セシウム(Caesium)とは、1秒と1mの基準となる元素である。
概要
- 原子番号は、55、元素記号は、“Cs”、分類は、アルカリ金属、レアメタル。
- ラテン語の「青い空(caesius)」に由来する。
- 発見:1860年、鉱泉水の炎色反応を調べたいたところ、既知のアルカリ金属化合物とは異なる2本の輝線スペクトルを発見し、分光器により輝線スペクトルが青色であることを確認した。(分光分析(炎光分析)で発見された最初の元素)
- 利用例:原子時計(133Cs)、放射線治療(137Cs)、医療診断、衛星、全地球測位システム(GPS)など
- 反応性は、アルカリ金属の中で最大で、空気中でも常温で酸化し、粉末状のものは自然発火する。
- 水とも爆発的に反応して水素を発生し、水酸化物を生成する。消防法では危険物指定されている。
- セシウム(133Cs)原子の放出する電磁波が、1回振動する時間の9,192,631,770倍が現在、1秒とされている。(以前は、地球の自転で決められていた。)詳細は「秒」の記事を参照。
- 以前、1mは北極から赤道までの距離の1000万分の1と決められていたが、現在では、光が真空中に299,792,458分の1秒に進む距離と決められており、この基準に時間(秒)が使われていることからセシウム(133Cs)が基準となっていると言える。
- ルビジウムも原子時計として使われているが、セシウム原子時計は、30万年に1秒程度しか誤差が生じない。
放射性物質なの?
- 原発事故関連で話題となっているセシウムは放射性セシウムであり、セシウム137(137Cs、半減期30年)とセシウム134(134Cs、半減期2.1年)などがある。 これらは摂取すると人体に影響がある。
- 天然に存在するセシウムは非放射性同位体セシウム133(133Cs)であり、放射能は無い。大量に摂取しない限り無害である。 化学実験動画に出てくるセシウムはこちら。
- ただし、金属セシウムは水や酸素と反応して強アルカリ性物質となるので注意。(反応で生成する水酸化物イオンなどの腐食性が強い)
- 余談だが、化学実験動画にあるような量のセシウム(1g前後)が放射性のセシウム137であるとすると、放射能は数兆ベクレルクラスとなる。シーベルトに換算すれば5Sv/hとなり1時間そばにいれば半数致死量となる。現在食品に数百ベクレル含まれていれば大騒ぎになるが、グラムで換算すればマイクログラムどころか、ナノグラムですらなく、数ピコグラムに過ぎない。
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