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タミフル®(Tamiflu®)とは、抗ウイルス薬である。一般名はオセルタミビル(Oseltamivir)。
曖昧さ回避
- タミフル(歌い手) - ニコニコ動画で活動する女性の歌い手。現在は活動名を変更している。
- タミフル(生放送主) - ユーザー生放送の配信者。現在は既にコミュニティ解散している。
- タミフルP - アイドルマスターMADのプロデューサー。
- たみふる - 実況プレイ動画シリーズ「ポケモンセンター封鎖のお知らせ」に登場するイシツブテ。
- v系バンド(シド)のドラマーゆうやが昔コメント動画などでタミフルを飲んだ位ハイテンションだった。
概要
オセルタミビルは、A型およびB型のインフルエンザウイルス感染症の治療または予防に使用される抗ウイルス薬である。中外製薬からタミフル®の名で製造販売されているほか、オセルタミビルのジェネリック医薬品もある。
インフルエンザの治療には1回75mgを1日2回5日間、予防には1回75mgを1日1回7~10日間内服する。小児の場合は体重に応じて用量を調節する。
2005年、日本国内で服用した未成年者に幻覚症状やそれに伴う奇行が確認され、タミフルの副作用によるものではないかと問題となった。このことから、人間、特に未成年者を異常な興奮状態に誘うドラッグのようなイメージが広まってしまった。
その後の日本小児科学会などの調査では、タミフルと奇行との関連性は実は殆どないとの結果が出ている(こちらなどを参照)が、イメージ払拭には至らず現行の扱いとなる。実際、こういった神経系の症状はもともとインフルエンザ自体の症状として知られていたものである。
ニコニコ動画内では(タミフルによって奇行が誘発されるというイメージから)主に理解不能な動画にタグとして付けられることが多い。また、動画に登場する人物・キャラクターが奇行に走った際のコメントとしても用いられる。テンションが上がりすぎて周囲を引かせてしまう人物の言動を「タミフる」と表現するなど、動詞としての活用も見られる。
また、インフルエンザに関してはワクチンに関するデマもまたネット上でかなり広まっており、それがタミフルと結びついて更に悪質な意見も出てしまっている。タミフルとワクチンは医者と製薬会社の金稼ぎ目的=陰謀だ!みたいな…。そういうデマを発信する人たちは、たいていが自然派と称される人たちで、医学自体に嫌悪感を持っている人たちが多い。子宮頸がんワクチンを廃止しようと企んでる人たちとかね。
タミフルは、2009年にWHOの「必須医薬品」リストに入ったが、以前考えられていたよりも効果は限定的との報告が出たため、2017年には「補足的な薬」に格下げされている。[1]
タミフルの効果
タミフルやリレンザは3.を阻害するのが目的であるが、その効果があるのが発症から48時間以内とされている。なお、48時間以降に関しては既に宿主細胞から遊離してしまったモノがある為に有効とは言い難い。
また、タミフルは万能ではないことはすでに知られている。以下、コクランレビュー(ものすごい信頼性がある研究まとめ)より抜粋。
- タミフルにより、症状が改善するのは事実。
- ただし、インフルエンザの発症期間を0.7日短くする程度で、未成年では発症期間短縮効果はない。
- インフルエンザになってタミフルを内服しても、肺炎や脳炎合併のリスクは下がらない。
- いわゆる季節性インフルエンザになっても、健常人であればタミフルを積極的に飲む必要はない。高齢者や免疫不全の人、新型インフルエンザでは飲んだほうが有益。
- タミフルの予防的投与では4~5%の確率で嘔吐の副作用が、1%の確率で異常行動のリスクが有り推奨出来ない。
- タミフルによる小児の異常行動のリスクは完全には否定出来ない。特に10歳以上に処方するときは、親が監視することを義務付けるべき。
タミフル普及の実情
タミフルの普及は、一時期あった『新型インフルエンザに対する備え』の問題で、インフルエンザに効果があるとされるタミフルの備蓄量が少なかった為、マスコミと有識者が認可を急がせるように世論を動かした実績がある。
タミフルの処方頻度は日本がずば抜けて多く、かつて予防的投与が当たり前に行われていたため、タミフル耐性のインフルエンザというのもじわじわと広がってきている。
抗生物質や抗ウイルス薬は必要なときにガッツリと短期間で使い切るのが鉄則だが、日本の医者でそういう発想の人はまだ少ない。
タミフル関係の医療訴訟について
2005年頃よりタミフルを飲んだあとに異常行動を起こし死亡例などが報告されているが、タミフルが原因ではないかとの遺族の怒りがきっかけとなり、国や製薬会社を相手とした訴訟が多数起こされた。
最終的に、ほぼ全ての訴訟で「タミフルと異常行動の因果関係は認められない」との理由で遺族側が敗訴しており、一部遺族による最高裁への上告も棄却され、判決が確定している。10歳未満のケースでは因果関係を指摘することが現在でも殆ど出来ておらず、因果関係を完全には否定できていない10歳以上に対してもかなり厳しい評価を受けているのが現状だろう。
裁判所は、以前は「被害者」を救済する目的もあったのだろうが、医学的根拠を無視して被害者側に有利な判決を出すことが多く医療側から非常に不満が強かった。だが、今回の訴訟で医学的根拠をもとに判決を出している点からみるに、やっと裁判所が医学への理解を示し始めた、と言えるだろう。
おまけ:裁判の黒幕って…?
今回の訴訟では遺族の勝ち目はないと言われていた。というのも、医学研究の結果、因果関係を肯定するような結果が全く出なかったため。
ではなぜ、そこまでして遺族は裁判を起こし、副作用が原因と認めることなどを要求したのか?
この裁判の背景には「薬害オンブズパーソン会議」というNPO団体の存在がある。
この団体は、薬による多大なメリットを完全に無視して、非常に稀な副作用や、因果関係に乏しい物を副作用と主張することによって、薬は危険だ、飲まない方がいいという世論を形成することを目的としている。
それでこのNPO団体に何かメリットがあるのか?実は沢山ある。
この団体には薬害で名前を売ろうという弁護士や左翼系の弁護士が多数在籍(子宮頸がんワクチン訴訟の弁護士団数から100人以上いると推定)している。裁判を起こして万が一勝訴出来れば大金を得ることができるし、敗訴しても遺族から着手金をゲットした上で「医療と戦う人権派弁護士」としての知名度アップも狙うことが出来るので、どっちに転んでも得しか無い。また、この支援者になれば、反医療系の人間や団体などへの知名度アップに繋がり、反医療ビジネス(ホメオパシーなどの代替医療)で金儲けしやすい状況を作ることが出来る。
わかりやすく言うと、遺族・(自称)被害者から金をむしり取って、自らの知名度アップと金稼ぎを狙っているだけの団体なのだ。
ちゃんとした医療系弁護士なら「因果関係がない以上、裁判をしても勝ち目はない」と諭すのだが、彼らからすれば良いカモでしかなく、遺族は完全に彼らの手の上で踊らされてしまったわけである。
この団体が絡んでいる他の裁判としては、イレッサ訴訟や子宮頸がんワクチン訴訟があるのだが、前者は既に原告敗訴が確定している。後者は世界保健機関に詳細を記したので、そちらを確認して頂きたい。いずれもイチャモンとしか言いようが無い訴訟内容であることには間違いない。
関連動画
ニコニコ動画などネットカルチャーにおける「タミフル」のイメージは、しばしばキーボードクラッシャーとその派生動画に代表される。以下はその一例。
検索で出てきた一番古い動画。 実際はタミフルとはまったく関係ない。
関連項目
タミフルの関連タグ・リンク
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アマンタジン
- エンシトレルビル
- カシリビマブ・イムデビマブ
- ソトロビマブ
- チキサゲビマブ・シルガビマブ
- ニルマトレルビル
- バロキサビルマルボキシル
- モルヌピラビル
- ラニナミビル
- リレンザ
- レムデシビル
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