ここでは古代イスラエル王国の王であるソロモンについて記述する。
概要
ソロモン王とは、旧約聖書の「列王記」に記されている古代イスラエル王国の三代王にして、同国を最盛期に導いた人物である。優れた政治家であるともに人並み外れた知恵者でもあり、欧米圏においてはアーサー王を補佐したマーリンと並ぶ、偉大な魔法使いとしても知られている。その魔法は悪霊(悪魔)、精霊の使役が主で、魔法使いのカテゴリとしては召喚士(サモナー)ということになる。
経歴
古代イスラエルの二代王ダビデは、戦いによってカナアンの統一に成功した偉大な王であったが、家臣の妻と不義の関係を結んでしまい、その家臣を死なせてしまう。彼女との間に生まれた第一子はヤハウェの怒りに触れて死に、第二子として生まれたのがソロモンだった。生年は紀元前1011年ごろと言われる。
紀元前961ごろ(異説あり)に即位し、エジプトのファラオの娘をめとってギデオンの聖所に捧げものをすると、夢の中にヤハウェが現れて「望むものをさずけよう」と告げた。この時ソロモンが「知恵」を求めた結果、世に並ぶ者のない知恵者になったという。その知恵によってソロモンは内政外交の諸問題をことごとく解決し、3000あまりの格言や教訓、詩を残し、また動物と会話し、魔術を駆使して奇跡を起こした(余談だが、知恵者としての歴史的裏付けはない)。彼の統治中、イスラエルの領土はユーフラテス川からガザにまで達するほとだった。
ソロモンが全盛期のころ、イスラエルはおおむね平和を保っていたため、交易によって巨万の富を築くことができた。これによって大規模な国家事業も可能となり、エルサレムに7年がかりで神殿が、13年がかりで宮殿が建造された。この神殿には、先王ダビデ時代からの悲願だった「契約の箱(聖櫃)」が収められ、ついにエルサレムは名実ともにユダヤ教の聖地となったのである。
見事な神殿と宮殿は、神と王の権威を万人に知らしめるのに十分だったが、足りなかった費用は重税と強制労働という形で国民にのしかかった。またソロモンは各国から700~1000人の妃をめとり、彼女らが持ち込んだ各地方宗教を容認したため、排他性の強いユダヤ教徒たちの反感を招いた。さらにソロモンの出身であるユダ族優遇が、部族間対立の火種としてくすぶっていく。
紀元前同931年ごろにソロモンが死去すると、これらの問題が表面化。部族対立から始まった内乱が拡大し、ついにイスラエル王国は北のイスラエルと南のユダに分裂してしまう。両国ともその後バビロニアなどによって滅ぼされ、多大な労力と年月を費やして作られたソロモンの神殿も同586年ごろ破壊された。
このように、ソロモンは古代イスラエルの最盛期を築き、ユダヤ第一の賢者と讃えられるいっぽう、古代イスラエル崩壊の原因も作った、相反する経歴を持つ人物である。
ソロモンの魔術書
今でこそ偉大な魔術師として名をはせているソロモンだが、中世に彼の著書とされる魔術書が登場するまで、ほとんど注目される存在ではなかった。特に彼の著作とされる魔術書が氾濫するようになるのは、「レメゲトン(ソロモンの小さな鍵)」発見以降になる。
- ソロモン王の鍵
「ソロモン王の大きな鍵」と呼ぶ場合もある。ソロモン王が息子のレハベアムに「現世の富と自然のたまものを心ゆくまで享受する方法」を教えるために書いたといわれる。この本では「魔術は基本的に神の力に依るもので、神に祈ることでさまざまな霊に働きかけた結果起こる」とされる。これら霊たちにいかに働きかけるか、魔術を行うのに必要な道具、材料、適切な時間、シンボル、呪文が主な内容。
全2巻構成で、1巻では「盗まれたものを見つける」「姿を見えなくする」「賢者から知識を引き出す」「霊たちが所有する財宝を支配する」方法など魔術の具体的内容、2巻では魔術を行う際の注意事項、身の清め方、生贄の捧げ方、道具の作り方といった準備作業を解説している。
同書は、魔術結社「黄金の夜明け(黄金の暁)」の設立者サミュエル・リドル・マクレガー・メイザーズが発掘した。古代の作と主張されるが、17世紀中葉まで印行されなかった点から非常に怪しい。オカルティストで歴史家のアーサー・エドワード・ウェイトによれば、14世紀の写本として現存しているらしい。
- レメゲトン
「ソロモン王の小さな鍵」と呼ぶ場合もある。魔術書としては「大きな鍵」よりずっと質が高く、中世魔術書ではもっとも重要なもののひとつ。ただし「大きな鍵」同様、ソロモンの作というのはまったくの見せかけで、古くとも17世紀初頭までしかたどることができない。
ありとあらゆる霊(悪魔)の召喚を扱っており、特に第一部「ゲーティア(ゴエティアとも)」では、有名なソロモンの72悪魔が列挙され、その力や召喚されたときの姿が記されている。アレイスター=クロウリーによって、ここだけ英訳出版されたほど重要な部分である。研究の結果、レメゲトンは本来この第一部しかなく、ほかの部分は後になって追加されたようだ。コラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」のもとになった、ジーン・ヴァイヤーの「プスドモナルシア・デモヌム(悪魔の偽王国/1577年発行)」は、ある資料をもとに書かれたといわれており、ゲーティアだけは当時すでに存在していた可能性がある。
第二部「テルギア・ゲーティカ(テウギア・ゴエティカとも)」では、4方のデーモンについて書かれている。
第三部「パウリナ(パウロの術)」は、昼と夜の時間の天使と、黄道12宮の天使を扱っている。
第四部「アルマデル・サロモニス」はさまざまな護符の作り方、天の4つの高みにいる霊の操り方を解説している。
第五部「ノートリア」はソロモン王が実際に使っていた祈りの言葉で構成されている。?
このほかに「ソロモンの真の鎖骨」「賢者の石論」「観念の亡霊」「九個の指輪の書」「九個の燭台の書」「精霊の三つの形の書」「魔神を追い払う刻印」「ネクロマンシー論」などがソロモン王の著名で出版された。
ソロモンの魔法
ソロモンが召喚術を行使するにあたり、よく用いたのがペンタクルと呼ばれる特殊な図形で、羊皮紙や金属メダルに描かれた。この図形は同心円を基本に、曲線や直線、文字、シジル(印章、印形)などを組み合わせて出来ている。その種類は無数で、用途によって図形、素材、インクなど細かく規定されている。
これには呼び出した対象を恐れさせる効果があり、命令を下すのに必須であった。他にも麻で織った純白法衣、香や香油、羊皮紙の冠、魔方陣を描くのに使う小刀や杖、蝋燭や炉などの照明、聖水、供物(動物の血肉)が必要とされた。さらに悪魔や精霊は惑星の影響を強く受けるため、日取り、月齢、星座の位置、時間帯を考慮したうえで、召喚対象を縛る魔方陣と術者を守る魔法陣を描く必要があった。
またソロモンはあらゆる動物や植物と会話できたが、その能力の源になっていたのが魔法の指輪だった。ある時、川で水浴びをしている時に、うっかり紛失したことがあったが、幸いにして下流の漁師が魚の腹から発見してソロモンへ届けたため、能力を失わずに済んだという逸話がある。
ソロモン72柱
レメゲトンによれば、ソロモン王は神や天使の名を使って重要な地位にあった72体の悪魔を自由に使役し、最終的にはそれらを真鍮容器に封印したという。悪魔たちを封印した容器はバビロニアのある湖に沈められたが、のちに何も知らない者が引き上げて蓋を開けてしまい、悪魔たちは世界中に散ったと言われる。彼らは「ソロモン王の72悪魔」「ソロモンの72柱」などと呼称される。ニコ動的に「72」というと「THE IDOLM@STER」の如月千早だが、今のところあまり関係ない。くっ。
ちなみに72という数字は占星術における全ての領域である12宮を更に六分割した合計数でもある。名前や能力も被っている悪魔や見た目や性質が記述されていない悪魔も混じっていることや、「悪魔の偽王国」にも記述されていない悪魔がいることから、72柱の中にはこれらの数字にあわせる数合わせの存在として作られた悪魔もいるのではないかという説を提示する悪魔学者もいる。
「悪魔の偽大国」に記述されていない悪魔は「ヴァサゴ」「セエレ」「ダンタリオン」「アンドロマリウス」の4柱となっている。
ソロモン72柱の悪魔たちの序列は悪魔同士での権力や強さをそのまま示したものではなく、ソロモン王が悪魔を封印した順番につけたもので出席番号のようなものとされる。世界的な知名度を誇ったベリアルやバアル、アスモデウス、アスタロトといった大悪魔たちがマイナーな悪魔に挟まって紹介されていることや、爵位順に番号が振り分けられていないこともこの説を裏付けている。
72柱の解説についてはレメゲドンや悪魔の偽王国にも掲載されていないものも多いが、これは長い年月をかけて後世の人々の創作や信仰によって付け足されていったためとされている。特にコランド・プランシーが執筆した「地獄の辞典」でつけられた内容や挿絵は人気を博し、多くの悪魔学や創作物に影響を与えた。
以下に悪魔たちの簡単な解説を掲載する。
いくつか呼び名がある者に関しては、よく知られている方を採用した。
- バエル(東方の王、66軍団の長/バール系)
セム人の豊穣神バールを語源とする悪魔の代表格。地獄第一の王と呼ばれ、ヒキガエルと人間と猫の頭をもち、しわがれた声でしゃべる。召喚者に透明化や奸計の能力を与える。 サブカルチャーでは名前の語源が同じベルゼブブに役目を奪われることが多く出番は少なめ。 - アガレス(公爵、31軍団の長)
地獄の東部を治める悪魔。ワニやカメなどさまざまな動物に乗り、手に鳥を止まらせた老人の魔神。もともとはナイル川の農耕神で時間を司る神だったようだ。ギリシャ神話の農耕神クロノス及び時間神クロノスという同名の神と能力が似通っているが関係は不明。逃げ出した人間を引き戻す能力や地震を引き起こす能力を持つ。博識であらゆる言語に通じる一面も持つが話す言葉は嘘ばかりなので信用できない。 - ヴァッサゴ(王子、26軍団の長)
アガレスと同一の存在とされている悪魔。白い骸骨のようになった老人の姿でワニにまたがりカラスと共に出現する。過去現在未来の出来事に関して詳しく、隠された財宝や女性の秘密を明らかにする力も持つという。 - ガミジン(侯爵、30軍団の長)
サミジナとも呼ばれ、小さな馬もしくは驢馬の姿で現れる。死者の魂を呼び寄せる交霊術の力を持つ。召喚者が命令を終えるまでその場に止まる律儀な性格をしている真面目な悪魔。 - バルバス(長官、36軍団の長)
マルバスとも呼ばれる。ライオンの姿をとる悪魔。隠されたものや秘密を見通し、これらに関する質問に誠実に答えてくれる。疫病を起こす力と直す力、機械工学についての優れた知識をも持つ。 - ヴァレフール(公爵、10~36軍団の長)
ウァレフォル、マラフォル、ヴァルファーレなどたくさんの読みを持つ悪魔。得意分野は窃盗の煽動と窃盗した犯人との和解。それ以外でも様々な雑用をこなしてくれる72柱の雑用担当でもある。「ファイナルファンタジー10」ではメインヒロインのユウナが最初に手に入れた召喚獣でもある。召喚獣の中で唯一オーバードライブ技を二つ持つ。 - アモン(侯爵、40軍団の長)
フクロウの頭部、犬のような前足、蛇の下半身を持つ。エジプトの最高神アメンが語源と解釈される。専門分野は過去未来視と友情操作。名前が似てる7つの大罪の「マモン」とも同一視されることもあるが、起源の違いからこれを否定する悪魔学者も多い。永井豪の漫画「デビルマン」において、主人公・不動明と合体したと思しき悪魔。デビルマンでは「魔界の勇者」だった。アトラス社のゲーム「真・女神転生if」では、このパロディとしてアモンと合体するパートナーのルートが存在する。
- バルバトス(公爵・伯爵、30軍団の長)
灰色のマントをまとった狩人の姿をしており、トランペットを携えた四人の王を付き従えて現れるという。ロビンフッドの化身とも呼ばれている。獣の言葉を解す、秘匿された魔術師の財宝の在り処を知るといった識能を有する。その能力からロビンフッドの化現ともされる。ニコニコ的にはアイテムなぞ使ってんじゃねえ!なお人や君をぶち殺すガンダム辺りが有名だろうか。序列14のレラジェとは同一視されることも多い。
- パイモン(西方の王、200軍団の長)
パイモニアとも呼ばれる。西方世界を支配するヒトコブラクダに乗った女貌の男の姿、現代風に言うと男の娘の悪魔。声がうるさいことに定評があり、召喚後はまずは服従させて声を抑えさせる必要がある。生贄を使った召喚の場合はベバル、アバラムという二人の王と天使を従えて現れるという。召喚者にはあらゆる知識、大地の組成、水の成分、風の向きを教えてくれる。 - ブエル(長官・地獄の議長、50軍団の長)
69柱のデカラビアに並んでユニークなデザインの悪魔。もともとはゴエティアにケンタウロスの姿で現れると書かれていたが、「地獄の辞典」で車輪のように五本のヤギの足を持ち真ん中にライオンの顔がある姿で描かれたものが後世に大きく広まった。アガリアレプトの配下の一人。 - グシオン(公爵、40軍団の長)
詳しい姿は不明だが紫のローブを纏った猿のような姿で現れる。アガリアレプトと呼ばれる悪魔の配下にあるという。敵意を反転させて好意に変化させる人心操作と、地位や名誉を召喚者に与える力を持つため、組織内での昇進を狙う場合には適役といえる。 - シトリー(王子、60~70軍団の長)
翼を持ったヒョウの悪魔。ヒョウの姿だが命令されれば美しい男性、もしくは女性の姿に変化することも可能。一部ではエジプト神話の「セト」が悪魔になった姿とも言われる。召喚者が望む男性もしくは女性に恋心を植え付けるほか裸にさせたり、秘密を赤裸々に暴露することができる能力を持つなど恋愛系の能力に特化している魔神。 - ベレト(王あるいは公爵、80~85軍団の長)
青白い馬にまたがり現れる悪魔。ベリアル、アスモデウス、ガープと共に72柱のリーダー格の魔神。召喚される際にはトランペットなどさまざまな楽器が鳴り響く荘厳な雰囲気の中で現れる。召喚されて人間にこき使われることを酷く嫌っており、召喚する際には王に対する礼儀を忘れず接し、護符となる銀の指輪を相手の顔に向け続けなくてはならない。これらの手順を無視した場合は殺されてしまうが、対策法があるだけグラシャラボラスやアンドラスよりはマシである。ベレトが持つ能力はシトリー同様、男女の仲を取り持つ恋愛関係の物である。 - レラジェ(侯爵、30軍団の長)
レライエとも。弓矢を持った緑色の服を着た狩人の姿を持つ悪魔。サルガタナスの支配下の一人。人々の間で不和を引き起こして闘争を起こす力と敵に矢で負わせた傷口を化膿させる力、自分の軍を怪我人の治癒を早める能力を持つ。レラジェの持つ闘争を引き起こす力は戦争のような殺し合いだけでなく、スポーツや論争などの人同士が競い合う物事にも適用されるという。似たような容姿を持つバルバトスと同一視されることもある。 - エリゴス(公爵、60軍団の長)
槍を携え旗を掲げ蛇もしくは杖をもった端整な騎士の姿で現れる。未来予知能力をもつほか、隠された事柄や戦争に関わる物事を詳しく教えてくれる。望まれれば召喚者を王や偉大な権力を持つ身分の高い人間に寵愛されるようにすることもできる。 - ゼパル(公爵、26軍団の長)
赤い装束と甲冑に身を包んだ兵士の姿で現れる。女性の恋心を燃え上がらせて男性と結び合わせる力、特定の女性を不妊にする力、女性の姿をパートナーの男性の望みの姿になるまで変身させる力を持つ恋愛成就の専門家。名前が似てるウェパルと同一視されることもある。 - ボティス(伯爵・長官、60軍団の長)
巨大な毒蛇の魔神。人間の姿になると双角で鋭い牙を備え、毒が塗られた剣を構えた勇猛な戦士のような男の姿となる。過去と未来を見通す力と、仲たがいした友人との仲をとりもたせる能力を持つ。この和平の力は召喚者と敵対している存在にも有効だが、効果は一時的なものとなり長期的には続かない。 - バティン(公爵、30軍団の長)
マルティムとも呼ばれる馬に騎乗したヘビの尾を持つ男の姿の魔神。薬草学や宝石に詳しいルシファーの側近でナンバー2。人間を瞬時に別の土地に移動させるテレポート能力を持つため、短時間で長距離を移動しなくてはならないときに役に立つ。 - サレオス(公爵、30軍団の長)
クロコダイルに乗った魔神。公爵の王冠を被った兵士の姿で召喚される。悪魔の中でも温和な性格をしており戦いはあまり好まない性質を持つ。好物は酒。ベレトやシトリーだち同様恋愛に対する力を持つが、女性限定の彼らと違いサレオスの恋愛に対する力は男性にも有効という珍しい特徴がある。 - プルソン(王・公爵、22軍団の長)
熊に乗った魔神。獅子貌の人間の姿で召喚される。召喚される場合はトランペットが鳴り響いた中に現れる。過去・現在・未来について見通す能力を持ち、隠されたものを見つける。また神に関わる物事や創世に関わる話をしたりそれらの質問に積極的に答えてくれる。 - モラクス(伯爵あるいは長官、30軍団の長)
マラクスとも言われる。牛貌をした巨漢、イメージとしてはミノタウルスのような容姿で現れる。古代の中東で崇拝された生贄を要求する「モロク」が魔神として貶められた姿とも。周辺国家と争いを避けるためかソロモン王はこのモロクを信仰することを許し神殿を建てたといわれている。召喚者に天文学や一般教養に対する知識を叩き込み、薬草や宝石の持つ価値や力についても詳細に教えてくれる。
グラブルのマギサが召喚するのもこの魔神で「モーさん」という愛称がついている。 - イペス(伯爵・王子、36軍団の長)
獅子の貌、ガチョウの足、ウサギの尻尾を持った姿、もしくはガチョウの頭、獅子の体、ウサギの尻尾を持った姿で現れる。地獄の辞典では後者の姿で描かれており、このイメージで絵が描かれることが多い。過去と未来を見通し、その中でも未来の内容を嬉しく語ることや、召喚者に機知と大胆さを与える職能を持つ。なにごとも物事を力で解決しようとするクセがありその点は注意が必要。 - アイム(公爵、26軍団の長)
ハボリムとも言われる。蛇、人間、猫の合計三つの頭を持ち毒蛇に乗った人間の姿の魔神。松明と三つの頭というポイントからエジプト神のバステトとの関係がささやかれている。手にたいまつを持っており、場所を問わず城西だろうが都市だろうが無差別に放火するのが得意。法律にも詳しく人間を賢明にしたり、プライベートな問題に答えてくれる能力も持つ。 - ナベリウス(侯爵・少将・軍隊総監、19軍団の長)
複数の頭を持つ鳥もしくは犬の姿の魔神。別名:ケルベロス。ギリシャ神話のケルベロスと関連付けられることもある悪魔。ケルベロスの名前のほうが有名なためナベリウスがサブカルチャーに関わってくる作品は少ない。ネビロスという悪魔の支配下にあるが同一視されることもある。司るものは「幻滅」「欺瞞」「虚言」。召喚した人間に対して科学を教える他、失われた名誉を回復させる力を持つ。PSO2の惑星の名前としても採用されている。 - グラシャラボラス(伯爵・長官、36軍団の長)
グリフォンのような翼を持った犬の悪魔。人間に変身した場合はコウモリ羽と牙の生えた男性の姿になる。芸術や科学などに精通するインテリで、過去や未来のことを見通したり人間を透明にする能力を持つ。悪魔らしく殺人を好み、召喚者に殺人を促すこともある。ゲーム「ファイナルファンタジー8」ではなぜか原典とは似ても似つかない機関車の姿のGF(召喚獣)として登場しており多くのプレイヤーを驚かせた。 - ブネ(公爵、30軍団の長)
人間とグリフォンと犬の三つの頭を持ちドラゴンまたは獣の体を持つ姿で召喚される。威厳のある声音で話し質問にも真摯に答えてくれる。人間に富、知識、雄弁さを与えるほか、死体を指定された場所へ移動したり指定された墓地に悪魔を集結させるネクロマンシーのような力を持つ。 - ロノウェ(侯爵あるいは伯爵、19軍団の長)
ゴエティアには怪物の姿で現れるとのみ書かれており詳細は不明だが、地獄の辞典では槍を持った小型な悪魔の姿で描かれていた。修辞学と言語に関する知識を召喚者に叩き込む。友愛に関する能力を使うことができて召喚者の友情を結ぶ手助けをしてくれる。スマートフォンのゲーム「パズドラ」では「61」と「49」の形のピアスをしたギタリストのデザインで登場しているが、これはクロスロードで悪魔に魂を売りギターのテクニックを得たといわれ、27歳でこの世を去った「ロバート・ジョンソン」の逸話の再現といわれている。 - ベリト(公爵、26軍団の長/バール系)
ベリスとも呼ばれる、馬に乗り、真紅の甲冑を纏い黄金の冠を被った騎士。残酷な性格をしており、拷問や虐殺を楽しむ悪魔らしい性格をしている。どんな金属も金に変える錬金術のような力を持っている。過去・現在・未来の質問にも回答するが、二枚舌なベリトはよく嘘をつくため真偽をきちんと見抜く必要がある。旧約聖書に登場するシケム人が崇拝していた異端の神バアル・ベリトが原型ともされている。 - アスタロト(西方の公爵・主計長官、40軍団の長)
古代フェニキアの豊穣女神アスタルテが語源。さらにさかのぼると、ヤハウェよりはるかに古い神であるバビロニアの太母神イシュタルにつながる。彼女の巫女は聖娼婦だったためか、淫蕩の悪魔とされる。また天使の創造、過ち、失墜に精通し召喚者に望まれれば積極的に語るという。中世~近世を代表する悪魔の一人で悪魔学においては語るに外せない存在。ネビロスやサルガタナスといった上級悪魔を配下に持つ大悪魔。アメコミ「ヘルボーイ」ではアヌン・ウン・ラーマ(ヘルボーイ)の支援者として出現する。男性の姿をしているがモデルとなった神が女神なのでサブカルチャーでは女性の悪魔とされることも多い。 - フォルネウス(侯爵、29軍団の長)
詳しい姿は不明だが海の怪物の姿で召喚される。デザイナーにもよるが海の脅威単純に表現したサメの姿やエイの姿で書かれることが多い。召喚者には芸術、科学、語学の知識や優れたカリスマ性、素晴らしいネーミングセンスを授けてくれる。ロマサガ3の四魔貴族の一人としても抜擢されており、高いHPと自動回復効果、厄介な即死効果つきの全体攻撃を持つ強敵で多くのプレイヤーを苦しめた。 - フォラス(長官、29軍団の長)
屈強な人間の姿で現れる悪魔。パワー系のような見た目に反して学問に通じており様々な薬草の効能や価値のある宝石がもたらす恩恵を詳しく教えてくれる。これだけではなく倫理学や論理学にも詳しい知識を持つ文武両道のインテリ悪魔。他にも望まれれば長い寿命を与えてくれたり、人間を透明にしたり、なくした物や財宝のありかを教えてくれるという。 - アスモデウス(王・遊技場総監、72軍団の長)
七つの大罪の色欲を司る有名な悪魔。アスモダイという表記でも書かれる。旧約聖書ではラファエルによってエジプトの果てに封印されている。イヴを誘惑した蛇という説もある。牡牛、人間、牡羊の頭を持ち、尾は蛇、足はガチョウ、炎のような息を吐き、竜に載っている。専門分野は幾何学、算術、天文学、工芸術、宝の発見。ソロモン王をうまく騙し指輪を放り投げさせて下克上を果たした悪魔だが、投げた指輪がソロモン王が釣った魚の腹の中から見つかり、戻ってきたソロモンに倒されてエルサレム神殿を建設するときにこき使われてしまった。嫌いなものは魚。 - ガープ(王子・長官、60~66軍団の長)
アマイモンの支配下にあり西方を統べる悪魔。四人の強大な王を従えた人間の姿で召喚される。幅広い権能を持つ悪魔で人間の意識を失わせその知識を奪ったり、愛憎の感情を自在にコントロールする能力を持つほか、召喚者に望まれれば哲学や教養学、霊を浄化する方法も教えてくれたり、魔術師の使い魔の強奪、召喚者本人を好きな場所に飛ばすテレポートといった魔術的なこともできる。
召喚するだけでメリットが盛りだくさんだが召喚の難易度が高いことに定評があり、ガープは太陽が南方の星座の方角にあるときにしか現れてくれない。 - フルフル(伯爵、26軍団の長)
燃え立つ尾を持つ牡鹿の姿で召喚されるが、この姿で召喚した場合は召喚者の質問にペラペラと嘘をつく。フルフルに嘘をつかせないためには三角形の魔法陣の中に入らせなくてはならない。そうすれば天使の姿に変化し秘められたことや神聖なことに対して真実を語り始める。命令されれば男女間の愛を進展させたり、雷や暴風を引き起こしてくれる。 - マルコシアス(侯爵、30軍団の長)
グラシャラボラス同様にグリフォンの姿を持つ。自画自賛、自身、快楽を司るグレモリーの配下の魔神。グリフォンの姿だと獰猛で気性が荒いが、人間の姿になると誠実な性格に変化して召喚者の願いをかなえることが出来るようになる。召喚者に非常に忠実な悪魔であり全ての質問を嘘偽りなく答える。悪魔であるが嘘を極端に嫌っており、マルコシアスに嘘をついたら即座に殺されてしまう。 - ストラス(王子、26~76軍団の長)
頭に王冠を被ったゴイサギの悪魔。召喚者が望めば人間の姿もとることができる。「地獄の辞典」で描かれた足の長いフクロウの姿が可愛いと有名。自然の力に関する知識を持ち、召喚者には天文学、薬草学、宝石の知識を授ける。鳥の悪魔というデザインがフェニックスやシャックスなど多くの悪魔と被ってしまうためか、サブカルチャーでの出番は少なめ。 - フェニックス(侯爵、20軍団の長)
不死鳥フェニックスと同様の存在で、悪魔として扱われる場合はフェネクスともいわれる。鳥の姿では美しい声をしておりその声を聞いた者は魅了され、自らフェニックスの餌食となってしまうほど。しかし人間の姿になった場合はその反対に耳を塞ぎたくなるほど聞き苦しい声でしゃべる。専門分野は文学・詩・科学。悪魔の中でも珍しい平和主義者で争いを好まない。ファンタジー作品で登場する際は不死鳥フェニックスの面が強調されることが多く、悪魔の面が強調されて登場する作品は少ない傾向にある。 - ハルファス(伯爵、26軍団の長)
マルファスと同一視されることもあるコウノトリやノバトの姿で召喚される悪魔。塔や町、要塞を建築する力や戦争に使う武器や弾薬を一瞬で満たす、自分の軍勢を好きなところにテレポートさせるといった戦争をする場合は非常に頼もしい能力を持つ。戦争を起こし人間が苦しむ所を見たいため人間には協力的。 - マルファス(長官、40軍団の長)
ハルファスと同一視されることもあるカラスの姿で召喚される悪魔。建築術に優れており塔や町、要塞を建設する力を持つほか、戦争での敵の願望や思惑、実行度合を見通してその情報を召喚者に伝えることが出来る。戦争のために世界のあらゆる場所から技術者を集めることも出来る。生贄を与えられると上っ面では喜ぶものの、かえって忠誠心が下がり嘘をつくようになるため注意が必要である。 - ラウム(伯爵、30軍団の長)
カラスの悪魔。王族のような権力者の家から財宝を盗み出して望んだ場所に移動させたり、都市の破壊や人の尊厳を貶めるような人間の没落を招くことが得意。逆に不和になった人間同士を和解させたり、男女の恋愛を成就させ人間に栄華を与えることもできる。過去・現在・未来を見通す力も持つ。 - フォカロル(公爵・将軍、30軍団の長)
グリフォンの翼を持つ男の姿をした悪魔。ウェパルと並び海を支配する悪魔であり、風と海を操り人々を溺死させたり船を転覆させる水難に関わる力を持つ。しかし召喚者に言われるまで自分から人間に手をかけることはしない温厚さも持ち合わせている。海に関わる権能が目立つが人間の精神を腐敗させ堕落した性格にすることもできる。 - ヴェパール(公爵、29軍団の長)
ウェパルとも呼ばれる人魚の姿をした悪魔。グレモリーと並んで数少ない女の姿で召喚される。海を支配する悪魔で武器や鎧といった戦闘に関わる物資の輸送、嵐を引き起こす、船団の幻を出現させるといった海上の戦闘を有利に運ぶ能力を持つ。PSO2の惑星の名前にも採用されている。海を支配する悪魔のウェパルというネーミングに相応しい水が豊富な惑星である。 - サブナク(侯爵、50軍団の長)
青ざめた馬に騎乗した獅子の顔の兵士として現れる。マルファスの築城とハルファスの補給をあわせた戦争に関わる能力を持っており、城塞都市の建造や武具の供給に力を貸し人間をサポートしてくれる。敵には何日も治療せず一ヵ月後にウジが湧く傷を負わせることもできる。 - シャクス(公爵・侯爵、30軍団の長)
かすれた声で話すノバトの姿で現れる悪魔。あらゆる点で召喚者に忠実な悪魔だがフルフル同様、魔法陣の三角形の中にいない限り嘘をついて騙そうとするので注意が必要。ソロモン72柱の中で盗みのプロフェッショナルで金や馬はもちろん、人間から視覚、聴覚、理解力などの感覚を奪い取ることもできる。隠された財宝についてもその在りかを露にしてくれるダウジング能力も持つ。 - ヴィネ(王・伯爵、19~36軍団の長)
黒馬にのった毒蛇をもった獅子の姿で現れる。過去・現在・未来の秘密や魔術師の名前を召喚者に教えたり、召喚者の命令で防御用の塔を建築し召喚者を守る。守りだけでなく攻めにも優れており、召喚者が敵対している相手の城の破壊や水域に嵐を巻き起こして土地を荒らすこともできる。 - ビフロンス(伯爵、60軍団の長)
怪物の姿。序列27のロノウェと同様に容姿がほとんど描かれていない。占星術と幾何学、宝石、薬草学について詳しい知識を持つ。死体を入れ替えたり、死者の墓にロウソクを灯すネクロマンシーや降霊術といった死者に関わる魔術に通じている。ローマ神話の双頭の神ヤーヌスと関連付けられることもある。 - ウヴァル(公爵、37軍団の長)
グレモリーの従者の悪魔。ヒトコブラクダの姿で召喚されてつたないエジプト語を話す。敵との友情を生み出し和解させ、召喚者が望む女性と愛を結ばせる能力を持つ。他の悪魔の能力と違いウヴァルの結ぶ愛に性的なものではなく友愛となる。しかしウヴァルの執念深さから結ばれた女性とは二度と分かれることが出来なくなるという代償がある。それでも分かれようした人間は容赦なく殺しにかかる。 - ハーゲンティ(長官、33軍団の長)
羽を持った牛の姿で現れる悪魔。ワインを水に、水をワインに変化させる・・・とイエス・キリストのような奇跡を起こすほか、あらゆる金属を金に換える能力も持っており錬金術関連の能力に長けている。同じ錬金術の権能を持つベリトよりも扱いやすい。ゲーム「Fate/GrandOrder」では、数いる72柱の中でパンケーキの材料にされてしまうという扱いを受け多くのプレイヤーの笑いを誘った。 - クロケル(公爵、48軍団の長)
プロケルとも呼ばれ悪魔であるにもかかわらず天使の姿であわられる魔神。幾何学と教養学、数学を召喚者に教え、隠された物事に謎めいた口調で語る。水に関わる能力を持ち大水が押し寄せる轟音の幻聴を聞かせたり、温泉の発見、川の水温を上昇させることもできる。詳細は不明だがもともとはユーフラテス川で信仰されていた水神が堕ちた姿とも言われている。 - フルカス(騎士・長官、20軍団の長)
青ざめた馬に乗り鋭い武器(ピッチフォークや槍)をもつ顎鬚を老人の姿で現れる魔神。性格は残忍で人間の魂を魔界に持ち帰ってこき使うという伝承もある。ソロモン72柱の中では唯一騎士の称号を持つ珍しい悪魔。哲学、修辞学、天文学、手相、火占術を知識を持ち人間にその知識を教える。魔界の古老と呼ばれ全てのことを見通すこともできる。 - バラム(王、40軍団の長)
牡牛、人間、牡羊の三つの頭を持ち、ヘビの尾をもった姿で現れる悪魔。現れる際は凶暴なクマに騎乗している。過去現在未来のことについて正確に答え、召喚者を透明にしたり賢くする能力を持つ。旧約聖書に登場する異教の神を崇拝させた呪術師バラムが魔神として貶められた姿がこのバラムであるという説が有名。 - アロケル(公爵、36軍団の長)
巨馬に乗り赤い獅子の顔を持った兵士の姿で現れる魔神。目を覗き込んだ者の死に様を映すほか、天文学や教養学を教える。一度聞いたら忘れられないおぞましい声の持ち主。ゲーム「タクティクスオウガ」では最強の女性ユニット名として知られる。味方の時はゲームバランスを崩しかねないほどの「神」だが、敵に回ると「悪魔」のごとき強さでプレイヤーを恐怖に陥れる。同ゲームは、プランシーの「地獄の辞典」から名前を拝借しており、悪魔の名前が多いのもそのためである。 - カイム(長官、30軍団の長)
ツグミの姿で現れる悪魔。人間に鳥や動物の話している言葉を教える。弁舌さに非常に長けた悪魔でマルティン・ルターと論争した伝説がある。永井豪の漫画「デビルマン」のシレーヌ編において、瀕死のシレーヌを助けに現れた。本作ではサイに似ている。登場時間は短いが、その献身的愛情ゆえ強く印象に残るキャラクターである。「シレーヌ、血まみれでも君は美しい」はデビルマン屈指の名台詞のひとつ。 - ムルムル(公爵・伯爵、30軍団の長)
ミュルミュルとも呼ばれる哲学と交霊術を司る悪魔。トランペットを響かせながら二人の家臣を引き連れて現れるという派手な演出で召喚される。召喚者に完璧な哲学を教授する力と死者の魂を現世に連れてきて質問や秘密を聞き出させる能力を持つ。後世の「地獄の辞典」では音楽の魔神となっているが、音楽のエキスパートとしてアムドゥシアスという存在がいるため、ムルムルの音楽についての権能が目立つことは少ない。 - オロバス(王子、20軍団の長)
かけっこ一等賞!地獄の辞典のインパクトのある挿絵が有名な馬。召喚者を他の悪魔の攻撃から守ってくれたり、敵味方を協力をもたらす力を持つ。世界創造と神学に対する質問に真実を答える。
- ゴモリー(公爵、26軍団の長)
グレモリーとも呼ばれる。ウェパルと並びレメゲトンの悪魔で数少ない女の姿で召喚される悪魔。序列9位のパイモン同様召喚時にラクダに乗って現れる。老若に関わらず女性の愛を得させる、隠された財宝のありかを見つけ出す、過去現在未来について語ることが出来る。ライトノベル「ハイスクールD×D」ではメインヒロインとして抜擢されている。 - オセ(長官、30軍団の長)
ヒョウの悪魔。神学や教養といった学問に詳しく望まれれば教えてくれる。人間を望んだものに変身させるが、変身させられた相手はそのことに気づかないまま普通に生活を続けるという。人間を狂気に落とす力も持っており、狂気に落とされた人間は王や教皇だと信じ込むが、その支配は一日のうちに一時間限定と書かれた資料も残っている。オズ(オーディン)が悪魔として堕とされた姿という説も。 - アミィ(長官、36軍団の長)
燃え盛る炎の悪魔。しばらくすると長槍と生首をもった男性の姿に変化する。召喚者に占星術や教養学を叩き込み驚異的に習熟させるのが得意。権力者や君主の恩寵を受けるように仕向けたり、敵に疑いの種や流言飛語をまくことができる。その代償として人間の魂の生命力が引き換えになるのが厄介。 - オリアス(侯爵、30軍団の長)
戦馬に乗った、右手に二匹の蛇を持ったライオンの姿で召喚される。ソロモン72柱の中で占星術に特に詳しい悪魔で、召喚者に占星術のすべてを一瞬で教授する能力を持つ。人間を望む姿に変身させたり、召喚者と敵対している人間の憎しみを友愛に反転させて好意を得られるように仕向けることもできる。 - ヴァプラ(公爵、36軍団の長)
グリフォンの翼を持ったライオンの姿で召喚される。アムドゥシアスに並ぶ文化系の悪魔で、職人たちが手にかける手工芸と専門職、哲学に精通しており、召喚者にこれらの知識を与えて手先を器用にするというソロモン72柱の中でも異彩を放つ能力の持ち主。 - ザガン(王あるいは長官、30~33軍団の長)
グリフォンの姿をした牡牛の姿で召喚される。人間を賢くする力を持ち愚者を賢者並みの知識を植えつけることが出来る。ワインを水に、水をワインに変質させたり、あらゆる金属を召喚された土地にあわせた硬貨に変える錬金術も扱う。ベリトやハーゲンティと能力的に似ているが、ザガンは召喚者の血をも水やワインに変質させることもできるので、油断して殺されないように注意が必要。 - ヴォラック(長官、38軍団の長)
ウァラクとも呼ばれる。双頭のドラゴンにまたがった天使の姿で召喚される。何の努力をせずとも召喚者がほしがっているものを入手できるように働きかけてくれる。隠された財宝の場所や大蛇の住処を明らかにする能力も持っている。その大蛇は召喚者に害をあたえることなく使役させることが出来る。 - アンドラス(侯爵、30軍団の長)
天使の体に鳥の頭を持つ異形の姿で召喚される悪魔。召喚者を殺戮に目覚めさせるグラシャラボラスに匹敵する悪魔らしい悪魔で、隙あらば召喚者を殺すことをたくらんでる。そのため召喚する際は隙を見せない、召喚時間を短くするなどの注意が必要になる。周囲に不和の種を撒き散らしていがみ合わせる力や敵を皆殺しにする方法を教授することが得意。 - フラウロス(公爵・将軍、20~36軍団の長)
ハウレスとも呼ばれる。魔法陣の外だと受け取った質問に対し嘘しか答えないが、中にいる場合は質問に正しく答えるだけでなく他の悪魔の堕天の理由や世界の創造、神聖な事柄についてを喜んで語る。北欧神話の「フレイヤ」が原型であるという説もある。召喚者に忠実な悪魔で敵を炎で始末したり、他の悪魔や魔神の誘惑から守ってくれる。ゲーム「Fate/GrandOrder」では魔術王ソロモンの命に従い人類史を滅ぼすべく主人公たちと対立し、72柱の悪魔の中で一番初めに戦う相手となる。
- アンドレアルフス(侯爵・尚書長・上級議会長・衣裳部屋係、30軍団の長)
孔雀の姿をした悪魔。名前が似てる「アドラメレク」と勘違いされることもある。幾何学、測量技術、天文学に精通しており、巧みな弁論や屁理屈で会話をすることを得意とする。特筆する能力としては人間や召喚者を鳥の姿に変えて空を飛ばせることが出来るというものがある。しかしアンドレアルフスはその代償として生贄を要求してくるのが厄介。 - キマリス(侯爵、20軍団の長)
キメリエスとも呼ばれる。黒い馬に乗った勇猛な黒い肌の戦士の姿をした悪魔。アフリカの悪霊全てを統括しアフリカでおきた出来事に詳しい。召喚者に文法、倫理学、修辞学を教え、失ったものや財宝を見つけ出す。望まれれば召喚者や他の人間を勇敢な兵士に変化させたり、海や川などの水上を素早くわたらせることが出来る。 - アムドゥシアス(公爵、29軍団の長)
アムドゥスキアスとも呼ばれる。ユニコーン姿をした音楽関連の物を司る悪魔。彼が司る音楽にちなんでか召喚時にはトランペットなどあらゆる楽器の音が鳴り響く。音楽が大好きという72柱の中でも非常にユニークな性格をしており、音楽会を開いたり召喚者に音楽全般の才能を与えることが出来る。ほかにも木を曲げる力や優れた使い魔を用意する力を持つ。PSO2の惑星の名前としても採用されている。 - ベリアル(王、80軍団の長/バール系)
火車に騎乗した美青年の姿で書かれる悪魔で、見た目は美しいものの性格は悪魔らしく最悪。聖書にその存在が書かれていることからサタンやバアル、ルシファーに並ぶ有名な悪魔であり、多くの創作物でベリアルをモチーフにしたキャラクターが書かれている。地獄に干渉してきたイエス・キリストを神に訴えて裁判をおこしたという話がある。 - デカラビア(王・侯爵、30軍団の長)
女神転生シリーズのヒトデマンめいた可愛くもあるスマートな姿が有名。あまりにもデザインが秀逸すぎたのか他のデカラビアを扱う作品にも影響を及ぼしており、デカラビアは真ん中に目がある星型の悪魔という絵で描かれる事が多くなった。命じられると人の姿にもなれるため擬人化して書かれることもある。 - セエレ(王子、26軍団の長)
ペガサスに乗ったイケメンの姿で現れる。物を運ぶ力に優れた悪魔で世界中のどこにあろうと一瞬にしてどんなものでも移動させることが可能。盗まれたものや隠された宝物について熱心に語ってくれる特徴を持つ。悪魔の中では不気味なほど優しい性格をしているため、召喚者が望む願いをどんな無理難題でも叶えてくれる。これだけ優しいとなにか裏がありそうだが、召喚に対するデメリットはない模様。 - ダンタリオン(公爵、36軍団の長)
右手に本を抱えたあらゆる男女の表情を持つ魔神。あらゆる学問を極めそれらの知識を召喚者に教えてくれるという学者肌の悪魔。また人間の心を読み取り思いのままに思考を操る心理操作や、世界中の好きな場所に幻影を出すことが得意。 - アンドロマリウス(伯爵、36軍団の長)
ソロモン72柱の最後の序列。悪魔の中でも正義を司る奇異な存在で、盗人の捕獲や処罰、盗品の奪還、ありとあらゆる悪巧みを察知して関わった人間に罰を与えることが得意。詳細は不明だがカナンの盗賊の神の堕とされた姿とも言われている。
その他
- プルフラス ゴエティアの悪魔のうち68柱についての記述がある「悪魔の偽王国」のみに記載されている悪魔。闘争、戦争、不和、欺瞞をもたらす力を持つ存在。悪魔の偽王国ではフクロウの頭を持つと書かれていたが、「地獄の辞典」では原典とは異なりライオンの頭を持ち、ラッパを吹きながら熊に乗っている人間といった容姿で描かれた。
- (ミシャンドラ) 一時期Wikipediaに記載されていたぼくのかんがえたさいきょうのあくま。
- (ラーペ) 上記のミシャンドラに対抗し2chの神話・民族板で作られた存在。
その他創作における「ソロモン72柱」
その設定が中二心をくすぐるのか、サブカルチャー関連では引っ張りだこである。
全部挙げるとキリがないため、ここでは複数登場している作品に絞って記載する。
なお、ソロモン72柱の中でも、アスタロト・フェニックス・ベリアルの3柱は、「もういいよ」というレベルで様々な作品に登場している。
- 『足洗邸の住人たち。』
「大召喚」以降の世界を支配する秘密結社「中央(アー・グラ・ケイオス)」のメンバーとして登場する。教職に就いてたりプラモを作ったりアイドル活動をしていたりと人間的で俗っぽい奴が多い。だがその一方で、人間や他種族に対して冷酷な面を持つ者も多く、支配する側でありながら秩序を乱し己が意のままにしようと画策する輩もちらほらと見受けられる。 - 『うみねこのなく頃に』
魔女ベアトリーチェと契約している悪魔としてロノウェ・ガープ・ゼパル・フルフルなどが登場する。 - 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』
ガンダム・フレームを採用したモビルスーツは、本編の300年前に72体がロールアウトされた。
そしてそれらのガンダムの名前はソロモン72柱から取られている。
2柱ほど別のガンダム世界に出張しているのは気にしない方向で。 - 『ファイナルファンタジー』シリーズ
まあ定番、ということでシリーズ通してソロモン72柱が登場している。中でもフェニックスはFF5で召喚獣として登場以降は常連となった。
また、FF11ではソロモン72柱の名を冠したデーモン族のノートリアスモンスターが大量に出現する。 - 『BUSIN0 ~Wizardry alternative neo~』
オートマターの装備品である「チップ」の名がソロモン72柱から取られている。 - 『Fate/Grand Order』
魔術王ソロモンの使い魔「魔神柱」として72柱の悪魔が登場する。 - 『マギ』
72柱は各地に現れる迷宮の主であり、迷宮を踏破した人物の装備に宿り力を貸す存在。また、同作ではソロモンの名前も出ている。 - 『女神転生』シリーズ
悪魔といえばこのゲームを思い浮かべる人もいるだろう。
実際に何体かが「悪魔」としてプレイヤーの前に立ちはだかる。 - 『メギド72』
ソロモン王の力に目覚めた主人公が、人間に転生(擬人化)したソロモン72柱を仲間に加える。 - 『ロマンシングサ・ガ3』、『ロード・オブ・ヴァーミリオン』
ロマサガ3では「26.ブネ(ビューネイ)」、「30.フォルネウス」、「58.アミィ(アウナス)」、「52.アロセール(アラケス)」 の4体が「四魔貴族」として主人公たちに立ちはだかる。
ロード・オブ・ヴァーミリオンに於いては、それぞれのカードに「ソロモン72柱の序列」が書かれている。
関連項目
- 14
- 0pt