スーパーロボット大戦EXとは、1994年にバンプレストが発売したSFC用ソフトである。
1999年にはPSで『第2次』『第3次』と共に「コンプリートボックス」へも収録され、さらに2000年に単品でもPS版が発売された。
概要
それまでの「第○次」と言うナンバリングから外れていることからも分かるとおり、外伝的な作品である。
時系列ではちゃんと『第3次』と『第4次』の間であり、『第4次』にもEXでの出来事に言及するシーンがあるが、舞台は全く別の世界であり、登場ロボットもバンプレストオリジナルである「魔装機神サイバスター」が主軸となっている。
そのため登場ロボットは多くがバンプレストオリジナルであり、既存の版権作品はほぼゲストとしてのみの参戦になっている。
登場作品
☆は初登場。
- 魔装機神サイバスター
- 機動戦士ガンダム
- 機動戦士ガンダム0080
- 機動戦士ガンダム0083
- 機動戦士Zガンダム
- 機動戦士ガンダムZZ
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動戦士ガンダムF91
- 聖戦士ダンバイン ☆
- マジンガーZ
- グレートマジンガー
- UFOロボ グレンダイザー
- ゲッターロボ・ゲッターロボG
- 戦国魔神ゴーショーグン ☆
前作からの変更点
- 武器の改造が出来るようになった。
武器は個別に改造する方式。 - パイロットのステータスの「攻撃」が無くなった。
これにより、武器の威力は攻撃力・気力・(武器の)地形適応の3つのみで決まるようになった。 - ユニットとパイロットの地形適応が無くなった。
移動タイプに「水」を含まないユニットは水中では移動力が落ちるが、水中にいる事で攻撃力が下がったりはしない。
ただし武器の地形適応はあるままなので、「水中に対して攻撃すると不利な武器」などは依然あるし、地形そのものに防御や回避に対する補正もある。 - 地形適応が7段階の数字から、A~Dのアルファベット4段階に変わった。
- 地形適応から「宇宙」が無くなった。
これは宇宙ステージが登場しないため。
ストーリー
基本ストーリー
インスペクター事件(『第3次』の戦乱)後、世界各地で兵器とそのパイロットが突如として消息不明になる事件が多発していた。
消息不明になった兵器とそのパイロットは、地底世界「ラ・ギアス」に広がる戦乱のために召喚されていたのであった。
戦乱の中心であるラングラン王国軍とシュテドニアス連合軍は召喚され右も左も分からない地上人とその兵器をどんどんと味方に引き入れ、戦乱を拡大させていく。
マサキの章
魔装機神の中の1体・サイバスターのパイロットであるマサキ・アンドーは、ラングラン王国への侵攻を続けるシュテドニアス連合軍に対抗するため、ラングラン王国の軍と協力しつつ、召喚されてきたかつての仲間達を集めて行く。
やがて、死亡したと思われていたラングラン王国の王位継承権第1位であるフェイルロード王子が生存していた事が判明し、フェイルロードを中心にラングラン王国を再建するが・・・。
リューネの章
突如ラ・ギアスに召喚されて困っていたリューネは、魔装機神のパイロットの一人であるホワン・ヤンロンに保護され、成り行きでヤンロンと共にカークス軍(ラングラン王国の軍のうち、カークス将軍を中心とした一団)に協力して戦いに参加する。
当初は純粋にラングランのためを思い戦っていたカークス将軍であったが、次第に野望が首をもたげてくる。そしてその強引な行動に疑問を持たれ、リューネやヤンロン達はカークス将軍に反旗を翻す事になる。
シュウの章
『第3次』隠しルートのラストで確かに死亡したシュウであったが、目が覚めると何故かそこはラ・ギアスであった。
聞けばヴォルクルスの邪信徒・大司教であるルオゾールが蘇生術を行ったとの事。
ルオゾールといえど蘇生は完全ではなかったようで、シュウは記憶がいくらか欠落してしまっていたが、そのお陰で自身を利用していた存在の影響から逃れることに成功し、報復のために行動を開始する。
シナリオ
本作では、上記の「ストーリー」の項目にある通り、3つの独立したシナリオが収録されている。
基本的に同じ時間軸の同じ世界でのストーリーであるが、異なる主人公の視点で話を進めて行く。
異なる視点で物語を紐解くためのシナリオ分割だが、同時に難易度選択の役割も持っている。
この3つのうち「難しい」であるシュウの章はゲーム開始時には選択する事が出来ず、マサキの章かリューネの章をどちらかでもクリアして初めて選択可能になる。出現させる前は、代わりに「トレーニングモード」を選ぶ事が出来る。
ISSシステム
3つのシナリオとともに、本作最大の特徴とも言えるシステム。
正式名称「インタラクティブ・シナリオ・システム」。
簡単に言うと「あるシナリオでの選択が、他のシナリオに影響を与える」と言うもの。
と言っても3つあるセーブデータが勝手に影響を及ぼしあうのではなく、ゲーム開始時に既存の他の章のデータを選択することで、これから始めるシナリオでの「別の場所にいる別のシナリオの主人公」が取る行動が、ISSを使う先のシナリオでとった行動と同じになるというもの。
例えばマサキの章であるキャラクターを仲間にするかしないかの選択があったとして、ISSを使わずに普通にプレイするリューネの章の中のマサキは、そのキャラクターを仲間にしないようになっているとする。そうするとストーリー中でマサキと出会った場合、そのキャラを連れていないことになる。
しかし先にマサキの章をプレイし、そのキャラクターを仲間にした上でクリアし、そのデータにISSを使ってリューネの章を開始すると、先にプレイしたマサキの章の通りに「リューネの章の中のマサキ」もそのキャラを仲間にするため、出会った時にそのキャラを連れているという変化が起きる。
これによって、普通に単独でプレイした限りでは起き得ないストーリー分岐が発生する事がある。
リューネの章はこの手の分岐が最も多く、ISSの使い方によっては魔装機神が4機とも自軍に加入したり、マサキの章のラスボスと戦うルートに入ったりする事が出来る。
なお、クリアするとセーブデータにマサキの章なら「M」のマークが、リューネの章なら「R」のマークが付く。
クリアデータにISSを使ってゲームを開始すると、マサキの章のクリアデータにISSを使ったデータならMのマークが、リューネの章のクリアデータにISSを使ったデータならRのマークが引き継がれる。
用語
- ラ・ギアス
- 今作の舞台の世界の事。
イメージ的には地球の内側の空洞世界にある世界で、一般的な地球人が地球と言う球面の外側で生活しているのに対し、ラ・ギアス人は球面の内側の凹面状の大地とそれに包まれるようにして存在する空と太陽と言う世界で生活している。太陽は空の中央から動かず、夜になるときはその場にあるまま光が減っていき暗くなる。
実際には別空間であり、地底と言っても地面を深く掘っていけば辿り着くといった場所ではないが、上記のように地底に存在すると考えるとイメージしやすい構造をしていることから、よく「地底世界」と表現される。また、地球上の事を「地上」と呼ぶ。 - 精霊
- ラ・ギアス世界に存在する力の根源。
風・火・水・大地の4属性があり、これらそのものを司る高位の精霊と、いずれかに属する低位の精霊がある。
「魔装機」と呼ばれるロボットはこの精霊のいずれかと契約して加護を得ているロボットであり、魔装機の中でも高位精霊と契約している4機を「魔装機神」と呼ぶ。 - プラーナ
- いわゆる「気」の事。
魔装機はいずれもプラーナコンバータと言う機関を搭載しており、パイロットのプラーナがある程度強くないと操縦する事が出来ない。
プラーナの強さは主に感情の起伏によるところが大きく、王族などの一部を除いた大半のラ・ギアス人よりも地上人の方が感情の起伏が激しい=プラーナが強い傾向にある。
正魔装機のパイロットが殆ど地上人なのはこれが原因。 - 魔力・魔法
- プラーナを特殊な方法で練りこんで生まれる力。
ストーリーにある、地上の兵器の召喚は召喚魔法によるものだが、大規模な召喚は当然強力な魔力を必要とするため、実行出来る術者はかなり限られる。作中でも、マサキがそれによって召喚事件の首謀者に見当をつけているシーンがある。
その他にも「影縛り」「死霊傀儡の外法」などが作中で使われている。
プラーナを根源としている関係上、強い魔力を生み出せるラ・ギアス人は限られている。ラングラン王族は生来強い魔力を持つ事が多く、王位を継承するための条件として一定以上の魔力を持つ事をテストで示さなければならない。 - 神聖ラングラン王国
- ラ・ギアスにある国家のひとつ。
予言により、やがて来る未曾有の脅威に立ち向かうため、魔装機を開発した国。
しかし、『EX』のストーリー開始時点ではラングランの王都は他国に侵攻され既に壊滅している状態である。 - シュテドニアス連合軍
- ラ・ギアスにある国家のひとつ。連合の名の通り、多数の国が集まって共同体になっているもの。
ラングラン王国に勝るとも劣らない大国だが、ラングラン王国に侵攻し王都を陥落させた事により、勢力図としてはシュテドニアスに大きく傾いている。
「何故」シュテドニアスがラングランに侵攻していたのかは『EX』の作中では詳細には語られない。後の「魔装機神LOE」ではラングランが壊滅する前の話から語られる。
裏技
- ネオ・グランゾン出現
マサキの章をリューネの章にISSを使って、またはリューネの章をマサキの章にISSを使ってクリアする。(つまり、同一データにMとRのマークが付いている状態にする)
この状態で電源投入直後(リセット直後)のバンプレストロゴが出ている時に「↓・↑・←・→・L1・R1」と入力し、バンプレストロゴの背景が赤っぽく変わったら成功。シュウの章をISSを使わずに開始すると、シュウの機体であるグランゾンが、劇的に強化されたネオ・グランゾンに変わっている。
なお、ネオ・グランゾンを出現させ、リューネ一行と出会うところまで進めた状態のデータに対してISSを使ってリューネの章を開始すると、リューネの章でもシュウの機体がネオ・グランゾンになる。もちろん「戦う」選択肢を選ぶとネオ・グランゾンのまま襲ってくる。 - ゴーショーグン分裂
マサキの章第2話では、第3ターン目にゴーショーグンが増援として出現し、MAPクリアと同時に離脱するイベントがある。しかし何とかして2ターン目までに敵を全滅させてしまうと、出てきてもいないゴーショーグンの会話が始まり、意味不明なままMAPが終了する。
そしてインターミッションにいくとゴーショーグンが何故か仲間におり、しかもレベル150超と言うバグった性能になっている。
このまま、通常通り進めた場合にゴーショーグンが正式加入する第10話に行くと、やっぱりゴーショーグンが出てきて普通に仲間になる。結果、普通のゴーショーグンとレベル150超のスーパーゴーショーグンの2体が仲間にいる状態になってしまう。
関連動画
関連項目
- 魔装機神
- スーパーロボット大戦
- 魔装機神 THE LOAD OF ELEMENTAL
- マサキ・アンドー
- リューネ・ゾルダーク
- シュウ・シラカワ
- ルジャノール改
- ヴォルクルス
- スーパーロボット大戦シリーズの一覧
- 第2次スーパーロボット大戦OG
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