Titan(Saturn VI) | |
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発見年 | 1655年 |
発見者 | クリスティアーン・ホイヘンス (オランダ) |
土星からの距離 | 122.7万km(平均) |
平均半径 (月との比較) |
2575.5Km (1.48) |
質量 (月との比較) |
1.345×1023kg (1.83) |
自転周期 | 15日22時間41分 |
公転周期 | 15日22時間41分 |
軌道傾斜角 | 0.33度(土星赤道に対して) |
赤道傾斜角 | 1.942度 |
大気量 (地球との比較) |
160kPa (1.579) |
大気の主な成分 | 窒素(97%)、メタン(2%) |
表面温度 | 平均49K |
表面重力 (月との比較) |
1.352m/s² (0.83) |
概要
惑星である水星よりも大きい衛星であり、火星の3/4にもなる。
太陽系の衛星の中でも2番目に大きく、土星の衛星の中では最大である。
太陽系で唯一の濃い大気が覆っている衛星であり、窒素を主成分としている。
その濃い大気とオレンジ色のエアロゾルのため長い間タイタンの地表の詳細はほとんど分かっていなかったが、2004年に土星に到着した土星探査機「カッシーニ」と2005年にカッシーニからタイタンに投下された小型探査機「ホイヘンス」によって液体のメタンの雨が降り、川・湖・湿地を形成していることが明らかになった。
赤道傾斜角(自転軸の傾き)は1.942度であるが、主星である土星の赤道傾斜角が25.33度あるため季節が存在する。
重力は1.352m/s²、これは地球の13.8%(約7分の1)ほどである。
タイタンの環境
未だ謎が多いタイタンの環境であるが、近年の観測・探査によってさまざまなことが分かってきた。
メタンによる循環があり、その流れは地球の水循環と特に大きな違いはない。
メタンの雨が降り、メタンの川が流れ、メタンの湖に流れていき、メタンが蒸発して、メタンが冷えて雨が降る。
タイタンは重力が地球の7分の1しかないため、メタンの雨は綿雪のようにゆっくりと降り注いでいると思われる。
タイタンの大気循環は低緯度地域で蒸発したメタンが極まで運ばれ、高緯度地域で雨となり湖を形成している。
南極は湖が少なく北極は湖が多い(南極の20倍)が、これは土星が楕円軌道を描いているため北半球の夏が南半球よりも長くなっているからではないかと考えられている。
低緯度地域ではメタンが蒸発するため赤道域には砂丘や乾燥地帯が広がっているが、近年、赤道付近にメタンの湖らしきものが発見されている。
生命の可能性
タイタンには濃い大気とメタンによる循環があり、生命の存在が期待されている。
カッシーニの探査によってタイタンの上空では大気に含まれる窒素とメタンからベンゼンやアセチレンなど大量の有機物が作られており、その中には生命に繋がるDNAを構成する4つの化合物も含まれている事が明らかになった。
それらがメタンの雨と共に地表に降り注ぎ、メタンの海の中で生命が誕生したのではないかと期待されている。
メタンの海で生命が生きていけるのか?という疑問はあるだろうが、地球にも天然のアスファルトの海があり、水に依存しない微生物が600種類いるので決してありえない話ではない。
私たち人間は酸素を吸って有機物を燃やしてエネルギーを作っているが、タイタンの生物は水素を吸って上空の大気で作られたアセチレンを食べてエネルギーを作るのではないかと考えられている。
もしもタイタンに生物がいれば、水素を吸ってアセチレンを食べているのでタイタンにはその両方が少なくなっているという予想を立てており、実際にカッシーニが観測した結果ではその予想通りに生命がいない時の予想に比べてタイタン表面の水素とアセチレンが非常に少ないことが判明した。
そのため、タイタンには生命が存在する可能性があると言える。
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