スーパーX(スーパーエックス、Super X)とは、東宝製作の怪獣映画シリーズ『ゴジラシリーズ』に登場する架空の超重装甲戦闘航空機。シリーズの通称でもあり、総称してスーパーX(SX)シリーズとも呼ばれる。
お絵カキコでは左がスーパーX2、中央がスーパーX、右がスーパーXIII。
スーパーX 概要と諸元
スーパーX Super X |
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制式名称 | 防衛庁 陸上自衛隊 陸上幕僚監部付実験航空隊 首都防衛隊 首都防衛移動要塞 T-1号 Main Sky Battle Tank Super X |
所属 | 防衛庁 陸上自衛隊 陸上幕僚監部付実験航空隊 首都防衛隊 |
スーパーX 諸元 | |
乗員 | 6名 (最大12名) |
全長 | 27.2 m |
全幅 | 20.0 m |
全高 | 11.2 m |
重量 | 約150 t |
最高速度 | 200 km/h |
巡航速度 | 140 km/h |
動力源 | プラズマ核融合反応トカマクタイプ × 1基 (補助加熱に中性水素原子ビームを使用) |
発動機 | ターボファンエンジン × 2基 (推進用) |
原子炉直ジェットスチームターボファンエンジン × 3基 (姿勢制御用) | |
材質 | チタン合金 (主装甲材質) |
セラミック製耐熱タイル (外装甲材質) | |
樹脂合金 | |
武装 | ハイパーレーザーCO2タイプ × 2基 (1基出力 : 120万 kW) |
各種カプセル弾臼砲 × 1基 (対ゴジラカドミウム弾、催涙弾、ウォーター弾を使用) | |
レーザーコントロール大型ランチャー × 2基 (AIM-4D改 ファルコン ミサイルを使用) | |
68式改84タイプ30型ロケット榴弾砲 × 6門 (300mmロケット弾を使用) | |
M29 300mm榴弾砲 × 4門 | |
M29C 300mm特殊弾加農砲 × 6門 | |
GE GAU-8/A-T1 30mm7砲身ガトリング砲 × 4門 | |
照明弾ランチャー × 1門 | |
装備 | 180mmヨーソサーチライト × 1基 |
アクティブレーザー × 2基 (AIM-4D改 ファルコン ミサイル&ハイパーレーザー照準用) | |
各種測定センサー&モニターカメラ × 2基 |
スーパーX(スーパーエックス、Super X)は、1984年公開の『ゴジラ』(通称『ゴジラ84』)にて登場。又、89年公開の『ゴジラvsビオランテ』の冒頭でも『ゴジラ84』の戦闘シーンが流れる。
首都防衛の為に開発されていた無翼式のVTOL機。裏設定によると、核戦争から首都を守るための防衛要塞という設定がある。東京に上陸したゴジラを迎撃すべく、急遽出動する。核戦争を想定しているからか熱線にも耐える事が出来る唯一の兵器であった。
自衛隊のハイパワーレーザービーム車によって西新宿に誘導されたゴジラと対峙。熱線に耐えながらカドミウム弾を発射し、一度はゴジラを完全に沈黙させる戦果を挙げる。自衛隊の超兵器としては初の快挙である。ところがソ連の核攻撃用人工衛星が誤作動を起こし、核爆発から生じた落雷がゴジラに直撃。まさかの復活を遂げてしまう。スーパーXは通常兵器のみで果敢に挑み(カドミウム弾は撃ち尽くしていた)、ビルの合間を縫ってミサイルやレーザー砲で攻撃するが、ゴジラには通用しない。度重なる熱線の被弾で遂に防御力が限界に達して墜落、不時着したところへ新宿住友ビルディングを倒され、その下敷きとなって機体は喪失、乗組員3名は殉職した。
次回作「ゴジラvsビオランテ」の冒頭シーンに回想として登場。西新宿での戦闘がきっかけで、ビオランテが誕生する事になる。
空飛ぶ炊飯器。モデルはカブトガニらしい。
音楽は小六禮次郎氏作曲。「スーパーX出動」「ゴジラ対スーパーX」の二曲があり、両者ともに豪華さあふれる出撃音楽、ゴジラと対峙する静的な音楽の二種類から構成されている。
また、これと並んで「自衛隊マーチI・II」も関連音楽として聞かれることがある。
- GAU-8/A-T1は、実在するゼネラル・エレクトリックGAU-8/AをT1号(スーパーX)用に改良したものと考えられる。
- プラズマ核融合反応トカマクタイプは、現在で言うトカマク型核融合炉と同義。
- 原子炉直ジェットは、熱核ジェットエンジンと同じ原理と考えられる。
- 元々は移動核シェルターを兼ねていたという設定が劇中でも語られているが、その割には高高度核爆発によるEMPを浴びて火花が散っていた。
- 防衛庁とは、現在の防衛省(2007年1月9日より省に移行)である。
- アンサイクロペディアにも記載があるが、直訳すれば「空飛ぶ主力戦車」である。
- 本来はレーザー砲を搭載しておらず、通常火器のみであった。編集の段になって「画面がさみしい」ということで急遽付け足されて誕生したものである。スタッフとして参加していた樋口真嗣は、このレーザー砲を見て落胆し、記念に貰っていた撮影用模型を怒りに任せて捨ててしまった。後にかなり後悔している。
- また樋口によると、スーパーXという名前は仮称に違いないと思っていたスタッフもかなりいたらしく、出来上がった映画を見てまたショックを受けたという。
スーパーX2 概要と諸元
スーパーX2 Super X-II |
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制式名称 | DAG-MBS-02 Super XX |
所属 | 陸上自衛隊 |
指揮官 | 黒木翔 特佐 (防衛庁 特殊戦略作戦室 室長) |
スーパーX2 諸元 | |
オペレーター | 防衛庁 特殊戦略作戦室 所属オペレーター × 2名 |
全長 | 34.00 m |
全幅 | 16.00 m |
全高 | 11.00 m |
巡航速度 | マッハ1 |
材質 | 超耐熱合金 TA32 (主装甲材質) |
合成ダイアモンド (ファイヤーミラー材質) | |
武装 | ファイヤーミラー × 1基 |
スーパーミサイルランチャー × 1基 | |
スーパーナパーム | |
特殊魚雷 | |
40mmバルカン砲 |
スーパーX2(スーパーエックスツー、Super X2、英表記:Super X-II)は、1989年公開の『ゴジラvsビオランテ』に登場。又、『ゴジラアイランド』では名前のみ登場。オリジナルデザインは横山宏によるもの。
こちらは最初から対ゴジラ用として開発、三友重工が製造した無翼式の水空両用VTOL機、無人戦闘航空機UCAV。前回喪失したスーパーXのデータが活用されており、装甲を超耐熱合金TA32に変更。スーパーXの二倍の耐熱性能を誇るようになった。通常兵器は搭載しているが、カドミウム弾はオミットされた。地上施設からのオペレーター2名(演・鈴木京香、豊原巧補)による遠隔操縦と自動(自律)操縦で飛行し、水深1,000mまで潜れる潜水艦(深海では電波が届かないため恐らく自動操縦・自律航行)でもある汎用航空決戦兵器。国防色(オリーブドラブ、略してOD色。陸自は基本的に車両から被服、缶詰までこの色で統一している)の機体にはSuper X2とペイントされている。
初戦では、浦賀水道沖でゴジラを迎撃。熱線をファイヤーミラーで跳ね返し持てる力を存分に奮い、海上に海中にゴジラを追い詰めるも、先述の目玉装備品が熱によって自壊してしまい、撤退。
その後、自衛隊はゴジラが次に現れる場所を名古屋湾と推定。総力が中京地帯に集められ、スーパーXⅡも隊列をなす護衛艦の上を飛行している。ところがゴジラが現れたのは大阪湾であった。急遽スーパーXⅡのみが大阪に急行し、他の部隊は準備のため若狭湾に移動した。その後、大阪においてゴジラと交戦。通常兵器を撃ちながら、破損したファイヤーミラーの強行使用をするが……。無理がたたって大破炎上し墜落。喪失される。しかし、この戦闘はゴジラに抗核エネルギーバクテリア弾を撃ちこむ為の陽動であった為、作戦目的自体は完遂している。
目玉となる装備のファイヤーミラーは通常の鏡と比べて1万倍の耐性と反射力を持った合成ダイアモンド製反射鏡であり、ゴジラの熱線が反射鏡に直撃すると瞬時にこれを吸収し、エネルギーを1万倍(一説には正確に10,080倍とも)に増幅・収束したレーザーを照射する。劇中描写より数発程度の連射が可能と思われる。熱線のエネルギーを吸収して自機のエネルギーに変換するという原理は、後世のメカゴジラのプラズマグレネイドにも応用されている。プラズマグレネイドの場合、人工ダイアモンドを表面コーティングした超耐熱合金NT-1装甲によりゴジラの熱線エネルギーを吸収・増幅したビームを発射する。
空飛ぶアイロン。
音楽はすぎやまこういち氏作曲。「組曲10『スーパーX2』」という約6分にも及ぶ一曲の組曲を収録し、これを本編の随所でカット編集して用いている。エンディング~スタッフロールにも大部分が使用されている印象の強いであろう曲。
中盤に1分ほど未使用部分が存在し、そこが曲中で一番盛り上がるというのは一部で有名な話。
- 型式番号「DAG」は同作にも登場する92式メーサー戦車と同じく「Defence Advanced Godzilla」の略である。
- 陸上自衛隊所属であるにも関わらず「MBS」…即ち「主力戦艦」(対ゴジラ護衛艦)。空も飛ぶわ海にも潜るわ、多目的にも程がある。
スーパーX3 概要と諸元
スーパーX3 Super X-III |
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制式名称 | DAG-MBS-SX3 |
所属 | 陸上自衛隊 |
指揮官 | 黒木翔 特佐 (防衛庁 特殊戦略作戦室 室長) |
スーパーX3 諸元 | |
乗員 | 3名 (パイロット、オペレーター、指揮官) |
全長 | 38.50 m |
全幅 | 58.70 m |
全高 | 7.40 m |
全備重量 | 220 t |
最大速度 | マッハ1.7 |
動力源 | レーザー核融合炉 |
材質 | 超耐熱合金 NT-1s (主装甲材質) |
武装 | 95式超低温レーザー砲 × 1基 (出力1,000万V) |
4連装冷凍ミサイルランチャー × 1基 | |
4連装ミサイルポッド × 2基 (カドミウム弾使用) | |
照明弾ランチャー × 2基 |
スーパーX3(スーパーエックススリー、Super X3、英表記:Super X-III)は、1995年公開の『ゴジラvsデストロイア』に登場。
原発事故や核攻撃が現実となった場合の事態に対処する事を想定した、多目的大型戦闘機(あるいは攻撃機)として開発された固定翼式(翼端は可変翼)のVSTOL機。国防色の機体にはSX IIIと白文字でペイントされている。又、シナリオや関連出版物等では、アラビア数字の「3」ではなくローマ数字の「III」を用いてスーパーXIIIと表記している。メカキングギドラを調査することによって得られた未来人の超現代的技術が用いられているとの説もある。
スーパーXとXⅡを喪失した経験からか、非常に高い防御力が施されている。劇中ではバーニングゴジラの熱線を二発浴びても墜落しなかった。
体内において核分裂が異常に起こっているバーニングゴジラに対処できる唯一の手段として出動。豊後水道にて冷凍武器を実戦使用してゴジラを氷漬けにすることに成功し、カドミウム弾の働きもあって一時的に沈黙させ、勝利を収める。ゴジラに勝った東宝スーパーメカとしては唯一のものであるといえる。ゴジラシリーズに以前から登場していたゴジラ対策専任の国連軍的組織・Gフォースは冷凍兵器を持たないため、傍観者に徹するしかなかった。
緊急発進(スクランブル)時はデストロイアにとどめを刺した後、メルトダウンしたゴジラに地上部隊と共に全ての装備を使い冷却を試みた。ちなみに、伊集院博士の要請によってスクランブルした際にありったけの冷凍弾や目一杯の超低温レーザー用燃料を積んだため、劇中で黒木特佐(演・高島政宏)が「来年度の予算はゼロ」と皮肉るほどの費用がかかった模様。
空飛ぶ冷蔵庫。
音楽は伊福部昭氏作曲。ピアノとブラスの重低音が大活躍するスーパーXIIIのテーマ「スーパーXIII」「スーパーXIII出撃準備(本編未使用)」と、トランペットが倒れそうになるハイテンポな攻撃時のマーチ「スーパーXIIIの攻撃」「特殊部隊出動」の4曲が存在する。
なお、スーパーX、スーパーX2の曲が全体的に三連符中心で構成されているのに対し、スーパーX3のマーチ曲はトランペットが三連符を担当し、ストリングスやスネアが十六分音符を刻むという演奏者が泣きそうな曲調になっている。
(え?大阪城物語?何のことやら)
- 形式番号はSX2の後継であることから、飛行翼があっても「陸上自衛隊所属の戦艦」となる。継続予算計上の問題だったのだろうか。
- なお、脚本を書いた大森一樹は1995年の阪神・淡路大震災で被災した際に被災地での火災を目撃し、このスーパーX3を始めとする冷凍兵器を着想した。
スーパーX4 X Japan 概要と諸元
X Japan | |
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制式名称 | X Japan |
所属 | William Morris Endeavor Entertainment |
指揮官 | YOSHIKI |
X Japan 諸元 | |
メンバー | 7名 (ボーカル、ギター、ベース、ドラムス、ピアノ、バイオリン) |
平均 身長 |
172.57 cm |
平均 年齢 |
50 years old |
最終 学歴 |
高等学校卒業 |
最高売上 | 836,940枚 (シングル Tears) 1,117,223枚 (アルバム Jealousy) |
最大動員数 | 50,000人 |
主要楽曲製作者 | YOSHIKI |
代表曲 | 紅、Endless Rain、Forever Love、I.V. ほか |
使用機材 | CR-40A (カワイ クリスタル・ピアノ) |
Burny MG-YH “イエローハート” | |
ギブソン・レスポールスタンダード (1959年製ビンテージ) | |
フェルナンデス FJB-115H HEATHモデル など |
X JapanスーパーX4(エックス ジャパン)は、2016年大晦日の『第67回NHK紅白歌合戦』に出場。
NHKホールを目掛けてやってくる大怪獣ゴジラに対して、政府は「良質な音楽が有効打と成り得る」ことを制式発表し、その討伐役の一人として駆り出されることに。
彼らの出番より前に披露されたKinKi Kidsの「硝子の少年」やピコ太郎の「PPAP」のギャグはいずれも決定打とは成らず、さらに武田真一アナウンサーによる「ゴジラマイク」なるギャグに怒りを覚えたのか、体内において熱戦放射の準備となる口内発光と背びれの変色が始まる。
この様子を見たリーダーのYOSHIKIは「僕らがゴジラを止めます」と宣言。ボーカルのToshlも荒々しく観客にエネルギーを求め「ゴジラを倒すぞぉ~~!!!」と宣言し、代表作「紅」を熱唱した。
若干テンポダウンされたショートバージョンではあったものの、この攻撃はゴジラにとって致命打となり、無事ゴジラの凍結に成功。
かくして、X Japanメンバーは数少ない「ゴジラを倒した男たち」の仲間入りを果たした。
なお、この音波凍結技術の詳細は明かされていないが、一説にはToshlのファッションから、かつてゴジラと地球人の音響兵器に敗れたX星人からの怪獣撃滅技術の供与があったのでは?と噂されている。
歌う対ゴジラ兵器。
音楽はもちろんYOSHIKI作曲。ピアノとバイオリンの前奏から開始される、紅白においては初披露となった復活後定番のバージョンを下敷きとした「紅」の演奏で、同曲が歌唱される際のお約束である「クレナイダー!!!」の煽りと共にToshlの歌唱がスタート。随所にゴジラが倒れそうになる時の断末魔であろう鳴き声(ミレゴジ版)が挿入され、ハイテンポなYOSHIKIのドラムと観客席の合唱、Xポーズでゴジラを圧倒。
なお、最後はToshlによる「We are X!!」の叫びで終了し、これについて後日YOSHIKIは「ゴジラを倒した? やけくそですよ」と答えている。
なお、X Japanは当然白組所属だったが、この歌のタイトルが“紅”なので、「ゴジラには勝っても紅組に勝てなかった要因ではないか?」と囁かれた。(この他に初出場のTHE YELLOW MONKEYの「JAM」で似たような事を言われている)。X Japanは過去に数回紅白歌合戦に出場したが、紅が紅白で演奏されたのは1992年以来実に24年ぶりであった。
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