ダブル・アップ・チャンスとは、アニメ・漫画「遊☆戯☆王ゼアル」に登場するカードである。
概要
九十九遊馬の使用する速攻魔法。モンスターの攻撃が無効になったとき、そのモンスターの攻撃力を2倍にして再度攻撃を可能にする。元々、遊馬の父一馬が使用していたカードだが、遊馬にはこのカードの扱い方がわからなかった。
遊馬は親友の鉄男を救うため、札付きの悪、シャークこと神代凌牙とデュエルを行うが、鉄男に連戦連敗の遊馬が敵うはずもなく、すぐに追い詰められていった。しかし、デュエルの最中、皇の鍵で夢の扉を開いたことで、遊馬はデュエリストの精霊、アストラルと出会う。
アストラルの記憶のピース、ナンバーズが世界に散らばったことで、シャークもその一欠片「No.17 リバイス・ドラゴン」を手に入れ、エクシーズ召喚する。しかし、遊馬とアストラルにも1枚のナンバーズ、「No.39 希望皇ホープ」が残され、そのカードをエクシーズ召喚。ホープの効果はモンスターの攻撃を無効にするもの。このカードの使い方に気付いた遊馬は、ホープの攻撃をホープの効果で無効にしてこのカードを発動、ホープの攻撃力を2倍にしてリバイス・ドラゴンを攻撃し、遊馬とアストラルが2人で初めての勝利を手にした。
その後も時々手札などにあったが、使用される機会がなかった。だが、アニメ版ではVSゴーシュ&ドロワ戦で再登場。
アストラルが一時、No.96によって拘束され、危機に陥っていたが、遊馬とアストラルの絆の力によって解放され、アストラルはデュエル中の遊馬の下へ帰る。そして、2人はこのカードと「バイテンション」を合わせて、ホープの攻撃力を2倍にして攻撃し、決着をつけた。
WDC、VSゴーシュ戦でも登場。
ゴーシュの「エクシーズ熱戦!!」(アニメ版)によって遊馬とゴーシュのエース、ホープと「H-C エクスカリバー」がぶつかり合う中、遊馬はホープで一度戦闘を無効にして、その上でこのカードを発動して[1]再び攻撃、エクスカリバーを打ち破って決着をつけた。
Dr.フェイカーとのデュエルでも登場。
ホープの「No.53 偽骸神 Heart-eartH」への攻撃の際、ホープでホープの攻撃を無効化したことをトリガーに発動し、攻撃力を倍にして再攻撃、Heart-eartHの効果により破壊はできなかったが、ダメージは与えた。しかし、Heart-eartHの効果により遊馬たちもダメージを受け、せっかく与えたダメージもライフ回復であまり意味が無くなってしまった。
遊馬とアストラルはいくつものデュエルを乗り越えてきたが、No.96とのデュエルの影響で、アストラルは遊馬の前から姿を消してしまう。アストラルを失ってふさぎ込む遊馬であったが、その隙をついて、ベクター(ドン・サウザンド)は刺客である蝉丸を送り込む。
落ち込んでばかりもいられない状況に遊馬は立ち上がったとはいえ、まだ完全に立ち直りきれていなかったが、そんな遊馬の前にかつての敵であり友達のⅢが現れ、ともに蝉丸と戦うことになる。
そのデュエルの、遊馬の1ターン目(全体で2ターン目)にドローされた。遊馬はかつてアストラルと出会ったときのことを思い出し、ホープとのコンボを行おうとする。永続魔法「速攻予約特典」(効果は下記参照)で一度このカードをセットし、ホープの攻撃を無効化してこのカードを発動しようとしたが、その前のホープの効果自体を「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」によって無効化されてしまったため、攻撃は無効とならず、このカードは発動できないままセットされていた。
その後しばらくセットされたままであったが、Ⅲの「No.6 先史遺産-アトランタル」がエクシーズ召喚され、ホープを装備したアトランタルが攻撃した際、遊馬は「オーバーレイ・ブレーキ」でアトランタルの攻撃を無効化、さらにそれをトリガーにこのカードを発動して[2]アトランタルの攻撃力を2倍に、「速攻予約特典」でさらに2倍し、攻撃力23600となって蝉丸のローカスト・キングへ攻撃。遊馬とアストラルの出会いのカードが、遊馬とⅢの仲間の力を作り上げて蝉丸を打ち破った。
参考:「速攻予約特典」(クイック・リザベーション・リワード)のテキスト
永続魔法
※アニメ「遊☆戯☆王ゼアルⅡ」第113話による
速攻魔法カードの効果の対象になった
自分フィールド上のモンスターが守備モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
1ターンに1度、手札の速攻魔法カード1枚を相手に見せてセットできる。
この効果でセットした速攻魔法カードはこのターン発動でき、
その効果の対象になったモンスターの攻撃力はバトルフェイズ中のみ倍になる。
姿を消したアストラルを救うべく、遊馬は一人アストラル世界へと旅立ち、アストラルを消滅させようとするエリファスとデュエルを行う。
ランクアップを至上とするエリファスに対して、遊馬はランク1の「No.39 希望皇ホープ・ルーツ」で対抗。ホープ・ルーツが自身の効果で攻撃を無効にした際に発動し、ホープ・ルーツ自身の効果で39600となった攻撃力を倍にし、79200となって「NO13 エーテリック・アメン」へ攻撃、勝利した。
アストラル世界から帰還した直後のMr.ハートランドとのデュエルでも登場。
WDCのVSゴーシュ戦や、VS蝉丸戦を見ていたためか、ハートランドは遊馬がこのカードを使うことを読んでおり、「オーバーレイ・ハント」でホープのオーバーレイ・ユニットを奪うことで防ごうとしたが、遊馬は手札から「ストップ・ハンマー」を発動、それによって攻撃を止めることでこのカードを発動し、攻撃力4000となったホープで「No.1 インフェクション・バアル・ゼブル」を打ち破った。
ドン・サウザンドとの決戦でも登場。
遊馬、ナッシュ(シャーク)、カイトの力が一つになった攻撃力102000の「No.39 希望皇ホープ」の攻撃が「CiNo.1000 夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア」によって無効化されたことをトリガーに発動、攻撃力を204000として再攻撃し、ヌメロニアス・ヌメロニアを撃破、ドン・サウザンドを倒した。
このとき、攻撃を止めなければドン・サウザンドの敗北であるため、彼にとってほかの選択肢はなかった。このカードを発動しようとするとき、ドン・サウザンドは「まさか」と反応しているので、彼自身が「ダブル・アップ・チャンス」の存在を知らなかったわけではないと思われる。
ドン・サウザンド戦直後のナッシュとのデュエルでも登場。
ナッシュの「ドロー・リセット・バトル」の効果でシャイニング・ドローされた。「ドロー・リセット・バトル」の効果でホープの攻撃が無効化されていたため、それをトリガーにすぐさま発動、ホープの攻撃力は8000となり、攻撃力3000の「CX 冀望皇バリアン」へ攻撃すれば遊馬とアストラルの勝ちかと思われたが……。
アストラルとのラストデュエルでも登場。
最後の遊馬のターンにドローされた。アストラルは「運命の扉」で遊馬の「FNo.0 未来皇ホープ」の攻撃を無効にしたが、アストラルは遊馬の手札にこのカードがあることを分かっていた。
遊馬はこのカードを発動、未来皇の攻撃力を8000にして再攻撃した。
漫画版のイラストはアニメやOCGと大きく異なり、ロケットのようなものが描かれている。
初回のデュエルでの描写からもわかるように、ホープとコンボするためにあるようなカードであり、ホープでホープ自身の攻撃を無効にして使うことが多い。ほとんどのデュエルで遊馬自身から攻撃を無効にしていたが、VSドン・サウザンド戦などは相手側のカード効果によって無効化されたことをトリガーに発動している。
アニメ5D's では「バトル・リターン」という、攻撃を無効化されたモンスターに再度攻撃を可能にする罠カードが登場していたが、こちらとは異なり、攻撃モンスターの攻撃力は半分になってしまう。ただ、このカードと違ってタイミングを逃す心配がないという点が異なる(もっとも、アニメでは細かいルールが無視されることもあるので、これは明確な差異とは言えないが)。
OCG版
「GENERATION FORCE」(2011年4月16日発売)で登場。
速攻魔法
※「スターターデッキ 2013」収録のカード(ST13-JP024)による
モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスター1体を選択して発動できる。
このバトルフェイズ中、選択したモンスターはもう1度だけ攻撃できる。
その場合、選択したモンスターはダメージステップの間、攻撃力が倍になる。
相手から無効にされた時に使おうと思った場合、対応するのは「ネクロ・ガードナー」など。バトルフェイズが終了してしまう「攻撃の無力化」などの場合は再攻撃の機会もないため使えないし、「次元幽閉」などは攻撃モンスター自体が除去されてしまい、効果を適用すべきモンスターがいなくなってしまうのでこれもまた使えない。さらに、「くず鉄のかかし」は、攻撃無効処理の後に再セットの処理が入ってしまうため、タイミングを逃して発動できない。「光の御封霊剣」に対して発動することも狙えなくはないが、霊剣は墓地で発動するほうの効果もあるため、たらればの要素がつきまとう。
相手が無効にしてくるのを待っているのはあまりにも不確実なので、基本的には自分からコンボを狙っていくことになる。
アニメ・漫画でも何度も使用された「No.39 希望皇ホープ」なら、ホープ自身が攻撃無効の効果を持っており、ホープの展開もそう難しくないので相性がいい。
また、「サイバー・オーガ」とも相性がよく、7800の攻撃力ですぐさま攻撃することができる他、「E・HERO プリズマー」の効果で「サイバー・オーガ」の名前を得ることで、同様のコンボができる。
他にも「タスケルトン」「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン」の効果でも同様のコンボが狙える。オッドアイズ主体ではこのカードが来る前に試合が決まってしまうことも珍しくないため、もしこのカードによるコンボに重点をおくのであれば、「タスケルトン」が向いてるか。
ただ、複雑な発動条件が付いたこのカードより、「巨大化」のような汎用性の高いカードで倍化したほうがよいということも多い。このカードの利点は、元々の攻撃力ではなく、変化したままの攻撃力を参照して倍にしてくれるところ。上記「サイバー・オーガ」のコンボも、「巨大化」では不可能な技である。
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関連項目
脚注
- *ただし、このときの「エクシーズ熱戦!!」は、ホープに強制攻撃させる効果ではなく、あくまで2体を戦闘させるだけの効果であるため、ホープの攻撃を無効にするということは不可能であり、OCGルールで考えると、そもそもホープの効果は発動できないと思われる。
- *後の展開に影響がないためか誰も言及していなかったが、テキストを見る限り「オーバーレイ・ブレーキ」の効果は「攻撃宣言をしたモンスターエクシーズ1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃を無効にする。さらにこのカードは選択したモンスターエクシーズの下に重ねてエクシーズ素材とする。」というものである。
OCGのルールだと、アトランタルの攻撃が無効になった後、「オーバーレイ・ブレーキ」がアトランタルの素材になる処理が入るために、このカードはタイミングを逃して発動できないと思われる。
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