センチュリーシリーズとは、アメリカで開発されたジェット戦闘機群の一部を指す呼称である。
概要
1947年、チャールズ・イェーガー(チャック・イェーガー)が実験機X-1に搭乗し、世界で初めて超音速飛行に成功した。アメリカ空軍はこれらの実験で得られた成果を活かし、1953年に開発に成功したF-100を始めとして、次々に超音速性能を持つ防空戦闘機と戦闘爆撃機を開発していった。この、1950年代に開発された型式名称100番台の超音速戦闘機群がセンチュリーシリーズと呼ばれている。 [1]
当時の米空軍が考えていた戦闘機の役割は「爆撃機の護衛・戦術核攻撃・アメリカに飛来するソ連爆撃機の邀撃」だったので、センチュリー・シリーズも「核攻撃」か「敵爆撃機の邀撃」のいずれかを実施する機体として設計され、空対空戦闘や空対地攻撃は考慮されていなかった(F-101が唯一長距離護衛戦闘機として開発されたが、実用段階でその任務からは外れ、専ら防空と偵察に使われた)。[2]
機体一覧
※太字は当ニコニコ大百科に記事のある機体
- ノースアメリカン F-100 スーパーセイバー
- マクドネル F-101 ヴードゥー
- コンベア F-102 デルタダガー
- リパブリック XF-103 … 米空軍が提示した、SAGEにデータリンクを介して連動する要撃機の計画「MX-1554」にリパブリック社が社内名称「AP-57」として設計を提案したもので、このときはコンベア社の設計(後のF-102)が採用されたものの、米空軍はF-102の設計に満足していなかったため、AP-57はXF-103としてそのまま開発が進められた。エンジンはターボジェットとラムジェットの組み合わせで、高度30500メートルで最大速度マッハ3.7を発揮するデルタ翼機になる計画だった。モックアップは完成したが、試作1号機が完成する前に計画は中止された。[3]
- ロッキード F-104 スターファイター
- リパブリック F-105 サンダーチーフ
- コンベア F-106 デルタダート
その他
- デジタル・センチュリーシリーズ…2019年にアメリカ空軍のウィル・ローパー調達開発担当次官補(当時)が明らかにした戦闘機の開発・調達コンセプトで、デジタル技術と最新の製造技術を駆使することで、およそ8年ごとに新型戦闘機を戦力化し、16年程度で退役という、センチュリーシリーズに近い周期で戦闘機を開発・戦力化していくというもの。ただ、このコンセプトが本当に採用されるのかどうかはまだ不透明。[4]
関連動画
関連項目
脚注
- *「アメリカ空軍の歴史と戦略」源田孝 芙蓉書房出版 2008 pp.143-144
- *湾岸戦争史 第4章「航空作戦から見た湾岸戦争」 防衛研究所
- *「アメリカ空軍戦闘機1945-1993 ミリタリーエアクラフト1994年1月号」 デルタ出版 p.120
- *突如明かされた米空軍の新戦闘機 ウワサの「デジタル・センチュリーシリーズ」か? 2020.10.2
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