ダライアスIIとは、平成元年(1989年)にタイトーから発売されたシューティングゲームである。
概要
初代『ダライアス』に続く大型筐体で、2画面のゲーム画面の中で自機を操作する。続編の『ダライアス外伝』以降大型筐体ではなくなったため、21年後の『ダライアスバーストアナザークロニクル』の登場まではシリーズ中最後の大型筐体であった。
本作ではシリーズ恒例となるステージ構成と音楽のシンクロ演出が初めて取り入れられた他、ラスタースクロールによる背景演出など、意欲的なアイデアが採用された。
大型筐体に加えアーケード基板の機能を贅沢に使用したため、当時のハードでは忠実な移植が難しかったものの、次世代機のサターンにも単品移植されるなどの人気を博した。
また、初代ダライアス筐体に対応した3画面バージョンも存在する。ステージ構成などに違いはないが、ショットのSEやヤマト戦の逃げ場の有無など細かい点に差がある。
ストーリー
遠い昔─ 惑星ダライアスは滅び、
プロコとティアットは新天地を求め
惑星オルガで、新世界をきずいた。
数千年後─ 銀河系より怪電波を
キャッチしたプロコとティアットの
子孫は─
それがダライアスの仲間からの
SOSである事をつきとめ─
強力に改造されたシルバーホークに
のり銀河系へ飛んだ。
REACTIONS ON THE RADER !
RECOGNIZED CODE CC30.
DISTANCE 12000 DAL !
3RD AND 4TH THRUST ENGINE,IGNITION !
MAIN ENGINE ENEGY LEVEL, 20% INCREASE !
I ALWAYS WANTED A THING CALLED.
TUNA SASIMI.
ゲームシステム
初代『ダライアス』同様の横スクロール型シューティングゲームで、好評だったステージ分岐や海洋生物モチーフの巨大戦艦といった要素は前作から引き継がれている。
逆に仕様変更となっている点としては、下記のような要素がある(後作に引き継がれている要素も多い)。
アイテム
- 赤勲章
- 1つ取る毎にメインショットがパワーアップされる。が、パワーアップさせすぎて白玉になると逆に弱体化する罠が潜んでいるため、ショットを強い状態に保つには調整が必要。
- 青勲章
- アーム(バリア)がパワーアップする。
4つ取得毎に性能が強化され、緑(ノーマル)⇒銀(スーパー)⇒金(ハイパー)の順に色が変わる。
- 緑勲章
- 取得でボムが前後下方向に撃てるようになり、以降は1つ取る毎に直線⇒地表⇒登坂の順で性能強化。
最強までパワーアップすれば登坂+上方向前後に前作ダライアスと同性能のボムが撃てるようになる。
- 黄勲章
- 勲章を取得する事で敵だけではなく地形も貫通する緑色のレーザーを2本上下に撃てるようになる。
以降1つ取る毎に前方斜め⇒斜め4方向⇒上下6方向⇒2本前方攻撃⇒4本前方攻撃とパワーアップ。
- wp核トーチカ
- 地表配置型と空中浮遊型の2つがある。破壊すると爆発して画面上の敵を全滅させる。
- 金勲章(救済アイテム)
- 小と大の2種類があり、アーム以外の性能が1段階(小)ないし2段階(大)パワーアップする。
残機が1以下の時にのみ出現し、本来のアイテム編隊の持つ勲章に割り込んで出現する。
3~5面で小勲章、6~7面で大勲章が現れる。各々1プレイにつき1度ずつ取得可能。
- 1UPアイテム
- 残機が1機増える。2面と4面に出現する。
ゾーン
7面構成の全28ゾーン。太陽系を舞台に以下の順で木星を目指して進んで行く。途中から経路を選択できる。
太陽(ゾーンA)
水星(ゾーンB,C)
金星(ゾーンD,E,F)
月(ゾーンG,H,I,J)
地球(ゾーンK,L,M,N,O)
火星(ゾーンP,Q,R,S,T,U)
木星(ゾーンZ,V,W,X,Y,Z,V)
ゾーンVとZは2つずつあるが、『ダライアス』と異なりゾーン内容やエンディングには違いがある。
分岐図
設定
本作では他のシリーズには無い裏設定が付されている。
宇宙には人族と幽族という種族がおり、ベルサーは幽族に属していた。幽族は決まった形を持たず、姿を変える能力を持ち、人族の生命の源である海の生物を自身の姿として投影させたのが海棲生物型の巨大戦艦だった。
ただしこれはゲーム中で語られている設定ではない。続編には幽族という言葉こそ出ないものの、幻視や精神学などの非物質的な流れを汲むモチーフが取り上げられ、エンディングによっては幻と戦っていたという類似の展開もある。
音楽
音楽は当時タイトーZUNTATAに所属していた小倉久佳で、初代からの続投。本作では聖書を読みながら神の視座に立ったつもりで作曲したと語っているが、これは当時自分の子供が生まれたばかりだったことも関係があるとしており、実際最終ゾーンで使用された「say PaPa」という曲では子供の声のサンプリング音を利用した曲作りを行っている。[1]。
移植
メガドライブやPCエンジンに移植されている。メガドライブ版に関しては連射数やキャラサイズを大幅に縮小して移植された。リーダインやスチールスピンなどのボス、道中の触手状の敵などでは弾の当たるフレームが悪いとダメージが通らないなどのプレイ上の不具合がある。演出やステージ構成はアーケード版と事なる箇所が多いが、最初に出た移植として本数が出ているためこちらで慣れたユーザーも多いようである。最終ゾーンの音楽の構成はゲームビデオ版の演出を部分的に輸入した物と思われる。評判は賛否あり、肯定的な評者としてマルカツ、電撃系ライターのびいず羽岡、否定的に評した人物はファミコン必勝本の成澤大輔がいる。BGMのアレンジは岩垂徳行。小倉はクレジットでは作曲のみとされているがtwitterでは作業に携わったように発言した。twitter H_ogura
PCエンジン版は『スーパーダライアスII』と改称され発売された。ステージ道中などはメガドライブ版より原作に近い物が多いが、音楽やボスは大幅にアレンジされている。なおアレンジ要素に関しては当初予定から変遷があったものの、当時の専門誌で発売前から報告されていた物である。難易度によってミス時のパワーダウンが緩和されるというフィーチャーが搭載された。当時の評価としては発売延期の繰り返しにより話題に上がる機会自体が少なかったようであるが、徳間書店各紙の読者スコアではメガドライブ版より総合スコアで0.1ポイント上回った。BGMのアレンジはウインズオブサンダーやヘルファイヤーSのアレンジを担当したT's music。既にサービス終了しているが、Wii版バーチャルコンソールで配信されていた。
準・完全移植版としてセガサターン版とタイトーメモリーズ下巻版が存在する。セガサターンでは、解像度を任意に変更できるなど家庭用では厳しかった2画面のプレイ感を解決しているが、縮小時のドット潰れ、トモマヤ砲台のレーザー判定がかなりずれている、得点フォント、SE、連射設定がアーケードと異なるなどの違いがある。タイトーメモリーズ版はエミュレーターによる移植なのでプレイ感はほぼアーケードそのものだが、入力遅延や音質など若干の不満がある模様。しかし2画面のまま遊べるのは当時としては貴重であった。
その後はSwitch、PS4で発売されたダライアス コズミックコレクションに海外版(サーガイア)と共に原作に忠実なバージョンが収録されている。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
脚注
- *ゲー夢エリア51編『テレビゲーム綺譚』P144-145 / 多根清史 他共著『超アーケード』P207-208
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ページ番号: 4687383
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リビジョン番号: 3234267
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