スレッタ・マーキュリーとは、TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の主人公である。
概要
水星フロントからアスティカシア高等専門学園に編集してきた生徒で、パイロット科2年。赤髪・褐色の肌・麻呂眉・水色の瞳が特徴のタヌキ少女で年齢は17歳、『ガンダム・エアリアル』と共に学園へと編入し、同機のパイロットを務めている。
内向的な性格でコミュニケーション能力が乏しく、慌てたときや他人との会話ではどもりがち。また緊張度が上がるとタブレットや他人などの後ろに隠れ顔を隠す。一方で学園の景色を見て目を輝かせる等、好奇心は強い。ミオリネに対して横柄な態度を取る横恋慕さんグエル・ジェタークに対してビビりながらも引かず謝罪を要求するなど芯は強い。
学園に入ったのは「お母さん」の勧めであり、事あるごとに言いつけを引用する。髪飾りもお母さんから貰い物であり、マザコンの気がある。
立ち絵の少々まぬけな顔などからパッと見は虫さえ殺せない印象を与える少女であったのだが……
使用機体:ガンダム・エアリアル
スレッタが学園に申請して持ち込んだ機体。性能・武装などについては項目参照。
幼少期からの付き合いで「家族」と認識している。それとは別にガンビットの事は「みんな」と呼んでいる。付き合いが長いからなのか、比喩としてエアリアルたちの声が聞こえると表現している。
他社と共通規格の為、一般人が乗っても動かせるが、スレッタが乗り込む事でその性能を発揮できる。
エリクト・サマヤ
前日譚である『PROLOGUE』では彼女の4歳の頃と思われるエピソードが描かれているが、その時点では「エリクト・サマヤ」と呼ばれている(担当声優も同じく市ノ瀬加那)。彼女自身もその名を気に入っているが時が過ぎた本編では何故か全く違う名を名乗っている。
スレッタとは違い天真爛漫な性格であり、彼女の両親は手を焼いており両親のことはまだ「パパ」「ママ」と呼んでいる。
その4歳時点で『ガンダム・ルブリス』を起動(その際エルノラが驚愕する事になるがその理由は後述する)、攻撃をシールドで防いだ後にガンビットに分解。それを操り敵モビルスーツを2機を落とし、仕留め損ねた最後の1機をガンビットライフルの引き金を引いて1発で仕留めるという事態を成し遂げており、現段階で既に手は血で汚れているというとんでもない経緯がある事が判明している(しかし幼さ故に撃墜した機体の中に人がいるとは思っておらず「ろうそくみたいできれいだね」と輝く様を蝋燭と例えており、4歳という若さで血に塗れてしまった事を自覚していない)。ルブリスに同乗しており、その光景を目撃した母親『エルノラ・サマヤ』は自身が殺しを経験していない事から二重の衝撃を受けて言葉を失ってしまった。
しかしガンダム戦に特化した『べギルベウ』の襲来には対応する事が出来ずに撃墜寸前まで追い詰められるが父親『ナディム・サマヤ』の特攻によって難を逃れ母親と共に逃亡する事となる。
父親が『ハッピーバーバースデ―トゥーユー』を歌う真の意味も『フォールクヴァング』で起きた惨劇も理解する事なく……
その後の足取りは不明であるが……小説版にて『ガンダムは命を奪う』事が正式に判明(機動戦士ガンダムアーセナルベースにてガンダム・ルブリスが描かれた作戦カードの1つが『命と引き換えの力』であり既に示唆はされていた、これがエルノラが驚愕の表情を浮かべた理由)その安否が心配されている。
なお生き残りの敵パイロットにしてスレッタの父親の特攻を受ける事になった「ケナンジ・アベリー」はモビルスーツの動きを見て賞賛の言葉を送っている事から、4歳が操作しているとは思っていないのは明白であり、モビルスーツの操縦(もしくはGUNDフォーマットの適性)に関して天賦の才を秘めていた様であり、現在の操縦技術はジェターク社の御曹司にしてエースパイロットである「グエル・ジェターク(横恋慕さん)」を下す程までの腕前になっている。
そしてアド・ステラのガンダムは常人では動かす以前に起動させる事が困難な特殊なシステム『GUNDフォーマット』が採用されている。
詰まる所。今作のガンダムパイロットである時点で普通の人間ではないと考えられていたのだが5話で『エラン・ケレス』がエアリアル側が特別だと言及した事でスレッタ側は何もないと思われていた。しかし10話にて鉱物元素パーメットが無ければ動かせない『GUND』を動かしている事から体内にパーメットが流入されている事が示唆されており、エアリアルと関連しているのか不明だが人為的な何かによって調整が施されている事が判明した。そして6話にて『PROLOGUE』の時系列が本編の21年前であると仄めかされた事で年齢の辻褄が合わなくなってきており、スレッタがエリクトではない可能性が出現。サマヤ家の一員なのかさえ怪しくなっている。更には年齢が17歳で確定している筈だがアーセナルベースのカードの年齢の部分には何も書かれていない等、年齢が本当に17歳なのかさえ怪しくなり、どの様な存在なのか何もかもが不透明である事が現状の何処か不穏な主人公である
『ゆりかごの星』
一話放送に合わせて作品のOPである『祝福』の原作小説が公開された。コレはガンダム・エアリアル視点による0.5話に当たる話となっており、主人公がどのように成長したかが判明したわけだが……
- 水星には資源採掘基地しかなく、太陽風による強力な荷電粒子を含めた過酷な環境は人間が生活するには不向き。その為か作業者は老人ばかりであり、水星に主人公以外の子供が存在しない。
- 学校は勿論存在せず、どころか娯楽にも乏しいため幼い頃から主人公はゲームやライブラリによるコミック、映画ばかりで育ち、それらで書かれるフィクションの地球圏にいつしか憧れるようになっていく。
- 母親は水星と地球圏を行き来してなにやら動いているらしく、娘である主人公は年々放置され気味となっていく。その上で基地の人々の中には問題を抱えた親子が水星にいること自体を危険視する者もおり、孤独な彼女は唯一の避難場所であるガンダム・エアリアルのコックピットに閉じこもることも多い。
- それなりの年齢(作中では11歳での描写)になってからはエアリアルのパイロットとして事故がある度に呼び出されるようになり、その活躍もあって水星基地内での地位は向上。水星という過酷な環境下での操縦により技術が向上する一方、出世した母親もまた水星での発言力を強めていくことになる。
- 学校や友達、水星の外に憧れる彼女についに母親から「学園にエアリアルと共に行きなさい」という夢のような話が飛び込み、主人公は学園生活を夢見ながらその日を待ちわびる事となる……それがエアリアルが知る母親たちによる仇討ちの一手と知らないままに。
と、彼女の幼少期がとてもマトモとは呼べない状況だった事が明らかとなった。コミュ症な点も一話時点まで自分以外の子供と話したことすら無かったと考えれば、ある種当然の状況となる。同時に、エアリアルに限るが卓越したMS操作技術もここで培われたことが裏付けられる。
加えて、この原作小説の一人称通りならば「エアリアルには高度な思考意識らしきものが存在する可能性」が示唆されることになる。それが人為的なのか、自然発生なのかは小説内では言及されていない。
しかし分かるのは、スレッタがエアリアルたちを家族として心預けていると同時に、エアリアルもまた彼女を見守っていることである。
エリクト・サマヤ≠スレッタ・マーキュリー説
3話まで放送された段階で考察、噂されている内容についても解説する。
PROLOGUE→本編という放送順や主人公関連の繋がりから当初は「水星に母親と共に渡ったエリクトはスレッタという偽名を名乗ることになった」というシンプルな連想がされていたのだが、その場合いくつか違和感のある描写が出てきた結果として「実はPROLOGUEは本編の12年前の出来事ではなく、もっと年月が経過していてエリクトはスレッタの母親または姉。あるいはそもそも血の繋がりが無い&クローン&人造人間等で別人説」という考察がされている。理由付けとしては、
- 両作品に登場するデリング・レンブラン等が12年という歳月にしては老けすぎているように見える。ただしコレはありえないというほどの変化ではなく、また低重力での生活が人体に悪影響を及ぼすデータが作中に存在することから老け込みやすい=宇宙民は寿命が短い可能性もありえる。
- エリクト=スレッタの場合、「ゆりかごの星」における描写に違和感が発生する。こちらの方が考察材料として大きいのだが「スレッタは6歳の時点で水星におり、エアリアルも存在する」「4歳の時点でコックピットでゲームをするようになり、それを認識しているエアリアルの描写がある」点だろう。エアリアル=ルブリスでありルブリスの正体を隠すために名前や型式番号を変更したのならば辻褄は合うのだが、この作品の兵器は「パーメット」で照合可能という点から考えると名前を変更するだけでその辺りも誤魔化せるのだろうか?という疑問が残る。
- そもそもの話、エリクトが4歳の時点で逃亡を始めてから6歳になるまでに水星に逃げ込めるだけの逃亡手段が存在したのか?そこから水星で母親が身を隠しながら仕事に就くだけの根回しが出来たのか?仮にエアリアルがルブリスの改修機ではなく新造の場合、水星という環境と部外者という立場でたった二年足らずで本当に造れるのか?というスケジュールの問題。
- 自分の名前を気に入っていたエリクトがスレッタという偽名を受け入れられるのか。両親を「パパ」「ママ」と呼んでいたエリクトに対してスレッタは6歳の時点で「お母さん」と呼んでいる点。
- そして2話でエアリアルを製造運営しており、スレッタの母プロスペラがCEOを勤めるシン・セー開発公社が創業33年という新参であるという情報。
等が上げられる。ここから考察を組み立てた場合、ガンダム・ルブリスと共に逃亡したエルノラとエリクト母子は逃亡生活を続けながら水星開発を目的とするシン・セー開発公社立ち上げ時に潜り込む等で水星という辺境に逃亡→成長したエリクトは新たなガンダム・エアリアルを開発する(開発期間のスケジュール問題の解決)傍らマーキュリー姓の男性と結婚、娘スレッタが水星で誕生(偽名ではなく本名としての辻褄)→その後は「ゆりかごの星」の流れならば一応の辻褄は合うのだが、あくまで妄想の域は出ない。
逆にエリクト=スレッタを後押しする点としてプロスペラがエルノラ同様に右腕が義手であることと、プロスペラの顔がエルノラとよく似ていることである。尤もプロスペラは水星の環境は過酷なのでこうなったと発言しているので、水星では右腕が義手の女性なんか珍しくないのかもしれないが。この他、エリクト=スレッタの姉説としては、
- 「ゆりかごの星」でスレッタの母は「娘とたった二人でこの水星に逃げてきた」と説明されている。この箇所だけスレッタ表記ではなく娘なのでこの娘とスレッタは別人ではないかという仮説。
- プロローグでエルノラは常に衣服などでお腹を隠している。
- エルノラが夫から「逃げるのは君だけじゃない」と言われている。
ここから、ガンダム・ルブリスと共に逃亡したエルノラとエリクト母子は水星という辺境に逃亡→この時点でエルノラは妊娠しており、娘スレッタが水星で誕生(プロスぺラ・マーキュリーとしての経歴と一致する)→エリクトが夭折してしまい、水星にはスレッタ以外に子供がいない→その後は「ゆりかごの星」の流れでも一応の辻褄は合うのだが、やっぱり妄想の域は出ない。
そして第一期の最終回である12話でも明かされる事はなく、スレッタとエリクトの関係は第二期に持ち越される事になった。
されども12話にて『スレッタ・マーキュリー』は『ミオリネ・レンブラン』を守る為に人としての一線を越える選択に進んでしまい敵兵を血飛沫に変えその身は既に返り血で赤く染まっている。故に彼女が過去に無自覚に人を殺めてしまった『エリクト・サマヤ』であるか否か等、進んだ先が深い血溜まりであったスレッタには最早関係ない。帰結として存在するのは人を殺め血色滴る手を振るう魔女であった事、それが覆す術が無き事実として固定されてしまう。
飛散する鮮血を浴び、全身に血の跡を残しながら茫然となり、解れそうな細い声色を乗せて婚約者が言い放った言の葉によって……
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関連項目
- 機動戦士ガンダム 水星の魔女
- ガンダムシリーズの登場人物一覧
- 女性主人公のガンダム作品一覧 / 主人公
- アスティカシア高等専門学園
- スペーシアン
- プロスペラ・マーキュリー(母)
- ミオリネ・レンブラン(嫁)
- エラン・ケレス
- グエル・ジェターク
- ガンダム・ルブリス
- ガンダム・エアリアル
- ろうそくみたいできれいだね
- 逃げたら一つ、進めば二つ
- やめな…さい!
- またしても何も知らないスレッタ・マーキュリーさん(17)
- 麻呂眉
- タヌキ
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