セリフォス(Serifos)とは、2019年生まれの日本の競走馬である。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2021年:デイリー杯2歳ステークス(GⅡ)、新潟2歳ステークス(GⅢ)
2022年:マイルチャンピオンシップ(GⅠ)、富士ステークス(GⅡ)
概要
父ダイワメジャー、母*シーフロント、母父Le Havre。
父ダイワメジャーは皐月賞、天皇賞(秋)、マイルチャンピオンシップ連覇、安田記念などマイル~2000mで活躍した名馬。
母*シーフロントはフランスで23戦5勝。リステッド競走のモーリス・ジルベール賞を勝利している。
母父Le Havre(ルアーヴル)は2009年ジョッケクルブ賞(仏ダービー)など6戦4勝。
社台グループの一角、北海道勇払郡安平町の追分ファームで生まれる。
育成に入ってからは頭一つ抜けた存在だったという。また、我慢ができる馬でダイワメジャー産駒ながら距離も持ちそうだと感じていて、重賞級とすでに評価されていた。
馬名の由来はエーゲ海に浮かぶ島の名前から。G1サラブレッドクラブで一口100万円×40口の総額4,000万円で募集され、その後栗東の中内田充正厩舎に預けられた。
2歳(2021年)
6月12日のメイクデビュー中京・芝1600mで川田将雅騎手でデビュー。1番人気に支持されながらレースでは道中好位から直線で抜け出し2着に1馬身半差で勝利。川田騎手は「能力はあるが性格は難しい馬」と評価した。
8月29日の新潟2歳ステークス(GⅢ)では1番人気のアライバル(単勝2.9倍)からさほど差がない3番人気(4.5倍)となった。レースでは1番と内枠になり、この日の新潟はインコースが荒れていて、さらにやや出遅れたため道中はラチ沿いを走らされたが、セリフォスは直線でインコースから抜け出し1馬身1/4差で勝利。パワーの要る馬場をこなすことを証明した。
11月13日のデイリー杯2歳ステークス(GⅡ)では藤岡佑介騎手に乗り替わりとなり、1番人気に支持された。レースでは後方2番手のポジションで進め第4コーナーから仕掛けると直線で大外から追い込みゴール前でソネットフレーズをクビ差差し切り3連勝を飾った。
12月19日の朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)ではミルコ・デムーロの弟で短期免許で日本に来ているクリスチャン・デムーロが鞍上となった。レースでは5番手から直線で抜け出す形となったが武豊鞍上のドウデュースが追撃し追い比べとなり、ドウデュースに半馬身競り負けて2着。レース後クリスチャンは「武さんの馬(ドウデュース)の切れ味に少し負けた」と語った。
3歳(2022年)
3歳はクラシック戦線には向かわず、3歳での安田記念(GⅠ)挑戦を目標に5月のNHKマイルカップ(GⅠ)へ直行。
迎えたNHKマイルカップ、間隔が開いていたものの朝日杯FSも負けて強しの内容と評価されて1番人気での出走となる。鞍上は福永祐一。
レースでは道中5、6番手につけ直線で内ラチから抜け出し、先頭に立つも外から来たダノンスコーピオン、マテンロウオリオンに抜かれ、ゴール板手前でカワキタレブリー(18人気)にかわされ4着。
続いて予定通り目標の安田記念へ。前年のシュネルマイスターに続き、グレード制以降で3歳馬の出走は9頭目。古馬牡馬より4kg軽い54kgという斤量もあり、オッズが割れる中で単勝8.7倍の5番人気という支持を集める。鞍上は藤岡佑介。
レースは枠なりで中団後方の外目に構えたが3コーナーでやや外に膨れて下がってしまい、サリオスとソングラインを見る位置で直線へ。そのまま大外に持ち出して前を行く2頭を追いかけたが、最後まで届かず内から来たシュネルマイスターにも抜き去られて4着。充分に健闘はしたが力及ばず、といったところか。
秋は富士ステークス(GⅡ)から始動。鞍上は引き続き藤岡佑介。NHKマイルカップで敗れたダノンスコーピオンと再戦となり、リベンジなるか注目された。GⅠ馬であるダノンスコーピオンが56kgになったのに対し、セリフォスは54kgで、斤量面では有利である。
セリフォスは後方から、ダノンスコーピオンは中団での競馬となる。直線に入ってもごちゃっとまとまった混戦の中、残り200mでダノンスコーピオンとソウルラッシュが抜け出したが、そこを外から強襲。最後はクビ差かわしきってゴール板を駆け抜け、重賞3勝目を挙げた。
そして本番、マイルチャンピオンシップ(GⅠ)。1番人気から順に前走スプリントから主戦場に戻ってきたシュネルマイスター、阪神マイル無敗のソダシ、前走毎日王冠で復活を告げたサリオス、同じ富士S組のダノンスコーピオンとソウルラッシュなどが出揃い大混戦ムードの中、セリフォスは前走勝ったのに前走で破った2頭より下の、9.2倍の6番人気。鞍上はダミアン・レーンを迎える。
明確な逃げ馬不在でペースが緩む展開の中、前走同様に後方に構えたセリフォス。直線に入っても誰が抜け出すかわからない混沌とした展開。最後方から大外に持ち出したセリフォスは、ダミアン・レーンの合図に応えてぐっと加速する。先に抜け出したロータスランドにソダシやダノンザキッド、ソウルラッシュらが迫る中、1頭大外からそれをまとめて撫で切る豪脚で突き抜けた。
世代GⅠの悔しさを晴らし、古馬も同世代のライバルもまとめて薙ぎ倒してGⅠ初制覇。中内田師はこれまで2歳GⅠは3勝しているが、古馬混合GⅠはこれが初制覇となった。
3歳でマイルCSを勝ったことも評価されてか、この年のJRA賞最優秀短距離馬を受賞。2023年度からは「最優秀スプリンター」と「最優秀マイラー」に分かれるため、スプリントとマイルが一緒くたの「最優秀短距離馬」としては最後の受賞者となった。
血統表
ダイワメジャー 2001 栗毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
スカーレットブーケ 1988 栗毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
Lady Victiria | |||
*スカーレットインク | Crimson Satan | ||
Consentida | |||
*シーフロント 2011 鹿毛 FNo.9-e |
Le Havre 2006 鹿毛 |
Noverre | Rahy |
*ダンスールファビュルー | |||
Marie Rheinberg | Surako | ||
Marie d'Argonne | |||
Freedom Herself 1999 鹿毛 |
Freedom Cry | *ソヴィエトスター | |
Falling Star | |||
Redeem Herself | General Assembly | ||
Redowa |
クロス: Northern Dancer 4×5(9.38%)
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関連項目
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