タスティエーラ(英:Tastiera)とは、2020年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2023年:東京優駿(GⅠ)、弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)
概要
父サトノクラウン、母パルティトゥーラ、母父マンハッタンカフェという血統。
父は香港ヴァーズと宝塚記念の優勝馬で、同期で種牡馬としても先を行くキタサンブラックとの秋天や前者における*ハイランドリールとの真っ向勝負が印象深いだろうか。本馬はその初年度産駒である。
母は中央競馬で3勝を挙げた競走馬。母父は現役中菊花賞を始め国内GⅠ3勝の活躍で知られるサンデーサイレンス産駒。種牡馬としてもGⅠ馬を輩出し、2009年にはリーディングサイアーにも輝いている。
2020年3月22日誕生。生産者は安平町のノーザンファーム。
馬主は、リスグラシューやエフフォーリアなどの記憶が新しい(有)キャロットファーム。
所属厩舎はモーリスやドゥラメンテなどで知られ、父サトノクラウンも手掛けた美浦の堀宣行厩舎となった。
馬名の意味は、イタリア語で楽器のキーボード。母名(イタリア語で楽譜)より連想したとのこと。
その鍵盤で勝利の旋律を
2歳~3歳
2022年11月27日、東京競馬場の芝1800mの2歳新馬に当時来日していた短期外国人騎手ライアン・ムーアを背にデビュー。単勝オッズ1.9倍の圧倒的1番人気の応えて、2番でから押し切って3馬身半で圧勝した。
翌2023年、3歳初戦は出世レース共同通信杯に福永祐一を背に出走。ダノンザタイガーに続く2番人気に支持されるも、前で競馬していたタッチウッドとファントムシーフを捉えられず、ダノンザタイガーとの3着争いも追い比べに負けた結果、勝ち馬ファントムシーフの4着に敗れた。
共同通信杯での賞金加算に失敗した以上、このままではクラシックに出走できない。そのため皐月賞トライアルの弥生賞ディープインパクト記念に出走を決断した。鞍上は2月一杯で引退した福永騎手の代わりに、新たに松山弘平と組むことになった。1番人気はホープフルステークス(G1)2着のトップナイフで、タスティエーラは単勝4.2倍の2番人気に支持された。
レース本番ではトップナイフが逃げる勢いで前に出るも、それを制してゴッドファーザーが先頭。タスティエーラはトップナイフを見るような位置で競馬を進める。第3コーナーから進出して外3頭目を回して直線に入ると、内を突こうとしているトップナイフをよそに先頭に立つ。そのままあちらの追撃を退けて押し切り1着。
この勝利でサトノクラウン産駒としての重賞初制覇だけでなく、弥生賞親子制覇の快挙も達成。十分に折り合いの取れた内容ということもあって、鞍上の松山騎手もレース後には満足げなコメントを話した。
優先出走権を得た事で次走はクラシック本番の皐月賞へ。朝日杯FSを勝ったドルチェモアはNHKマイルカップ、ホープフルS勝ち馬のドゥラエレーデはUAEダービーに向かうという事で2歳王者不在という状態。1番人気は共同通信杯を勝ったファントムシーフ、2番人気に京成杯を勝って2戦2勝のソールオリエンスとなり、タスティエーラは使い詰めだったこともあり5番人気の評価に留まった
レースはグラニットが逃げてタスティエーラは先行することになったが、重馬場にもかかわらず1000m通過タイムが58.5秒という驚異のハイペースに。このペースでは前は不利となり、次々と逃げ・先行勢はつぶれていった。そんな中でもタスティエーラは踏ん張って先頭に立ちこのまま押し切るかと思いきや、後方から驚異的な脚で追い込んできたソールオリエンスの末脚に屈して2着。クラシック制覇にあと一歩手が及ばなかった。
続いて日本競馬の大一番である東京優駿(日本ダービー)へ。鞍上がオーストラリアの名手ダミアン・レーンへと乗り替わりとなった。1番人気は前走で敗れた皐月賞馬ソールオリエンス、2番人気は青葉賞馬スキルヴィング、3番人気はファントムシーフとなり、タスティエーラはテン乗りや前走の疲労が懸念されたのか4番人気に留まった。
レースでは早々にドゥラエレーデが落馬競走中止する場面もあったが、前走と同様に前目に付けての先行競馬。パクスオトマニカが大逃げをする展開となるも1000m通過1分00秒4と見かけほど早くないペース。直線に入ってから逃げるパクスオトマニカを目掛けて進出を開始。4番手から着実に伸びて残り200mを切ったところで先頭に立つ。しかし、その背後でソールオリエンスら後続勢が迫っていた。それでも何とか粘り込んでソールオリエンスをクビ差で封じて優勝。サトノクラウン産駒初のGⅠ制覇をダービーの大舞台で手にした。
テン乗りによる優勝は1954年のゴールデンウェーブ以来69年ぶり。レーン騎手は2019年サートゥルナーリアの4着、2020年サリオスの2着、2022年ロードレゼルの14着を経て、4度目の挑戦でのダービー勝利となった。
この後は放牧に出され、秋には菊花賞を目指す予定とのこと。もしも菊花賞を勝てば、タケホープ以来50年ぶりかつ、日本競馬において三頭目のダービー・菊花賞を制した二冠馬となるが、果たして。
血統表
サトノクラウン 2012 黒鹿毛 |
Marju 1988 黒鹿毛 |
*ラストタイクーン | *トライマイベスト |
Mill Princess | |||
Flame of Tara | *アーテイアス | ||
Welsh Flame | |||
*ジョコンダⅡ 2003 鹿毛 |
Rossini | Miswaki | |
Touch of Greatness | |||
La Joconde | Vettori | ||
Lust | |||
パルティトゥーラ 2014 黒鹿毛 FNo.9-a |
マンハッタンカフェ 1998 青鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*サトルチェンジ | Law Society | ||
Santa Luciana | |||
フォルテピアノ 2003 栗毛 |
*フレンチデピュティ | Deputy Minister | |
Mitterand | |||
キョウエイフォルテ | *ノーザンテースト | ||
*クラフテイワイフ |
クロス:Northern Dancer 5×5(6.25%)
- 母パルティトゥーラの又従兄にオーストラリアでG1・2勝を挙げたトーセンスターダムがいる。
- 祖母フォルテピアノの従兄に天皇賞(秋)・マイルチャンピオンシップを優勝したカンパニーが、従弟に天皇賞(秋)を優勝したトーセンジョーダンがいる。
- 3代母キョウエイフォルテの全弟に中山グランドジャンプを優勝したビッグテーストがいる。
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関連項目
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