スーパーアグリとは、鈴木亜久里がオーナーを務めるレーシングチームの名称である。現在では国内を中心に活動するARTA(Autobacs Racing Team Aguri)として活動している。
概要
1996年に、前年にF1を引退した鈴木亜久里によって結成され、フォーミュラ・ニッポンを中心に活動を開始した。
1998年にはオートバックスセブンとタッグを組み、将来的なF1への進出、ドライバーの輩出を目標に、ARTAを結成した。
その後、F1でカスタマーシャーシの利用を条件として新規チームの参画を呼びかける動きが出たのを受けて、2005年にF1への参戦を計画、同年末に「スーパーアグリ・フォーミュラ1」(後にスーパーアグリF1チームに改称)の結成を発表した。
デビュー時は、エースとしてBARを追われた佐藤琢磨と、国内で活躍していた井出有治のコンビで挑んだ。
しかし、肝心のカスタマーシャーシの使用をF1チーム側(FOTA)が反対して反故になったため、結局2002年にアロウズが使用したA23を改造して使わざるを得なかった。
シーズン後半には新車同然の魔改造まで行ったものの、結局初年度はポイントも取れず、 期待されていた日本企業のスポンサードも少額にとどまった(もはやモータースポーツが広告の対象でなくなった証ともいえる)。
翌年にはカスタマーシャーシの使用を期間限定で認めてもらったことで、前年のホンダF1 RA106を改良したSA07で挑んだ。本家のホンダが自社を中心にしたマシン開発で苦戦する一方で、スーパーアグリF1は入賞圏内を走る快走を見せ、シーズン後半までポイントで上回る活躍を見せた。
しかし、メインスポンサーとなった石油企業「SSユナイテッド」 が詐欺目的のダミー会社であったことが判明、契約していた広告料の半分程度しか届かず、チームは資金難に陥ってしまう。
2008年には十分な資金確保を目的にチーム株の売却を決断、売却先を見つけるも、エンジンなどの支援を行っていたホンダやホンダF1チーム(CEOだったニック・フライ)が反発、結局売却の話は全て消えてしまう。
それでも開幕戦から参戦するも資金が枯渇、スペインGPを最後に撤退してしまう。奇しくもホンダも、リーマンショックにともなう景気の急速な悪化を嫌気して、シーズン終了後に撤退を決める。
2009年以降は、ARTAとして、SUPER GTに2チームを結成して参戦している。
2014年9月に開幕したフォーミュラEに、「アムリン・アグリ・フォーミュラEチーム」として参戦。スタッフは鈴木亜久里のほか、マーク・プレストンやピーター・マックールといった元スーパーアグリの幹部が中心となっている。
ドライバーはアントニオ・フェリックス・ダ・コスタとキャサリン・レッグ。また、DTMのスケジュールと開幕戦がバッティングしたダ・コスタに変わり佐藤琢磨が開幕戦のみスポット参戦した。
迎えた開幕戦、トラブルや未熟なピットクルーなど様々な不安要素を抱えながらも佐藤琢磨がファステストラップを記録(1分45秒101/21周目 +4Laps)。チームにとって初めてのポイントとなる2点を獲得。第4戦ではダ・コスタが終盤に追い上げ、初優勝を記録した。
2015年はメインスポンサーであるアムリンがアンドレッティ・オートスポーツへ鞍替えし、「チーム・アグリ」にチーム名を変更。
2016年はメインスポンサーとして「ガルフ」と契約を発表。一方で創設者の鈴木亜久里はチームを離れ、チーム国籍もイギリスへ変更された。
6月にはフォーミュラEへの参戦ライセンスを投資家グループに売却し、同シーズンを持って撤退することが明らかになり、7月に「Techeetah」という新チーム名と共に、中国のチャイナ・メディア・キャピタルがオーナーとなることが明らかにされた。
チーム体制は旧チーム・アグリ時代をほぼ引き継ぎ、マーク・プレストンら首脳陣も多くが残留した。
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