タイブレークとは、スポーツの試合で決着をつけるために定められたルールである。
概要
同点になるなどして試合の決着がつかない場合にタイブレークが行われることがある。tie(タイ/同点・均衡)をbreak(破壊)することからこの名前がついた。スポーツによっては「タイブレーカー」とも呼ぶ。
タイブレークがないと、10時間以上、最悪日をまたいで決着をつけるために試合が続けられることもごく稀にある。そこまで長い試合でなくても、試合時間が長くなれば選手のケガや熱中症などのリスクも上がってくるし、大会関係者・観客の負担も大きくなってしまう。それを防ぐために、タイブレークが導入されることが多い。
テニス、野球、ソフトボール、アメリカンフットボールなどで導入される例があるが、必ずしも全試合に共通したルールではない。例えば、プロ野球(NPB)ではタイブレークは導入されていない。また、決勝戦やテニスの最終セットでは導入されないこともあったり、導入していても細かいところでルールが異なったりすることもある。
テニス
テニスでは、基本的には「最低2ゲーム差で6ゲーム以上獲得する」ことができれば、「セット」を1つ獲得することができる。例えば「6-4」「7-5」であればセットを獲得できるが、「6-5」ではできない。
多くの場合では、ゲーム数が「6-6」となったときにタイブレークに突入する。通常のゲームでは「0、15、30、40」とポイントが増えていくが、タイブレークではポイントが「1、2、3…」とカウントされる。7ポイントを先取すれば勝利できるが、「7-6」など2ポイント差未満の場合は例外であり、2ポイント差がつくまでタイブレークが続けられる。
つまり、タイブレークで「187-187」というスコアを獲得することも、仕組みの上では不可能ではない。仕組みの上ではだが。ただし、現実には「36-34」というタイブレークのスコア記録も非公式ながら存在するので、187-187も夢ではないのかもしれない。
サーブのルールも通常時とは異なる。通常のゲームでは、同じゲーム内であれば同じ選手(A選手)の「デュースサイドのサーブ→アドバンテージサイドのサーブ→デュースサイドのサーブ…」という形となり、次のゲームで相手選手(B選手)に交代するが、タイブレークでは
と交代していく。また、「4-2」「6-6」など、ポイントの合計が6の倍数となったときにはコートチェンジを行う。
ちなみに通常のゲームのポイントが同点となった状態のことを「デュース(ジュース)」と呼ぶ。その後に行われる決着をつけるためのゲームは、タイブレークとは異なる。
野球
先述したようにプロ野球の試合では導入されていないが、少年野球では昔から導入されており、高校野球、社会人野球、国際試合では2000~2010年代にかけて公式試合で導入されるようになった。メジャーリーグでも、2020年に新型コロナウイルスに伴う試合時間短縮のため導入された。
現在の高校野球やプレミア12では「延長10回以降」「ノーアウト一二塁」の状態で、先攻の攻撃から始まる。そのため、通常時より走者が本塁に戻り(=点が入り)やすい。
WBCでは「延長10回以降」「ノーアウト二塁」の状態で、先攻の攻撃から始まる。
ソフトボール
7回が終わった時点で同点だった場合は「タイブレーカー」に入る。「ノーアウト一二塁」の状態で先攻の攻撃から始まる、2000年代ごろまでは8回・9回を延長戦とし、10回からタイブレークとするルールだった(参考)。
アメリカンフットボール
単に延長戦や順位決定のための手続きの事を「タイブレーク」と呼ぶことがある。
一方、「タイブレーク」という勝敗を決定するためのルールが試合内に設定されていることもある。この場合、コイントスで先攻・後攻を決め、両チームが交互に相手陣25ヤード地点から攻撃をする。
関連動画
関連項目
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