このページは、ソード・ワールド2.5に存在する冒険者技能の一覧である。
概要
冒険者技能とは、武器や防具の扱い・魔法の行使・様々な技術や知識などを表したものである。
プレイヤーキャラを作成・育成する際、複数あるものから2~4つほど技能を選び、その技能レベルを上げていくのがセオリーとなるだろう。
たまに7つ以上取っているキャラクターもいるが、それは恐らく変態である。
習得している冒険者技能レベルの中で最も高い数値が冒険者レベルとなる。
この仕様上、同じレベルでも「技能が1つしかないキャラ」と「技能が3つあるキャラ」では強さに差が出る。ただし、同じ経験点を消費していても「技能が3つあるキャラ」と「技能が6つもあるキャラ」ではレベルに差が出てくる。結局強いのは、必要な技能に絞って育てたキャラになるだろう。
冒険者技能は「戦士系技能」「魔法使い系技能」「その他系技能」の3種類に分別される。
また、消費経験点の重い「Aテーブル」と、軽い「Bテーブル」がある。
目次
戦士系技能
武器や防具を使い、攻撃や回避を行う技能。
主に「MPを消費せずに物理ダメージを与える」「回避や防護点で敵を足止めする」といった役割を持つ。時には強化魔法などを受けて大ダメージを出すことも。
ファイター技能・グラップラー技能はAテーブル。その代わり、レベルが上がると決められた戦闘特技が自動的に習得できる。
フェンサー技能・シューター技能はBテーブル。自動習得の戦闘特技こそないが、他の技能と並行して伸ばしやすい利点がある。
2.0からの変更点として、宣言特技の大幅見直しがなされた。
大半の宣言特技が「1回の宣言につき、1回の攻撃分にしか効果が乗らない」となったため、手数や主動作を増やすタイプの戦士は大幅な弱体化を受けた。 逆説的に、2H武器による1回の攻撃を強化することが重要になったとも言えるだろうか。また、『リスク』という概念が追加され、複数宣言すると宣言特技のペナルティ修正が累積することが分かりやすくなっている。
特に《魔力撃》はかなりの弱体化を受けており、《強化魔力撃》が削除されている。一方で《必殺攻撃》はクリティカル率を上げるどころか「威力表の出目を加算する」という強化がなされている。
ファイター技能
基本的な前衛向け技能で、ほとんどの武器・防具を制限なく扱える。一応、フェンサーと共にカテゴリ〈投擲〉の武器で遠隔攻撃もできる。狙う対象が乱戦エリア外であれば誤射をおこさないので、移動力が低くなりがちなドワーフなどを扱う場合は、上級・熟練戦闘における攻撃手段の1つとして覚えておこう。
色々な役割をこなせはするが、もっぱら「前線に立って敵の攻撃を受ける役(盾役)」を務める傾向にある。盾や鎧を装備でき、HPが上昇する戦闘特技が自動で習得されるため、前衛技能の中では一番タフなキャラクターになりやすい。当然、武器も重いものが扱えるため、重い一撃を与えることも可能。ただし高火力を目指すと他を犠牲にする恐れがある。他の技能にも言えることだが、パーティバランスを見て、どのような立ち位置にするか吟味しよう。
2.0からの変更点としては、《かばう》関連の戦闘特技が一新されている。「《かばうII》になると宣言回数にカウントされなくなる」「《ガーディアン》の効果に《鉄壁》の効果が内蔵され、習得可能レベルの低い下位特技が実装」というもの。戦闘特技枠の圧迫が軽減され、より強く柔軟なビルドがしやすくなったと思われる。
グラップラー技能
自身の肉体を武器として戦う戦士技能。
装備制限が非常に厳しい(「グラップラー装備可」もしくは「グラップラー戦用」の武器・防具しか装備できない)が、一方でグラップラーならではの専用戦闘特技・専用武器があり、同じく前線に立つことが多いファイターやフェンサーとはひと味異なった戦い方ができる。
攻撃面においては、主に〈パンチ〉と〈キック〉、および、それらを強化する武器で戦う。
これらの武器は総じて威力が低いため大きなダメージは与えにくいが、自動習得の戦闘特技《追加攻撃》により初期の状態から2回攻撃が可能であるため、「攻撃の軽さを手数で補う」のが基本戦術となる。
また、特殊な専用武器〈投げ〉を使用できることも特徴のひとつ。前述の《追加攻撃》による2回攻撃には対応していないが、相手に〈投げ〉をヒットさせると転倒させ、それによるデバフを与えることができるため、〈投げ〉を主軸に戦うデバッファー的な立ち回りも可能。
一方、防御面では装備の制限により常に不安を抱えることになる。なるべく回避力を高め、必要ならば高ランクの防具や装飾品〈ブラックベルト〉、戦闘特技《頑強》なども併用して耐久力を補いたい。《かばう》持ちのファイターに守ってもらうのも1つの手。
2.0からの変更点としては、グラップラー用武器全般のクリティカル率低下や、近接攻撃に効果のある宣言型戦闘特技の仕様変更、戦闘特技《鎧貫き》が自動習得でなくなったことなど、火力面での下方修正が目立つ。
一方で、高筋力向けグラップラー用武器の追加、新戦闘特技《変幻自在》の追加、〈投げ〉関連の改訂など強化された要素もある。
特に〈投げ〉攻撃関連は大きく強化された。《投げ攻撃》を宣言する必要がなくなり、他の宣言系特技と併用して〈投げ〉を行えるようになった。《投げ強化I・II》は威力を加算するものとなり、更に〈投げ〉を強化する武器が追加された。
誤解されがちだが、「グラップラー専用」と書かれていないカテゴリ〈格闘〉もの(例えば〈パンチ〉〈キック〉、〈尻尾〉や〈牙〉)はファイターやフェンサーも使用可能。特に装備するために手を使わない〈尻尾〉や〈牙〉は盾を装備できる分、ファイターやフェンサーの方が有難いことが多々ある。
小ネタとして、手数の多さで判定回数が多くなりがちなので、必然的に自動失敗(1ゾロ)も多くなる。同じくセッション中の判定が多くなりがちなスカウト技能と合わせると、1ゾロで稼いだ50経験点が積もり、気づかぬうちに仲間より技能レベル1つ分強いことも……。
フェンサー技能
ファイター技能に近いが、扱う武器のクリティカル率が上昇する技能。代わりに、装備可能な武器・防具は必要筋力の半分(端数切り上げ)である。
その制限上、単純なアタッカーとして運用するにはドワーフやリルドラケンのような高い筋力を持つ種族でないと活躍は難しく、どうしてもファイターやグラップラーに見劣りしてしまう。
一方で《回避行動Ⅱ》の存在から、前衛系技能の中では一番の回避力を誇る。《挑発攻撃》と合わせての回避盾をこなしたり、必要経験点が少ない点に目を付けて、魔法や賦術を習得して味方をサポートしたりと、パーティの足りない部分を補うように多彩で器用な立ち回りができる。
グラップラーの項目でも言及したように〈尻尾〉などの一部の格闘武器はフェンサーでも使用可能なので「尻尾フェンサー」なる変わり種なビルドや、前衛と後衛の間に立って《スローイング》で投擲武器やポーションを投げつつ、いざという時は前線に立つ「投擲フェンサー」も面白い。
2.0からの変更点として、《頑強》が習得可能になった事に加え、新特技の《変幻自在Ⅰ・Ⅱ》が習得できるようになったことで、2.0時代から言われていた魔法戦士としての適性がさらに上がった。しかし、どちらも戦闘特技の枠を使うので、あれもこれもと習得していては中途半端になってしまう。
できる事が多いからこそ、どの特技を習得してどのような役割を担うのかは慎重に吟味したい、上級者向けの技能と言える。
シューター技能
戦士系技能で唯一の後衛向け技能。カテゴリ〈投擲〉〈ボウ〉〈クロスボウ〉の武器による遠隔攻撃を行える。さらにマギテック技能と組み合わせれば、カテゴリ〈ガン〉も扱えるようになる。
MPの代わりにお金で買った矢弾を消費して戦う。矢弾にも種類があり、状況次第で使い分けられる。
〈投擲〉は武器そのものを投げて行うが、通常移動後でも行える。暗い洞窟や真夜中の戦いで光源を持ったシューターが光が届く距離まで移動しながら〈投擲〉攻撃を行い、次のラウンドにメインウェポンで射抜くという手段があることは覚えておきたい。
〈ガン〉については、マギテック技能の項で説明する。
戦士系技能でありながら、回避を行うには戦闘特技《射手の体術》が別途必要となる。フェンサーやグラップラーと違って装備に制限がある訳ではないので、回避は諦めてガチガチの金属鎧で身を固めてしまうのも1つの手段だろう。
〈クロスボウ〉は他の武器カテゴリと異なり、筋力ボーナスが乗らず、代わりに必要筋力に応じた追加ダメージが乗る。そのため、オーダーメイドで必要筋力を下げ、〈大きな手袋〉で誤魔化せば、本来の筋力ボーナスを上回る追加ダメージを得られる(当然、お金は掛かるが)。その分、筋力を育てる優先度が下がるため、他の能力値を上げやすくなる。
2.0からの変更点として、カテゴリ〈クロスボウ〉によるダメージに「シューター技能レベル」分の追加ダメージが乗るようになり、中盤以降も強くなれるようになった。その分、武器ごとの追加ダメージは減ったため、序盤は弱くなってしまった。
戦闘特技では、《狙撃》の仕様に見直しが入り、主動作特技となった。IB前の仕様から紆余曲折あったが、命中力判定に自信があればダメージディーラーとなれる便利な戦闘特技に調整された。また、《精密射撃》と《魔法誘導》が合併して《ターゲッティング》になったため、魔法と射撃を組み合わせたビルドができるようになった。
また、サプリメント『エピックトレジャリー』にて多くの武器・矢弾が増えたため、使いこなせばより強い射手となるだろう。
魔法使い系技能
魔法を使い、攻撃や回復、味方の強化や弱体化、問題の解決などを行う技能。
MPを消費する上に、魔法系統に応じた行使条件・制限などもあるが、手間に見合った効果を発揮する。パーティに欠かせない技能である。
魔法使い系技能はすべてAテーブル。そのため兼業は難しいものとなっている。ただ、魔法使い技能レベルの合計で最大MPが決まるので、他の技能を切って魔法使い技能を2~3種揃えるものもいる。
2.0からの変更点として、前述の宣言特技の大幅見直しの煽りはもとより、《魔法制御》が宣言特技に分類されるようになったのが痛い。その代わりではないが、《魔法拡大すべて》という《魔法拡大/**》を全て扱えるようになる宣言特技が増えたため、戦闘特技枠の圧迫は多少軽減された。
また、いくつかの魔法に修正が入り、弱体化したものも多い。
ソーサラー技能
主に攻撃魔法を得意とし、敵の妨害や仕掛けを解除する魔法などを扱う技能。
〈魔法の発動体〉で空中に陣を描き、呪文を詠唱することで行使する。その関係で、重い鎧を着用していると行使にペナルティが入る。
知力に自信があり、戦闘においてダメージソースとして活躍したいならこの魔法。知力が低いと、敵に抵抗されて半減ないし無効化される恐れがある。戦闘以外でも、光源の確保や鍵開けなども行えるため、冒険においてお荷物になることは稀だろう。ただし、MPが尽きればその限りではない。MP管理を徹底し、必要なときを見極めて行使したい。
魔法と組み合わせる宣言特技も多々あり、特に《魔法拡大/数》を使って攻撃対象を1度に複数の敵を攻撃できる。他にもクリティカル率を上げる《クリティカルキャスト》や、近接攻撃と同時に魔法を扱う《マルチアクション》などがある。
習得できる魔法の多くが相手の抵抗を突破する事が前提であることと、重い鎧を着用すると魔法行使判定にペナルティを受けてしまう関係上、能力値・耐久面共に他の魔法使い技能と比べて魔法戦士型ビルドを組むのがどうしても難しくなってしまう(例外は[異貌]でペナルティを無視できるナイトメア)。
しかし、【ブリンク】のような前衛でこそ役立つ魔法や【ウェポン・マスター】【マジシャン】などの面白い魔法もあり、《バイオレントキャスト》のような攻撃魔法の達成値を増加させる新しい戦闘特技も追加されたので、諦めずに他の魔法戦士には無い道を模索しよう。
2.0からの変更点として、【スリープ】【ポリモルフ】が消滅し、【ナップ】【ビカム・ドラゴン】という下位魔法に挿げ替えられた。【ウェポンマスターII】も消滅したが、無印のほうで習得させられる戦闘特技が増えている。一方で、【シャイニング・スポット】という有用な攻撃魔法が追加された。
また、〈ハードレザー〉だけではなく、必要筋力が10以上の非金属鎧も(金属鎧ほどではないにせよ)ペナルティを受けるようになった事で、魔法戦士としては耐久面にさらに不安を抱えてしまうこととなる。
戦闘特技は《魔法制御》が宣言特技と化した。また、新特技に《魔法拡大すべて》という全種類の魔法拡大を内封した宣言特技や、攻撃魔法の達成値を増強する《バイオレンスキャスト》などが追加され、ビルドの幅は広がった面もある。
〈魔法の発動体〉にも強化があり、〈スタッフ〉で防護点が上がるものが増えたり、面白いワンドが実装されたりもしている。
コンジャラー技能
主に支援魔法を得意とし、人形やゴーレムを操る魔法などを扱う技能。少しばかりだが攻撃と回復も行える。
行使できる魔法を除いて、鎧の制限や魔法の発動体の必要性などはソーサラーと同様。
支援魔法を使うだけなら、あまり知力を気にする必要はない(基本的に味方は支援魔法に抵抗しないため。敵がその魔法を解除する際には絡んでくるが)ので、戦士系技能と組み合わせた『魔法戦士』型のビルドならば、ソーサラーよりもコンジャラー技能の方が耐久面を確保し易く扱いやすい。
また、お金こそ掛かるがゴーレムを作成して使役できる。安易に前衛を用意でき、壊れても精神衛生上やさしいゴーレムは盾役として優秀。パーティの前衛が薄いときや、NPCの護衛など、やれる事の幅は広い。
2.0からの変更点として、一部はソーサラー技能の項を参照のこと。魔法に関しては【イモータル】が削除され、代わりに即効性の蘇生魔法【クイック・リザレクション】が追加。
戦闘特技では、《マリオネット》は常時特技と化した。
なお、『ウィザード』ないし『深智魔法』は今のところ実装されていない。
プリースト技能
主に回復魔法を得意とし、信仰する神に応じた魔法などを扱う技能。
〈聖印〉を装備する必要があり、声に出して神に祈りを捧げることで行使する。装備に制限はない。
戦闘中のHP回復や気絶からの復帰は、主にこの技能に任せられている。その魔法がレベル2から使用できるようになるため、取るなら必ず2以上にするように。
魔法戦士の中でもプリースト技能との組み合わせは『神官戦士』と呼ばれ、鎧の装備制限が存在しないこともあって様々な組み合わせが存在する。主に《マルチアクション》で攻撃と回復・補助を扱う型や、《かばう》をメインとし状況に応じて回復や攻撃を使い分ける型になるだろう。当然、純粋に後衛を務めるプリーストも強い。
また、信仰する神様によって異なる『特殊神聖魔法』を習得でき、それにより個性が変わってくる。「ソード・ワールド2.5の神様一覧」の記事も参照されたし。
2.0からの変更点として、【レストレーション】が全回復ではなくなり、とある魔法が【ディバイン・ウォー】という名前に改名、効果も僅かに変更された。また、特殊神聖魔法にも調整されたものがいくつかある。
冒険の舞台となる大陸が変わったので、信仰できる神様も変化している。
マギテック技能
様々な魔法を可能とする、魔動機文明時代の遺物を扱う技能。
装備した〈マギスフィア〉に対してコマンドワードを唱えることで行使する。装備に制限はない。
比較的低燃費な攻撃魔法と自己強化魔法で構成されており、カテゴリ〈ガン〉で撃ち出す弾丸を作成する魔法もある。シューター技能と組み合わせることで『マギシュー』と呼ばれるビルドになる。命中力判定で魔法ダメージを与えられるようになるが、器用度と知力の両方を要求されるという意味でもあり、若干難しい。その分、命中力は魔法行使判定に比べて達成値を増強しやすいので非常に強力。
マギシューに限らず、マギテック技能には自己強化する魔法が多く、魔法行使に鎧の制限が無いので、戦士職が兼業するという手もある。1レベル取るだけでも光源の確保と命中力の増強(ついでに魔動機文明語の会話と読文の習得)ができるので意外と馬鹿にできない。
2.0からの変更点として、「3分類」「オプション」がオミットされた。「分類:変形」という要素は消えたが、【グレネード】が〈マギスフィア〉を破壊して爆発する仕様になったので、それらを多用するなら結局〈マギスフィア〉を複数付けることになる。また、【ショットガン・バレット】などの範囲攻撃系の弾丸は「用法:2H」の〈ガン〉専用となった為、《両手利き》で2連発する事はできなくなった。なお、【ショットガン・バレット】に関しては初版では「用法:2H」の〈ガン〉本来の射程の半分と記載されているが、エラッタにより、射程は10mに修正されているので注意。
WT収録のものから多くの魔法が消滅してしまったが、「用法:1H」でも比較的高い回復効果を持つ弾丸【トリート・バレット】が追加されている。
猛威を振るった2.0の頃と比べるとどうしても弱体化が目立つが、《精密射撃》と《魔法誘導》が《ターゲッティング》に統合されたことにより《魔法制御》が習得しやすくなった事は朗報。相対的に「用法:2H」の〈ガン〉は強化された。
フェアリーテイマー技能
妖精と契約し、様々な魔法を扱えるようになる技能。
契約した妖精が好む〈宝石〉を装備し、妖精語で妖精にお願いし行使する。妖精は金属を嫌うため、〈金属鎧〉を着ているとペナルティを受けてしまうが、非金属鎧には制限がないので、ソーサラーやコンジャラーに比べると比較的耐久面を確保し易く、魔法戦士にも向いている。
6種類ある属性から4種類を選択し、その属性に応じた魔法を扱えるようになるという高いカスタム性が特徴。この契約はゲーム内時間の明朝6時になる度に変更が可能で、そのセッションに応じた魔法に切り替えることも可能。単純に、パーティの穴を埋めるような魔法を習得するのもいい。6種類はそれぞれ「土:岩や地面を操り地形を変える」「水・氷:弱体化や味方の保護」「炎:魔法攻撃を行う」「風:風や音を操る」「光:回復魔法を行う」「闇:精神に影響を与える」ことを得意としている。
また、魔晶石を消費し、一定時間、術者が妖精魔法を行使できなくなる代わりに、契約した属性に対応する「分類:妖精」の魔物を召喚する【サモンフェアリー】が存在する。魔法戦士や複数の魔法使い技能を習得したビルドなら、単純に手数が1つ増えるので、使い方次第では非常に強力。
2.0からの変更点として、WTの上級契約ルールから変更されてかなり簡易なものとなっている。その関係で【カオス・~】魔法は記載されていない。ただ、それでも基本ルールと比較すれば強くなっている。また、IB掲載の【サモンペティ】も存在しない。一方でルールブックⅡの時点で将来的に上級契約ルールが可能になるサプリメントが登場すると思われる記述が存在する。
また、光属性の【ヒールウォーター】が威力表を用いない回復となり、【アルティメットヒーリング】が全回復ではなくなった。
デーモンルーラー技能
異界より魔神を召喚し、その力の一部を自らの身体に憑依させたり、魔神そのものを使役したりする技能。
魔法文明時代に操霊魔法から分派し、確立された魔法体系とされているため、真語・操霊魔法同様、重い鎧を着用していると行使判定にペナルティ修正を受ける他、魔神の召喚や一部の魔法を行使するために必要な「異界の門」を開くための動作が、補助動作ではなく主動作を使用するものとなってしまう。
サプリメント、モンストラスロア(以下“ML”と略)にて、2.0のデーモンルーラー技能から大幅にリニューアルされて収録された。
魔神による脅威に日常的にさらされているアルフレイム大陸における彼らは「対魔神の専門家」という立ち位置で魔術師ギルドの一部門として存在しており、中には奈落の盾神イーヴの神官でありながら召異魔法を習得した者もごく少数ながら存在するとされている。
2.0からの最大の変更点として、ゲートインプと呼ばれる契約魔神の存在が挙げられる。彼らとの契約によって異界の門を開き、供物を捧げて魔神を召喚するほか、彼らを封入するための封入具そのものが魔法の発動体を兼ねているため、非常に扱いやすくなっている。
主に前衛用の優秀な自己強化魔法とやや癖のある攻撃&デバフ魔法、加えて召喚した魔神そのものを強化する魔法が存在している。
また、魔神の苗床などの例外を除き、基本的に殆どの召異魔法は合法のものとなっている。代わりに【デモンズクロウ】などの近接攻撃が可能になる魔法はほぼ消滅した。
召喚した魔神はフェローのように扱い、1dでランダムに行動を決定する。ただし出目1は必ず敵味方を無差別に攻撃するという厄介なものとなっている。これを防ぐには召喚した魔神の魔物レベルと同じだけMPを消費して行動をキャンセルするか、事前に【リコマンド】という魔法を使っておくことで、ダイスを振りなおすしかない。
魔神は術者の冒険者レベル以下までのものを召喚でき、召喚した魔神は1時間以内に儀式あるいは直接戦闘で倒すことによって魔界へと送還し、異界の門を閉じる必要がある。魔神送還の儀式を行う際に送還用の供物を捧げることで、術者のデーモンルーラー技能レベル以下のレベルの魔神は自動的に送還に成功する。また、術者のデーモンルーラー技能レベルを超えるレベルの魔神を送還するためには送還用供物が必須となる。
仮に送還できなかった場合は、ゲートインプによって開いた異界の門が固定化され、新たな“奈落の魔域”が出現してしまう。おまけにゲートインプが失われてしまい、新たに契約しなおすまで召異魔法そのものが行使できなくなってしまうので、召異術師たちはなんとしてでも魔神を異界へ送り返す必要がある。
一部の召異魔法には、召喚した魔神を大幅に強化したり、異界の門からMPを得ることができるものが存在するが、これらを使用してしまうと送還判定にペナルティ修正を受けるので、ご利用は計画的に。
ドルイド技能
MLから追加された、完全新規の魔法使い技能。精霊―森や大地に宿る、動物や植物の魂―と交信し、その力を借りて操る魔法である。
非金属鎧であれば重たいものであっても行使判定にペナルティ修正を受けることは無い一方で、金属鎧を装備・着用している場合は魔力そのものが-4されるという重いペナルティを受けてしまう。また、ルーンフォークは精霊の姿を見たり存在を感じることができないため、習得することができない。
行使する際には〈宿り木の棒杖〉または〈スタッフ〉系の武器をお金を払って加工したものを、装備もしくは保持する必要がある。
MP消費は重いが低レベルから使用できる必中の物理ダメージを与える魔法や抵抗に生命抵抗力判定を要求する魔法、補助動作で自分や味方を短時間だけ強化する補助魔法を主に使用する。また、物理ダメージを与える魔法の殆どは、威力表ではなく独自の表を振ってダメージを決定するので、「抵抗:必中」の魔法なら、魔法行使判定にさえ成功してしまえば1ゾロによって与えるダメージが0になってしまうといった事態を心配する必要がなくなる(一方でクリティカルも発生しないが)。
また、動植物の精霊体の力を借りることで、彼らのような知覚能力を得たり、動物・植物系の魔物に対し、ドルイド技能を用いて魔物知識判定を行うことができる魔法も存在している。
また「シンボリックロア」と呼ばれる一部の魔法は、
・キャラクターごとに事前に〈受益者のシンボル〉を作成して渡しておく必要がある。
・同名の魔法は1ラウンドに1回しか使用できず、あらゆる《魔法拡大/**》の効果を受けない。
・1人のキャラクターに対し、同じ種類の魔法は1日に1回しか使用できない。
といった重い制約を持つ代わりに、2回攻撃や2回行動、近接・遠隔攻撃に対する回避力判定に大幅なボーナスまたは完全無効化、一時的に魔法使い技能系の戦闘特技を習得させる、などの非常に強力な効果を発揮する。
その他系技能
上記以外の技能。「戦闘外の判定を行う技能」と「魔法とは異なる特殊能力を発揮する技能」に大別される。
SWは冒険するTRPGなので、探索やダンジョンハックに必要なこれら技能も疎かにできない。
その他技能はすべてBテーブル。戦士でも魔法使いでも兼業しやすく、どれか1種類は取っておきたい。
2.0からの変更点として、行動判定に対し「パッケージ」なるものが追加された。色々なテキストの簡略化のための定義だが、おかげで色々な記述が分かりやすくなっている。
また、呪歌や練技・賦術といった特殊能力や、関連する戦闘特技などに見直しが入っている。
スカウト技能
調査や偵察など、さまざまな判定を可能にする技能。特に、戦闘において重要な「先制判定」を行える。
主に「解除判定」「先制判定」「探索判定」を任される技能。行える判定の多さとその重要性もあり、器用度・俊敏度・知力が高いことが望ましい。特に戦闘においてプレイヤー側が先手を取れるかどうかを決める先制判定は非常に重要なので、その判定で必要となる敏捷度だけは確保したい。その判定の関係上、敵や罠のありそうな場所などの危険地帯に近づく必要に迫られる事が多いので、主に戦士系技能のPCが兼業することが多い(特に回避に重点を置く=俊敏度が高くなりやすいフェンサーやグラップラー)。
一定レベルになると自動的に戦闘特技を習得でき、戦利品判定の出目を増加したり、戦闘中に移動妨害されずに戦場を走り抜けたりできる。特に《ファストアクション》は、「先制判定に成功した最初の手番に2回主動作が行なえる」という非常に強力なもので、これ目当てに魔法使いが習得するなんてこともあり得る。
下記のセージ技能と同時に習得すると、大半の判定が行えるようになる。また、セージやバード技能で汎用蛮族語などの言語を習得していないと「聞き耳に成功したが、何語を喋っているかは分からない」という事態もありえるため、諜報がしたいならそれらの技能との併用は必須。
2.0からの変更点として、〈アンロックキー〉が解除判定に成功した時のみ失われるようになった。また、登攀判定が「スカウト技能レベル+器用度ボーナス」でも行えるようになっている(なお、所要時間が増えているのは誤植。1分のままである)。
レンジャー技能
自然環境における調査や偵察などを行う技能。薬草やポーションによる回復なども行える。
行える判定の多くはスカウト技能と共通している役割を持つが、一部の判定は『自然環境』でしか行えない。具体的には、解除判定、罠設置判定、異常感知判定、探索判定、罠回避判定、の5つ。誤解されがちだが、それ以外なら制限はない。また、スカウト技能にはできない役割として、薬草の使用が挙げられる。薬草は器用度が高いほどその効果も高まるので、戦士職でも回避の重要度が低いファイターやシューターが主に兼業する。
自動習得の戦闘特技は、移動による行動制限を緩和する《縮地》《ランアンドガン》、攻撃の片手間にポーション系アイテムを使用できる《ポーションマスター》と、有用なものが多い。
戦闘特技《スローイング》の習得者なら、〈ポーションボール〉というアイテムを使うことで、遠隔攻撃でポーションを撒く事もできる。若干ネタビルドのようにも思えるが、MPに頼らない回復手段があるのは便利。〈魔香水〉や〈デクスタリティポーション〉〈アンチマジックポーション〉などの強力なポーション系アイテムを味方に撒いてサポートできるのは《スローイング》持ちの特権。
2.0からの変更点として、《治癒適性》《韋駄天》が削除され、代わりに1日に1度だけ「自然環境」下で行う生命・精神抵抗力判定にサイコロを振らずに自動で成功できる《サバイバビリティ》と、通常移動しながら制限移動時に行える動作が可能になる《ランアンドガン》が追加。これに伴い、《縮地》の習得レベルが下がった。また、スカウト技能同様の登攀判定ができるようになっている。
ETにて薬草類の追加や、回復量の決定にてクリティカルするようになるアイテムが登場し、戦闘外でのヒーラーとしての役割が大きくなった。
そして非常に高額ながら装備者を常に「自然環境」下にある扱いとする〈グリーンベルト〉が登場。自然環境下でなくても探索判定などが行なえ《サバイバビリティ》がどこでも使用可能と、単純ながらも凶悪な効果を発揮する
セージ技能
知識を問われる判定を可能とする技能。特に、戦闘において敵のステータスや弱点を知る「魔物知識判定」を行える。
知力を必要とする判定のみをサポートしており、多くのセッションで使う「見識判定」「魔物知識判定」を行える。特に、「魔物知識判定」はルールブックに載る魔物のデータを読めるようになるだけでなく、達成値次第で『弱点』が適用されるか否かを決める重要なもの(例えば、「弱点:炎属性ダメージ+3」と書かれていても、セージ技能で弱点を見抜かなければ、炎属性ダメージは増えない)。同じく知力が大事な魔法使い技能との併用が推奨される。また、セージ技能レベルが上がるごとに、おまけで好きな言語の読み書きか会話を習得できる。蛮族の言葉を盗み聞きしたり、指令書を解読したりするために役立つ。
例によって自動習得の戦闘特技があり、弱点の影響を2倍にする《弱点看破》や消費MPを軽減する《マナセーブ》は、魔法使いをより強くしてくれるだろう。
スカウトと並んで非常に重要な技能であり、よほど特殊なレギュレーションでもない限り、どんなパーティでも最低一人ずつはスカウト役とセージ役は欲しい。十分な知力を持つキャラがこれを習得しているだけで、どんなネタビルドでも最低限の仕事ができる。
また1レベルだけでも習得しておけば魔物知識判定時に6ゾロを出した際に魔物の弱点を抜けるようになる。言語目当てで習得する場合は覚えておこう。
2.0からの変更点は特にない。
エンハンサー技能
特種な呼吸法によってマナ(MP)を消費し、肉体を変質させ、様々な環境に適応したり、戦闘時に能力を増大させる、『練技』を扱う技能。
エンハンサー技能レベルが上昇するごとに、習得可能な練技を1つ習得していく。練技には、判定にボーナスを与えるものや、能力値を直接上昇させるものが多く存在する。中には尻尾が生えて武器として使えたり、翼が生えて飛べるようになる練技もある。単に暗視を得たり、水中での行動ペナルティを軽減する練技もあり、選択肢の幅は広い。練技は攻撃前に行えるので、主に戦士職が自分を強化するために習得する。魔法使いでも、知力の強化や暗視を目的に習得することもある。
自動習得の戦闘特技はないが、エンハンサー技能向けの戦闘特技として《練体の極意》がある。効果時間が延びることで消費MPを大幅に軽減できる。
30種類ある練技の内から15種類を選ぶため、多少なりとも個性が出る。「できることを強化する」「できないことを可能にする」のどちらも練技で解決できるので、どう扱うかはプレイヤー次第。
2.0からの変更点として、【ケンタウロスレッグ】【スフィンクスノレッジ】【デーモンフィンガー】の3種が弱体化している。ただ、戦闘準備という概念が追加されたおかげで、先制判定などにボーナス修正を得られるようになり、先攻を取れなくても防護点を確保できるようになった。また、戦闘特技《練体の極意》の効果が修正され、練技の効果時間が3倍になるものとなった。
ETにて、練技を強化する装飾品が追加されている。
バード技能
楽器を奏でて歌を歌い、さまざまな効果を発揮する技能。「見識判定」も行える。
〈楽器〉を使って『呪歌』を演奏し、時に『終律』を奏でて戦況を変える。
バード技能レベルが上昇するごとに、呪歌か終律の内、習得可能なものを1つ習得していく。呪歌を奏でると、決められた『楽素』を生成する。基本的な呪歌はそのまま同時に効果を発揮するが、強力な呪歌が効果を発揮するには『効果発生条件』を満たすように楽素を溜める必要がある。すばやく楽素を溜めるため、楽器を選び演奏の腕を磨くべし。
さらに、溜まった楽素を消費して終律を奏でることもできる。終律は任意の敵にダメージを与えるものと、任意の味方を回復するものに別けられる。時間こそ掛かるがMPを消費せずに行えるため、パーティにおいて貢献できる場面は多々あるだろう。
その性質上、終律を積極的に使っていくビルドは兼業が難しい。〈特殊楽器〉には武器や防具としても扱えるものも存在し、それらは命中力判定や回避力判定を行う度に楽素を貯める事ができるのだが、それを加味してもどう立ち回るべきかは研究が必要となる。奏者が演奏に集中していてもゴーレムや妖精、騎獣に指示を飛ばすことはできるので、兼業するのならそれらの技能か、補助動作で味方を支援できるアルケミスト技能が有力候補。
また、バード技能レベルが上がるごとに[会話]だけだが任意の言語を習得できる。諜報を行う目的でスカウト技能持ちが低レベルで習得するのも1つの手段だろう。
バード技能はソード・ワールドにおいてその強弱が遷移し続けた技能。そのため強いか弱いかで意見が分かれることも多い。ただ2.5のバード技能は「面白い」ものに調整されたのではないかと思われる。
2.0から大きく変更された技能。「前奏」という概念がなくなり、楽素を溜めれば以前よりも早く効果を発揮するようになった。終律の追加に伴い、【ヒーリング】【ビビッド】【ソニックヴォイス】を始め、一部の呪歌が消滅。ただし、終律による回復は即効性があり、攻撃も種類が増えたため総合的には強化されている。関連する戦闘特技も増えており、バードメインでもやろうと思えばやっていける……かもしれない。
また、楽素を生成したり、効果発生条件を緩和する楽器も増え、ビルドの幅が広がった。
ライダー技能
騎獣にまたがり、騎獣を操る技能。いくつかの判定が可能となり、弱点こそ見抜けないが「魔物知識判定」も行える。
『騎芸』を習得していくことで騎獣や騎手自身を強化し、より高度な戦術を可能とする。
普通の冒険者でも馬や魔動バイクに乗ることはできるが、より高度なことや戦闘を行うにはライダー技能を習得する必要がある。ライダー技能レベルが上昇するごとに、習得可能な騎芸を1つ習得していく。騎芸には「騎獣のHPや命中力・回避力を上げる」「騎手や同乗者の回避力・ダメージを上げる」もののほか、「探索判定」などを可能とする【探索指令】、騎獣に魔法を行使させる【魔法指示】、敵を弱体化させる【威嚇】や味方を強化する【騎乗指揮】などさまざま。しかし習得枠には限りがあるため、自分に合った騎芸を選びたい。
主に戦士職と相性が良く、〈スピア〉や〈盾〉には騎乗時に効果を発揮するものもある。
【遠隔指示】という騎芸があり、これは騎乗せずに騎獣を操ることを可能とする。適用される騎芸が限定されてしまうが、これなら後衛でもライダー技能を扱える。最終的には、ドラゴンを前線で暴れさせ、自分は後方から魔法や呪歌で支援するという「ドラゴンテイマー」的なプレイングも可能。
2.0からの変更点として、騎芸にさらなる調整が加わった。【魔法指示】系に色々な調整が加わり、騎芸枠を圧迫するようになった。削除された騎芸もあるが、【以心伝心】などが追加され、よりビルドの幅が広がった面もある。一部〈スピア〉には「騎乗中は威力が上がる」という「1H騎」のデータが追加され、〈盾〉にも騎獣の防護点を上げるものが増えている。
また、2.5になって魔物のHPが全体的に増加した関係で、2.0から続投している動物・幻獣系の騎獣のHPも増加した。一方で魔動機系の騎獣のHPは減少してしまった。そして舞台となる大陸が変わった影響で、騎乗できる騎獣も動物・幻獣・魔動機の一部が変化した。
アルケミスト技能
あらゆる素材が持つ『第一原質(プリマ・マテリア)』を抽出して扱う技能。「見識判定」なども行える。
〈マテリアルカード〉を消費し、第一原質の力を『賦術』という形で使用する。
アルケミスト技能レベルが上昇するごとに、習得可能な賦術を1つ習得していく。5色ある〈マテリアルカード〉から、賦術に応じたものを消費して使う。さらに〈マテリアルカード〉には4段階のランクがあり、同じ賦術でもランクが上がるほど強力になる。たとえば【ヴォーパルウェポン】は最安価のBランクなら+1のダメージ上昇だが、最高級のSSランクなら+6の上昇となる。しかし戦闘の度にSSランクのカードを使っていてはお金がいくらあっても足りず、最悪の場合カード破産してしまう。ご利用は計画的に。
戦士職が自分を強化するために習得するほか、MPが生命線となるプリーストが補助で習得する場合もある。どちらにせよ、技能レベルや能力値よりお金の管理が重要となる。
なお、〈マテリアルカード〉は買うばかりでなく、魔物から得た戦利品を〈粗製のマテリアルカード〉に加工できる。粗製とはあるが欠点はなく、場合によっては買うより安く手に入るためお得である。また、〈粗製のマテリアルカード〉は元となった戦利品の価格を記憶しているため、その価格で売却できる。その戦利品に利用価値がなければ加工してしまって問題ない。
現実にもいえるが、「錬金術師」という訳語は少々語弊がある。「原質学者」と呼ぶほうが正しいが、現実でもラクシアでも諸事情あり、錬金術師と呼ばれるようになる。ソード・ワールドにおいては第一原質より原初の段階である『世界霊魂』を追究する学問でもあるが、その詳細については「金の第一原質が最も近いのでは」「おそらくマナであろう」程度の記載に留まっている。
2.0からの変更点として、【グレイテストフォーチュン】が消滅、【パラライズミスト】や【イニシアティブブースト】を始めとして、2.0で猛威を振るった多くの賦術が弱体化・調整された。一方で【ヒールスプレー】や【インスタントウェポン】のように使い勝手が大きく向上した賦術も存在し、【バークメイル】などの一部の賦術は戦闘準備に使用できるようになった事で一概に弱体化したとは言えないものも存在する。
戦闘特技も修正され、《賦術の極意》こそ消えたが《賦術全遠隔化》というものが追加。《連続賦術》は対象を別個に選べるものになった。ただし《カード軽減》は宣言特技となり、1回の賦術にしか適用されなくなった。
冒険者の育て方
基本的には、「戦士系技能+スカウト技能orレンジャー技能」「魔法使い系技能+セージ技能」にその他技能をおまけで1つ習得していく。スカウトやセージなどのサブ技能は(能力値にもよるが)メインとなる技能から1~2レベル低い程度を目安に伸ばしていくと良いだろう。この際、パーティメンバーと足並みを揃えることも大事。また、セッションごとに「攻撃が当たらなかったら戦士系技能」「探索判定が振るわなかったらスカウト技能orレンジャー技能」と、苦手な判定を行う技能を優先的に上げてもいい。どちらも十分こなせるなら、余った経験点で新しい技能を習得するのも良い。
それでも悩む・もっと理解したいという方は、
『キャラクタービルディングブック』の購入をオススメする。
これさえあればサイコロで冒険者を作成できるので、難しいことを考えずに始めるきっかけになる。やっていく内に自分に合ったビルドを見つけたり、新しいビルドを探求できるようになれば幸いである。
2.0から未実装の技能
以下は、2.0には存在していたが2.5ではまだ実装されていない技能。今後実装されるのか、忘れ去られるのかは不明。
カルディアグレイズ収録
ウォーリーダー技能
味方に正確な指示を与えて強化する『鼓咆』を行う技能。若干複雑だが、ほぼノーリソースで味方を強化できる強力技能。ただ、2.5で名誉点周りのルールが変わり、名誉点と密接な関係を持つこの技能にも何かしらの変更が施される可能性が高い。
ミスティック技能
未来を占い、時に味方を強化する言葉を放ち、時に失敗を過去としてやり直す『占瞳』を可能とする技能。達成値に応じて効果が強力になるという性質があり、自動成功なら対応する判定を自動成功にすることも。2.5では自動成功や必中の特殊能力が弱体化・削除されているため、これらの占瞳にも何かしらの調整が入る可能性はある。
バルバロスブック収録
フィジカルマスター技能
自らの巨体を操る技能。蛮族向けの技能で、竜形態を持つドレイクなどが、変身時の強さを発揮するためのもの。『魔装』により、さらに強力な形態となったり、自分自身を強化していける。変身能力を持つドレイク・バジリスク専用技能のため、これらの蛮族がPCとして解禁されないことには実装されないだろう。
エイジ・オブ・グリモワール収録
根本的に古代魔法文明時代に失われた技能で、2.0のゲームバランスで見ても強力なものが多い。2.0で猛威を振るった各種技能や戦闘特技が全体的に弱体化された2.5環境に持ち込めるかは謎。
グリモワール技能
魔導書に書き込んだ魔法を行使する技能。習得可能な魔法の中から1レベルごとに1つ選んで習得していく。他の魔法使い技能と比べて習得できる魔法がどうしても少なくなってしまうが、攻撃・補助・回復の全てにおいて1つ1つが非常に強力な効果を持つ。武器や盾として扱えるシュールな魔導書があるのも特徴。
アーティザン技能
〈魔器〉と呼ばれる武器や防具に、『呪印』を書き込んで任意の特殊能力を与えて強化していく技能。要はルールの制約下で自分専用のオリジナルの魔法の武器や防具、装飾品を作る技能。設定上、〈魔器〉の作成には〈守りの剣〉の結界の維持に必要な〈剣のかけら〉を大量に消費するため、登場は難しいと思われる。
アリストクラシー技能
貴族としての格を表す技能。他人への求心力を示す「印象判定」にボーナスを与えたり、『貴族の支配』によって支配下においた平民を『レギオン』という私兵として運用することを可能とする「貴格」を習得することができる。古代魔法文明がカオスと言われる元凶。特に『貴族の支配』は現在のラクシアの倫理的にも大きな問題があり、2.0の公式リプレイでGMが直々に「魔法文明が滅んで良かった」と言わしめるほどに凶悪なのでPCたちが使うことはなさそうである(すでにいくつかのサプリメントでその存在を匂わせているが)。
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関連項目
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