ソード・ワールド2.0とは、グループSNE制作のTRPGである。メインデザイナーは北沢慶。
概要
旧版にあたるソード・ワールドRPGとはシステムの根幹部分は共通するものの、大幅なシステムの改良・刷新や世界観・設定の変更が試みられているため、システム・設定ともに旧版との互換性は無く、新版というよりは旧版からスピンオフされた完全新作と言った方がよい。
旧版の初版と同じく、ルールブックは文庫本であるので、TRPGを取り扱っていないような書店でも、ライトノベルの棚を探してみるとしっかり置かれていたりすることがある。価格も基本ルールブックIだけなら945円と、TRPGのルールブックの中では比較的安価に入手できる上に持ち運びも容易なため、敷居が比較的低いのが魅力。
6面サイコロで遊べるプレイアビリティもそのままで、プレイ面でも独特のルールが少ないスタンダードなものにまとまっている反面、いくつか難点も抱えている(「難点」を参照)。
旧版のヒットの火付け役となったリプレイは、本作では趣向の異なるものが複数同時展開されており、多様化するユーザーに対して様々なプレイスタイルを提案しているのも特徴である(「関連商品」を参照)。
初心者向け購入ガイド
ルールブックI (基本ルール/初級者(Lv1~6)用)基本ルール集。取り敢えず1回遊ぶならこの1冊でも行ける。 |
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ルールブックI 改訂版
上記ルールブックIの改訂版。上記ルールブックを「一応」置き換え可能。新しい種族が増え、戦闘ルールも新しいものになっている。なお、上記ルールブックIとカルディアグレイスを持っている場合、身長比較以外この本は不要である。 後述するリプレイ『バウムガルトの迷宮城』はこのルールブックI 改訂版のみを用いて遊ぶことを前提としている。 |
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ルールブックII (中級者(Lv6~10)用)
既存種族にも新しい生まれ表が追加された事や、エンハンサー技能の有用性などから、現状のプレイ環境では実質的に必須に近い扱いを受ける。 |
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ルールブックII 改訂版
上記ルールブックIIの改訂版。こちらも新しい種族が増えた。それだけではなく、AWで導入された種族特徴の強化が導入されたり、生まれ表がI改訂版・II改訂版に出てくるすべての種族に対応したり、呪歌に関する説明がWT準拠になったりしている。上記IIにない追加の生まれ表はIBに再録されていないが、Webに掲載されている。 |
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ルールブックIII (上級者(Lv11~15)用)地味にルールブックI~IIのFAQなんかも載ってるが、追加ルールとしてそこまで致命的に重要な要素は少ない。ただし真偽判定や構造物破壊ルールが乗っているのはここだけなので、もし使うつもりなら必要となる。また高レベルスタート用のデータも載っており、低レベルでは扱いにくい技能を初期作成から習得させるなどのプレイに役立つ。追加アイテムに有用なものが多いが、現状ではアルケミストワークスで代替出来る。 |
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ルールブックIII 改訂版
上記ルールブックIIIの改訂版。I、IIの改訂版に続き、新しい種族が増えた。さらに、ライダー技能に関係する事柄が全面的に見直され、騎獣のレンタルに必要な費用の支払いが一度で良くなった他、前提騎芸の廃止や騎獣の適性レベルの調整、破損部位の修復方法の変更、魔法や一部特殊能力を解放するための騎芸の導入などが行われている。既存の騎芸も、一部は別物になっている。細かいところでは、「形状:突破」に関するルールが微妙に書き変えられていたりもしている。 |
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ルールブックEX
上記ルールブック3種をレベル6まで使用することを前提とした拡張ルールブック。基本的には大型本の各種サプリメント(AW~LL)までに追加された要素や判定の再録なので、大型本のサプリメントを揃えている場合は基本的に不要。ただし透明状態に関してのみ修正されたルールが載っていたり、追加された各種判定が1冊にまとまっているのはそれなりに便利。一方でデータ面はレベル6までしか乗っていないので、長期キャンペーンでデータ部分を使用するには不安が残る。 また妖精魔法に関してウィザーズトゥームで改訂された部分が選択ルールとして明記された。改定された妖精魔法はSW2.0でもややこしい部分の一つなので、GMやPLが初心者だったり改訂前の妖精魔法を使いたい場合にはありがたい部分。 |
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バルバロスブック(BB)蛮族領でプレイすることを前提とした拡張ルールブック。ルールブックに準じている文庫本サイズのため、懐にもやさしいのが特徴。 最大の目玉は蛮族の追加四種族と変身を扱う新技能フィジカルマスターだが、イグニスブレイズまでの蛮族PCも再録されており、新しいサプリメントを買わなくても蛮族PCがプレイできるようになったのも大きい。 |
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ラクシアゴッドブック(GB)
ラクシアの神々の紹介している資料集。追加された神々やフレーバーのみの神様もいるが、基本的には神聖魔法に特化した拡張ルールブックであり、また若干だが追加のアイテムデータもある。ルールブックに準じている文庫本サイズなので、懐にもやさしい。 新種族のセンティアンはどの神の影響を受けたかによって種族特徴が大きく変わる種族であり、どの生まれも神聖魔法に伴う強力な種族特徴を持つほか、生死判定に失敗した場合の扱いも特殊である。能力補正も変わってくるが、器用さだけはどの生まれを選んでも低くなりがちである。 細かい神々のコラムも乗っており、こちらはシナリオ作りに役立つ……といいたいところだが、BBの蛮族のコラムとは違ってこれを生かすのはなかなか難しいと思われる。 |
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アルケミストワークス(AW)アルケミスト技能の驚異的汎用性もさることながら、ルールブックIIIまでのアイテム一覧、魔法一覧等も完備しており、実質的なルールブックIVと言う評判も高い。が、ここからは文庫じゃないのでお高いが、強キャラを作るには重要なサプリメントとなっている。 そのため場合によってはルールブックIII以上に重要である。 とはいえアルケミスト技能の詳細や追加ルール、アイテムの詳細はここにしか載っていないデータもあるので、無いと不便なことには変わらない。どちらかといえば早急に改訂版が欲しいサプリメントである。 追加された選択ルールのうち、防御ファンブルや絡み武器に関しては非常に癖が強く、卓によっては不採用とする場合も少なくない。読み物として技能解説があり、どの技能がどういった役割を持つのか、どう成長させると有用なのか判らない初心者には割と重宝する内容。「【魔法拡大/数】持ってないプリーストとか無いわー」とか割とぶっちゃけてる。 |
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バルバロステイルズ(BT)蛮族PC作成ルールが目玉だが、実際にはモンスターデータブックという意味合いが強い一冊。 |
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ウィザーズトゥーム(WT)
11年夏発売の最新魔法系サプリ。 |
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カルディアグレイス(CG)
ルール&データブックと名乗るとおり、ルールを大幅に上書きする。神様も四柱追加(ノベルにだけ収録されていたユリスカロア含む)。上記WTの魔法リストもある。巻末に魔法、鼓咆、占瞳、練技、呪歌、騎芸、賦術、戦闘特技の参照ページ付きリストが収録されており便利。 ウォーリーダーはスカウト以外で先制判定ができる唯一の技能。また、習得する鼓咆によっては「技能レベル+知力ボーナス」で先制判定が行えるようになる。ミスティックは探索判定ができるため新技能2つでスカウトのようなことができる。 |
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イグニスブレイズ(IB)
キャラクター&データブックと名乗るとおり、PC種族の追加やそれ以前のPC種族の追加生まれ表・経歴表や魔物データが約半分を占めるが、ほかにもいろいろあり。特に戦闘特技の改訂が非常に大きい。何気に新しいキャラクタシートのテンプレートが付属している。 |
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ルミエルレガシィ(LL)アイテム&データブックと名乗るとおり、主にアイテムが追加・更新されている。またこれまでのサプリに収録されたアイテムが一覧表として載っており、AWなどと合わせることで主要なアイテムの内容を網羅できる。リプレイや博物誌などで増えたキャラクターについて新たにコネクションに必要な名誉点が定義された。 |
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フォルトナコード(FC)
ルール&データブックと名乗るとおり、Lv16以上への成長が最大の目玉。それに伴って色々なデータが追加されている。ただし超越判定と剣の託宣はバランスを崩壊させるほど強力なので、この二つは選択ルールや限定状況でのみ使用可能にするといった処置が時に必要になるかもしれない。 |
バウムガルトの迷宮城リプレイと言いつつメインはルールブックI 改訂版のガイダンスとルールブックI 改訂版のみを使う不思議のランダムダンジョンシナリオ。リプレイ部分は収録されたランダムダンジョンのプレイ例となっているため手始めに半日ほど遊んでみる際の助けになるかも知れない。 |
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アシュラウトの無限工房リプレイと言いつつメインはほぼ上記と同様のI・II改訂版を使った不思議のランダムダンジョンシナリオ。リプレイ部分は収録されたランダムダンジョンのプレイ例となっているのも同じだがアドリブも含んでいる。 |
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モンスター☆ハッカーズリプレイと言いつつメインは各ルールブックの改訂版を使ったモンスター育成シナリオで、不思議のランダムダンジョンも健在。闘技大会のシナリオやルール掲載もあるので、大会回をやりたい時の参考になるかもしれない。 |
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ミストキャッスル(MC)、フェアリーガーデン(FG)、エターナルエンパイア(EE)、カースドランド(CL)、ミストグレイヴ(MG)、エンドレスメイズ(EM)ソロプレイも出来るようにゲームブック風になったシナリオブック。追加データは余り無いので、慌てて買う必要はない。昔のゲームブックを思わせる死亡率の高さが時折話題になる。 初心者GMは練習用シナリオとし使用するのもありだが、よく死ぬ事(及び、死んだ方がマシな事態に陥る事。主に魔改造)は断っておこう。特に名前付きのモンスターは高レベルキャラ(Lv15でも全滅の危険がある)でないとほぼ太刀打ちできない。その他、ソロプレイで戦闘の感覚を掴んだりするのにも使えないことは無い。 長らくこのカテゴリでは新規サプリメントは出ていなかったのだが、ミストグレイブ以来ほぼ4年ぶりとなるエンドレスメイズが発売。とはいえ名称が戻っただけで、この間にいくつか出ていたシナリオブックとほぼ同等の扱いである。 |
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カルゾラルの魔動天使(MA/MK)、プロセルシア秘史(PS)ソロプレイも出来るようにゲームブック風になったシナリオブック。これまではサプリメント扱いだったが今回からバトルキャンペーンブックという扱いに変更。 もっとも、細かいところは上5つのシナリオブックとあまり変わらない。とはいえ、理論上はI改・II改・IIIのみで遊べるようにはなっているので、MCより少し高い程度で開始できる(高い分は単純にこの本の値段) MAは一応、出てくるオリジナル種族を外に持ち出すことも可能だが扱いが非常に面倒、かつ出した段階でこのシナリオがクリアされた前提になるのできちんとGMの許可をとること。 PSは歴代のシナリオブックに比べると相対的に難易度が低めに設定されており、どちらかというと巻末にあるデータ部分がドラゴンレイドをプレイする面で役立つかもしれない。 |
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彷徨の塔-フォビドゥンタワー-(FT)ソロプレイも出来るようにゲームブック風になったシナリオブック。今回はワールドオデッセイという扱いだが、基本はバトルキャンペーンブックと同等の扱いで、一応基本ルールブック3冊だけで遊べる内容となっている。 オリジナルデータも過去のシナリオブック同様にあまりないが、高レベルスタートが推奨されている分、戦闘関連の敷居が若干高く、またルールブックⅢも必須となっている。 |
ワールドツアー公式リプレイの舞台だっていうのに全然情報が出なかったルーフェリアや、リオス等といったテラスティア大陸南部フェイダン地方に関するサポートが発売中。主な内容はワールドガイドとシナリオ集。 |
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ドラゴンレイド(グランドキャンペーン)ラクシアに三千年周期で出現する、凶星”竜刃星”を扱ったキャンペーン用のシナリオ&データブック。 ドラゴンの名を冠するとおり、ドラゴン関連の追加シナリオ&データの収録がメイン。 ビギンズの方は大型本のサプリメントでシナリオ集がメインだが、追加データもある。追加データの中では選択ルールである「盟竜点」ルールが最大の目玉。基本的にドラゴンレイド用の選択ルールだが、ドラゴンレイド外でも一応使用可能。 戦竜伝の方は「ストーリー&データブック」の名を冠しており、今まで公式では一切情報がなかったプロセルシア地方を扱っているが、メイン部分が小説なのでサプリメントだと思って買うと唖然とするので注意。一応巻末に追加データが載っているが、こちらはドラゴンレイド外では扱いにくいデータなので、実質的にドラゴンレイド専用のデータとなっている。 |
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博物誌プレイヤーズハンドブック(通称PH)と称されるサプリメント。 各博物誌で共通して一番大きなデータは各種地方における流派とその専用武器、及び扱っている地方の地理やNPC、専用アイテムが収録されている。特に流派はどれもクセがあるものの、上手く使えば非常に有用なものが多い。 第一弾のフェイダン博物誌は名の通り、フェイダン地方のサプリメント。テラスティア大陸の全体マップもあり、地図を読む人にもいい。あとはアイヤールにあるとある領土の罠がシナリオに使いやすいくらいか。 また第二弾としてザルツ博物誌が発売された。SW2.0のノベルである『剣をつぐもの』後の時系列となっているほか、各公式リプレイ終了後の描写も多く、基本ルルブのNPCのパーソナリティとはまた違う顔を見せているのが特徴。 第三弾は古代神の戦勝神ユリスカロアが初出となったユーレリア地方を舞台とするユーレリア博物誌である。戦闘外でのフレーバーに役立つ美姫システムが新規導入されているものの、通常プレイだとあまり縁は無いかもしれない。 第四弾はダグニア博物誌である。バルナッドにある闘技場で戦うためのルールが追加されており、闘技大会セッションをやる際には参考に出来るかもしれない。NPC紹介の時系列は公式リプレイ「聖戦士物語」の全キャンペーン終了以後となっている。 第五弾はディルフラム博物誌である。過去のPH同様の内容のほか、蛮族PCにおけるルール拡張サプリメントの面も兼ねており、特に蛮族PCのLv15以上用のデータを使用したい場合は必須となる。 |
旧版との比較
種族
- 旧版では「妖魔」とされていた敵対種族の総称が「蛮族」に変更された。対応する人類側の種族の総称は「人族」と呼称される。
- PCとして使用できる種族(人族)について、エルフ・ドワーフ・グラスランナーといった旧版の種族の多くはそのままに(種族同士のハーフという概念がなくなったため、ハーフエルフのみは存在しない)、「タビット(兎人間)」「リルドラケン(竜人間)」「ルーンフォーク(メイドロボ・執事ロボ?)」「ナイトメア(突然変異種?)」といった亜人が大量に追加された。これで亜人好きやメイドロボ萌えの人も安心だね!
- エルフは森の種族ではなく水の種族となった。種族特性も水中での行動など水と親和性の高いものを備えている。
- ドワーフは種族特性として炎に対する耐性を得ている。ファイアーボールに巻き込まれてもノーダメ。
- ドワーフの女性=永遠の幼女。合法ロリ萌えと、古参西洋ファンタジー愛好家の相容れない対立が生まれたとかなんとか。
- ナイトメアは、人間・エルフ・ドワーフ・リルドラケンから一定確率で生まれる。生まれながらに穢れ(後述)を持ち、そのため痣や角なのが生えている(その特徴以外については人間とほぼ同じで容姿をしている)。穢れ持ちということと、角を持って産まれるために母親の命と引き替えに誕生することが多い(卵生であるリルドラケンを除く)ことで迫害されるなどの生い立ちを持つ者が多い。ちなみに不老種族である。
- 亜人に付き物だった魔法使い技能の制限が緩和(タビットやルーンフォークには魔法使い技能取得の制限がある)。グラスランナーも魔法使い技能を習得可能になったが、種族特性としてMPを持たないため、魔晶石等の使用が必須となる。また、エルフやドワーフの技能制限が撤廃となった。
- 種族固有能力が全種族に実装。人間も1日1回「運命変転」(裏成功って奴)でサイコロの目を逆転出来たりする。というか運命変転のおかげで相当に人間が強い。そして敵ででると非常にウザイ。
冒険者技能
- 技能は細分化。飛び道具(弓矢・投擲武器など)はシューター技能の専用武器に。シーフ技能もフェンサー(軽量武器でクリティカル値が下がる)とスカウト(鍵開けとか聞き耳とか罠とか)に分化した。
(飛び武器については、ルールブックⅠ改訂版およびカルディアグレイスの戦闘ルール改定の際に、ファイターおよびフェンサー技能による投擲攻撃(二種類に分類・再定義された射撃攻撃のうち、通常移動後にも行える投擲武器での攻撃)が可能になった) - 素手戦闘用のグラップラーやマジックアイテム使いのマギテックのような新機軸の技能も多数追加された。
グラップラーは手数の多さと「投げ攻撃」が特徴だが装甲は紙。マギテックはシューター技能と組み合わせて銃器も扱えたり、バイク召喚して汚物は消毒だ~!とか出来る。ただし拳王様は再現できない。 - 魔法系技能については、ソーサラー、シャーマン、プリーストの3種類から、ソーサラー、コンジャラー、フェアリーテイマー、プリーストの4種類になった、と考えると基本的には間違いない(マギテックも魔法技能だが)。
- エンチャントウェポンとプロテクションとカンタマとライトニングとスリープクラウドが全部同じ技能で覚えられるのまずくね?ってことかどうかは分からないが、ソーサラー技能は、主に攻撃魔法を扱うソーサラー技能と、主に補助・強化魔法を扱うコンジャラー技能とに分化した。
(更にウィザードトゥームにおいて、双方を習得していると使える新たな魔法「深智魔法」が追加された。) - ライダー技能を覚えれば騎乗戦闘も可能に。
- 必要経験値が重いの(テーブルA)と軽いの(テーブルB)の2種類に。ファイターとかソーサラーは重い方、セージとかレンジャー、スカウトのようないわゆるサブ技能が軽い方。
1.0での技能 | 2.0での技能 | 技能要点・変更点補足 |
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ファイター | ファイター(戦士) | 必要筋力の高い武器・防具の装備が可能。飛び道具は扱えなくなった(注:改訂版ルールブックIやカルディアグレイスを導入している場合投擲武器を扱えるようになった)。中~高レベルでHPが伸ばし易い為、重装備と相まって耐久面における評価が高い。 反面、装備の買い替えや高額装備の購入などで金銭的負担が大きい点は旧版と変わっておらず、GMの報酬が渋い環境やアルケミスト兼業などで資金繰りに難がでてふさわしい装備を揃えることが出来ない場合、十全な活躍が出来ない事もある。「装備を破壊する」能力を持つ魔物の被害にあった場合の損害も相変わらず大きい。 また自動取得特技があるため、耐久力は充実するものの、中途半端な成長をさせると火力不足や必要な装備が持てないということになりかねないため、どういう風に成長させるかを明確にしておきたいところ。 |
グラップラー(拳闘士) | 殴る蹴る投げると格闘技を扱う。【追加攻撃】による手数の多さと【投げ攻撃】が特徴で、主にダメージディーラーとして期待される職だが、装備できる武器や防具が少なく、特に装甲は紙。ルールブックⅠが発売当時はガンが装備出来たが、アルケミストワークスでのルール改訂で一部を除いて装備が不可能になってしまう。ガンカタはグラップラーじゃないと美しくない!。装備が軽い為、名前に反して筋力が貧弱でもなんとかなるタイプの前衛。 【魔力撃】と【追加攻撃】の相性が良いため、これを利用してダメージを稼ぐタイプのキャラは「まりょっぷらー」と称される。一方で【投げ攻撃】は効かない敵も多いため、趣味または玄人向けの成長方針となる。 この他、【テイルスイング】による範囲攻撃を主体とした「尻尾っぷらー」等の育成がある。IBにおけるルール追加で自動取得に【鎧貫き】が追加されたため、ある程度の火力が保障されやすくなった。 |
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シーフ | フェンサー(軽戦士) | 旧版のシーフから戦闘能力を抽出した技能。軽い武具しか装備できないが、クリティカルが出やすい。成長が容易で序盤は強いが、強力な戦闘特技は習得できない後半では明確に見劣りする。グラップラーよりマシな程度の装甲しかなく、グラップラーよりHPが伸びず、火力も安定しにくい。 その代わり必要経験値の軽い(Bテーブル)技能であり、技能の兼業がし易く、またレベルの優位性を確保しやすい。 改訂版ルールブックⅠおよびカルディアグレイスを導入している場合は投擲攻撃が行えるようになる為、近接せずにクリティカルしやすい投擲攻撃を行う選択肢もあり。またIBで【必殺攻撃】が大幅に強化されたため、コチラを重点的に育てれば更にクリティカルを出しやすくなった。 |
スカウト(斥候) | 旧版のシーフから戦闘以外の能力を抽出した技能。屋内での隠密行動や罠の取り扱いなどを行う。この技能で戦闘はできないが、戦闘時の先制判定と言う重要な役目があるほか、各種の細かい判定もこの技能でしか行えないことが多い。そのため、単発ならともかくキャンペーンでこの技能なしでの冒険は実質的に不可能といってもいい。 ちなみに自動取得する【ファストアクション】はあまりに凶悪だったせいか、IBの改訂で自力で敵の先制値を上回らないと効果が発動しなくなった。それでも強いが。 |
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ソーサラー | ソーサラー(魔術師) | 主に攻撃・弱体魔法を取り扱う。戦闘においては敵にかける魔法が多いので、敵の抵抗を突破するだけの高い知力が要求される。使い魔やライト、ロックとかは残ってます。 |
コンジャラー(操霊術師) | 主に補助・強化魔法を取り扱うが、攻撃や回復、妨害系の魔法なども習得。ゴーレム作成や蘇生もここ。汎用性が高く様々な使い方が出来る。 | |
シャーマン | フェアリーテイマー(妖精使い) | 主に攻撃・回復魔法がメインで補助系が少なめだが、妙に有用な呪文もある。『ウィザーズトゥーム』で大改編が入り、レベルアップごとに属性を選び、覚える魔法を任意で選択できるシステムになった。 |
プリースト | プリースト(神官) | 主に回復魔法・強化魔法を使う。旧版と比較して攻撃魔法も増えた為、状況に応じて攻撃にも回れる。基本神聖魔法にはどのレベルにも有用な魔法があるため、プリースト一本で成長させる人も少なくない。 |
レンジャー | レンジャー(野伏) | 旧版のレンジャーから戦闘以外の能力を抽出した技能。薬草やポーションの取り扱いが出来るようになり、気絶者を回復させる応急手当判定も可能。それ以外に隠密や探索などもできるが、こちらの判定は屋内では大半が使用不可。そのためスカウトやセージに比べると重要度はやや低め。この技能で戦闘はできない。 |
シューター(射手) | 飛び道具(魔法を除く)を扱う事ができる唯一の技能(改訂版ルールブックⅠおよびカルディアグレイスにおいて、ファイターおよびフェンサー技能も投擲による射撃攻撃が可能になった)。高レベル帯では回避能力も習得可能。 弓矢にしろ銃にしろ、攻撃にコスト(金)がかかるのが欠点。後述するマギテックのガンと併せたマギテック・シューター(マギシュー)を前提として語られ易い。 また、改訂版の戦闘ルールにおいて全ての射撃攻撃において補助動作による武器の準備が必要となった。 |
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セージ | セージ(学者) | 魔物のデータを判別する他、魔物の「弱点」を発見できるようになった。高レベルまで育成すると便利な特技も自動習得。 判定に成功すれば敵モンスターの全データを開示出来、高レベル帯では開示しないと倒せない敵もいるので、スカウトと並び一人は確保しておきたい技能。 |
バード | バード(吟遊詩人) | 相変わらずな感じだが、呪歌は即効性のものと前奏が必要なものが明確に区別された。ペットと一緒に歌ったり、録音しておいたりと言った小技も可能。 |
なし | マギテック(魔動機師) | 自身の強化・補助、乗り物や爆弾など、便利なアイテムを魔法で作り出す他、ガン(銃)を唯一扱える。ガンで攻撃する場合は別途シューター技能が必要。ガンは命中さえすれば防護点無視+抵抗不可能で最もダメージディーラーとして期待されやすい。 二刀流と組み合わせた「二挺拳銃マギシュー」は本作屈指のダメージディーラーだが、射程が長い2H銃も使いやすい。特にLL以降は2H銃が強化されたため、場合によっては使い分けがより有効となった。 なお、シューター以外の前衛とも相性は悪くない。 以前は他の技能と組み合わせた育成が殆どだったが、WTでガンに寄らない攻撃手段が増えた事で、シューターと組み合わせないマギテック一本伸ばしの育成なども検討されるようになった。 |
エンハンサー(練体士) | MPを消費して自身を強化する(尻尾が生えたり空を飛んだり火を吐いたり)。旧版のドラゴンプリーストに近い技能。特に前衛技能と相性がよい。 全ての消費MPが3点固定で、効果時間は殆ど30秒or10秒と非常に短いのが特徴。 ぱっと見て非常に強いのだが「その分の経験点を前衛技能に回せばもっと強いんじゃね?」と言うケースもままあるため、ご利用は計画的に。 |
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ライダー(騎手) | 馬やらペガサスやらワイバーンやらバイクやら、各種の乗り物『騎獣』を駆って戦う技能で、騎獣を扱う技『騎芸』を習得する。基本的には補助的な活躍が多く、騎獣に乗れないと戦闘力が激減する。 弱点は発見できないが、セージと同じく魔物知識判定が行えるのもポイント。他にも一部レンジャーのような判定が可能。 |
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アルケミスト(錬金術師) | MPのかわりにカードを消費して補助・強化・弱体などを行う『賦術』を習得。敵の落とす戦利品からカードやマジックアイテムを精製することもできる。 非常に金はかかるがそれだけ便利で、全レベル帯、全技能における有用なサポート技能となる。 コアなプレイをする人には多くの加工判定に使える技能であることにも目を惹かれがちだが、実は見識・文献・薬品学の3判定を行えたりするのもポイント。 |
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ウォーリーダー(軍師) | 補助動作で味方だけを強化する『鼓咆』を習得。初期作成だと効果範囲が狭いが名誉点が上がるにつれて効果範囲が大幅に拡大。最終的には戦場1つを対象にすることができるようになる。また、『鼓咆』は全力移動後も使用可能な補助動作である。ただし、ほぼすべての鼓咆が自分には効果が及ばないことには注意。 先制判定が可能な技能であり、また、【軍師の知略】を習得することによって「知力ボーナス」での先制判定も可能になる為、敏捷力の高くないPTでも先制を奪取することが可能になる。 |
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ミスティック(占者) | 味方を強化したり、不都合な出来事をなかったことにすることができる『占瞳』を習得。使うにはHPやMPといった代償を支払う必要がある。事故を回避する上では重要。 周囲を探索し、罠や隠し扉を見つけることもできる。 |
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デーモンルーラー(魔神使い) | サプリメント系で初めて追加されたAテーブル技能の魔法使い技能。召異魔法というものが使え、さらに魔神と契約しそれを使役することができる。魔神に対する魔物知識判定にボーナスがつくので、セージ技能も取っておくとよりお得である。 ただし、うっかり魔神を2体以上同時に出してしまったり、封入具が壊れてしまうと暴走して即死する可能性もあるし、契約のためのいけにえがどう見ても犯罪的なものがあったり、仮に魔神との契約をしてなくても魔法によってはそれ自体犯罪だったりといろいろ危ない技能。 というより魔神を街中で出してたらどう考えても犯罪者である。PCで使うなら犯罪にならないように使うべし。 |
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フィジカルマスター(魔装) | バルバロスブックで追加されたドレイク(ナイト)およびバジリスクの専用技能。2種族特有の変身時の能力を強化および専用特技を習得できる唯一の技能。この技能なしで変身すると、変身前より弱体化してしまう。 特徴としてはある意味でエンハンサー技能やライダー技能ともよく似ており、他に経験点を回した方が強くなってしまうというケースもままあるので、習得やレベルアップは計画的に。 |
武器防具やアイテム
- 能力値が微増する腕輪や指輪(破壊することでボーナス上昇)等をはじめ、いわゆるアクセサリ系の装備品が多数実装。
- 併せて、アクセサリの装備箇所は頭~足まで厳密に設定されるように。
- 武器や防具は、必要筋力に併せて買うのではなく、自分の筋力に併せて既存の武具を選ぶ形になった。結果、武器防具の数はかなり増えている。
- 武器、防具はB~SSランクまで4段階に分類され、高ランクの武器は専用の習熟技能を覚えていないと使えないか、使用にペナルティを受ける(Sランク剣をペナルティ無しで使うためには武器習熟II/ソードが必要)。そのため自分の得意武器をある程度決め打ちする形となった。でもやっぱりメイス・ワールドな気もする。なお、(高レベル限定だが)<<武器の達人>><<防具の達人>>を習得すれば、種類に関わらず全ての武器や防具をペナルティ無しで使用できる。
- "壊れないランタン"なんてものもあったりするそうですよ、ヒース兄さん。
魔法
- 魔法系も色々整理、分類変化。習得レベルも変化。
- ソーサラーとコンジャラーとに分化した技能のうち、強化魔法の多くがコンジャラーに移動した。
- プリーストもキュアウーンズがLv2になったり、トランスファーがLv5になったり。ラックがLv2特殊になったり。
- それでもやっぱり、ラック目当てで低レベルプリを取っておく人は少なからずいる。
- シャーマン後継と言えそうなフェアリーテイマーだが、ヒーリングやらバルキリー・ジャベリンやらといった著名な魔法が消え、ストーンブラストも高レベル化した(代わりにまっとうな攻撃・回復魔法が大幅増量された)ので、使用感は結構異なる。でもスネアは残ってた。(旧版)
- ウィザーズトゥームで改変されたフェアテは完全に別ゲー化して、魔法も大量追加。「グレートスネア」なんて魔法もある。
- MP0でも気絶しなくなったので、MPは0点まで使いきっても大丈夫。シェイドも無くなった。
- 遺失魔法は無くなった。いろんな意味で。
- とか言ってたら、ウィザーズトゥームでスリープ・クラウドが大復活した。
その他のシステム面
- レベル上限が15になった。その為、全体的にレベルは上がりやすくなっている。
- 旧版では、冒険者レベルによる被ダメージ軽減など、全体的にダメージを受けないように立ち回る設計となっており、その分HPはかなり低く「ダメージを受ける=危険」という考え方だった。対して今作では、冒険者レベルによる被ダメージ軽減の廃止など全体的に防護力が低下し、その分HPが大幅に増加となるよう設計しなおされた。これにより、プレイ中の事故死(異常に防護点の高いイリーナ戦士系プレイヤーを苦戦させるために用意したモンスターが、装甲の薄いシーフや後衛プレイヤーをうっかり殴って一撃死、など)の危険性がある程度抑えられるようになった。
- ただし、生死判定で1ゾロ振ったらお察しなのは変わらずである(逆に6ゾロ振った場合は倒れずに持ちこたえる、のだがHP1で耐えた形のため追撃で死亡することも……)。
- 結果としてダメージを良く食らうようになったので、プリーストが忙しくなり回復魔法の出番が増えた。1ゾロ振ったら、死が見えてくる。
- 成長しても基本的に防護点などは増加せず、HPが増加するようになっている。
- 防護ロールが廃止され、これで1ゾロを振って事故死する危険性がなくなった。ただし「防御ファンブル」採用だと平気で事故ります。
- 成長すると能力値が(旧版と比較すれば格段に)増えるようになった。人間高レベルなら得意な能力値を24まで伸ばすのは割と普通。
- 魔法技能による消費軽減が無くなった。特定の特技を取らない限り、消費が重い魔法は何時まで経っても大消費。
- 旧版では「低レベル魔法は成長すれば消費が軽くなる」のが常識だったのが、2.0では「消費が軽い魔法や重い魔法があり、成長すれば全体的に消費が減る(もしくはMPが増えて燃費が良くなる)」ように。
- 蘇生へのペナルティとして、魂に「穢れ」が溜まるようになった。穢れが溜まり過ぎるとついには蘇生も出来なくなる。そこまで行かなくても街に入れなくなったりする。蘇生魔法のカテゴリも神聖魔法ではなく操霊魔法となっている。蘇生に神様はあんまり関係ない、というか神殿は基本的に蘇生には否定的である。
- サプリメントでは、蛮族PC用ルール等も実装され、いわゆる悪者プレイや敵対PC種族パーティ等もプレイしやすくなった。
- 結果、人族と蛮族は争っているが、アンデッドはどっちにしても共通の敵と言う勢力図が出来た。
- 「強打」や「魔法の範囲化」などの戦闘オプションは「戦闘特技」になった。レベルアップで習得しないと使えない。
- レーティング表が無くなった、と思ったら威力表に名前が変わっただけだった。
- フェイダン博物誌で「流派」という概念が付いた。
- WT・CG・IBを導入している場合、基本ルールブック採用のときのみと違い、ルール自体が変更されている箇所もあるので注意。どうしても使いにくいようなら、各技能ごとにハウスルールで選択導入にとどめるという選択肢もあり。
等、多数。
間違えやすいルール
- よく間違われるが、ザルツ地方などのある主な冒険の舞台となる大陸の正式な名前は『テラスティア』大陸である。(スフィア、ではない)
- 「先制判定」では、6ゾロは自動成功とみなさず12として達成値を計算する。ただし1ゾロによる自動失敗はある。
- 同じくスカウト(およびウォーリーダー)持ち以外の「先制判定」は平目となる(つまり相手が強くなるとごく一部の例外を除きスカウト等なしでは先手が取れなくなる)
- 鍵の解除に関しては魔法の鍵や専用鍵でもない限り、鍵を解除する魔法なら達成値の比べ合いをする必要もなく自動的に解錠できる。(ただし鍵の解錠はシナリオギミックにかかわってくるケースもあるので、GMが困るようならPL側からのごり押しは非推奨)
- 「魔物知識判定」では、セージ技能を持たないPCが6ゾロを出しても弱点は判明しない。
逆に言うと、セージが1レベルでもあると6ゾロで弱点が判明する。 - 同じく勘違いされやすいものとして、「魔物知識判定」は魔物本体がいない場合は弱点看破が出来ないとはどこにも書いていない。(ただし魔物のデータ開示については、ある程度GM裁量やそれぞれの卓に委ねられることが多いため、ルール上でそんなものはないと知っていればいい程度)
- 「魔物知識判定」は基本的に一種族に対して一人につき一セッション中一回しか判定できない(シナリオブックは例外)。また、一度判明した魔物データはいつでも確認できるが、弱点についてはセッション毎(シナリオブックにおいては戦闘毎、これが上記の例外の理由)に魔物知識判定を行い判明させなければいけない。
- 上記に関連する話だが、冒険者技能などで判定できるものを除き、対応する技能を持たない判定の場合はすべて平目での判定となる。
- 動画などでたまに見かけるが、気絶者に応急手当判定を試みて1ゾロ振ったら対象が即死などというルールは存在しない。とはいえ失敗した場合、『時間が掛かる(10分)&対象が再度生死判定が必要になる』ので他の手段で起こした方が何かと安全ではあるのだが……
- 実は戦闘中に能動的な判定を行うことが難しいことを見落としがち。例えば戦闘中に敵側の秘匿された情報を見る場合に見識判定を試みようとした場合は10秒(1R)掛かる。厳密なルールに則れば見識判定を試みるPCは1Rを犠牲にする必要がある。
- 罠感知判定は「未発見の罠にかかる寸前に気付く判定」であって、「能動的に罠を見つける判定」ではない。「能動的に罠を見つける判定」は探索判定であり、罠感知判定は『探索判定の基準値-4』の難易度の高い判定。
- 魔法の行使判定は、発動自体は1ゾロ以外で成功する。その後、魔法の対象に抵抗の意思が存在する場合、その魔法の「抵抗」の種類に準じた処理を行う。
- 上記に関連する話だが、魔法の抵抗が「なし」の場合、対象に抵抗の意志があれば自動的に抵抗される。目標値に対して抵抗成功しないと効果を消せない「消滅」とは意味合いが異なるので注意。
- 基本的に1ゾロは自動失敗だが、そうならないケースも存在する。クリティカル中の1ゾロなどが該当するが、中でも間違いやすいのは魔物の打撃点算出時の1ゾロが自動失敗にならない点。これらのケースでは出目を2としてダメージを算出する必要がある。
- 上記に関連する話だが、魔物の打撃点算出時にはクリティカルも発生しない。一方で魔法の場合は威力表を用いるため、算出ダメージの自動失敗やクリティカルといった処理が通常通り発生する。
- (半径/○人)の範囲魔法の最大人数制限は、乱戦エリアに対してのみ適用される。
例:「フィールド・プロテクション」(半径3m/5人)は範囲内かつ乱戦エリア外であれば6人以上に効果を発揮する。 - ↑ウィザーズトゥームで、どんな状態でも最大人数制限がかかるようになりました。
- 戦闘特技《魔法制御》の適用対象がウィザーズトゥームおよび採用無しなら「対象:半径○○m」の魔法全般なのに対して、ウィザーズトゥーム採用なら「対象:半径○○m/△」と対象数制限がある魔法のみに限定されるという違いがある(ウィザーズトゥーム採用なら、範囲内を無差別に対象に取る魔法は《魔法制御》で任意の対象を除外できない)。
- ↑ルールブックⅠ改訂版およびカルディアグレイスにおいて、《魔法収束》および《魔法制御》が正式に「最大対象数」を持つ魔法にのみ有効と再定義された。
- 使用するのに宣言が必要な「戦闘特技」は、手番毎に1つまでしか使うことができない。主動作毎ではない。ただし、《バトルマスター》や敵専用特技の《複数宣言=※回》を取得している場合は上限の数まで宣言できる。また、《魔法拡大/○○》は複数種類を同時に宣言できる(ただし消費MPは種類ごとにn倍される)
- つまり、《マルチアクション》しながら《魔力撃》して《かばう》!とかどう頑張っても無理だが、《魔法拡大/確実化》2倍した"スリープ"を《魔法拡大/数》で4倍して、敵4体を眠らせることは(5点の8倍消費40点の大技を放つMPが足りれば)出来る。
- ↑IB戦闘特技改訂を採用した場合、《マルチアクション》しながら《魔力撃》して《かばう》ことは、《バトルマスター》を持っていて《マルチガード》を習得している場合、可能になりました。
- 上記に関連する話だが、《魔法拡大/○○》の内、例外的に《魔法拡大/数》と《魔法拡大/範囲》は原理的に排他であり同時に宣言することができない(双頭のサーペントより)。また、「範囲魔法は《魔法拡大/数》を行うことはできない」(たのだんの裁定はミスとの事)。
- 転倒時、補助動作で起き上がった直後には移動できない。
- ↑『ウィザーズトゥーム』におけるルールとデータの変更
で「練技含め補助動作は、移動前にも行える」と解釈が変わり、「転倒から起き上がって移動可能」となった。
- 補助動作で発動する魔法(魔動機術など)を行使した際には通常移動できない。
- 練技および賦術を行使した際には《縮地》の戦闘特技がない限り全力移動できない(通常移動は可能)。
- 補助動作で賦術を行使した場合、相手に抵抗の意志があれば自動的に抵抗される。
- 補助動作での賦術は拡大することが不可能。
- 上記に関連する話だが、ダメージを与えるものが「抵抗:半減」ばかりではなく、「抵抗:消滅」になっているものもある。例えばドゥーム種の対人兵器などが該当する。
- 特に間違え易いのは神聖魔法のキュア系で、アンデッドにダメージを与えることからうっかりしがちであるが、「抵抗:消滅」であり、またクリティカルもしない点に注意。
- 「連続攻撃」は攻撃が命中しなければ発動できないが、「追加攻撃」は命中しなくても使用可能。
- SW2.0における『武器の装備』は「武器を構えて攻撃に使用できるようにする」事であって、持っているだけならば「装備の制限」には関係ない。また、《両手利き》なしで両手に武器を持っていても、両方を装備していなければルール上の問題は発生しない。
- 魔法の武器は、それ単体の攻撃では魔法ダメージ(防護点無視)を与えるものではない(武器の特殊効果を除く)
単に「○通常武器無効」の魔物にもダメージを与えられるようになるだけ。 - なぜか公式HPにしか記載されていない
が、分類が「アンデッド」「魔法生物」の魔物には魔法リストで効果がない・ダメージを与えると書かれている回復魔法以外も、【アウェイクン】を筆頭にほとんどの回復効果が無効である。確認の上注意されたし。
- 上記に関係する話だが、建造物のHP回復も専用のアイテム・魔法を除くとほとんど無効である。
- 乱戦エリア周りのルール全般(相当判りにくいと評判)
など。追加・訂正等ありましたら編集・掲示板への書き込みよろしくお願いします。
『バルバロステイルズ』でのルール改訂
2010年8月27日に発売されたサプリメント『バルバロステイルズ』にて、既存のゲーム処理に大きな変更を与える改訂として、以下の2点が挙げられている。
- 「行為判定」の中で「生命抵抗力判定」「生死判定」「精神抵抗力判定」を除いたものを「行動判定」と定義する。これによりペナルティ修正の大部分が「行為判定」を「行動判定」に置き換えることになっている。
- 「精神効果属性(弱)」を定義する。これは「精神効果属性」の中で、衝撃によって簡単に解除されうるものを指す。この分類に含まれるものは、効果の対象となっている者のHP・MPにダメージが入ると即座に解除されるほか、通常の近接攻撃が可能な条件において主動作を用いることでも解除することが出来る。なお、通常の眠りもこの分類に含まれるとのこと。
- 蛮族PCが追加された。ただし人族と冒険する場合、迫害や問題などが起こることもありうるので、理由付けやロールプレイが要求されることがある。
実際にこの改訂の適用される部分の詳細については『バルバロステイルズ』または、グループSNE公式ウェブサイトの告知ページを参照のこと。なお、これらの改訂を新たに採用するか、それとも従来のルールのまま処理を行うかはそれぞれのプレイ環境の判断に委ねられている。
難点
現在、多くの同人リプレイ動画がニコニコに投稿され、公式でも多数のリプレイが発売されているSW2.0。
初心者への敷居も低いゲームとされるが、一部独特、もしくは難点とされる仕様があり、結構その辺で事故る新米GMも少なくないとか。ここではその一部のうち、有名なものを例示する。
高レベルになるほど先手必勝ゲームになる
先制判定(先攻後攻を決める判定)で勝った陣営が全員先攻できるため、先制取った方が圧倒的に有利である。高レベルになると敵陣営を半壊~全壊できるほどの火力が備わる反面、防護点は伸ばしづらく魔法ダメージには無効であるため、「先制攻撃した方が勝ち」という現代戦のようなゲーム性になっていく(そして、パーティの先制総攻撃に耐えられる敵を出したら、敵の手番でパーティが壊滅する可能性が激しく高い)。なお、この問題は「D&D」が誕生した時から生じているRPG全般の共通課題。
この為、スカウトの最大の任務は、罠の探索でも鍵開けでも盗みでもなく「先制判定に成功する事」であり、バランスの良いパーティには、複数のスカウトが所属する事が求められる(金に余裕があるならば、アルケミストがいればSS級カードを破ることで強制的に先制が取れるが…)。
(追記:『先制判定を行うだけ』、ならばカルディアグレイス追加のウォーリーダーでも行えるようになり、また、同じくカルディアグレイスでは先制判定にボーナスや敵の先制値にペナルティを与える魔法等も多数追加されており、先制判定を有利に行える手段は増加しました。先制ゲームな事自体はまったく変わっていませんが。)
低レベル中はそこまで意識する事ではないので、新米GMにとってはあまり気にしなくて良いのが幸いである。
乱戦ルールが判り難い
近接攻撃、ZOC、遮蔽、誤射と言った要素をひっくるめたルールと言う事もあり、これだけで1本本が出せるレベルで複雑怪奇であると良く言われる。
近接攻撃するだけで乱戦宣言をし、乱戦エリアを形成してからエリア内の敵に攻撃、乱戦エリア内で他のキャラが行動しようとしたら乱戦エリアへの巻き込みが発生し、キャラクター数に応じた巻き込み数制限があり、敵の移動を妨害する為には誰かが乱戦エリアに巻き込む必要があり、ラウンド開始時に乱戦エリアの中心点が接触していたら乱戦エリアが結合し、人数に応じたサイズにサイズ変更が起こり……といった具合。電源ゲームでやれ。
(追記:改訂版およびカルディアグレイスにおいて「乱戦宣言」が廃止された為、多少煩雑さが解消されました。)
わかってしまえば結構楽、と言う声もあるのだが、初心者のルール習熟の上で大きな壁である事は確かである。特に文章で説明すると相当めんどくさいが、実際に卓を見たり動画でグラフィカルに表現すると結構わかり易かったりする。中には「SW2.0はプレイしたことあるけど、動画で見てはじめて判った」と言うコメントもあったりして…。
一応、改訂版ルールブックI、およびCGで簡易戦闘ルールが導入されたため本当にどうしてもわからない人はそれを使うのもいいかもしれない。
モンスターの個体による強さ上下が激しい
モンスターの強さを表すモンスターレベルが、実際の強さにあまり依存しておらず、個体によって上下が激しい。特にモンスターが魔法、及び魔法に相当する特殊能力を使えるか否かはその強さに大きく関係しており、「レベル詐欺」のモンスターが多数存在している。
ボガード(Lv3の蛮族)が3体といわれたら、キャラ作成直後の5~6人PTで「中々の強敵だな」くらいの印象だが、ゴブリンシスター(同じくLv3の蛮族)3体を出されたら「殺す気か!」と悲鳴が上がるのは避けられないだろう(PCのHPが20点前後しかないのに、期待値で10点の魔法ダメージ(クリティカルの可能性有り)が全員に飛ぶ)。
似たような話として、ちょっと育ってきたPTに雑魚戦としてサンダーバード(Lv5)を出したらPCが全滅してしまったとか、うちはドゥームに殺されたとか、ゴブリン退治と聞いて突撃したらゴブリンシャーマンが徒党を組んでシュートアローしてきたとか、ドルギラス(Lv12)を倒したPTにヒドラ(LV11)をぶつけたら撤退する羽目になったとか、色んな伝説があったりする。
- 敵の魔法ダメージを威力表で算出し、クリティカルも発生する。
- モンスターに「部位」の概念を導入した事で、HPの総量が旧版よりも上昇した(例:ヒドラの場合、コア部位が7つもあり、HPの総量は500近くもある)。
- ダメージを冒険者レベルで軽減することができなくなった。
モンスターの配置については、SW2.0独特のセオリーを理解する必要が求められる為、この辺も新米GMにとっては苦労するポイントである。
一方でリプレイ「滅びのサーペント」のように、パーティ全員がレベル15クラスだと半端なモンスターは1ダース以上いても瞬殺されてしまうので、いきなり高レベルパーティを作るのも新米GMには荷が重い(Lv19の魔神将ですら、裸足で逃げ出してしまう)。
関連動画
アイドルマスターや東方のキャラクターを使ったリプレイがあげられている。
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