概要
「学び」という意味があり、6部63編、250万語以上に及ぶユダヤ教の生活規範が書かれた本である。ヘブライ語原本の総重量は75kgにおよぶ。
タルムードは2世紀~5世紀にわたり数百年かかって編纂された。2つの版があり、4世紀末に成立したエルサレム・タルムードと5世紀末に成立したバビロニア・タルムードがある。単にタルムードと言う場合、一般的にはバビロニア・タルムードを指す。
ユダヤ教では長い間、トーラー(旧約聖書24書のうち最初の5書で、モーゼ五書とも呼ばれる)をどのようにして現実社会に適用していくかということが重要な問題であった。
代々、トーラーの解釈をめぐって数万人のラビ(ユダヤ教における宗教的指導者)が討論したものが口頭で伝えられてきた。それらを書物として編纂した集大成がタルムードである。
構成
タルムードの構成は、2つの本が1つにまとまったような作りになっている。
役割
タルムードは、現代までのユダヤ人の生活、学習、考え方の根幹ともなっており、ユダヤ文化を知る上での重要な文献となっている。現在でも家庭での教育として親が子にタルムードの内容を教え、内容を議論することがユダヤ人の生活の一部となっている。
このように、幼児期から熱心に本を読み、それについて議論をするという習慣が根付いていることが、ユダヤ人が様々な分野で大きな業績を残し、現在も影響力を持っている一因であると考えられている。
一方で、その内容にはユダヤ教の選民思想からくる民族主義的、排他的な内容も含まれており、古代よりユダヤ人が差別、迫害を受け続けてきた一因になったとも指摘されている。
ちなみに、バビロニアタルムードの英語翻訳版が2011年に出版されており、米国アマゾンで購入できる。価格は約10万円。 また、インターネット上でも読むことができる(英語)。こちらはもちろん無料である。
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