スーパーロボット大戦Vとは、2017年2月23日に発売されたゲームである。
対応機種はPS4,PSVita(以上2017年2月23日発売)、Nintendo Switch、Steam(以上2019年10月3日発売)。
通常価格はPS4版が8,600円(税抜)、Vita・Switch版が7,600円(税抜)。
ダウンロード版は2017年3月22日までの期間限定で価格が下がり、PS4版が7,740円(税抜)、Vita版が6,840円(税抜)。
プレミアムエディションはPS4版は12,600円(税抜)、Vita・Switch版が11,600円(税抜)。
こちらもダウンロード版のみ期間限定で値下がりし、PS4版は11,340円(税抜)、Vita版は10440円(税抜)。
概要
2016年6月4日に情報が公開された本作は、版権作品によるPS4初のスーパーロボット大戦シリーズとなる。
第3次スーパーロボット大戦Z同様、PS4とPSVitaによるマルチプラットフォームで販売予定。
タイトルの“V”とは、航海を意味する「Voyage」の頭文字と思われる。
タイトル決定タイミングが遅かったためか、参戦作品に“V”を冠する作品が存在しない。
本作で初参戦となる作品は「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」「機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート」「機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人」「真マジンガーZERO vs暗黒大将軍」「勇者特急マイトガイン」「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」「宇宙戦艦ヤマト2199」の7作品。
そのうち「閃光のハサウェイ」「鋼鉄の7人」「真マジンガーZERO」は機体だけの参戦と事前に告知されている。既存参戦作品で機体だけの参戦となるのは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のみ。
今までネタだけは拾われてきた「閃光のハサウェイ」、続編を従えてのクロスボーン・ガンダムシリーズの再参戦、さらに「ガンダムUC」参戦当初から絡みが期待されていた、コンシューマ向けの新作2Dスパロボへの参戦は第3次α以来となる「機動戦士ガンダムΖΖ」と、本作のガンダムシリーズは宇宙世紀作品が中心となって取り上げられている。ガンダムシリーズに対するこの路線は次作以降も続いている。
マジンガーシリーズも漫画「真マジンガーZERO」の要素を取り入れ、新たな展開を見せる。本作オリジナルマジンガーである「マジンエンペラーG」も、剣鉄也の参戦と共に登場が明かされている[1]。
それ以外の作品も、ガオガイガー参戦から幾年、遂に参戦が叶ったガオガイガー以外の勇者シリーズ「勇者特急マイトガイン」、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の監督が大きく関わっている作品「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」の登場と、新規勢だけでもかなり濃厚だが、それらのインパクトを押しのけて強烈な存在感を発揮しているのが「宇宙戦艦ヤマト2199」。戦闘機や宇宙戦艦が中心で、俗にいうスーパーロボットの一切が登場しない「ヤマト」が参戦し、多くのスパロボファンを驚愕させた。
さらには、PV第一弾にて古くからのスパロボオリジナルロボットである、「グルンガスト」と、一説では再登場絶望説すらあった「ヒュッケバイン」の参戦が確定。これらは初回生産限定特典を入手すると早期に自軍に加えることができる。
戦闘シーンは第3次Zをベースに、純粋にそれを発展したものになっていると思われる。
それもあってか第3次Zに参戦した作品が全体の過半数を占めている。
なお本作はイベントでの発表段階で単発作品であることが明言されており、シリーズ化の予定はないとのこと。
後作のスパロボX、スパロボTとシステム面が似ており、俗にVXT三部作と呼ばれているが、シナリオに繋がりはない。
初回限定特典
- プレゼントシナリオ「スペシャルスターター・パック」
資金100,000、TacP1,000に加え、強化パーツ「Vサーキット」「量子型コンピュータ端末」が入手可能。 - スーパーロボット大戦Vオリジナルテーマ
PS4、PSVitaそれぞれ対応のテーマ。 - 特別参戦ユニット早期入手可能+強化パーツ入手
2話開始までにプロダクトコードを入力することで、後述の「ヴェルターブ・テックスト&ヒュッケバイン」「シャルロッテ・ヘイスティング&グルンガスト」を早期加入可能。さらに、強化パーツ「Vアグレッサー」「Vディフェンダー」を入手。また、関連してボーナスシナリオ「結成、特別編成チーム」が2話終了後からプレイ可能になる。
期間限定生産版「プレミアムアニメソング&サウンドエディション」
2017年4月24日までの生産・配信分。
各参戦作品たちの楽曲35曲を収録した特別版となっている。曲目はこちらを参照。
なお、この曲目の中には本作に直接は参戦していない「機動戦士ガンダム00」「機動戦艦ナデシコ」「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」の3作品と「第4次スーパーロボット大戦」の楽曲が含まれている。
参戦作品
- 赤文字:スパロボ初参戦
- 青太字:『天獄篇』からの継続参戦
- ●:機体のみ参戦
- ■:機体&パイロットorキャラクターのみ参戦
- ●:Switch版における任天堂ハード向けスパロボ初参戦
- ●:Vita版における携帯機向けスパロボ初参戦
- ●:HD機向けスパロボ初参戦
パッケージに記載される機体
- 共通
- ヤマト(宇宙戦艦ヤマト2199)
- 真ゲッター1(真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日)
- ΖΖガンダム(機動戦士ガンダムΖΖ)
- マイトガイン(勇者特急マイトガイン)
- エヴァ初号機(ヱヴァンゲリヲン新劇場版)※プレミアム版では疑似シン化第1覚醒形態
- ブラックサレナ(劇場版機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-)
- ヴィルキス(クロスアンジュ 天使と竜の輪舞)
- 通常版のみ
- マジンガーZERO(真マジンガーZEROvs暗黒大将軍)
- νガンダム(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)
- ナデシコC(劇場版機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-)
- レーバテイン(フルメタル・パニック!)
- プレミアムアニメソング&サウンドエディションのみ
新システム・既存システムの変更
エクストラアクション
『第3次Z』のタッグコマンドの調整版。
使うにはエクストラカウント(ExC)という敵撃墜やレベルアップで獲得できるパイロット固有のポイントをためる必要がある(ストック上限は10)。コマンドは以下の4種類。
- ブーストダッシュ:消費ExC2
『天獄篇』から効果を調整して続投。移動力が+2される。地形コストの影響を受けず、敵ユニットや侵入不能な地形を通過して移動可能。 - ダイレクトアタック:消費ExC2
1度だけ攻撃時に敵の特殊技能・特殊能力・サイズ差を無視し、ガードやフルカウンターを無効化する。従来で言う直撃を強化したような効果であり、この関係で本作以降は精神コマンドから直撃が廃止されている。 - スマッシュヒット:消費ExC3
使用ターン中すべての攻撃がクリティカルになる。過去作でいう闘志に該当するが、あちらとは違い熱血や魂と重複可能。 - マルチアクション:消費ExC3
『天獄篇』から続投。PP(プレイヤーフェイズ)でコマンド使用直後の攻撃で敵を倒した場合に限り、連続行動が可能になる。ExC消費が重い為撃墜の仕方に気を付ける必要はあるが、その気になれば単機で敵を1ターンで全滅させることが可能。
エクストラオーダー(Exオーダー)
戦艦専用の味方を支援するコマンドが使用可能なシステム。エクストラアクション同様ExCを消費する。コマンドは以下の5種類。
- 緊急回収
周囲8マス内の味方ユニット1体を回収する。 - 気力上昇
周囲4マス内の味方ユニット1体の気力を10上昇させる。 - ExC上昇
周囲4マス内の味方ユニット1体のExCを2加算させる。 - 行動回復
周囲5マス内の行動済味方ユニット1体が再度行動可能になる。これが相俟って単機無双を可能にしている。
ファクトリー
『第3次Z』におけるDトレーダーとZクリスタルを統合したシステム。タックポイント(TacP)と呼ばれるリソースを消費して強化パーツ生産やZクリスタルに相当する「TACカスタマイズ」のグレードアップに宛がっていく。
TACカスタマイズはZクリスタルと違い、全グレードで3択となっているが、周回プレイ時にはその周で選択した効果が引き継がれる仕様なので3周目ですべての効果を得られるようになっている。
シークレットシナリオ
特定条件を満たすことで解放される隠しシナリオ。このシナリオでしか加入しないユニットやパイロットも存在する。熟練度は存在しない。
パイロット養成
従来のパイロットポイント(PP)による育成から、ファクトリーと併用するTacPを使用して各種スキルパーツを開発・生産して任意のパイロットに使用するシステムとなった。
スキルプログラムは特殊技能にあたる「スキル系」、能力値・地形適応を上昇させる「パラメータ系」、開発に特殊条件のある「スペシャル系」の3つに分類される。
特殊技能
習得枠が『天獄篇』の8枠から30枠に大幅増加し、その都合で上書きは不可能になった。B.B.スタジオ製スパロボとしては集中力やアタッカーが初採用。パイロット養成採用作品としては初めて見切り、ガード、E/Bセーブがレベル制となった。援護攻撃は与ダメージが0.5倍に弱体化。
新規技能としてEPで防御/回避選択時に最終被ダメージ/最終回比率が強化される「プロテクション」(家庭用では本作のみの採用)、反撃時にカウンターが確定発動する「フルカウンター」、エース/グレートエース達成の必要撃墜数が10軽減される「エースプラウド」が登場。VXT三部作では1周目に限りエースパイロットが25人以上いることが終盤のルート分岐発生条件の一つとなっている為、数を揃える為に習得させるといいだろう。
精神コマンド
単機出撃性となった事で習得枠が6つに戻った。また、PPでの行動終了後やEPの戦闘開始直前での精神コマンド使用が『OE』以来の採用。
新規精神コマンドとして味方1人にひらめきをかける「先見」が登場。
闘志および初登場の『R』以降常連だった直撃は類似した効果のエクストラアクションの登場に伴う形で、偵察は交戦の是非を問わず敵のステータス詳細を確認可能になった事でそれぞれ廃止。この影響で『天獄篇』で闘志や直撃を習得していたパイロットの多くは熱血に置き換えられている。熱血や魂の習得レベルは『再世篇』以降は高騰傾向にあったが、本作ではアイアンエンブレム廃止の影響もあってか『破界篇』以前と同じくらいのレベルに引き戻されている。
ビギナーズモード
版権スパロボとしては初実装。『OGMD』では熟練度を獲得する事で資金が支給される仕様になっていたが、本作以降のビギナーズモードでは熟練度自体が撤廃され、ステージクリア時に無条件でTacPと資金を獲得できるようになった。当然ながらPS4版のトロフィー「全SRポイント制覇」獲得の為にはスタンダードモードを選択する必要があるので注意。
グレートエース
撃墜数が80機に到達する事で獲得できるエースパイロットの上位称号(通常のエース獲得条件は60機)。出撃時のSP初期値が最大値の75%になり、ExCカウントの初期値が1加算される。
ライブラリー
参戦作品の簡単なあらすじを閲覧可能になった。『OGMD』から続投の中断メッセージ集は版権スパロボとしては初実装となる。
サブオーダー
小隊システムの再廃止に伴い最大人数が『第2次Z』と同じ20人に戻った。トレーニングのボーナス対象はTacPに変更されている。
バンプレストオリジナル
オリジナルキャラクター
本作は『Z』以来となる選択式主人公であり、以下の中からメイン主人公を選択。
選ばなかった方もサブ主人公として同行する。
これにより女性オリジナル主人公は実に9年ぶりの登場となった。
なお、主人公は選択制だが機体は両者ともに後述のヴァングレイ一択。
また、特別参戦ユニット「グルンガスト」と「ヒュッケバイン」には双方本作初登場のパイロットが設定されている。
二人の衣装は過去作のキャラクターを意識したものである。
両名ともに初回封入特典の3の条件を満たすことで序盤から加入し、そうでない場合でも中盤から必ず加入する。
- 叢雲総司(ムラクモ・ソウジ) CV:桐本拓哉 デザイン:渡邉亘
月面特殊戦略研究所防衛隊所属。ポジティブ精神の持ち主で人当たりがいい。 - 如月千歳(キサラギ・チトセ) CV:神田朱未 デザイン:渡邉亘
第三特殊戦略研究所防衛隊所属だが実戦経験ゼロ。真面目かつ明朗快活。おっぱい。しかし揺れない
でもボタンは弾ける - ナイン CV:山本希望 デザイン:渡邉亘
主人公のパートナー。ヴァングレイのOS「システム99」を搭載した女性型アンドロイド。 - ヴェルターブ・テックスト CV:金本涼輔 デザイン:糸井美帆
ヒュッケバインのテストパイロット。知的で理論派だがマイペースで、薀蓄を語らせると止まらない。 - シャルロッテ・ヘイスティング CV:照井春佳 デザイン:糸井美帆
グルンガストのテストパイロット。能天気で直感的な性格。
オリジナル機体
- ヴァングレイ デザイン:清水栄一
本作で新規に登場する主人公機であり、対異星人用試作機動兵器。
高機動・高火力・重装甲の並立をコンセプトとした急造の機体である。
清水栄一氏は過去のスパロボ参戦作品「鉄のラインバレル」の漫画家でメカデザイン・作画及びシナリオ担当。 - ヴァングネクス/グランヴァング デザイン:清水栄一
ヴァングレイの後継機。各世界の技術を学んだナインが主人公の意見を先読みして開発した機体である。ヴァングネクスは機動力を、グランヴァングは火力を重点的に強化している。『再世篇』のリ・ブラスタ同様の選択制。 - ヒュッケバイン デザイン:カトキハジメ
スパロボ25周年記念のゲスト出演。本作では「ニコラ・ヴィルヘルム研究所」所属のパーソナルトルーパー。形式番号は「PTX-08R」。同設定でもう1機「PTX-08L」が存在し、そちらの物語は「スーパーロボット大戦X-Ω」にて語られている。 - グルンガスト デザイン:宮武一貴
ヒュッケバイン同様ゲスト出演で、「ニコラ・ヴィルヘルム研究所」所属のスーパーロボット。本作では旧版準拠で飛行可能。変形は武装でのみ登場し、特殊能力としてはオミットされている。 - マジンエンペラーG デザイン:堀井敏之
ゲッター線関連のテクノロジーをはじめとするあらゆる技術の粋を注ぎ込んで開発された、グレートマジンガーの強化版ともいうべき「偉大なる魔神皇帝」。その開発経緯にはマジンガーZに纏わるある秘密がかかわっているという。次作『X』ではゼウス神の導きで何処かから登場するが、その出自は一切不明であり『V』のエンペラーと同一個体なのか否かも明かされていない。
楽曲
プレミアムアニメソング&サウンドエディション収録楽曲
以下雑多な内容
- ヤマトの強さは凄まじく、まるで単体のスーパーロボットのような扱いである。
- 今回が機体としてはスパロボ初登場となるマジンガーZERO、寺田Pが強すぎて無理(笑)と言った割に機体スペックはまだまともである。
- 同じく初参戦のクロスアンジュ、ヴィルキスの性能はSサイズらしく避けて、アンジュがサイズ差補正無視を持っているため威力減衰もなし。更にパラメイル乗りはメイルライダーという特殊能力で獲得資金が常時1.2倍なため資金稼ぎ要員として使える。アンジュは幸運持ちなので更に倍率ドン。
- ちなみにエロ方面でも定評がある本作の参戦によりCEROがBからCに。
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関連項目
- スーパーロボット大戦
- スーパーロボット大戦X-Ω - ヒュッケバインサイドの本作の前日談が存在。
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- スーパーロボット大戦シリーズの一覧
- スーパーロボット大戦シリーズ登場作品の一覧
外部リンク
脚注
- *が、実は立体化の情報がPV以前に公開された
ため、同時とはならなかった。
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