概要
如何に勝ち試合の終盤を抑え勝利に貢献したのかを表す指標であり、野球のルールの中では条件が分かりにくいものの代表例。これをすぐに答えられるようであれば、まず間違いなく野球好きであろう。
その成立条件とは以下の通りである。
以上の条件を全て満たした上で、下のいずれかを満たす必要がある。
- 3点差以内の状況で登板し、1イニング以上投げる。
9回3点差で1イニング抑えたときはもちろん、8回3点差で登板し、その後の攻防でリードが4点以上になったとしてもセーブは有効である。
- 二者連続でホームランを打たれると、追いつかれるか逆転される状況で登板する。
つまり走者がいなければ2点差以内、走者満塁であれば5点差以内が条件となる(例えば5-0で勝っている時に、9回満塁で登板しそのまま勝てばセーブが記録される。アウトカウントは関係しない)。
- 点差に関わり無く、3イニング以上投げる。
5点差であろうと、20点差であろうと最終3イニング以上を投げればセーブが付く。中継ぎ投手にセーブが付く場合はこのパターンがほとんどである。なお勝利投手の方が優先されるので、5回以前から投げ始めた場合はセーブが付かない可能性の方が高い。
抑え投手の評価には通常セーブ数に重きが置かれるが、セーブ数の多い投手の方が一概に良い抑えというわけではない。セーブをあげるためにはチームが勝つことが大前提であるが、強いチームと弱いチームとではセーブ機会そのものに大きな差があり、同じセーブ成功率であってもセーブ数に差が生じてくるためである。もちろんセーブ失敗が多ければ抑え失格の烙印を押されてしまうため、セーブ数が多い投手が優れた抑えであることは間違いない。
シーズン中にセーブを最も記録した投手には最多セーブ投手のタイトルが与えられる。セーブ記録は1974年から導入されたが、当時は完投数が多く、また救援投手は複数イニングを投げることも多かったため、セントラル・リーグでは1976年から、パシフィック・リーグでも翌1977年からセーブポイント(セーブと救援勝利を合計したもの)が最多の投手を最優秀救援投手として表彰するようになった。なお、2005年より再び最多セーブ投手としての表彰が復活し、セーブポイントは廃止されている。
一般的にセーブ狙いで登板する投手を「抑え投手」「クローザー」と言う。
ちなみに、初期は上記のような明確な基準が存在せず、初年度の1974年には「勝ち投手の権利を持ったままワンポイント投手にマウンドを譲り、再びマウンドに上がって最後まで投げた高橋直樹投手(日本ハムファイターズ)に勝ち投手とセーブの両方が付く」という珍記録が生まれている。だが、さすがにこれはおかしいとなり翌1975年より「同一投手に、勝投手の記録とセーブの記録とが与えられることはない」の一文が加えられた。
また、救援投手が2人以上存在して、最後まで投げきった(交代完了)投手より中継ぎ投手の方が有効な投球を行ったと記録員が判断した場合、そちらの方にセーブが記録されるケースも存在した(中継ぎセーブ)。規定が1976年に見直されて「自チームが勝を得た試合の最後を投げ切った投手」と改正されたことで、このような記録が生ずることはなくなった。
記録
シーズン記録
- (2024年終了時点)
日本プロ野球 | メジャーリーグベースボール | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 選手名 | 所属 | セーブ | 年度 | 順位 | 選手名 | 所属 | セーブ | 年度 |
1 | デニス・サファテ | ソフトバンク | 54 | 2017 | 1 | フランシスコ・ロドリゲス | ARI | 62 | 2008 |
2 | 岩瀬仁紀 | 中日 | 46 | 2005 | 2 | ボビー・シグペン | CWS | 57 | 1990 |
藤川球児 | 阪神 | 46 | 2007 | エドウィン・ディアス | SEA | 57 | 2018 | ||
4 | 佐々木主浩 | 横浜 | 45 | 1998 | 3 | ジョン・スモルツ | ATL | 55 | 2002 |
5 | 岩瀬仁紀 | 中日 | 43 | 2007 | エリック・ガニエ | LAD | 55 | 2003 | |
5 | デニス・サファテ | ソフトンバンク | 43 | 2016 | 6 | ランディ・マイヤーズ | CHC | 53 | 1993 |
7 | 岩瀬仁紀 | 中日 | 42 | 2010 | 6 | トレバー・ホフマン | SD | 53 | 1998 |
7 | 西村健太朗 | 巨人 | 42 | 2013 | 6 | マリアノ・リベラ | NYY | 53 | 2004 |
7 | ロベルト・スアレス | 阪神 | 42 | 2021 | 9 | エリック・ガニエ | LAD | 52 | 2002 |
10 | マーク・クルーン | 巨人 | 41 | 2008 | 10 | デニス・エカーズリー | OAK | 51 | 1992 |
10 | 岩瀬仁紀 | 中日 | 41 | 2009 | 10 | ロッド・ベック | CHC | 51 | 1998 |
10 | 藤川球児 | 阪神 | 41 | 2011 | 10 | ジム・ジョンソン | BAL | 51 | 2012 |
10 | デニス・サファテ | ソフトバンク | 41 | 2015 | 10 | マーク・マランソン | PIT | 51 | 2015 |
10 | トニー・バーネット | ヤクルト | 41 | 2015 | 10 | ジェウリス・ファミリア | NYM | 51 | 2016 |
10 | 呉昇桓 | 阪神 | 41 | 2015 |
通算記録
※太字は現役選手
日本プロ野球 | メジャーリーグベースボール | ||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 選手名 | セーブ | 順位 | 選手名 | セーブ |
1 | 岩瀬仁紀 | 407 | 1 | マリアノ・リベラ | 652 |
2 | 高津臣吾 | 286 | 2 | トレバー・ホフマン | 601 |
3 | 佐々木主浩 | 252 | 3 | リー・スミス | 478 |
4 | 平野佳寿 | 249 | 4 | ケンリー・ジャンセン | 447 |
5 | 藤川球児 | 243 | 5 | クレイグ・キンブレル | 440 |
5 | 益田直也 | 243 | 6 | フランシスコ・ロドリゲス | 437 |
7 | 松井裕樹 | 236 | 7 | ジョン・フランコ | 424 |
8 | デニス・サファテ | 234 | 8 | ビリー・ワグナー | 422 |
9 | 山崎康晃 | 231 | 9 | デニス・エカーズリー | 390 |
10 | 小林雅英 | 228 | 10 | ジョー・ネイサン | 377 |
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