『スーパーロボット大戦J』は2005年9月15日にバンプレスト(現バンダイナムコゲームス)から発売されたGBA用ソフトである。 略称は「スパロボJ」。ジャンルはSRPG。
概要
『スーパーロボット大戦D』に続く、版権GBAスパロボの4作目となる。OGシリーズも含めた場合GBAスパロボ6作目となる。GBAスパロボの例にもれず、前作とのシナリオ上の繋がりは無い。タイトルのJは「Judgement」の略。
新規参戦は『宇宙の騎士テッカマンブレード』、『フルメタル・パニック!』および『フルメタル・パニック?ふもっふ』、『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』の4つ。携帯機への参戦が初なのは『冥王計画ゼオライマー(MX)』、『機動戦士ガンダムSEED(3α)』、『ブレンパワード(2α)』。
主人公は紫雲統夜(男)とカルヴィナ・クーランジュ(女)の2択であり、選ばなかった方は登場しない。シナリオは、大筋は同じだが冒頭や結末に若干の違いがある。
また、本作ではサブパイロットを搭乗させる事になっており、インターミッション中にカティア・グリニャール、フェステニア・ミューズ、メルア・メルナ・メイアの3人の中から一人を乗せ換えることが出来る。誰を選択するかで機体能力が変化する他、選択した回数によってシナリオに多少の変化がある。詳しくは後述。
機体はスーパー/リアルの2択では無く、タイプの異なる3択(隠しを入れると4択)である。
システム
前述した「サブパイロット選択システム」が一番の特徴である。3人のサブパイロットはそれぞれ使用できる精神コマンドが違うほか、誰をサブパイロットに選ぶかよって主人公機体の性能が変化する。
具体的には
となっている。
また、誰を選択したかという回数が記録され、回数によって後継機の隠し武装が解放される。隠し武装の演出は、サブパイロット毎に異なる。(4機体×3サブパイの計12種)使用回数はエンディングの分岐にも関わる。
『スパロボD』からの要素として、主人公機の最強武器を使用する際、BGMが変わる演出が引き継がれている。なお選択したサブパイロットによってBGMが異なる。
「お気に入り選択システム」がMXに続き導入された。お気に入りに選択した3作品は、改造段階が15段階となり、獲得資金や経験値が増加する。2周目以降、一度選択したお気に入り作品は保持され、新たに3つのお気に入りを選択することが出来るようになる。全ての作品をお気に入りに選択すると、改造段階が20段階となる。
「スキルパーツ」「BPによるパイロット育成」「ツメスパロボ」などの『スパロボD』のシステムはほぼそのまま受け継いでいる。
重要なシナリオデモシーンにおいて、数は多くは無いが初めて一枚絵が使用された。
その他いろいろ
- 「ゲッター・宇宙世紀ガンダムがいない」「明らかにロボットじゃないテッカマンブレードの参戦」「ヒロイン選択式のギャルゲー仕様」といった、様々な実験的な要素を持った作品である。敵と味方が入り乱れる斬新なストーリーの『スパロボD』と、様々なクロスオーバーを作った『スパロボW』に挟まれたため、評価はそれほど高いとは言えない。
しかし、実際プレイした人は大体「いつものスパロボだった」と言うように、ある程度の評価は得ている模様。 - グラフィック面では前作と比べて相当進歩している。表情グラフィックのサイズが1.5倍になり、より表情が分かりやすくなった。また、戦闘アニメーションは「GBAの限界」と言われており、本当に良く動く。マジンカイザーやガンダムSEED等のアニメーションは、DSの『スパロボW』にも流用されているが、新規に作ったアニメーションと遜色ない動きをするので、その動きは一見の価値あり。
- 『第2次α』以降、連綿と受け継がれてきた“乳揺れ”がGBA及び携帯機のオリジナルキャラクターとしては初搭載された。カットインは主人公×2とサブパイ×3に前後期の計10パターン有るが、男は紫雲統夜のみであり、携帯機なのに外でプレイするのが躊躇される仕様である。戦闘アニメをカットすれば外で遊んでも恥ずかしくないよ!
- 回避率100%(ただし「集中」「ひらめき」使用は除く)のユニットは敵が狙ってこない仕様になっているため、避けまくりながら反撃で削るという戦法が使えない。そのため、リアル系ユニットを鍛えすぎると、通り過ぎて遠くにいるスーパー系を狙い始めるということに。
- ↑の仕様のせいか、装甲の厚いスーパー系や、HPが多くバリアを装備している戦艦が必然的によく狙われることになる。特にナデシコはHPが15000を越える高さでディストーションフィールドにより高い防御を誇る、グラビティブラストがMSなどの必殺武器並みの高威力・長射程に加え低燃費、5人乗りで精神コマンドが贅沢に使用可能、などという特徴から、本作の最強ユニットの一つに数えられる強さである。
- 『冥王計画ゼオライマー』の設定上の機体「グレートゼオライマー」が隠し機体として登場するが、その性能がとんでもないことになっている。詳しくはそちらの記事を参照。
- 一部の作品では、原作の設定を全て消化していないものもある。
『蒼き流星SPTレイズナー』は主人公達のキャラ設定が第一部のまま進んでいくため、エイジは最後まで一人称が「僕」で、ロアンが裏切ることもなく、もちろんレジスタンスなど存在しない。しかし、死鬼隊やル・カインといった第二部の敵キャラは登場する。
また、『機動武闘伝Gガンダム』は、黒幕がウルベでは無いため、東方不敗との決戦までしか再現がない。そのため、「石破ラブラブ天驚拳」や「シャッフル同盟拳」など、今までイベントで使えるようになった合体技がいつの間にか使えるようになっている。 - 本作でも様々な「スパロボ補正」が働いているが、『ガンダムSEED』の主人公、キラ・ヤマトの場合は、性格が原作と違いボンボン版のような熱血風に傾いている。最終決戦でラウ・ル・クルーゼに対し「クルーゼェェェ!」と叫んだシーンは未だに語り草となっている。(ボンボン版ではムゥ相手にもっとすごい事言ってるけど)ファンにはよく「ドモンや甲児達に影響された」等と言われたりする。
- 携帯機のためボイスは無いが、あったとしたら関智一大戦であり、桑島法子大戦になっていただろう。関はドモン、宗介、ガイ、九十九、イザークの5役であり、桑島はユリカ、ナタル、フレイの3役である。それぞれのキャラのゲーム中の出番もかなり多く、ドモンとイザークのガンダムファイトや、ユリカとナタルの艦長としての絡みなど、声優ネタもいくつかある。なお、関智一は本作のCMでナレーションを務めている。
- 細かいミスではあるが、『マジンカイザー』のBGM「魔神見参!!」が、ゲーム内では「魔人見参!!」と誤字になっている。また、ヒロインであるカティアが急に「~ですわ」と言ったり、マジンカイザーの剣鉄也が兜甲児に向かって「兜」や「甲児君」と言っていたりするが、これはシナリオライターのミス、または二人のシナリオライターが意思疎通出来てなかったのではないか、と言われている。
- 後期主人公機が登場する時、B・ブリガンディ以外の機体は設定通りの登場をしない。オリジナルの設定は攻略本等に載っているため、詳しく知りたい人はそちらを読む事をお勧めする。
- 男主人公である「紫雲 統夜」は、後の作品である『スパロボK』に背景出演している。是非動画を見てプレイして確認しよう。
- 『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』にてOG参戦。統夜(OGの世界観に合わせ「トーヤ・シウン」表記に変更)・カルヴィナの両主人公はもちろん3人娘も参戦し、機体性能・武器演出・BGMが変わるサブパイロット選択システムも健在。
今作ではJのストーリーがメインの一つになっており、敵組織である「フューリー」も大幅な設定の補完や変更、新キャラが加えられている。また、搭乗機体も統夜はグランティード、カルヴィナはベルゼルートに固定となり、前述の後継機登場イベントもちゃんと設定通りのものになった。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- スーパーロボット大戦
- スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ
- スーパーロボット大戦シリーズの一覧
- 紫雲統夜
- カルヴィナ・クーランジュ
- 三人娘(スパロボJ)
- フューリー(スパロボJ)
- グランティード
- ベルゼルート
- クストウェル
- ラフトクランズ
- グレートゼオライマー
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