ダブロンとは、麻雀で1つの捨て牌に対し2人のロンがかかることである。二家和(リャンチャホー)とも。
概要
麻雀では他家の捨て牌が当たり牌である場合にはロンを宣言し、和了することが出来るが、当然、その当たり牌が複数のプレイヤーの当たり牌であるという場合も存在する。このような場合に2人からロンが宣言されることを通称ダブロン(ダブルロンの略)と呼ぶ。
本来、麻雀では1つの対局につき和了出来る者は1人であるというルールである。そのため、ダブロンの状況が生じた場合には当たり牌を捨てたプレイヤー(放銃者)の打順から近いプレイヤー(即ち、下家→対面→上家の順)の和了が認められ、もう一方のプレイヤーの和了は認められないというルールが主流であった。これを頭ハネ、上家取りという。
しかしながらローカルルールではあるが、現在ではこのような状況の場合2人ともの和了を認めるというルールが採用されることも多くなっている。この場合には放銃者は和了したプレイヤーにそれぞれ点数を支払うことになる。基本的に場に出ている供託料は全て上家取り(上の解説参照)となるが、積み棒については、それぞれに所定の積み棒を支払うケースと、積み棒も上家取りとなるケースに分かれる。また、ダブロンに親が含まれる場合に、親の連荘を認めるか否かもルールにブレが見られ、
この3つのルールであるが、ゲームなどなら1のルールの採用ケースが多い。
ダブロンの例1
東2局1本場 供託料×1
この場合に、北家はリーチをかけており、西家がを打牌したところ北家と東家からそれぞれロンが掛かったと考える。
まず、頭ハネのルールの場合は東家の和了は認められず、北家のみの和了となる。ドラを考えなければ、西家の支払いは立直+タンヤオ+七対子であり6400点+積み棒300点で6700点となり、それに加えて供託料を受け取って北家は7700点を受け取ることになる。親である東家の和了は認められないため、親流れとなり、次の局は東3局である。
ダブロンを認める場合には、両方の和了が認められるため、東家の和了も認められ、混一色+役牌+ドラ1であり満貫12000点である。ここで積み棒については上家取りのケースの場合にはもらえないが、積み棒は共通に支払われる場合には300点が加算されることになり、西家の支払いは北家と東家であわせて18,700(または19,000)点となる。
連荘については上に示した通り、認められる場合と認められない場合がある。上家取りのケースの場合は上家は北家になるため、認められない。
ダブロンの例2
東家(滝沢和典プロ): 打牌
南家(東城りおプロ):
西家(村上淳プロ) :
北家(仲林圭プロ) :
西家の待ちは 両面待ちで、北家の待ちは国士無双待ちである。この場合に、西家はリーチをかけており、直後に東家がを打牌したところ西家と北家からそれぞれロンが掛かった。
頭ハネのルールの場合は北家の和了は認められず、西家のみの和了となる。今回、裏ドラも乗らなかった西家の支払いは立直+一発+役牌發であり6400点+積み棒500点で6900点となり、それに加えて供託料を受け取って北家は7900点を受け取ることになる。
ダブロンを認める場合には、両方の和了が認められるため、北家の和了も認められ、国士無双32000点である。
なお、このケースは実際に2023年3月6日のMリーグ22-23 第1試合にて発生した国士無双頭ハネという空前絶後の珍事であり、伝説の国士無効としてファンの心に刻まれている。
三家和(トリロン)
ダブロンと同じく、同じ牌に3人がロンを宣言することをトリロン、または三家和(サンチャホー)と呼ぶ。ダブロンは時折対局をしていれば目撃することがあるだろうが、流石にトリロンとなるとそれ程見かけることは多くない。
このトリロンについてはダブロンと同様に頭ハネ(つまり放銃者の下家のプレイヤーの和了を認める)というケース、全員の和了を認めるというケースの他によく用いられるルールは途中流局とみなすルールであり、これは三家和流局と言われる。
一応ルールブックなどでは三家和は途中流局としている場合が多いが、ダブロンによる2人の和了を認めているという雀荘やゲームではトリロンとして全員の和了を認めているケースが多い。
親の連荘を認めるかどうかも放銃者の下家が親であれば連荘とするケース、放銃者が親でない場合には連荘、無条件で親流れなど様々なルールが存在するが、こちらもダブロン同様に放銃者が親でない(=親が和了者に含まれる)場合には連荘になる場合が多いだろう。
トリロンの例
東1局0本場
西家(マサオくん): 打牌
北家(風間くん) :
東家(しんちゃん):
南家(ボーちゃん):
北家は国士無双待ち、東家はの四暗刻単騎待ち、南家はとのシャンポン待ち(で白+発+小三元、で大三元)。ここに西家がを打牌し純正九蓮宝燈を聴牌したところ他のプレイヤー全員からロンが掛かった。
頭ハネルールの場合は和了が認められるのは北家のみで、国士無双32000点の支払いとなる。
トリロンの場合は全員の和了が認められ、北家32000点、東家48000点または96000点、南家32000点の合計112000点または160000点の支払いとなり、普通の初期点棒であれば最早塵すら残らない。
三家和流局の場合は途中流局として、連荘・輪荘の扱いについてはルールによる。西家は苦笑いするしかないだろう…。
なお、このケースは『クレしんパラダイス!メイド・イン・埼玉』の「ふしぎの国のネネちゃん」内の1シーン(通称、マサオくんトリロン)をもとに、本大百科にて書き起こした例である。
関連動画
ダブロン
トリロン
関連項目
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