ダイハツ・タフトとは、ダイハツが1974年から1984年まで生産していたライトクロカン(クロスカントリー)タイプSUVである。そして、2020年に軽クロスオーバータイプSUVとして復活している。本来は全く別物の車であるが、同じ名前である便宜上、本記事では後継車として扱う。
概要
初代
1974年発売。まだ当時はクロカンという略語すら無く、ヘビーデューティーユース向けのクロスカントリー4WD車といえば三菱・ジープ、トヨタ・ランドクルーザー、日産・パトロールといった車種のみであった。そして、軽自動車にスズキ・ジムニーが存在していた。
そんな間の小型車クラスを埋める存在として、このダイハツ・タフトは開発された。ボディはラダーフレームに乗っており、サスペンションは前輪後輪ともにリーフスプリングによるリジッドアクスルという、現在で言うヘビーデューティークロカンSUVの見本的な構成となっていた。
エンジンは1000cc4気筒OHVガソリンエンジンのみであり、トランスミッションは4速マニュアルに2段副変速機付きのトランスファーで4輪駆動とした、いわゆるパートタイム式4WDである。現代からすれば随分と古めかしいメカニズムだが、当時としてはこれが当然であった。
ボディサイズは2021年現在の軽自動車よりもむしろちょっと小さいくらい。車両登録上は商用車扱いとなっている。タイプとしては2ドアのみのオープンボディであり、幌により雨を凌ぐ機構になっていた。ドアすらもフレームと幌のみというワイルドな仕様もあった。まだボディの安全基準が緩かったこの時代なればこそである。鉄板屋根のバンタイプも用意されていた。
1976年には初の一部改良を実施。エンジンに1600ccのトヨタ製を採用した「タフト・グラン」が加わった。1978年には2500ccディーゼルエンジンが加わり、同時に非力だった1000ccガソリンエンジンは廃止となった。
1981年にはボディをFRP製屋根をつけたレジントップに、そしてエンジンをディーゼルに一本化した。1982年にはディーゼルエンジンが2800ccに拡大されている。
1984年をもって生産を終了。ライトクロカンの後継車であるダイハツ・ラガーに道を譲ることになった。
余談だが、ラガーはアジアでは「タフト」の名前で売られ続けることになった。そして、ヨーロッパでは「ロッキー」の名で売られる。1990年からは国内でもロッキーが別車種として販売され、ヨーロッパではこのロッキーが「フェローザ」の名で売られた。
2代目
2020年6月10日発売。
東京モーターショーに参考出品したコンセプトカー「WakuWaku(ワクワク)」をベースに市販化。
先代「タフト」とは名前以外は繋がりがなく、軽自動車サイズのクロスオーバーSUVとして生まれ変わった。直線的でスクエアなボディはかつてのダイハツ・ネイキッドを思わせる。トヨタのTNGAを基にしたDNGAテクノロジーによって設計されたGAIAプラットフォームを採用。軽量かつ頑丈なボディを実現している。特筆すべきは全グレードに「スカイフィールトップ」という名の大型ガラスサンルーフが標準装備されていること。前部座席はほとんどオープン感覚となり、かつてのタフトがオープンボディであった頃の開放感を蘇らせている。
15インチの大径タイヤを履くことによって最低地上高を確保。悪路走破を可能にした。4WDシステムは空転を検知して個別にブレーキをかけることで止めた上で、対になるタイヤに駆動力を与えるというスタンバイ方式。2WD車にも前輪限定とはいえこの機能を備えさせている。
エンジンは660cc3気筒ターボ及びNAであり、ターボのみ新型トランスミッションのD-CVTが組み合わせられる。D-CVTの詳細はCVTの記事へ。NAは副変速機付きの従来型CVTである。
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関連項目
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