タマモクロス単語

タマモクロス

88年、天皇賞(秋)

毛のは走らない』。この2頭が現れるまで、人はそう言っていた。

毛と毛の一騎打ち。宿敵が強さをくれる。

か。そのの名は…


2012年天皇賞(秋)CMより 

タマモクロスとは、1984年まれの競走馬最強時代の一番手として登場した名である。実に浪節なであった。

概要

シービークロス グリーンシャトー シャトーゲイという血統。シービークロスは「い稲妻」とまで呼ばれた追い込みを得意とした人気。ただし、GⅠクラスレースには勝てていない。

生まれた錦野牧場は中堅牧場だったが、牧場は大きな野望の持ちで、シービークロスの種入りに尽するなど強いを造るべく大変な努をしていた。しかしながらサラブレッド生産というのは簡単に結果が出る世界ではない。頑れば頑るほど借が転がるように増えて行く。タマモクロスが生まれたのはそんな頃だった。

牧場タマモクロスを見て「これは走る!」と直感した。そして、このはきっと高く売れて、借返済の助けになるだろうと期待したのだった。

ところが、ついた値段は500万円。まぁ、実績のい種シービークロスと、名血とは言い難いでは仕方がいところではあった。

錦野牧場には既に億単位の借があり、牧場は泣く泣くその値段でタマモクロスを売ったのだった。その後、錦野牧場はタマモクロスが活躍を始める前に倒産してしまう。グリーンシャトーも他の牧場に売られて死んでいる。

デビューは3歳の3月で、かなり遅かった。これは、タマモクロスが非常に神経質で体質も弱く、十分な調教が積めなかったからである。ここを惨敗。3戦ダート戦で初勝利を挙げたものの、その後も走を続けた。

転機が訪れたのは3歳もになってからのことだった。あんまり良いところがいので、気分転換に芝を走らせて見ようか。そういう話になって出走した京都2200m。ここをどういうわけか7身差で圧勝。小原伊佐調教師はにつままれたような気がしたそうである。もう一度400万下(当時)の芝2000mを使ったら8身差。周りの見るが違い始めたのはこの時からである。

菊花賞?というもあったそうだが、タマモクロスは鳴尾記念に出走する。ここだって格上挑戦だ。古混合だし。ポイントハンデ戦だということで、斤量は53kg。トップハンデメジロデュレン59kg。この差は大きい。上手くすれば初重賞。というもくろみ。

いやいや、それどころではなかった。スタート出遅れたタマモクロスは4コーナー群に乗り込むと一気につき抜け、レベルの違う脚色で他を引き離したのだった。6身差、コースレコード勝。「おい!あれ!スゲェよ!」ファンスタンドで騒然とした。

次は正月杯。なんで有馬に行かんの?と思えるようなローテだが、タマモクロスは飼葉喰いが細く、レース後の消耗がしいだったのだ。なので相手が楽なこのレースに使ったのだが・・・。

スタートで後手を踏み、追走にも苦労する。直線入り口では他のごちゃごちゃ前にを造っていた。こりゃ、あかん上の南井己騎手もあきらめかけた。

ところが、そこから群を縫うように、とんでもない内から猛然と突っ込んで突き抜けたのである。えええ~???見ていたファンには何が起こったのか分からなかった。これで重賞2連勝。

次の阪神大賞典はスローペース、そして直線で前が詰まりながらも物凄い根性で首を伸ばし、なんと全に勝ちパターンだったダイナカーペンターとの同着優勝に持ち込んだ。

こうなればもう、天皇賞ももらったようなものであった。レースでは、ここも内から一気の末脚を披露して「これはもう楽勝です」との実況を背に3身差でゴールシービークロスの成し得なかったGⅠ勝利を勝ち取ったのだった。表式、生産者を称える表台の上に人の姿はかった。錦野牧場はこの時点で名前すら残っていなかったのである。

続くは宝塚記念。ここには当時の中距離ニッポーテイオーが出走しており、この距離ではニッポーか?ということでタマモクロスは二番人気だった。おいおいタマモクロス2500mでレコード勝ちしたのを忘れたのか?実際、レースではニッポーを並ぶ間もなく交わして圧勝。

前年の今頃は条件戦をうろうろしていたとは思えない強さで、タマモクロスは敵しと言っても過言ではない最強の座に君臨したのであった。

しかし、最大のライバルは思いもよらぬところから現れたのである。

オグリキャップ笠松競馬場というドマイナー競馬場からやってきたこのは、クラシック登録がいせに、重賞を荒らしまわっていたのだった。なんと重賞6連勝。古をも問題にせずに粉砕するこのタマモクロスと同じファンは脅威の見つめていた。そして必然的に思ったのである。

タマモクロスとどっちが強いのだろう」

その疑問に答える舞台がやってきた。この年の天皇賞である。タマモクロスはこのにGⅠ3連戦を予定しており、体質的な問題もあって休み明けにステップレースを使わなかった。オグリ毎日王冠シリウスシンボリを問題にせず圧勝している。順調さはややオグリ有利か?と思われていた。そのためか一番人気オグリキャップだった。

このレース、驚いたことにタマモクロスはいきなり2番手に占位した。ええ?追い込みの切れ味に定評があるタマモが?ファンは仰した。そのまま直線へ。オグリキャップは絶好の手ごたえで外から追い込みに掛った。タマモクロスはなんか逃げたレジェンドイオーを交わすのにも手間取っている?

いや、そうではかった。南井騎手はオグリが来るのを待っていたのだった。オグリが来るのを確認すると、タマモクロスにゴーサインが出される。するとく間に加速してレジェンドイオーを交わし、追い込んでくるオグリキャップを引き離す。懸命に追い込むオグリだが、1身1/4が永遠に詰まらない差に思えた。

そのままタマモクロスが優勝。史上初の天皇賞連覇を果たしたのであった。ちなみにオグリキャップゴール後、タマモクロスを物凄い形相で睨み付けて悔しがったそうである。

続くジャパンカップ。堂々の日本代表タマモクロスだった。オグリキャップも出ていたが、ここはやっぱり外が相手であった。レースでは直線入り口でペイザバトラーと並んで抜け出す形になったのだが、「タマモクロスは並ぶと強い」と知っていたペイザバトラーの騎手が、を思い切って内に切れ込ませてタマモと体を合わさせなかったのだ。タマモクロスはジリジリ追い込んだがペイザバトラーの二着。オグリキャップは3着。タマモクロスの連勝は8でストップしたのだった。

タマモクロス有馬記念引退が決まった。高齢のが「タマモクロス子供が見たい」と言ったかららしいのだが、結局、この願いはわなかった。

ここには最後の辱の機会に燃えるオグリキャップも出走してきていた。この時、昭和天皇の病状の悪化が伝えられており、このレースがおそらく昭和最後の有馬記念になると思われていた。そこで行われる毛対決。ファンの期待も最高潮だった。

しかし、ただでさえ体質が弱いタマモクロス戦続きの、もうボロボロだった。正直、回避も考えられたというが、王者は挑戦者を迎え撃つのが義務。理を押して有馬記念に向かったのだった。

レースではタマモクロスは出遅れ、それでも3コーナーから捲って外から先頭に並びかけた。しかし、そこで満を持して待っていたのが岡部幸雄騎手上のオグリキャップ天皇賞とは逆の展開となり、懸命に追い込んだもののオグリキャップに半身届かない。

最後の最後でオグリキャップに名を為さしめたタマモクロス。しかし、負けて強し。タマモクロス辱して、最強の後継に名乗りを上げたオグリキャップは、このあと、希代のアイドルホースとしてのを歩みだすことになるのである。

通産、18戦9勝。しかしながら、本格化してからは一気に連勝街道を駆け上がったその姿は、正にい昇りと言うにふさわしい戦績である。

灰色でなんか斑があり、身体は細くてみたい。およそ強そうに見えないであったが、追い出してからの加速と根性が凄いだった。首をグイーッと伸ばしながら必死に伸びてくるその姿は、どこか同情を誘うようであり、頑って走っている感が物凄く漂っていた。

時はバブルバブルは楽な時代と言われる事もあるが、同時に「24時間働けますか?」なんて言われて、サラリーマンは遊ぶ暇もなく必死にがむしゃらに働いた時代でもあったのだ。潰れた牧場からやってきて、下積みの苦労も悲哀も存分に味わい、レースではがむしゃら必死に走る。そんな浪節溢れる姿に、に中年以上の競馬ファンは深い共感を覚え、援を送ったのだった。

引退後、種となったタマモクロスは、カネツクロス以下の重賞勝利を多く出して頑った。オグリキャップなど及びもつかない成績を残したのである。こういうさも、なんというか古き良き日本の美徳を感じる。

2003年死亡。後継が残らなかったのは残念である。ちなみに競馬漫画の「みどりのマキバオー」の主人公ミドリマキバオーはこのモデルとしている。また、シービークロスタマモクロス子の称でもあった「い稲妻」も競馬漫画シルフィード」「神話マルス」に使われており、競馬漫画に縁のあるだった。

オグリキャップは第二次競馬ブームの火付け役と言われているが、その人気は迎え撃つタマモクロスが厚いとなって立ちふさがり、名勝負を重ねたからこそ高まったのだ。その意味で、タマモクロス競馬新時代のきっかけになった名だったと思うのである。

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タマモクロス

27 本当は必要だろ
2018/06/30(土) 08:03:43 ID: /brikTaYOL
まんま2月の「ハルウララやん
28 ななしのよっしん
2018/07/01(日) 19:15:41 ID: vQ0XS7W8ij
こいつ背負ってるドラマ強すぎませんかね
なんかライバルキャラというより主人公寄りな気がする
29 ななしのよっしん
2018/07/31(火) 10:15:59 ID: PT7JY+POs2
既に主人公になってるんだよなぁ(マキバオー
30 ななしのよっしん
2018/08/29(水) 14:34:04 ID: vftNPWn5Hu
いろいろなところに出てるけど、ミドリマキバオーモデルタマモクロスってソースはどこよ?雑誌では戦わせたいって書いてあるだけで、モデルとは書いてないし。そもそも、ヒノデマキバオーのタマクロスタマモクロスモデル)だから、作中に二匹タマモクロスデスがいることになっちゃうし…
31 ななしのよっしん
2018/08/29(水) 14:55:45 ID: sGvr1ilaTN
ディープインパクト並みに必殺技でありそうな名前だと思う。
グランドクロスブラッディクロスタマモクロス
32 ななしのよっしん
2018/08/29(水) 14:59:42 ID: 5FE5zDInJ5
絶対九尾の狐を借りた必殺技
33 ななしのよっしん
2018/10/14(日) 17:16:33 ID: 8KRCkrC2cj
マキバオーに関しては>>30の人が言っているとおりマキバオーの特集本で「戦わせたい」としてタマモクロスがあげられていて、血統的には「ウイニングチケット」なんだよ。
まあ戦わせたい理由が「遇が似ている」だったはず。ライバルの「モーリアロー」が「どんなことをしても勝ってやる」理由が「故郷の牧場が破綻して潰れた」のが一因なので、これも「タマモクロスエピソード」っぽい。まあ、タマモクロスはモーリアローのようなレースはしないけど。
34 ななしのよっしん
2018/11/11(日) 20:50:04 ID: veVi4ApXq0
 あんま詳しくないけど大百科読んだところ生い立ちはマキバオーに近いけど、レースに関してはカスケードみたいだな。
 常に圧倒的な差で1着をもぎ取っていたところにオグリマキバオー)が現れ、常に先頭に立つライバルとして競い合い、最後辱を果たしたオグリにこれからを託して引退ってところが
35 ななしのよっしん
2019/03/14(木) 03:39:34 ID: iD9V5hGh/W
まぁチケゾーも血統構成似てるってだけでただのファンの憶測がまことしやかに噂されてるだけでしかないけどね
 
インタビュー記事を見たけどカスケードはフジキセキを意識してるというのは事実だがマキバオーには特に言及いね

>>34 でも怪物性とクソローテ走らされてた経緯はオグリの方がカスケードっぽさあるんだよね
36 ななしのよっしん
2019/04/11(木) 06:44:11 ID: iD9V5hGh/W
オグリネイティヴダンサーの傍流血統であるのは有名だがタマモクロスタマモクロスネイティブダンサーであるポリネシアンをシャトーゲイ経由で持ってるんだな