ダブルバインドとは、矛盾の一種である。「二重拘束」とも言う。
概要
あなたはこんな経験はないだろうか?
①「黙ってないでなんとか言ったらどうだ!」と言われたので
口を開いたら「言い訳など聞きたくない!」と余計に叱られた。②失敗をして叱られた際に「なんで失敗したのか分かってる?」と聞かれ、
「○○だからです」と理由を説明したら「それが分かっててなんで失敗するんだ」と余計に叱られる。③仕事の内容で上司・先輩に相談したら、「それぐらい自分で考えろ」と言われたので
自分で考えて仕事を行ったら後から「なんで勝手に実行したんだ」と叱られる。
こういう矛盾めいたコミュニケーション手法を「ダブルバインド」と呼ぶ。
厳密に説明すると、とある言及(仮にAとする)に対してAの言及に反するメタ言及(仮にBとする)の2つのメッセージを同時に受け取らせる手法の事を言う。
上記の例①の場合、「何とか言え」というメッセージ(A)を受け取り、黙っていたらそのまま叱られてしまうのでメッセージ(A)を実行しようと発言したところ、「言い訳するな」と先ほどのメッセージ(A)に対して矛盾するメッセージ(B)が新たに投げかれられ、どちらにしても叱られてしまう…という結果が得られる。
ダブルバインドはこの「何をやっても叱られる」という心理状況を生み出すのに適しており、これを実行することで「何をやっても叱られる」→「この人に逆らってはいけない」という心理が働き、結果「服従するしかない」という心理状況に陥れることができる。要するに最初から選択肢を奪って自分の意図する所にコントロールする事が可能で、高度なものになると一種のマインドコントロールとしても活用ができる。
とはいえこのダブルバインド状態を意図せずに仕掛けている場合もあり、ひどい場合だとパワーハラスメントに発展することもある。これを避けるのもマネジメントとして重要である。
上記の例②の場合、相手に失敗した理由を言わせるだけではなく「失敗を繰り返さないためにどうしたらよいか」というのを建設的に考える、失敗する前に相談しやすい環境を整えるといった行為が必要である。
ダブルバインドは別にメッセージ2つに対してのみではない。例えば「笑いながら怒る」というのもダブルバインドである。これは普通に怒るよりも心理的に訴えかける力が強く、印象に残る。笑顔で包丁持ってるヤンデレ少女とかゾクゾクするだろ?え、しない?
これの応用として、漫画やアニメなどで普段から笑顔を絶やさないキャラクターが怒ると怖い…という性格付けがされる事も多い。
ネット上でのダブルバインド
インターネット上にもダブルバインドは溢れており、主に荒らし・叩きの手法として蔓延している。
例1……放送中のアニメで「A」という展開に対して不満を流して荒らし行為を行う者が、いざ別の展開「B」になっても結局不満を持って荒らす…というパターン。これはそもそも「荒らしたい」という目的あっての行為である事が多く、論述部分はどうでもいい事も多い。
例2……あることを言われて怒るのは図星、つまり「指摘されたくない・直視したくない事実」だからという社会通念が存在する。蔑称やデマだから怒ったのかもしれないし、その的外れっぷりに呆れて怒りが湧かない場合もある。
では冷静に訂正すればいいのかといえば、そうでもない。この言い回しを使う者は、結局のところ言葉攻めしたい、揚げ足を取りたい、なんでもいいから持論を書きたいという欲望(結論)ありきなので、どっちにしろ「やっぱり図星だ」とレッテル貼りされる流れになってしまう。
そもそも、いくら怒りを抑えるのがマナーといえど、相手を怒らせないのも同様にマナーである。怒らせてしまったなら謝罪が必要であり、もし故意ならば迷惑行為でしかない。
関連動画
関連項目
- 12
- 0pt

