タイムボカンとは、1975~1976年までフジテレビ系列で放送されたテレビアニメ作品で、『タイムボカンシリーズ』栄光の第1作目である。全61話。
かつてはニコニコで配信していたが、2015年4月30日をもって終了。現在はHulu、バンダイチャンネルなどの有料配信サイトにて引き続き配信中。YouTubeのタツノコ公式チャンネルでは第1話が無料配信されている。
2016年秋よりレベルファイブの協力のもと、リメイク作品であるタイムボカン24が放映された。
概要
タツノコプロの初代社長である吉田竜夫がギャグ+SFという当時としては例のない発想から立案したのが本作である。
他に例を見ない内容と言うこともあって、当時流行していたミニカーの販売のためのアニメとして企画立案から実際に放映に至るまで2年の歳月を必要としたが、逆にデビュー当初の山本正之という本格的音楽教育を受けていないが故に他に類を見ない異色の才能を音楽で参加させる事が行われたことで、後に続く『タイムボカンシリーズ』独特の空気も形作られた。
主人公よりも人気の出た三悪や、追加される主人公メカ、パターン化それそのものをネタとするギャグ等、極めて野心的な内容となった。
- 「女王様」「痩せた頭脳派」「小さく筋肉質な肉体派」からなる三人組(三悪)。
- 三悪の声優による声優達によるアドリブの数々が入るのを前提とした尺にゆとりのある脚本
- コミカルメカでメインの舞台となる場所に移動
- 三悪側メカは単体使用可能なコアパーツ+それ以外で構成されている。
- 三悪側のメカの奥の手(シリーズによって名称は違い、本作では『今週のハイライト』)によってピンチになるが、三悪側のドジや主人公側の機転や偶然が重なり三悪自滅。
- 三悪側メカが敗北すると大爆発の末にドクロ型のキノコ雲が発生。
と言った物は後の『タイムボカンシリーズ』にも受け継がれる本作の特徴でもある。
当初は2クール物として開始したが、人気が出たために延長されて計5クールとなり、次回作である『ヤッターマン』へと繋がっていく。
ちなみに、1973年に企画されていたときのタイトルは『タンマー大混戦』だった。
しかし、パイロットフィルムが作られたもののスポンサーが見つからない等の問題でなかなか企画が通らず、紆余曲折あって1975年に『タイムボカン』として放送されたという経緯を持つ。
また、主題歌及び劇伴への山本正之の起用はかなり急であったらしく、もう一人の担当である武市昌久と共に128曲という信じられない曲数を僅か1週間で作曲&収録するという、文字通り本当の意味での不眠不休となったという(山本正之がデビュー前に私的に作曲していた曲を数多く流用することで何とか乗り切ったらしい)。
ニコニコ動画においては、2012年のタツノコプロ50周年に合わせて開設されたタツノコ劇場の初回ラインナップの一つとして毎週木曜に5話ずつ配信された。
ちなみに最終話のEDが丸ごと次回作ヤッターマンの番宣という終わり方は、なかなかに衝撃的であった。
あらすじ
ついに完成したタイムマシン「タイムボカン」の試運転で、どこかの時代へとタイムスリップした木江田博士。
しかし、戻ってきたタイムボカンには博士の姿は 無く、オウムのペラ助と、宇宙一高価と言われる宝石
「ダイナモンド」が残されていた。博士の助手の丹平と孫娘の淳子は、タイムボカンで博士の捜索を開始。
しかし、悪党三人組マージョ一味も、ダイナモンドを狙って丹平たちを追いかける。
~ニコニコチャンネルより引用~
登場人物
- 丹平:太田淑子
木江田博士の助手を務める中1。でも学校に行った所を見たことがない。それどころか私服や家族構成も一切謎。
熱血漢でカワイコちゃんに弱い。戦闘やトラブルであちこち壊れやすいタイムボカンの修理もしている。 - 淳子:岡本茉利(代役:よこざわけい子)
木江田博士の孫娘で丹平より年下の小学5年生。しかし歴史に詳しく、ペラ助のでまかせから様々な推理を披露する。
彼女も通学や私服が一切出てこない。また、今作は代役を務めたよこざわけい子のデビュー作(3話のゲスト)だったりする。
- ペラ助:滝口順平
木江田博士の代わりにタイムボカンに乗ってたクズオウム。淳子の説得やマージョの脅迫で木江田博士の手がかりを喋るが、それは鬼嫁のオタケさんとの再会を意味するので嘘ばかり言う。口癖はペッチャ。こいつもドブライ様にお仕置きされればいいのに - チョロ坊:桂玲子
丹平が作ったロボ。動力はゼンマイだが知能を持つ上、放電・火炎放射が可能で腕も伸びる。
グロッキーといい、木江田博士に師事するとすごい技術が身につくようだ。 - マージョ:小原乃梨子
初代三悪、悪玉トリオのリーダー・30歳。貴重な宝石ダイナモンドを手に入れるため、ダイナモンドを持ってきたペラ助を狙う。
ドロンジョ以降の三悪の女ボスより過激で、ドタバッタンの元の持ち主を撃ち殺したりしている。
最終回後、ヤッターマンの予告で「ドロンボーになる」といっているが、現在はマージョとドロンジョは別人扱いとなっている。 - グロッキー:八奈見乗児
悪玉トリオの頭脳担当・25歳。木江田博士の助手として潜入していたため、タイムボカンに対抗できる数々の悪玉メカを作ることが出来る。が、タイムボカンに及ばない。ボヤッキーの女子高生好きのルーツでもある。 - ワルサー:たてかべ和也
悪玉トリオの怪力担当・35歳。生身で戦うときや、旅先の住人に襲われた時などに自慢の怪力を披露する。
あやしい関西弁で喋ったりと、この時点で既に空気な部分も含めてポジションが完成している。 - 木江田博士:槐柳二
タイムボカンの試乗中に消えた博士。名は体を表すとはこの事である。中盤で発見され、その後はドタバッタンやクワガッタンを開発する。 - オタケさん:遠藤晴
ペラ助を尻に敷く肝っ玉母ちゃん。内心ではペラ助を愛しているが、ペラ助には恐れられてる。案の定、木江田博士と一緒に居た。
登場メカ
- タイムメカブトン
メインで活躍するタイムボカン。善悪両方に言えるが、タイムトラベル時にボカンと爆発する(これで時空に穴を開ている)からタイムボカン。
小型飛行機・テントウキと小型水中探査船・ヤゴマリンを搭載しているタイム母艦。よくツノが折れる。 - タイムドタバッタン
元々は木江田博士を捕まえた悪の昆虫人が使ってたタイムマシンだが、上記の通りマージョが昆虫人を射殺してしまったので、横領し改造してしまった。小型偵察機・シャクトリンと小型ヘリ・ヘリボタルを搭載した。
後半のメインを張り、最終回も担当した。よく脚がもげるが、キャタピラがあるので問題ない。
後に、そのもがれた脚はドロンボーに1万で売りさばかれたという。 - タイムクワガッタン
影が薄い3号機。こちらは新規設計。クワガタ型でありながら、メカブトンと違ってプロペラ飛行である。
そのプロペラがよく破壊されるが、地味なので他の二機より損傷は少ない。 - タイムガイコッツ
グロッキーがメカブトン開発時のノウハウで作ったメカ。毎週作るメカの頭部の骨組み兼操縦席となる。
毎週毎週やられて大爆発を起こしても、これだけは壊れたら帰れなくなるから無事。
悪玉メカのデザインを手がけ、ヤッターマンからメインのメカデザになる大河原邦男氏曰く「コアファイターのルーツ」。
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関連項目
- ヤッターマン(次回作)
- タツノコ劇場
- タイムボカンシリーズ
- タツノコプロ
- アニメ作品一覧
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