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ソリン・マルコフとは、マジック：ザ・ギャザリングの登場人物であり、闇の心の持ち主である。
概要
ソリン・マルコフは吸血鬼であり、黒マナの特徴の一角を占める血魔術の使い手です。血の魔術により、彼は他の生き物から生命力を吸い取り、敵に呪いをかけ、さらには他人の精神を乗っ取るのです。
エルダー・ドラゴンであるニコル・ボーラスを除けば、ソリン･マルコフはここに紹介した他のすべてのプレインズウォーカーよりも年上です――というか彼ら全員の年齢の合計よりも年上なのです。何千年もを生きる中で、彼は物事に無関心になり、その一方で自信家です。ボーラスと異なり、ソリンは力や支配にかかわろうとはしていません。彼は自分のちょっとした気まぐれに従うことで満足しているのです。その気まぐれが、時に残酷で破滅的なものであっても。
ソリンは見識が広く、知識が豊富です。何千年もの間に何百もの次元を見てきた彼は、やがて目新しさと新たな気晴らしを求める、いわば一種の享楽家になっていきました。しかしソリンは、彼の快楽主義的な基盤にもかかわらず、さらに長く続く物事を追うことに惹かれていきます。そして彼の長い生命の中で、それは広範囲の次元同士を交戦し侵略させようとする秘儀的な計画へと結実していきます。結果、ソリンは忙しく立ち回ることになりました。彼はたびたび次元を渡り、彼しか知らない興味を追い続けています。今のソリンは、いつでも他のどこかで仕事を成そうとしているようです。
そんな彼がかかわった次元の一つがゼンディカーです。はるか昔、彼は他の二人のプレインズウォーカーと協力し、ゼンディカーを永遠に変えてしまう儀式を完成させました。三人は、この儀式が邪魔されることがあるようなら、三人全員がゼンディカーに戻ることを約束しました。そして、その約束の一端を担っているソリンも、今ではこの次元にたった一人で、他の仲間は影すらも見えていません。彼はこの儀式を、自分と次元が危機に陥らないよう、彼一人で守っているのです。
浅黒の肌に銀髪そして黄金色の瞳、貴族風の衣装をまとった長身の男、
という恐ろしく正統派な「イケメン系吸血鬼」。[1]
何千年もの間生きてきた極めて強力なプレインズウォーカーでもある。
超長命キャラの例にもれず快楽主義者であり、自分の気まぐれにしたがって行動することを好む。ただし、瞬間的な出来事より、長期的に続く出来事のほうに関心を持つ性格であるため、あっちへ行って何かをやり、こっちへ行って何かを起こし、という生活をしている。その一部として「ゼンディカーブロック」と「イニストラードブロック」でストーリーに絡んでいる。
カードとしてのソリン・マルコフ
2014年10月時点でカードとしてのソリン・マルコフは3種類存在する。すべてプレインズウォーカーである。
Sorin Markov / ソリン・マルコフ (３)(黒)(黒)(黒)
プレインズウォーカー — ソリン(Sorin)
[+2]：クリーチャー１体かプレイヤー１人を対象とする。ソリン・マルコフはそれに２点のダメージを与え、あなたは２点のライフを得る。
[-3]：対戦相手１人を対象とする。そのプレイヤーのライフの総量は１０点になる。
[-7]：プレイヤー１人を対象とする。あなたはそのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーをコントロールする。4
「ゼンディカー」に収録された1枚目のソリン。基本セット「Magic2012」で再録もされている。
プラス能力はダメージ生成。2点ダメージ＋2点回復、さらに忠誠度も2上がる。
プレイヤーのみ、などというケチなことは言わず、クリーチャーの除去に用いることもできる。
小マイナス能力はライフ変動。相手のライフがいくつであっても「１０」に変化させる。
対戦相手がダメージを受けていないなら10ダメージ相当である。
無限ライフに到達された場合でも一気に10まで引き戻すこともできる。
Magic2012再録時には《ソリンの復讐》[2]を組み込んだコントロールデッキが作られた。
ちなみにマジック：ザ・ギャザリングでは「ライフを○○点にする」という動作は存在しない。
そのため、対戦相手のライフが10点より多い場合は「【（対戦相手の現ライフ）-10】点のライフを失う」効果、
対戦相手のライフが10点より少ない場合は「【10-(対戦相手の現ライフ）】点のライフを得る」効果と等しい。
「ライフを得たとき」「ライフを失ったとき」誘発する能力を持ったカードと組み合わさった場合は注意が必要である。
大マイナス能力は《精神隷属器》と同じ効果。効果を受けたプレイヤーの行動を自由に決められる。
無駄な呪文プレイで自爆、絶対返り討ちにあう組み合わせで攻撃、無意味な能力起動、などなどわりとやりたい放題になる。
ライフ支払いのみをコストとする能力を持つカードを戦場に出していたなら強制連続起動で自殺させることもできる。
ただし、投了させることはできない。
どの能力も強力な効果を持ち隙がないカードである。
だが、(３)(黒)(黒)(黒)というコストは「ゼンディカーブロック」がスタンダードで使えた時期ではあまりにも重すぎた。
この時期黒主体のデッキは「吸血鬼ビート」という低コストの吸血鬼で殴り殺すデッキであり、使用機会はほぼ0。
Magic2012再録時では状況は改善されたが、それでもあまり使用頻度は高くなかった。
結果、「6マナのプレインズウォーカーは能力とか関係なしに雑魚」という風潮をつくる原因となってしまった。この風潮は《開放された者、カーン》《太陽の勇者、エルズペス》《獣の統率者、ガラク》が活躍するまで続いた。
Sorin, Lord of Innistrad / イニストラードの君主、ソリン (２)(白)(黒)
プレインズウォーカー — ソリン(Sorin)
[+1]：絆魂を持つ黒の1/1の吸血鬼(Vampire)クリーチャー・トークンを１体戦場に出す。
[-2]：あなたは「あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受ける。」を持つ紋章を得る。
[-6]：クリーチャーと他のプレインズウォーカーを最大３つまで対象とし、それらを破壊する。これにより墓地に置かれた各カードを、あなたのコントロール下で戦場に戻す。3
プラス能力はクリーチャー生成。ただの1/1ではなく絆魂がついているため、継続的ライフ回復としても機能する。
小マイナスはクリーチャー強化の紋章。効果は小さいものの、紋章は極めて特殊な方法[3]を用いないと消すことができない。
プラス能力でクリーチャーを補充できるため、クリーチャーカードが入っていないデッキでも使用できる。
大マイナス能力はクリーチャー・プレインズウォーカー奪取（正確には破壊してからリアニメイトしているのだが）。
追い込まれているときでもプラス能力とブロックを繰り返し、この能力を使うことで逆転が可能。
あの《遍歴の騎士、エルズペス》と同じ総マナ・コストでありながらはるかに強力なトークン生成。
あの《遍歴の騎士、エルズペス》と違い、強烈な大マイナス能力。
小マイナスだって、2個も乗るだけでシャレにならないことになる。
と前評判は絶好調。「神ジェイス」（《精神を刻む者、ジェイス》の俗称）にあやかって「神ソリン」という俗称までついた。
他のレアが弱いという評判もあり、乗るしかない、このビッグウェーブにとばかりに人気が集中。一時期は1枚6000円にも到達した。
ところが、この時期のビートダウンは緑赤が強く、一番人気のデッキは黒と白を使うもののこのカードの出番はなし。「黒白トークン」というこのカードを完璧に機能させるデッキは存在したが、全体的にゲームが高速化してたためこれより優先順位が高い低コストカードが多すぎてデッキに入らなかった[4]。
さらに、弱いと思われていたカードが実は結構強いことが判明して人気が分散。
結果、バブルが弾け飛んで大暴落を起こし、１ヶ月後には約2500円までシングル価格が下がった。1ヶ月で3000円以上の暴落を起こした新録カードは他にないんじゃないだろうか…。
その後は例によりDelver-Blade一強体制となったために存在自体忘れられた。
現在ではすっかりおとなしいシングル価格となっているが、強力なカードには変わりがない。
もし、「モダンイベントデッキ」[5]を入手してモダン環境に飛び込もう、と考えているならこのカードはきっと役に立つはずである。
Sorin, Solemn Visitor / 真面目な訪問者、ソリン (２)(白)(黒)
プレインズウォーカー — ソリン(Sorin)
[+1]：あなたの次のターンまで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受けるとともに絆魂を得る。
[-2]：飛行を持つ黒の2/2の吸血鬼(Vampire)クリーチャー・トークンを１体戦場に出す。
[-6]：あなたは「各対戦相手のアップキープの開始時に、そのプレイヤーはクリーチャーを１体生け贄に捧げる。」を持つ紋章を得る。4
エルドラージ再封印の際に現れなかったプレインズウォーカー「ウギン」の足跡を追って、 次元「タルキール」を訪問したソリンを描いている。
プラス能力はクリーチャー強化+絆魂。強化値は小さいが、クリーチャー全体に絆魂を与えるため戦場の状況次第で大幅なライフ回復を狙うことができる。
「あなたの次のターン」までが効果時間である。この能力を使った直後の対戦相手のターンでも効果が残ってるので見落とさないようにしたい。
小マイナス能力はクリーチャー生成。2/2飛行トークンに対して[-2]という忠誠度消費は高すぎるか否か、議論が分かれるところだろう。
大マイナス能力は継続的なクリーチャー除去を行う紋章獲得。これを起動されるとほとんどの場合クリーチャーを戦場に維持できなくなるだろう。1、2体のクリーチャーで決着を狙うコントロールデッキ相手には非常によく効く。ただし、《太陽の勇者、エルズペス》のように継続して大量のクリーチャーを生成するカードを出されている場合は無力である。
同じマナ・コストで似た効果を持った《イニストラードの君主、ソリン》があまり活躍できなかったため、発売直前の評判はあまり芳しくない。しかし、予想外の展開はMTGのお約束である。強化能力についた「絆魂」とトークンの性能、何よりスタンダード環境の差がどう影響するか、注目である。
闇の心
《審判の日》にはソリン・マルコフの言葉がフレーバーテキストとして書かれている。
これだけだったらダークサイド系強キャラにありがちなセリフに過ぎない。
だが、ストーリーに登場したソリン・マルコフは
- 超ヤバイ生き物（エルドラージ）の封印が解けそうになったので、再封印のために訪れた。
なお、3人で封印して解けかけたらまた来よう、と約束したのにいざその時に来たのはソリンだけだった模様。 - 吸血鬼があんまりヤンチャするので人間の守護者として大天使「アヴァシン」を創造。
- そのアヴァシンが悪魔に封印されて人類が絶滅の危機になった時に再び訪れていろいろ活動。
と「数千年生きた「闇の心」を持つ吸血鬼」がやるとは思えない白い行動ばっかりしてたのでネタになってしまった。
黒たっぷりの《ソリン・マルコフ》から黒白の《イニストラードの君主、ソリン》になったところや イニストラード期のスタンダードでは人間が大暴れして吸血鬼が瀕死だった影響も大きい。
エルドラージを封印したせいで、次元「ゼンディカー」はわくわく冒険ランドと化してしまっているし、
人間の守護だって「人間が絶滅→吸血鬼が飢え死に」となるからその防衛策に過ぎない、という話もあるが
それにしたって、「数千年」ってことは「ウルザ」（正義の味方サイド）あたりと年が近いわけで
ちょっと「闇の心」には無理があるんじゃないですかね。まあ元々人間だし親人派なんでしょうね…。
関連項目
脚注
- *マジック：ザ・ギャザリングの吸血鬼はゴシック・ホラーをテーマとしたブロック「イニストラードブロック」が出るまで、ハゲだったり、無駄にムキムキだったり、半裸だったりすることが多かった。骸骨なのに吸血鬼とかいう奴もいる始末。
- *(４)(黒)(黒)(黒)のソーサリーで「対戦相手に10点のダメージを与え、あなたは10点のライフを得る」という効果を持つ。
わたモテどこかのアニメで顔をだしたらしい。 - *《解放された者、カーン》の大マイナス能力を使い、次のゲームを開始することで実質的に紋章が消滅する。
- *カード選択肢が少ない「ブロック構築」ではデッキに投入されていた…が黒白トークンのキーカードがブロック構築で禁止カード入りして終了。
- *希望小売価格8000円。モダンを始めるにあたり欲しいだろうカードが入った「黒白トークン」デッキであり、無改造でも3回戦程度の小規模大会なら上位入賞を目指せる強さのデッキである。希望小売価格で買えるなら特製スリーヴなどと合わせてお得な商品である。
高額カードが収録されるという噂を聞いた転売勢が群がりカードショップも予約段階で強烈なプレミア価格（欲の皮が突っ張ってたということもあるが、転売勢が予約枠を占拠することを防ぐという意味もある）をつけていたが、デッキリストが発表されると大量キャンセルが発生、結局発売日には多くのカードショップは希望小売価格で販売した、という顛末を持っている。
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