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ダブルハートボンド
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ダブルハートボンド(W Heart Bond)とは、2021年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。

史上2頭目の中央ダートGⅠを制した牝馬。

主な勝ち鞍
2025年:チャンピオンズカップ(GⅠ)、みやこステークス(GⅢ)

💕概要

まず、彼女の顔を見て頂きたい。

おわかりいただけただろうか。彼女のトレードマークである、額に浮かぶ縦に♡が二つ並んだような流星。何を隠そう馬名の「ダブルハート」とはまさしくこれが由来である。JRAのデータベースにも馬名の意味は「二つの+愛情をつなぐ。父名、本馬の馬体より連想」と登録されている。

父キズナ、母*パーシステントリー、母父Smoke Glackenという血統。
父は20年代トップサイアーとして活躍する2013年ダービー馬。産駒は芝ダートを問わず活躍しているが、ダートでは暴走二冠馬ナチュラルライズのほか、捲り逃げのテリオスベル、出落ちと謎適性のバスラットレオン、押しても中々進まないサンライズジパングなどなんか妙にクセの強い産駒が多い。ダブルハートボンドは種付け料が350万円から600万円に上がった5年目の産駒。
母はアメリカの馬で、GⅠパーソナルエンスンHでRachel Alexandraに勝利している。繁殖牝馬としてノーザンファームに輸入され、ダブルハートボンドは第7仔。
母父スモークグラッケンは1996年のアメリカの2歳GⅠホープフルSの勝ち馬で、1997年はGⅠ勝ちこそないもののダートのスプリントマイル路線で活躍しエクリプス賞チャンピオンスプリンターに輝いている。種牡馬としては*パーシステントリーのほかGⅠ2勝の牝馬On Fire Babyなどを輩出した。日本での母父としての産駒にはダート重賞3勝を挙げた牝馬ワイルドフラッパーがいる。
3代母Heavenly PrizeはアメリカでGⅠ8勝を挙げたが、ブリーダーズカップはジュベナイルフィリーズ3着、ディスタフ2年連続2着で一度も勝てなかった。

2021年2月3日、ノーザンファームで誕生。オーナーはおなじみシルクレーシング。1口8万円×500口(=4000万円)で募集された。

戦績: "りゅうせい"と愛を繋いで

3歳(2024年)

ディープボンドやチュウワウィザードで知られる栗東・大久保龍志厩舎に入厩したダブルハートボンドだったが、入厩直後に左前脚球節外傷、3歳になってすぐに深管骨瘤とアクシデントが重なり、デビューは大きく遅れた。3歳の6月になってようやく芝でデビュー予定が立ったが、ちょっと調教を強めるとすぐ脚が痛くなってしまい結局回避。

出資者も「これもうデビューできないんじゃ……?」と諦めムードになりかかっていた中、ようやくデビューできたのは未勝利戦の終わりも近付いてきた8月18日。脚の状態を慮って中京ダート1800mの未勝利戦だった。鞍上には坂井瑠星を迎え、単勝7.4倍の4番人気に支持されるも、ゆるゆる調教のままダートデビューは無理矢理では……?と馬券師よりも出資者の方が疑っていた。ところがレースは馬なりのまま2番手につけ、4角で持ったまま先頭に立つとあとは思うまま後ろをぶっちぎって6馬身差で圧勝。勝ち時計1:53.2も同日同条件の2勝クラスでも通用する好時計で、以降も坂井瑠星が主戦となる。そしてレース前はほぼ悲観ムードだったnetkeiba.comの掲示板民は一瞬で手のひらを返していた。

続いて向かった9月8日の同条件の牝馬限定1勝クラスでは、前走の勝ちっぷりから単勝1.1倍の圧倒的1番人気に支持されると、スタートから余裕の手応えでハナを切り、直線に入るとあとは独走。2着ヒヒーンを1秒9ぶっちぎって大差圧勝を飾る。勝ち時計は前走から2秒詰めた1:51.2、2週前に同じ良馬場開催だった名鉄杯より早いという猛時計で怪物の気配を漂わせた。

ところがこのあと懸案の左前脚に軽度の骨折が発覚。休養に入り3歳シーズンは2戦で終了となった。

4歳(2025年)

明けて4歳、幸い骨折は順調に回復し、年明け早々の1月11日、同じ中京ダート1800mの牝馬限定戦・恵那特別(2勝クラス)で復帰。大外枠ながら単勝1.3倍の圧倒的支持を受けた。レースでは持ったままで3番手につけ余裕の手応えで直線を向くと、ミヤジレガリアとの追い比べになったが、あっさりと競り落として3馬身差で完勝。

続いては京都ダート1800m、貴重なダートの牝馬限定3勝クラスである舞鶴ステークス。ここでも1.6倍の断然人気に支持され、坂井瑠星が少しだけ促して2番手につけると、直線悠々と抜け出して後続を全く寄せ付けず3馬身半差で圧勝。デビューから無傷の4連勝であっさりオープン入りを決めた。

4ヶ月半休み、オープン初戦は6月の阪神ダート1800m・三宮ステークス(OP)。デビュー戦以来となる牡馬相手だがここでも1.8倍の断然人気。大外枠から好スタートを決めて軽く促しつつ2番手につけると、雨で重馬場とはいえ1000m59秒4という速い流れを余裕の手応えで追走し、直線抜け出すと最後方から追い込んできたヴァンヤールの猛追をクビ差振り切って勝利。無傷の5連勝を飾る。

この勝利でいよいよ初重賞となる門別のブリーダーズゴールドカップ(JpnⅢ)に参戦。前走エンプレス杯で初黒星を喫したオーサムリザルトが1.4倍の断然人気に支持される中、ダブルハートボンドは初の長距離遠征、初のナイター、初の2000mながら3.2倍の2番人気に支持される。
最内枠から好スタートを決めると坂井瑠星は他馬の様子を伺うが、積極的に逃げようとする馬はおらず、そのままハナを切って逃げる態勢へ。そこに武豊オーサムリザルトがぴったりとマークしてきて2頭でバチバチのマッチレースとなり、4角では後続を大きく突き放して完全な一騎打ちの様相となる。直線に入りオーサムリザルトを振り切って押し切りを図ったダブルハートボンドだったが、そこに外から猛然と襲いかかってきたのが4番人気ライオットガール! 伏兵の末脚に屈して1馬身半差で2着。初黒星を喫する。

そのままJBCレディスクラシックへの直行を目指したのだが、賞金が足りず無念の除外。仕方ないのでその翌週のみやこステークス(GⅢ)へスライド出走することになった。1番人気は帝王賞2着のアウトレンジで、ダブルハートボンドは牝馬ながら6.0倍の2番人気に支持される。
雨で不良馬場となったレースは好スタートから坂井瑠星が促して前を伺うが、内でレヴォントゥレットが張り合ってきて2頭でレースを引っぱる形に。後ろもドゥラエレーデやシゲルショウグンが後に続き、そのまま1000m59秒3と緩みのないハイペースの流れとなる。4角でレヴォントゥレットが力尽きて先頭に立ったダブルハートボンドはそのまま堂々と先頭に抜け出すと、唯一追い込んできたサイモンザナドゥの猛追をクビ差振り切って勝利。待望の重賞初制覇を飾った。
ダートで牝馬が牡馬に勝つことは芝より数段難しく、この路線の競走寿命が長い分メンバーが凝縮されてレベルが高くなる中央重賞ということもあり、レース創設以来15回目で牝馬の勝利は初。そもそもダート1800m以上の中央重賞で牝馬の勝利は過去に7頭しかおらず[1]、本馬が8頭目。それだけでも充分快挙だが、勝ち時計1:47.5は堂々のレコードタイム。それもレースレコードやコースレコードを飛び越してダート1800mの日本レコードである。不良で足抜きの良い高速馬場とはいえ、牡馬牝馬の実力差が大きいダートで牝馬が日本レコードを出すのは、極めて稀とは言わないまでもなかなか珍しい[2]。しかも先行馬には過酷なペースを自分で作ってそのまま押し切ったのだから、高速馬場を差し引いても強い内容であることに疑いはないだろう。

この勝利で、勇躍チャンピオンズカップ(GⅠ)へと乗りこんだ。海外と地方を飛び回る世界王者フォーエバーヤングは不在のため古馬に絶対的存在がおらず、JDCを完勝した3歳馬ナルカミが抜けた1番人気に支持される中、過去勝ち馬は1頭(2015年サンビスタ)しかいない牝馬ながら、前走の強い内容と、逃げ馬の彼女にはありがたい1枠2番をゲットしたこともあり、7.3倍でウィルソンテソーロと同オッズの3番人気に支持される。隣の1枠1番に同じ逃げ馬のウィリアムバローズがおり、さらに6枠12番の1番人気ナルカミも逃げ馬ということで、序盤の先行争いが展開の鍵を握ることになった。
迎えたレースは、スタートを決めて隣のウィリアムバローズとともにハナを主張するが、そこにダート転向2戦目で砂を被りたくないシックスペンスが絡んできて、結局ウィリアムバローズとシックスペンスに前を譲って3番手でのレースに。レース前からイレ込んでいたナルカミは4番手となった。この先行争いもあってか中盤が全く緩まず、前走同様先行勢には過酷なペースとなる。しかしその流れの中で抜群の手応えで持ったまま直線を向いたダブルハートボンドは、直線半ばで仕掛けられると猛然とスパート。伸びないナルカミや粘りを欠いたシックスペンス、後方から追ってきたラストランのメイショウハリオらを突き放して押し切りを図る。そこへ内から猛然と迫ってきたのが2年連続2着のウィルソンテソーロ!最後は完全な2頭の一騎打ちとなり、両者一歩も譲らないまま、馬体を併せてゴールへ飛び込んだ。
首の上げ下げの写真判定になり、坂井もウィルソンテソーロの鞍上川田もどちらが勝ったか確信を持てない状態だったが、坂井は「一応行っときますか……」と思いながらガッツポーズ。結果はハナ差でダブルハートボンドに軍配。サンビスタ以来10年ぶり、史上2頭目の牝馬による中央ダートGⅠ制覇となった。坂井瑠星はレモンポップでの連覇に続き、騎手として同競走初の3連覇を達成。大久保龍志調教師は2020年の同競走をチュウワウィザードで制して以来5年ぶりのJRA・GⅠ勝利となった。

年内はこれで終了。この年唯一の牡馬相手に中央GⅠを勝った牝馬となったが、JRA賞の最優秀ダートホースはさすがにフォーエバーヤングに勝てないのは仕方ないとして(それでも9票獲得)、最優秀4歳以上牝馬も64票を集めたものの、エリザベス女王杯を勝ったレガレイラ(176票)に大きく水をあけられて受賞はならなかった。

5歳(2026年)

明けて5歳初戦はサウジカップにも登録していたが、体質やもともとの歩様の固さなどから検査の厳しい海外路線には陣営は消極的で[3]、フォーエバーヤングがいると坂井瑠星が乗れないという問題もあり、国内路線を選択。坂井瑠星とともに中央ダート統一を目指しフェブラリーステークス(GⅠ)へ向かった。
相手は前走破ったウィルソンテソーロ、前年覇者コスタノヴァなどが集結。近走の成績は図抜けており牡馬を押しのけて単勝1番人気に推されたが、マイル戦も初なら東京競馬場も初で芝スタートも初と不確定要素もあり、単勝3.0倍と人気は割れた。
ゲートはすんなり決まったが、いつもよりやや後ろの先行集団につける形。そのまま外目を回り、直線5番手から押し上げを図る。しかしもう一歩伸びがなく、力尽きた先行集団に並んだところで背後からやってきたウィルソンテソーロにかわされてしまう。その瞬間大外を突っ切ってきたコスタノヴァにまとめて差し切られ、初めて連を外す3着に敗れた。坂井は初経験の芝スタートと勝負所の反応を敗因に挙げつつ、「強い勝ち馬に食らいついて改めて力があると感じた」とコメントした。

レース後はGⅠ連戦による疲労蓄積もあって春シーズンをこの一戦で切り上げ休養。秋はチャンピオンズカップ連覇を目指し、10月のレディスプレリュード(JpnⅡ)から始動予定となっている。

チャンピオンズカップで並み居る牡馬を蹴散らし、一気にダート史に残る名牝の座へ駆け上がったダブルハートボンド。社台系クラブ馬なので残り現役期間は6歳春までと決して長くはないが、ここからさらにどんな勲章を積み上げていくのか。ホクトベガから30年、彼女が令和のダート最強牝馬となるのか、残る1年を楽しみにしたい。

余談

血統表

キズナ
2010 青鹿毛
ディープインパクト
2002 鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
*キャットクイル
1990 鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Pacific Princess Damascus
Fiji
*パーシステントリー
2006 栗毛
FNo.20-b
Smoke Glacken
1994 芦毛
Two Punch Mr. Prospector
Heavenly Cause
Majesty's Crown Magesterial
Queen's Crown
Just Reward
1999 栗毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Heavenly Prize Seeking the Gold
Oh What a Dance

クロス: Northern Dancer 5×5×5(9.38%)、Mr. Prospector 4×5(9.38%)

母母Just Rewardのいとこにスシトレインがいる。

関連動画

関連静画

関連リンク

関連項目

脚注

  1. *マークリシルバー(1980年札幌記念)、チェリーコウマン(1992年ウインターS)、ゴールドティアラ(1999年ユニコーンS)、ファストフレンド(2000年東海S)、ヤマトマリオン(2008年東海S)、サンビスタ(2015年チャンピオンズカップ)、ライオットガール(2023年レパードS)の7頭。
  2. *このレース当日の時点でダートのJRAレコードを保持している牝馬は他に1000mの*フリードのみ(サウスヴィグラスの日本レコードともタイ)。重賞のある距離でもプロキオンS(ダート1400m)のゴールドティアラ(2000年)やケイアイガーベラ(2010年)、ながつきS(ダート1200m)のヒデノヴィーナス(2020年)の例などがあるにはある。
  3. *2024年にオーサムリザルトがアメリカのBCディスタフに挑戦したが歩様検査に引っかかり出走取消になった件の影響もあるようだ。
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180 ななしのよっしん
2026/02/23(月) 22:01:55 ID: 9LxrlKxuI3
牡馬でもチャンピオンズCとフェブラリーSは適性が違うと言い訳しても許されるレベルで、別のレースだからな
しかし最後ウィルソンテソーロに交わされてからまた凄まじく伸びたあたり、根性がすげえよ
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181 ななしのよっしん
2026/08/07(金) 11:59:01 ID: 6wHrmX7UNK
フェブラリーじゃなくてサウジ出てたら勝ててたのにな
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182 ななしのよっしん
2026/08/29(土) 08:39:59 ID: L19BFC35Y+
レディスプレデュードで復帰予定
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