タクシーとは、公共交通機関のひとつである。
タクシーの乗り方
- 駅や空港、観光地にはタクシーの溜まり場(乗り場)がある。そこで乗りたいタクシーに乗ればいい。
まれに高級ホテルなどにもタクシー乗り場があったりする。 - もし、それ以外の場所で乗ろうとすれば、電話で呼び出す。最近ではスマートフォンのアプリで地図座標を指定し送信すればその場所までタクシーがお迎えに上がるサービスも始まっている。
あるいは空車状態のタクシー(いわゆる流し営業)のタクシーを拾おう。流しのタクシーは手を挙げれば空車状態であればたいがい止まってくれる。 - 運転手にルート・行き先を告げる。
- 到着後代金を支払う。有料道路を通行した場合は通行料も合算請求となる。
- 降りる。
以上のプロセスで商売が成り立っている。
主にタクシー用に使われる車両
中型(原則全長4.7m未満・2000ccクラス)
かつては前席がベンチシート・コラムシフト仕様の6人乗りタイプ(最大乗客数5人+運転手の6人乗り)が主流で、定員が1名少ない小型車との差別化が図られていたが、現在は安全確保の観点からコラムシフト車は事実上廃止され、小型車との定員差はなくなり、主な差異は後部座席の居住性の違いのみとなっている。
小型(原則全長4.6m未満・1800~2000ccクラス)
↑これらは、企業系のタクシーの場合に多い。むしろ、メーカーがタクシー専用設計車両を発売しているのだが、それに該当するのがこれらの車両である。
しかし、最近ではプリウスなどのハイブリッド車(ガソリン、LPGガス、モーターで動くため、某桜に「N」の会社では究極のエコカーなんて言ったりする)、大阪や神奈川などではリーフ等の電気自動車を採用する例も見られる。
そして東京オリンピックが迫る中、日産および子会社のオーテックでは新たにNV200にタクシー用架装を行い販売を開始。小型車水準であること、小型セダン並みに小回りが効いて隘路でも運転しやすいこと、見晴らしが良いので運転手は疲労軽減の効果があり乗客には快適な車窓を提供出来ること、積載量が多く車椅子を畳まずにそのまま載せられるので台数制限がある地域ではNV200に置き換えることで車両運用の柔軟性を維持したまま顧客サービスを向上出来ることが評価され、米・ニューヨーク市では次世代イエローキャブにこれが採用されたこともきっかけでNV200を導入するタクシー会社が増加している。
個人タクシーの場合は多種多様だが、高級車が多く使われている。同じ料金なら高級な車に乗りたいという利用者心理やお得意様が付きやすいといった営業面での理由、装備が充実していて乗り心地がよく長時間乗っていても疲れにくいという業務環境によるところが大きい。
高級セダン(クラウンアスリート、セルシオ、センチュリー、レクサス、フーガ、シーマ等)のほか、高級ワンボックスカー(ヴェルファイア、アルファード等)や、外車(BMWやメルセデスベンツ、テスラ・モデルS等)もあったりする。
もちろん個人タクシーでも法人タクシーと同じタクシー専用車種を使う人はいる。
大人数・大量の荷物を乗せられる「ジャンボタクシー」(運転手含めてMAX10人乗り)ではハイエースが殆ど。
小型・中型タクシーの終焉
2014年に日産・セドリック営業車が、2017年にトヨタ・コンフォート、クラウンコンフォート、クラウンセダンが受注・生産を終了。それ以前に中型タクシーの6人乗り車もモデルチェンジで姿を消しており、小型タクシーと中型タクシーを区分する必要性が薄れた。
これもあってか、大都市部を中心に小型・中型料金の区分を廃止して普通車料金に統一する事例が相次ぎ、2022年3月現在で小型・中型の料金区分が残っているのは以下の地域のみとなった。
料金相場
地域や車両によって異なる。たとえば東京23区内・三鷹市・武蔵野市(この地区を総称して23区・武三地区という)に拠点を置く事業者の場合、2022年3月現在、最初の1.052kmまでは420円、あとは233mごとに80円加算。もし車両の速度が10㎞/h以下になった場合は、1分25秒経過ごとに80円加算となる。高速道路ではこの10㎞/hの加算がなくなり距離のみの加算となる。
ほかにも、時間制という料金制度もあり、観光や冠婚葬祭などで一定時間利用が必要な場合はタクシー事業者に対し予約をすることで適用可能となる。 最初の1時間4700円、以降30分おきに2150円(東京23区内・三鷹市・武蔵野市に拠点を置く事業者、普通車の場合)で貸切可能である。
タクシーの燃料にLPガスが使われるわけ
一部、法人タクシーの殆どに於いては、燃料にガッツタンクの燃料ことLPガスを使用する場合がある。
その理由?エコロジーだからに決まっているでしょ…というわけではなく、単に「安いから」である。
しかも、税金はガソリンよりも大幅に低い(ガソリン→約53円/L LPガス→約18円/kg)。
タクシーは言ってしまえば走るのが商売なので、使用する燃料の量と価格もバカにならない。
次から次へと客を拾えればいいが、そんな都合がいい状況ばかりとは限らない。散々走って0人なんてことも考えられる。
…なので、燃料の価格はできるだけ安い方がいい。
というわけで、一部の事業者に於いてはガソリンではなく安価なLPGで走れるように改造した車両を用いることがある。
一般人でも、大抵の国産4気筒・6気筒車をガソリン・LPガス両方に対応させるバイフューエル化改造工事を行ってくれる業者があるので、そこに持っていけばLPガスを使えるようになる。
車体カラー
車体カラーは企業系では独自のカラーリングが多い。ただし、関西では企業系であっても、黒一色の場合が多い。なぜなら、行灯を外してハイヤー車として転用が可能なように設計しているからである。
個人タクシーでは加盟する個タク組合によって扱いが異なる。メーカー純正色のままで良いと定めているところもあれば、色を指定してくるパターンも存在する。例:東京の某組合は白地に青いストライプ。
どうやって運転手になるの?
タクシー運転手になる要件としては、運転手になる時点で有効な第二種普通自動車運転免許(以下二種免許)を所持し、東京23区武三地区などの一部地区では営業免許を所持している事が条件になる。
なお、多くの会社ではこの二種免許の取得費用を負担ないしは貸し付けをしてくれるので二種免許がなくてもタクシー運転手になることが出来る。
次にこの営業免許であるが、東京23区武三地区などの一部地域で営業するには所持が必須条件になる。なぜこの地域では営業免許が設定されているかというと
道が複雑であるうえに多くの施設や名所があるうえにお客様が多くいるため、言い方が悪いが金が稼げるからである。ので多くのタクシー運転手志願者が全国から集まってくる。
しかしながら一定条件以上の知識がなければ仕事にならないばかりか、タクシー運転手の質が悪くなってしまうのだ。ので、タクシーセンター(通称タクセン)が設立された。このタクシーセンターが地理試験を行い、運転手の質を一定条件以上保っているのだ。
どうやって取得するのかというと、地理試験を受けて合格すればいいのである。気になる問題の中身であるが、通りの名前や交差点名、施設名所、大通りと大通りの交差点名、首都高の出入り口名、接続する高速道路名や施設の最寄り駅等を記号で選ぶものである。
因みに合格点は東京23区武三地区を管轄する東京タクシーセンターでは40点中32点以上をとれば合格できる。気になる合格率であるが50%以下ないしは50%ちょっと超える程度である。そう、意外と難しいのだ。
事実、作者が受けた時は、受験者が60人いて合格者は自分を含め25人位であった。
因みにこの地理試験の過去問は公開されているので受けようとしている人は見てみるといい。
それらの試験が終わり、料金メーターの操作方法、ドアの開け方、都内であれば銀座、六本木などの乗車禁止地区の確認等社内研修が終わるとめでたく配属されるのである。
勤務形態
隔日勤務
1日乗務して次の日は休みを繰り返す勤務形態。出番・明番・公休の3つがあり、出番は乗務して仕事をする日、明番と公休は休日である。通常出番と明番を何回か繰り返すと公休が入るようになっている。以下はあるタクシー乗務員の1週間の勤務シフトである。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
出番 | 明番 | 出番 | 明番 | 公休 | 出番 | 明番 |
それこそ運が良ければ明番と公休が組み合わさって4連休になることもある。明番も公休も家で休養を取れる休みであることに違いはない。
日勤乗務
昼間だけ、或いは夜だけの乗務を繰り返す勤務形態。昼日勤は朝出勤して夕方退勤、夜日勤は夕方出勤して翌朝退勤となる。日勤乗務の例を書くとこのようになる。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
公休 | 出番 | 出番 | 出番 | 出番 | 出番 | 公休 |
勤務日数は隔日乗務より多くなるが、休日がある程度一定になり、1乗務あたりの労働時間が短いというメリットが存在する。ただし日勤乗務は経験者のみの採用としているところもある。
知っているとお得かもしれない業界用語
- わかめ・ワカメ
回送車のこと。「回送」と「海藻」をかけたダジャレ。タクシーは法律により営業エリアが決められており、認可された営業エリアの外のお客を拾うことは、エリア内へ戻るのが確実なお客以外認められていないため、エリア外までお客を賃走した場合、帰りは必然的にワカメとなる。詳細は「回送」の記事の当該項目を参照。 - 0番地
霊安室・火葬場を示す隠語。その由来は「霊」と「0」をかけたとか、死後の世界には番地がないからなど。 - 流し営業
街中を空車の状態で走り、拾ってくれそうなお客を探す営業方式。 - 無線営業
営業所からの配車依頼を無線で受け、乗客を指定場所まで迎えに行く営業方式。ペナルティで無線営業ができない状態のタクシードライバーのことを「マイク外し」と言う。 - 付け待ち
駅やホテルなどのタクシー乗り場に車を止め、利用者を待つ営業方式。 - マグロ
付け待ちが苦手で常に走り回っているドライバーのこと。 - 大きな忘れ物
大きな事件を起こした犯人のこと。県警から無線で情報が流される。 - 小さな忘れ物
犯人が使用した凶器のこと。 - カバンの忘れ物
不審者を乗せたときの合言葉。 - お座敷
運行管理者が乗務員を呼び出すこと - 工事中・赤信号
警察の交通取締りのこと。実際の道路工事は本工事、飲酒運転取締はマル酔工事と言う。 - 花嫁タクシー
白無垢を着た花嫁がスムーズに乗り降りできるよう、天井まで開くようになっている車輌のこと。他にも花嫁タクシーは日が昇る方向に向かって出発するとか、花嫁を乗せている間バックをしないなどのルールが有るらしい。
主な"独立系"タクシー企業・団体
※鉄道会社・路線バス会社・航空会社といった、他の公共交通機関の傘下は含みません。
(貸し切り観光バスは例外とします。また、事業展開順がタクシー→バスの場合はここに記載します。)
北海道
関東
- 大和自動車交通
- 日本交通(※関西および山陰にある日本交通グループとは別企業。)
- 国際自動車
- アンゼングループ(国際自動車と吸収合併し消滅)
- グリーンキャブ
- 東京無線協同組合
- チェッカーキャブ無線グループ
- 共同無線グループ(日の丸自動車と業務提携し消滅)
- 神奈川都市交通
- コンドルタクシーグループ
中部
近畿
- MKタクシーグループ
- 彌榮自動車グループ
- 未来都タクシー
- 京聯自動車
- 日本タクシー
- 北港梅田ハイタク事業協同組合
- 関西ハイタク事業協同組合
- 都島自動車
- 関西中央タクシー
- 名神タクシー
- あどばんすキャブ
- 新金岡交通
- はくろタクシー
- 日本交通(※ここの日本交通は東京のとは別企業。大阪・京都・神戸・三田・鳥取・島根・豊岡・福知山の各支社は同一グループ。)
中国
九州
- 太陽交通
- 福岡交通
- 三五会運輸事業協同組合
- 国際タクシーグループ(※東京武三地区のkm国際自動車とは無関係)
- 国際南国グループ(※総合商社の国際興業グループ・バス事業者の南国交通とは無関係。)
- ブルーキャブグループ
- フレンド無線協同組合
- 明交運輸事業協同組合
- ラッキー自動車
- シティキャブ長崎事業協同組合
- 宮児タクシーグループ
- 昭和市丸交通グループ
タクシーを題材にした作品
ドラマ
映画
ゲーム
関連動画
関連項目
- 2
- 0pt