おれのぶきをしってるかい?
きょうもじけんだ! ダイナマイト刑事!
(逮捕してやる!)
ダイナマイト刑事(だいなまいとでか)は、1996年にセガがアーケードゲームとして発売した3Dアクションゲームのシリーズ。現在まで3作品出ている。ダイナマイトバカゲーである。
ダイナマイト概要
内容は『ファイナルファイト』などに代表されるベルトスクロールアクションの系譜をたどる作品で、ベルトスクロールアクションの3D化の黎明ともなった作品である。各シーンごとに敵を全滅させると次の場面に移行し、それを繰り返してボスを倒すのが目的。各シーンの間にビジュアルシーンという所謂QTE(素早くレバーかボタンを入力する)が入ることがあり、これに成功すると有利にゲームを進められる。
このシリーズの特徴となっているものとして、拾うことのできる武器がやたらと豊富な点がある。歌にあったモップだの柱時計などはむしろまだまともなほうだったりする。下手すると武器として使わない方がいいかもしれないものまである。もちろん刑事らしく銃器は扱えるし、武器が無ければパンチキックに投げ技で戦える。さらに3作目のEXではトランクアイテムを取ることによってコスプレができるようになり、その際各キャラの性能も劇的に変化…というかほぼ別キャラになってしまう。誰がここまでやれと言った。
どの作品でもおおよそのストーリーは一緒で、人質となった囚われの大統領の娘を助けに行くのが目的だが、このヒロインが本当にどうしようもない代物で、おそらくセガゲーにおける助けたくないヒロイン総選挙を行ったら堂々の第1位に輝くレベルのクソヒロインであり、悪い意味でのこのゲームの名物である。そんな奴が3作目になってまさかのプレイヤーキャラ昇格、さらにその娘が今度のヒロインという超展開には、さすがのセガ畜どももセガの正気を疑ったものである。
元々、ブルース・ウィリス主演で有名な映画『ダイ・ハード』のゲーム化企画だったのだが、版権取得でもたついたため別ゲーとして作られたという誕生秘話がある。海外版を製作する際には版権がとれたので、当初の目論見通りに『ダイ・ハード』のゲームとしてリリースしている(主人公もジョン・マクレーンになっている)。別ゲーにできたことによって、その続編などで原作とはかけ離れたぶっ飛び展開をできるようになったのは、ある意味ラッキーだったのかもしれない。
ダイナマイト作品紹介
ダイナマイト刑事
高層ビル「エターナルタワー」において、ウルフ本郷率いる凶悪テロリスト集団によってビルごと占拠される事件が発生。さらに大統領の娘キャロラインが人質にされてしまったという。人質救出とテロリスト鎮圧の使命を受けて、サンフランシスコ市警察のブルーノ・デリンジャー警部補とSWATのシンディ・ホリデイ警部はビルへと潜入を開始する。
記念すべき1作目。1996年にアーケードで発表された。海外版名称は「Die hard arcade」。当時の刑事は初代バーチャファイターと同じく結構カクカクしていた。
この頃からパンチ・キック・ジャンプボタンの3ボタンでのアクション・コンボが完成されている。この作品では従来のベルトスクロールアクションと同様に横方向にしか攻撃が出せなかったものの、その分技のバリエーションが豊富で、投げ技にはジャイアントスイングやら孤延落やらとデュラルもびっくりのバリエーションを見せる。
ダイナマイト刑事2 カリブの海賊編
豪華客船「バミューダ」において、ウルフ本郷率いる凶悪海賊に占拠される事件が発生。そしてまた大統領の娘キャロラインが以下略。事件解決のために、海軍特殊部隊SEALsの隊員であるジーン・アイビー軍曹とエディー・ブラウン伍長、そして大統領に指名を受けたブルーノ・デリンジャー警部が船へと潜入を開始する。
1998年にアーケードで発表された2作目。海外版名称は「Dynamite Cop」。基板が新しくなって、刑事もバーチャ2並みの美麗グラフィックに生まれ変わった。攻撃のバリエーションは減ったものの、8方向全方位に攻撃を繰り出せるようになり、より戦い方の幅が広がった。
この作品ではパワーアップシステムがあり、一部の敵が「P」と書かれたアイテムを落としていくので、それを集めていくと一定時間パワーアップするハイパーモードになれる。このパワーアップが強すぎたせいか、前作よりも結構簡単になってしまったと前作ファンには嘆かれたらしいが、逆に言えば初心者向けでもあるということであろう。
こちらも全5ステージ。ゲーム開始時に3つの突入ルートの中からひとつを選択し、それによってステージ構成が変化する。
ドリームキャスト版では特定の場所(ビジュアルメモリが反応する)でパンチボタンを押すとイラストのピースが出現するギミックがある。このイラストはギャラリーに収録されるので、是非ともコンプリートを目指そう(本作の体験版DISCが必要)。
ダイナマイト刑事EX アジアンダイナマイト
前作から9年後、アジア某国の首都にそびえるアミューズメントタワーをウルフ本郷率いるテロ集団「アジアノアケボノ」が(以下略)
2006年、「もう刑事の続編は出ないんだろうなぁ」とか思われていた矢先、ダイナマイト刑事にまさかの続編現る!
とは言ったものの、実はこのEXは刑事2のマイナーチェンジであり、舞台とグラフィックこそ変わっているものの、敵の配置などは2の頃に非常によく似ている。海外版名称は「Asian Dynamite」。前作を知っている人なら「あー、あそこか」と分かるシーンが多いことだろう。新作というより「バーチャファイター2.1」とか「メタルスラッグX」とか「ストリートファイターII'」とかそんな感じである。せっかくのNAOMI基板で、8年もかけてでそりゃねえだろと言いたいが、続編が出ただけマシだとも言える。
前作で猛威を振るったハイパーモードは廃止され、代わりにトランクを取ることで変身するコスプレシステムが導入された。3人いる主人公それぞれに3種類のコスプレが用意されており、衣装によって性能がガラリと変わる…のだが、コスプレの種類によっては武器の得意不得意があるため、よく考えてコスプレしないと攻略が困難となる。
なお、ゲーム中には特定の場所でパンチボタンを押すとイラストのピースが出現するギミックがある。このイラストはエンディング用のイラストのパズルピースになっており、全部集めていないとエンディングの絵が歯抜けになる。なんだそれ。
ダイナマイト登場人物
ブルーノ・デリンジャー
1作目から皆勤賞。初登場の時点で42歳、まさしくアメリカンの求める主人公である。別名「ミスター・ダイナマイト」、つまりタイトルの「ダイナマイト刑事」はずばりこの人のこと。犯人逮捕の報奨金よりも器物破損による損害賠償額が遥かに上回ることに由来する。嫁と娘がいるが、元ネタよろしく仲良くやれていない模様。1作目ではシンディに比べてパワー型に、2作目以降は武器のエキスパートという立ち位置になっている。ハイパーモードを発動すると、ハンドガンや棒術で7連コンボを叩きだす。EXでのコスプレはレスラー・酔拳・傭兵の3種類で、マシンガン装備の傭兵スタイルが強い(弾が切れるまでは)。
シンディ・ホリデイ
1作目のみ登場。23歳にしてSWAT隊長というハイスペックすぎる婦警。性格はきつめ。ブルーノに比べてスピード型。こんなお姉さんに逮捕されたい。ブルーノから「ミス・ダイナマイト」の称号を与えられたショックで寝込み、2作目には出演できなかったという逸話がある。
ウルフ本郷(仮名)
1作目から皆勤賞。毎度ラスボスを務めるミスターまたお前か。ずっと本名不明素性不明のまま何度も凶悪テロ組織を率いて色々やらかしてきた爺さんで、日系人だからか日本刀での剣術に長けている。2作目以降メカっぽくなってパワーアップを果たし、得体の知れないビームを撃って来るようになった。EXに至ってはもはやなにがなんだか。
キャロライン・ヨーコ・パウエル
1作目から皆勤賞。正直かわいくない大統領の娘。1作目では敵の無線で応援を呼び、2作目では自らトランクに隠れて出られなくなり、そのまま敵にお持ち帰りされるという、終いには2Pプレイで本郷を倒すと、「勝った方をボディーガードにしてあげる」とかぬかして同士討ち(2P対戦)をさせるという助ける気を削ぐファインプレーに暇がないヒロイン。これがEXになってまさかのプレイヤーキャラに大抜擢されるから世の中分からないものである。コスプレはキョンシー・チャイナドレス・巫女の3種類。通常状態は攻撃リーチが短く厳しいが、チャイナドレスコスプレの性能が高い(ダブルハンドガン常備で銃弾の補充もできる)点が強み。
ジーン・アイビー
2作目に登場する女性軍人で、コマンドサンボの使い手。投げ技に特化しており、掴めば関節技をゴキゴキできる。ハイパーモードでは関節技12連発などを繰り出すようになるが、正直オーバーキルもいいところである。単体の雑魚には猛威を振るうが、二刀の強雑魚やボス格の敵には掴み技を決めるのがほぼ不可能(気絶等させて掴むと汎用の掴み技に化けてしまう)。その上、打撃技はお世辞にも性能がいいとは言えないので上級者向け。なお、「2」ではどのプレイヤーキャラもダメージを受け続けると服が破けていくので一部紳士向けでもある。
エディー・ブラウン
2作目に登場した黒人男性軍人で、ムエタイの使い手。公式でバイセクシャルと設定されている歪みねぇ男。通常技、特にキックのリーチが長く、全員共通の基本3連キックコンボ(KKK)が最も高性能。ハイパーモードでもキック技が強化され、Kボタンを連打してるだけでガンガン敵をなぎ倒せる。
ジェニファー・ジェニュイン
上記で紹介しそびれたが、EXに登場したCIAの女性エージェント。世界のあちこちに飛びまわっていたおかげで数カ国語をまぜこぜで喋り、またコスプレも国際色豊か。全員共通の基本3連キックコンボ(KKK)の性能が良く、このためコスプレしない方が強いというゲームのセールスポイントを無碍にする女。コスプレは切り裂きジャック・ピエロ・占い師の3種類で、どれも癖が強烈。
シェリー
キャロラインの娘で、EXにおけるヒロイン。助けたくないヒロイン2代目襲名確実のやっぱりダメな子だが、キャロラインよりはかわいいのがせめてもの救い。
ダイナマイト武器
このゲームの醍醐味は無駄に豊富な武器の種類にある。フランスパンや冷凍マグロを武器にするなどすでに20世紀中に刑事が通った道なのである。なお、ぶっちゃけいらない・使えない武器もそこそこあるのだが、刑事たるものそれらの取捨選択を見極めるのも大事なのだろう。
銃火器
- ハンドガン - 刑事とチンピラのグローバルスタンダード標準装備。マガジンがあれば残弾を補給できる。残弾の許す限り発砲できるのはもちろん、銃を持った状態で敵を掴むと逮捕(いわば即死)ができる。シーンをまたいで持ちこしができる武器。
- マシンガン - ヤクザもマフィアも大好きなサブマシンガン。ハンドガンよりも連射力・攻撃力に優れ、またマガジンがあれば補給も可能。逮捕こそできないが、こちらもシーンをまたいで持ちこしができる点で非常に使いやすい。
- ロケットランチャー - 撃つと大爆発して広範囲の敵を巻き込める。思ったより威力はなく、そこいらのゴロツキすら一撃では倒せないので、ラクーンシティは別の刑事にでも任せたほうがいいだろう。
- 対戦車ライフル - このへんから人に向けた時点で犯罪になりそうなレベル。撃つと人間がすごい勢いで吹っ飛んでいく。非常に重いので動きが遅くなり、撃とうと構えてる最中に攻撃を喰らうこともしばしば。
- 対艦ミサイル - 撃つまでに苦労するが、全画面に強烈な攻撃判定が出る最終兵器。こんな兵器まで出して、それでも死なない相手は何者なんだよ。
- レーザーガン - 撃たれた相手はダメージとともにビリビリ痺れる。最初敵が持っているので、速攻で殴って落とさないとこっちがビリビリされてしまうことも。
刀剣・鈍器
- 斧 - 毎回登場する一番ポピュラーかつ物騒な武器。一定回数で壊れる。この手の武器は所持中にPPPとKKKでそれぞれモーションの異なるコンボを出す。Pのほうは素早いがダウンせず、Kのほうは振りがでかいがダウンを誘発する。シーンをまたいで持ちこしができる武器。たまに出る赤い斧は持ち越し不可能だが、通常の斧と違って回数で壊れることがない。
- デッキブラシ・モップ - CMソングにもあったアレである。この手の長い棒はPPPのコンボで全方位に攻撃できるので便利。
- ラバーカップ - トイレの詰まりを直すアレ。こんなものの先端をぶつけてくるあたり、刑事の衛生観念を疑わざるを得ない。
- 黒電話 - 電話の受話器を振り回す。これも全方位攻撃で意外と使える。EXだと「懐かしい電話」という名前で古いタイプの電話機が出るが、扱い方は変わらず。
- フランスパン - モップと同じく棒術武器。よっぽど硬いのか食べることはできない。
- シシカバブ - 斧と同系統の武器。やっぱりこれもなぜか食えない。
食べ物
- 寿司 - 回転ずしで流れてくる、寿司下駄に載った寿司。所持中にPボタンで寿司を投げつけ、Kボタンを押すと寿司を食べて体力が回復する。食べ終えた後に投げる寿司下駄にも攻撃判定がある。できればモリモリ食って体力を温存しておきたい。
- リンゴ - 寿司と同じくPで投げつけ、Kで食べられる。ちなみにこの手の武器を食べると、どの武器でもみんなリンゴを齧ってるようなコリコリとした音がする。どんな寿司を食ってるんだ…
- ケーキ - こちらもPで投げつけ、Kで食べられる。食べ物は投げたところでダメージは微々たるものなので、皿以外はおいしくいただいてしまうほうがいいだろう。
- 肉まん - 同じくPで投げつけ、Kで食べる。これらの食べ物はジャンプ中にKで空中でも食べられるが、お行儀が悪いのでリアルでは真似しないように。
- 大入り箱 - パチンコ玉の入った箱。これも寿司同様にPで投げつけ、Kで食べる…食べられるのだが、もちろんこんなもん食えたものではないので体力が減ってしまう。悪食はほどほどに。
- 冷凍マグロ - 吊るされた冷凍のマグロ全身で、武器として敵を殴れる。投げるとその身が砕け、この欠片を取ると体力が回復する。砕けたとはいえ凍ったまんまのマグロを齧れる刑事の顎には驚嘆を禁じ得ない。
爆発物
- 手榴弾 - アジア某国でなくても普通に爆発する一般的な手榴弾。投げるとすぐ爆発する。これと同様のものを投げてくる敵ボスも存在する。
- ドラム缶 - ガソリンでも入っているのであろうか、投げると爆発する。押すことはできない。
- 冷蔵庫 - 投げると爆発する。家電を投げると爆発するらしい。
- テレビ - 投げると爆発する。家電を投げると(ry
- 自販機 - 投げると(ry
- ブラストシティ筺体 - セガの販売している、あのブラストシティ筺体である。投げると爆発する。俺たちはそんな物騒なものに台パンをかましていたのかと戦慄を覚える。
その他
- コショウ - CMにも出てた定番のアレ。敵をひるませるが、あまり殺傷力はない。が、「2」ではコショウをぶっかけられて怯んでいる敵にKコンボを使うと、非パワーアップ状態でもハイパーモード並みのコンボを出せる効果あり。
- 殺虫剤 - コショウと同じような性能だが、ライター(敵が落とす)を持っていると火炎放射機に早変わり!環境に優しいフロン不使用のものと窺える。
- 倒れた敵 - ダウンして地べたに転がった敵の足を掴んで、そのまま武器として叩きつけたり、投げつけたりすることも可能。この手のゲームでよくある攻撃手段だが、よくよく考えるとかなりエグイことをしている。
- 気絶した敵 - こちらは頭上に敵を抱え上げ、人間魚雷よろしく投げ飛ばしたり、パイルドライバー等を決めることができる。また、テーブルの上など段差上で敵を掴むと自動的にこれになる。
ダイナマイト関連商品
例のCMはサターン版ダイナマイト刑事のもの。1作目はPS2にも移植されている。それはそうとセガさん、ダイナマイト刑事EXの家庭用移植もしくは新作、いつまでも待ってます。
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