「1度目は『大久保さん、ご飯いきましょう』、2度目は『大久保くん、食事行こう』、3度目は『大久保、行くぞ』、4度目は『おい、行くぞ』、そして5度目に断ると『オマエ、何で来ないんだ』となる。これがタニマチだぞ」
根本さんの口癖でした。 ───『暴力団が酒をすすめてきたら…佑、沢村もぜひ参考に』より引用。
概要
タニマチは本来は相撲界の隠語で、ひいきにしてくれる客、または後援してくれる人という意味である。祝勝会などでタニマチから贈られる祝儀などは力士の収入源のひとつにもなっているなど、相撲界にとってなくてはならない存在であるが、現代では個人ではなく相撲部屋の後援会などが主流となっており、そこに所属し年会費を払うことで小口でもタニマチとなることもできる。もちろん、お金が絡む事柄であるため、相撲界でも暴力団などの悪質なタニマチがらみの問題が発生したこともある。
しかし、ここでは相撲界の隠語から派生して野球界でも使われるようになった『タニマチ』と呼ばれる人々が引き起こした問題を取り扱う。
野球界での厄介なタニマチ
ちゃんとした意味での後援や客であれば全く問題ないものの・・・プロ野球界では根本陸夫が西武の管理職に就いていた時点で、既に悪い意味として使われていた。一言でいえばこの世界の意味では皮を被った取り巻きである。
これら悪質なタニマチは選手の勘違いを生むだけでなく、本業である野球のパフォーマンスの妨げとなったり、中には暴力団などといった反社会的勢力と関係を持ってしまう可能性もある存在でもあった。愛甲猛もNEWSポストセブンにて、暴力団とプロ野球選手の接点としてタニマチ経由が多いと解説している。 →引用記事
デーブ大久保のコラム(週刊ベースボール)によれば、西武ライオンズにて管理職を努めていた根本陸夫から「タニマチは作るな!」「絶対に自分で支払いをしろ」とよく言っていた模様。理由はさまざまな頼みごとをされるようになり、なかなか断れなくなるからとの事。また、同チームの選手間で奢られる事もあったが、奢るのは必ず先輩選手で、タニマチを介在させてはならないと教育されている。余談であるが、別の記事にてタニマチの話をした際、大久保が先輩である秋山幸二にジュースを奢ろうとすると、「生意気な事をするな!」と温厚な彼を怒らせた事があったと語っている。
前述した通り、トラブルを持ち込んだり反社会的勢力も混じる事がある為、実際に週刊誌の餌食にされる選手やコーチも事もいた。
特に阪神の方は酷いらしく、阪神の監督を務めた事がある野村克也は自身の著書で、選手を甘やかすタニマチを暗黒期の元凶の一つと何度か書いている。後任の星野仙一も2002〜2003年に行われた大幅リストラの件にて、タニマチが非常にうるさかったとテレビで語っている。
その他にも、近年では2016年に日本ハム斎藤佑樹がタニマチから高級車のポルシェを提供されていたと週刊誌で報道されて、話題になった事もある。
2020年に阪神の選手が新型コロナウイルスに感染する事になるが、この時の情報や疑惑で『タニマチ』という隠語が改めてクローズアップされ、「ノムさん(野村克也)が話してた事を思い出した」あるいは「本当だったのか」とSNSで発言する人が続出した。この件については→阪神選手集団感染問題
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関連項目
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