哨戒機。海軍や輸出用にはSu-32の名称も用いられる。おおまかなシルエットはSu-27だが、大型化・並列複座化されている。戦闘機のようなナリでありながら、ソノブイなどの潜水艦探知装備も搭載可能だったり、長時間の作戦のためのトイレや簡易キッチンを装備していることなどが人気を集めている。
- スホーイ・スーパージェット100(SSJ100)
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スホーイにおける初の民間旅客機。70席~100席のいわゆるリージョナルジェット機。競合機との違いとしてはエコノミークラスでは横に2席+3席の5列配置の客室を持っていることだろう。冷戦終結後、西側の旅客機に奪われつつある旧ソ連機の代替需要のみならず、西側諸国の環境基準を達成し、外の市場にも打って出る腹づもりの野心的な旅客機。また、純国産体制にはこだわっておらず開発における資本や下請けなどは西側企業とも連携し開発を進めていて、2008年5月に初飛行し、2011年4月よりアルメニアやロシアのエアラインに引き渡され就航している。
過去の主要機種
Su-7“フィッター”
1950年代に初飛行した大型の戦闘爆撃機。機体胴体部は同時期に開発されたMiG-21とそっくりで、MiG-21を大きくして後退翼化したような機体。航続距離が短く兵器搭載量が貧弱な弱点があり、前線に居た期間は短かった。
MiG-23の対抗馬として作られた上述のSu-7の主翼を可変翼にし、各部を改良した機体。元々の機体素性の良さとスホーイ設計局の改良のおかげで、戦闘爆撃機として優れた性能と機体の頑丈さ、高い信頼性を持つ優秀な戦闘爆撃機に仕上がった。その結果東側で一大ファミリーを形成し、今日までのスホーイの礎となった傑作機である。ロシアでは退役済みだが、旧東側や中東では現在も輸出型の機体を使用する国も存在する。
Su-9“フィッシュポット”・Su-11“フィッシュポットC”
Su-7の防空軍仕様の機体。主翼にデルタ翼を採用しているため完全に外観は「でかいMiG-21」。当時のソ連の電子技術の粋を結集したハイテク迎撃機であったが、同時期のアメリカのハイテク機同様に機銃を搭載していない弱点があった。後にレーダーやアビオニクスを改良したSu-11が登場している。またSu-9は派生として『空飛ぶ研究室』の異名を持つ数々の飛行試験機が作られ、後のソ連の航空技術の発展に大きく貢献している。
Su-9の発展型。大型のレーダーが搭載できない弱点を持つ機首エアインテークをやめて、機体側部のインテークを採用している。迎撃機としては優秀な機体であったものの、アビオニクスが高度すぎたため輸出型は作られずソ連防空軍だけで使用された。1978年の大韓航空902便機銃撃事件と1983年の大韓航空007便撃墜事件でも有名な機種。
試作機・開発中の機体
- Su-47 (S-37) “ファーキン”
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ベルクト(ビェールクト)と呼ばれる、技術デモンストレータ。前進翼と三舵面操舵を採用し、良好な機動性を発揮する。本来はソ連末期に構想された次期期主力戦闘機のための技術実証機であった。採用した軍隊は存在しないが、一応の武装搭載能力はあるとされている。ACECOMBAT3に登場し、架空機だと思っていたら実在したのでびっくりした。
- Su-57
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F-22に対抗しうるロシア(そしてアメリカ以外で)初の第五世代戦闘機となる予定の将来型戦闘機。2010年1月、既存機のエンジンを流用し、レーダー等を搭載しない試作機が初飛行した。ロシア以外ではインドが将来的な採用を予定している。
評価
フランカーシリーズの成功において、スホーイは航空機メーカーとしての名声を確立した。登場当初、優れた性能を持つフランカーは電子機器の貧弱さなど欠点を抱えていたものの、西側世界にとって大きな脅威だった。
ソヴィエトが崩壊し、秘密のベールに包まれていたフランカーの露出が増えるにつれ、フランカーは民間の航空/軍事マニアの心をつかんでいった。かく言う筆者も、航空自衛隊でフランカー買わねえかな、と思っていたクチである。
しかし、フランカーのえろい美しい曲面は中央流体力学研究所が研究したコンセプトに基づいており、MiG-29も同様のコンセプトに基づき、似た機体構成を用いている。
ならば、あえて問わねばなるまい。
スホーイの魅力とは、フラゴンやフロッグフットやフェンサーの垢抜けない無骨さの中にこそあるのではないか、と。「きょうもまた、冷凍ギョーザと引き換えで戦闘機を作る仕事がはじまるお・・・」
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関連項目
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