『スレイヤーズ』とは、1989年から刊行された神坂一による日本のライトノベル。
イラストはあらいずみるい。富士見ファンタジア文庫より刊行されている。
概要
主人公のリナ=インバースは、10代半ばの少女ながら「盗賊殺し」「ドラゴンもまたいでとおる(ドラまた)」等数々の異名・悪名を轟かす(自称)美少女天才魔道士。
姉に世界を見て来いと言われて故郷を旅立ち、各地を巡るリナは、道中「白蛇のナーガ」を始めとする個性的な面々と出会いながら、不条理ギャグの横行する世界を旅していく。(すぺしゃる)
旅の凄腕剣士ガウリイ=ガブリエフと出会った頃から、魔王シャブラニグドゥの復活や魔族達の陰謀によって様々な事件に巻き込まれていく。(本編)
本作は、そんなリナの行く先々で起きる出来事を綴った物語である。
ライトノベルにおいて、長編シリーズと短編シリーズを並行して発表する形式を確立し、多数のメディアミックス展開が行われるようになった、後のラノベの手法を確立した偉大な作品である。
小説本編は第2部が15巻で完結し、短編も2011年春の連載で月刊ドラゴンマガジンでの連載を終了して休止していた。また、原作小説のほかTVアニメシリーズ、OVAシリーズ、劇場版アニメ、ドラマCD、漫画などメディアミックスが盛んである。
2016年にはソーシャルゲーム「グランブルーファンタジー」とのコラボレーション「スレイヤーズまぐな」を展開するなど、今なお人気は衰えていない。
2010年10月よりテレビ東京あにてれちゃんねるにて無印・NEXT・TRYの3作の公式配信が開始された(2話以降は有料)。
また、原作の本編シリーズもニコニコ静画内の電子書籍コンテンツとして配信中。
2018年10月に本編第16巻が18年ぶりに刊行され、本が売れないと言われているのこの時代で重版まで行われた。そして、翌2019年5月発売の雑誌『ドラゴンマガジン』にて、著者の神坂一が本編第3部の執筆を始めることを明かし、平成初期の人気作が令和の時代に本格的に復活する事になった。
そして続編の17巻『遥かなる帰路』の発売が2019年10月19日と正式に決まり、9月20日発売のドラゴンマガジン11月号では冒頭部分を先行掲載する旨を発表した。
2018年10月20日:『スレイヤーズ』全シリーズ初のBlu-ray化が決定したと同時にスレイヤーズBlu-ray BOX特設サイトが開設された。
30周年プロジェクト始動
2019年10月20日に東京・ベルサール秋葉原で開催された「ファンタジア文庫大感謝祭2019」にて、スレイヤーズ30周年記念プロジェクトが始動する事が発表された。30周年プロジェクトの幕開けとなるSPイベントが2020年3月29日(日曜日)にTOKYO DOME CITY HALLで開催される事が決定し、出演者は、林原めぐみ、松本保典、川村万梨阿の3名による他となっている。また、スレイヤーズ30周年記念公式特設サイトが開設された。後に3月27日政府の要請により新型コロナウイルスによるイベント開催中止となった。今後の動向に注目である。
小説シリーズ(原作)
- スレイヤーズ(本編)第1部1~8巻・第2部9巻~15巻・第3部16巻~ (最新刊17巻)
- スレイヤーズすぺしゃる(短編) 全30巻
- スレイヤーズすまっしゅ。(短編) 5巻【休止中】(すぺしゃるの続き)
- スレイヤーズでりしゃす(ミニ文庫) 全4巻(すぺしゃるに収録)
- スレイヤーズせれくと(よりぬき版) 全5巻
- スレイヤーズ(角川つばさ文庫版) 著者:南房秀久・イラスト:日向悠二 全2巻
登場人物
- リナ=インバース - 声:林原めぐみ
- 主人公。自他共に認める天才魔道士だが、胸は無い。弱点は故郷(くに)の姉ちゃん。原作はほぼ彼女の一人称が基本であり、敵との頭脳戦も繰り広げる。
- 人間の限界とされる「竜破斬(ドラグ・スレイブ)」を気軽にぶっ放せる程の魔力容量に加え、魔術知識も天才的であり、呪文のアレンジや開発も得意。主として使用するのは黒魔術と精霊魔術。
- 「悪人に人権は無い」と言うモットーを持ち、盗賊団を叩き潰して金品を強奪する「盗賊いじめ」が趣味。ちなみにアニメ版では、数少ない「男の痛みを味わった女性」となった。どこが痛くなったか聞く奴には暴れちゃうぞ!
- ガウリイ=ガブリエフ - 声:松本保典
- 作中随一の剣術と、人間離れした身体能力を誇る凄腕の剣士。実は伝説の剣である光の剣(ゴルン・ノヴァ)を代々受け継いでいる。
- が、頭の巡りが「脳みそスライム」と呼ばれる程悪い。当初はそこまでバカではなかったのだが、魔法や世界観の説明をする「聞き役」になる為バカな描写が増えてしまった結果との事。
- ちなみに、ガウリィでもガウリーでもなく「ガウリイ」である。
- ゼルガディス=グレイワーズ - 声:緑川光
- 石人形(ゴーレム)と邪妖精(ブロウ・デーモン)と合体させられた合成獣(キメラ)人間。その強化もあってガウリイに次ぐ凄腕の剣士にして魔道士。元の肉体に戻る手段を捜し求めている。
- 精霊魔術に関しては一部リナを凌ぐ魔法も使える他、剣に魔法をかけて強化する等の戦法が得意。
- アニメだと突如としてギャグキャラ化が進行する。
- アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン - 声:鈴木真仁
- 聖王国セイルーンの第一王子王位継承者の次女(彼女自身は王女ではない)。父によく似て正義を妄信する正義バカであり、父譲りの格闘術と正義の心で戦う。
- 通称なかよし四人組の中では白魔術に長ける。その他、自分の両手に魔法をかけて純魔族と殴りあう事も。
- 白蛇(サーペント)のナーガ - 声:川村万梨阿
- ガウリイと出会う前にリナがよく行動を共にした人物。外伝である「すぺしゃる」のもう1人の主人公。映像作品では劇場版のみに登場し、ガウリイらとはゲーム作品、つばさ文庫版でのみ接点がある。
- 悪の女幹部とでも言うべき露出度の高い奇抜なファッションセンスと、高笑いが特徴。
ガウリイ並みに何も考えていないで行動し、暴走、自爆するトラブルメーカーだが、リナの知らない魔法を知っていたりする等、実力は確か。召喚系の魔法を好むが、まともに制御できた方が稀で大概暴走させている。 - 血を見ると卒倒すると言う、まるで良家のお嬢様のような弱点がある。あとリナとは正反対の爆乳。
アニメシリーズ
アニメでは初期三作はテレビ東京系列の夕方の時間帯に放送された。林原めぐみがリナ=インバース役、松本保典がガウリイ=ガブリエフ役を行っており、そのキャラクターがぴったりはまり、レイアースやエヴァンゲリオンなどのアニメブームの中でも高視聴率をキープしていた。
アニメ版と原作には設定や描写に異なる部分が存在するが、アニメ化作品としては原作との親和性や評価も比較的高い。また主題歌も林原めぐみ、奥井雅美が担当し、特に林原の楽曲はオリコンチャートでベスト10入りするなど、放映当時としては偉業を遂げている。
初期3作(スレイヤーズ、NEXT、TRY)のTVシリーズ放映時に渡部高志(監督)、宮田奈保美(キャラクターデザイン)らの属する猫南蛮亭は、放映と並行してWebサイトからアニメ制作にまつわる各種情報を発信しており、その中で明かされた話に「原作者神坂一からTVアニメ化に際して制作者が知っておくべき裏設定(原作本編完結前の当時未公表のものや意図的に表に出していないもの)を伝えられている」というものと、一部公開されたその設定内容(魔族や魔法の仕組みなどの世界観、登場人物の行動動機に関わるエピソードなど)があった。
これらがスレイヤーズの作品をより深く知る上で原作とアニメの両方のファンにとって貴重な情報であったことと、それに基づいて作られたアニメの信頼性を上げる結果になっていたことも関係していたと思われる。
2008年におよそ10年ぶりのTVアニメ版となる「スレイヤーズREVOLUTION」が以前と同じ配役メンバーで放映された。
アニメ版との設定などの違いについてはWikipediaの該当項目を参照。
TVアニメシリーズ
- スレイヤーズ(1995年)
- スレイヤーズNEXT(1996年)
- スレイヤーズTRY(1997年)
- スレイヤーズREVOLUTION(2008年)
- スレイヤーズEVOLUTION-R(2009年)
OVAシリーズ
劇場版アニメ
配信サイト
タイトル | 配信サイト | 配信開始日 | 備考 |
---|---|---|---|
スレイヤーズ (全シリーズ+全OVA) |
dアニメストア | 2012年8月4日〜 | 永久配信 |
U-NEXT | 2019年11月22日〜 |
関連動画
アニメ配信
関連生放送
外部リンク
- 「スレイヤーズ」シリーズ(Blu-ray BOX情報)(キングレコード特設サイト)
- スレイヤーズ30周年プロジェクトサイト(ファンタジア文庫:特設サイト)
- 【公式】スレイヤーズ30周年プロジェクト(Twitter)
関連項目
- 神坂一
- あらいずみるい
- 大人の事情
- ちょっと待ってください事件
- スレイヤーズREVOLUTION
- スレイヤーズろいやる
- スレイヤーズろいやる2
- スレイヤーズわんだほ〜
- ロスト・ユニバース
- グランブルーファンタジー(コラボ)
- ライトノベル
- 小説作品一覧
- アニメ作品一覧
- ニコニコ動画で配信中のアニメ作品一覧
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